2022年2月10日 17:29
【妻、小学生になる。第3話 感想】圭介と麻衣には見えない、今の貴恵が抱える現実・ネタバレあり
久々の『家族』での外出
そんな中、圭介と麻衣は万理華を水族館に連れ出す。
冒頭では、道に迷うわ、ショーも見れないわ、アイスは食べられないわ、おまけにシャチに大量の水をかけられるわ…と散々な結果に終わった回想から始まったが、圭介はそんな過去をやり直すように奮闘する。
しかし、「やり直し成功!」と思った矢先、万理華が目の前からいなくなり、圭介達から笑顔が消えた。
圭介は万理華に父親がいないことも知らなかった。おまけに親子関係が良好だと思い込んでいる。
圭介が見ているのはあの頃のままの貴恵そのものであり、貴恵も、万理華自身が抱える現実を決して二人の前では口にしない。
圭介には幸せな今しか見ることができないのである。
家族としての毎日も大切にしたい一方、話されない限り知る由もない万理華の現実という高い壁が存在している。
やり直しもできたし、新しい思い出も増えた。しかし、上手くいかなかった前の方が笑えていたのである。
別れ際、お互い振り返っても目が合うことはなかった。
そんな描写からも、また家族に戻るということがどれほど現実的に難しいことであることを思い知らされた。
今の自分は社会的には小学生、そして自分がいることで大切な家族に余計な負担かけてしまうという不安。