【石子と羽男 第10話 感想】その傘は、誰のために差し出すのか?
実は石子は、下請けの施工業者と刀根の会話の証拠を持って、法廷に駆け付けるはずだったが、御子神のお付きに証拠を取られ、その際に手を負傷していた。
「あなたにも守りたいものがあるならば」と、必死に説得を試みた末に得た証拠を、石子は簡単に手放さなかった。
違法カジノへの潜入の時にも感じた、危険な状況の中でも貫かれる石子の芯の強さの現れだ。
自分のルールを守ることには妥協せず、人に寄り添うためにできる努力を惜しまない石子の姿勢をずっと見てきた羽男。
そんな石子の強い意志を継ぐ思いで、記憶力を駆使し、証拠を見つけることに奮闘していく。
第1話とは大きく異なる、石子と羽男の2人
そして羽男は御子神の居場所をSNSから突き止め、石子と共に会いに行く。
蒸した煙草を車窓から投げ捨て、悠々と車から降りてきた御子神の言葉は『強者』の語り口だった。
詐欺への加担や証拠を持ち去ったことは全て受け流し、法律は自分を含めた強い人間のために存在し、力の弱い人間が勝つようにはできてないと鼻で笑われる始末。
ついには施工業者も口を閉ざし、打つ手無しとなった羽男達。手がかりの糸を掴めばすぐ切られ、見つければ遮られ…の繰り返しだ。