くらし情報『【『初恋の悪魔』感想6話】名前未満の愛おしいもの・ネタバレあり』

【『初恋の悪魔』感想6話】名前未満の愛おしいもの・ネタバレあり

今回、鈴之介は『もう一人の星砂』と出会い、互いに心を寄せあって彼女の過去を知る。

学生の頃に、心無いいたずらで傷ついた鈴之介の思い出に、真剣に怒る『もう一人の星砂』のしなやかな正義感と、つらい過去を語ろうとして中断する星砂に「途中でやめようとした話こそ、いちばん話したい話です」と気遣う鈴之介の、傷ついて生きてきた者特有の優しさが呼応する会話は、見ていてじわじわと熱量が上がっていくような見事さだった。

【『初恋の悪魔』感想6話】名前未満の愛おしいもの・ネタバレあり

刑事の星砂は、傷つきながらも綺麗ごとを抱えて誰かの居場所であろうとする悠日に惹かれていく。

けれども、もう一人の星砂は、過去に『頭がよくて、正しくて、近道が好きな』人々(おそらく良識を振りかざす人々ということなのだろう)に、大切な人である淡野リサ(満島ひかり)との居場所を奪われた記憶から、綺麗ごとを語る悠日には警戒心を抱いて相容れない。


【『初恋の悪魔』感想6話】名前未満の愛おしいもの・ネタバレあり

今回のラストシーン、悠日を拒んで鈴之介の服の肩口を掴む『もう一人の星砂』の手に、見ている私たちも胸がぎゅっと痛む。

これは、異形ゆえに傷ついてきたひとりと、凡庸ゆえに踏み付けにされてきたひとりと、転落の危機を持ちこたえながらぎりぎりで生きているひとりが、互いの欠けたところを補うように惹かれ合う恋の物語だ。

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