【石子と羽男 第3話 感想】『許されざる罪』を描いた第3話 残酷な結末から見えたもの
少しはわかっていただけましたか」
いつもの石子と羽男の掛け合いが、この台詞で重なり合う。その声は右から、左から、視聴者を包み込む。
今この一人の少年の物語に触れるただの『見物人』だった私たちが『当事者』だったみたいに…。
『石子と羽男』第3話が描いた『許されざる罪』
裁判の結果、執行猶予がつき、出所した遼平は、その日、山田監督に土下座し、謝罪する。
「また映画に関わって生きたい」と思う遼平。彼が映画を愛する心に嘘はないだろうし、切った豆苗もまた伸び始めるように、一度ゼロになったとしても、人は何度だってやり直せる。
今作は、そうしたやり直したいと願う人の声にも寄り添ってきたのだ。
山田監督に肩をたたかれ、赦しの言葉が返ってくると期待した表情で顔を上げた遼平に告げられたのは、尊敬する監督からの、何よりの制裁の言葉。
「未熟で申し訳ない、どんなに謝罪をされても、受け入れることはできません」
一度間違えてしまったことを無しにはできない。
今は法律以外にも社会的制裁を受け、そしてデジタルタトゥーとして一生治らない傷を負う。
だがその背景には、それ以上に傷ついた者たちがいる。
大きな声を上げる者たちに隠れた、声を上げられない多くの者たち。