2021年10月19日 16:44
駄菓子店でお菓子を買えず、落ち込む子供 店主の『行動』に、目頭が熱くなる
へと変わっていた。
帰りがけ、ふと店のほうを振り返った私は、思わず、「あっ」と声を上げた。
さっき私が店に運んだラムネ瓶の箱を、腰を屈めた山バアが、店の裏へ戻していたのだ。
申し訳なさと有難さが心の中でぐるぐると交差する中、私は帰り道の坂を下りて行った。
最近、こんなことを教わった。
「優しいという字はニンベンに『憂う』と書く。人の憂いに気付く人を優しい人と言うのではないか」と。
三十数年前のあの日、小学生の小さな憂いに気付いてくれた山バアは、本当の優しさを教えてくれた、最初の大人かもしれない。
grape Award 2020 応募作品
テーマ:『心に響くエッセイ』
タイトル:『優しき山バア』
作者名:安部 飯駄(アベ パンダ)
エッセイコンテスト『grape Award 2021』開催中!
2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。
第5回目となる2021年は、『身の周りであった心温まるエピソード』や、『心が癒されるような体験談』をテーマに作品を募集しています。
今回も、みなさんにとって「誰かに伝えたい」と思う素敵なエピソードをお待ちしております。
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[構成/grape編集部]
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