【エルピス 第6話 感想】一人で事件を追い続ける岸本 見えてきた構図に最終章への扉が開く
一方、村井は関連子会社へ飛ばされ、岸本は経理部への異動が決まっていた。
番組陣での最後の宴会が行われた。誰もこんな番組の宴会の最後が、和やかな雰囲気になると思ってなかっただろう。
誰も何も期待しない、そんな昨日を繰り返すようなぬるま湯の『フライデーボンボン』の雰囲気は浅川と岸本、あの冤罪事件を中心に変わっていったのだろうか。
浅川と岸本が歌う『贈る言葉』を聞きながら、村井をはじめ製作陣が流した涙や笑顔が、この10年間を『墓場』に捧げた、彼らなりの執着点そのもののように見えた。
ついに浅川は、メインキャスターとして『ニュース8』の舞台に返り咲いた。それからというもの、浅川の毎日は、オンエア中心の生活になった。
1秒も待たずに変化していく世界に追いつくのに必死だった。
浅川には、時間がなかった。
今も一人で事件を追う岸本からの電話を即刻遮ってしまう。
報道っていつも必要以上に忙しい、忙しい、時間ないふりして。
浅川は自分自身に問う。忙しいふりをして大事なことを忘れようとしているだけなのだろうか。
第一話で浅川が報道に対して発したこの言葉が自分に返ってくる。
上層部はこれが狙いだったのかもしれない。