2022年2月10日 17:29
【妻、小学生になる。第3話 感想】圭介と麻衣には見えない、今の貴恵が抱える現実・ネタバレあり
『万理華』としての家族環境
万理華がかかえる現実。
家に帰っても母親は家にいない、独りの生活。ご飯もご飯代が置いてあるだけ。一緒にご飯を食べる時も、お互いの顔が見えない離れた場所で言葉も交わすことはない。
部屋には洗濯物だけが積み上げられ、部屋に入る光も少なく、暗く、重たい。
綿飴を食べにいくという約束をした時には、母親としての愛情があることを感じたのだが、結局、千嘉が優先したのは電話の向こうの相手であった。
今の万理華が抱える現実は、冷え切ってしまった家族環境。親の愛情を感じられないまま日々を送り、万理華はずっと孤独だった。
白石家の現状を見ていると、貴恵が帰ってくる以前の『死んでしまった』ときの新島家の記憶が蘇ってくる。
しかし、「ここにママがいてくれたら…」という願いが叶ったことで、新島家は生き返り、今では笑顔のあたたかさが感じられるようになった。同じように千嘉や万理華にも願いがあるのではないだろうか。
それは良い母親として関わりたい、お母さんともっと一緒にいたい、そんな小さな願いかもしれない。
しかし、お互いがそれを口に出せないまま時間だけが過ぎてしまったように思う。