【石子と羽男 第3話 感想】『許されざる罪』を描いた第3話 残酷な結末から見えたもの
と言われ続けた。
父の目の輝きはいつも才能への期待だけで溢れ、羽男は弁護士にならざるを得なかったのだ。
それとは反対に石子は、自分から父の姿に興味を抱いた。依頼者の心の棘を抜き、再出発のお手伝いができる弁護士に憧れたのだ。
それもあり、人の些細な変化に気づける石子は、羽男の普段とは違う振る舞いを心配する。
二人は顔を見合わせれば言い合いばかりする凸凹コンビだが、電話越しには和やかな雰囲気だ。
「人に物を頼むときはなんていうのかな?」という、いつも通りの上から目線な感じと、優しく笑う羽男のギャップも垣間見えた。そして「おやすみなさい」という石子の言葉に少し驚いた表情をする羽男。
『才能』としてではなく、『一人の弁護士』として必要とされている実感が、羽男の中で形づき始めていた。
そして依頼を諦めかけていた羽男だったが、フォトグラフィックメモリーの能力で、ファスト映画内で制作陣しか知り得ない未使用のカットが使われていることに気づく。
石子はそれを山田監督に伝えに行くと、監督は既に制作スタッフ・諸星(今井隆文)であることに気づいていた。炎上した原因でもあるファスト映画という罪に手を出してしまったのだ。