【エルピス 第3話 感想】覚悟を決めた浅川、模索する岸本、2人の『正しさ』とは
『言語という目の粗い道具』では掬いきれぬくらいの純夏の思いを乗せたインタビューは、浅川の正義感を奮い立たせ、感化されやすい若者の中にある正しさを目覚めさせた。
「正しいことなら味方は勝手についてくる」という浅川の言葉は本当だった。
しかし、ぬるま湯に浸かり続けてきた者たちは最も変化を恐れる。番組の体制自体に問題があると念を押すも、製作陣は難色を示していた。
だがプロデューサーの村井喬一(岡部たかし)は賛成する。
当時の刑事の顔出しNGを指摘するなど、ジャーナリズム心に火が着いたかのように思われたが、局長に却下されることを見越してただ投げやりになっただけらしい。
一方の浅川もそれは何度も経験したことで分かりきっていた。
正しいと思うことを貫きたいマスコミだっているのだが、そこには腐りかけた世の中が作り上げてきた壁があるのだ。
覚悟を決めた浅川の『正義』が視聴者を動かす
その夜、話したいことがあると、浅川の自宅に斎藤が尋ねてくる。お酒を飲んでぐったりする浅川の前で、斎藤は一人煙草を吸い始めた。
食べ物すら喉に通らない浅川はまた吐き出してしまう。権力に敵わないと思い知ったとしても、どうしても飲み込みたくはなかったのだ。