【石子と羽男 第9話 感想】放火容疑で逮捕された大庭 しかし、その裏には詐欺事件との関連も?
だが、会えない石子の思いを背負うという責任も強く感じている羽男は、何度も会いに行くことを約束する。
そして二度目の接見。羽男は黙秘を続ける大庭に、石子からの手紙を読み上げる。
「共に時間を過ごす中で、あなたの姿を見てきました」
石子や羽男が見てきた、大庭蒼生という人間の姿。これは私たちも同じように見てきた。
普通なら回想が流れそうな場面に、石子と羽男が紡ぐ言葉だけで語られた。だが、そんな大庭の姿はすぐ思い浮かんだだろう。
大庭を信じたいという気持ちは、見ている私たちもにもあることを実感させてくれるのである。
思いはみな、同じだ。
「今度は私が傘を差し出す番です。ずぶ濡れの私を助けてくれたように、私たちが、大庭さんを雨から守ります」
三人が過ごしてきた時間に間違いはなかった。大庭は、自分信じてくれる二人を信じ、声を上げる。
「弟を…守りたかったんです」
大庭の弟・拓(望月歩)は人との関わりが苦手であり、日中は外を出歩けず、夜に散歩することが多かった。そして偶然実家に帰った夜も、大庭のジャンパーを持って散歩に出かけていたのだが、戻ってきた時はひどく怯え、怪我した状態だったという。