【日曜劇場『DCU』第1話感想・考察】15年前の事件が鍵を握る、水中ミステリー開幕・ネタバレあり
さらに、このドラマには縦軸となる最大のストーリーが存在します。
それは、15年前の水難事故を巡る謎。
番組冒頭で流れたのは、新名は海上で幼い瀬能を救い、成合(なりあい)と呼ばれる男と、ある鍵を巡って争うシーン。この『ある鍵』というのは、瀬能の父が残したものでした。
「そうか、お前がスパイだったのか」
荒波の中、新名は成合に、間違いなくこう言い放ちました。
その瞬間、船のコードが足に絡まり、成合は新名の助けも虚しく、暗い海の底へと沈んで行くのです。
ここまでが冒頭のシーンでした。
当時、幼かった瀬能は事故の記憶がありません。
それなのにラストの思いがけないタイミングで、すべての記憶が蘇ります。
曖昧だった景色が、少しずつ鮮明になり、その輪郭がはっきりとした瞬間、瀬能は全てを悟りました。
しかし、その記憶はなんと、冒頭のシーンと真逆の構造になっていたのです。
記憶の中で彼を救助してくれた相手は、驚くことに新名ではなく成合にすり替わっていました。
「まさか、お前がスパイだったのか!」という意味深な台詞も、成合から新名に向けて放たれるものとなっています。
新名がスパイ…?なぜこのように記憶が改ざんされてしまったのか、おそらく鮮明に見えて、瀬能の記憶はまだ曖昧なのかもしれません。