【エルピス 第6話 感想】一人で事件を追い続ける岸本 見えてきた構図に最終章への扉が開く
目紛しく回る報道に浅川を置くことで、あの事件に関して無駄な詮索ができないようにさせたのだ。
新たな問題は、別の問題を隠して、闇に埋もれさせ、見えなくさせる。
情報が広まるのが著しくはやいこの時代でそれは表裏一体となる事実なのだ。
新たなものが積み重なって、奥にあるものを直視できる時間が減っていく。
綺麗な空気に触れる時間が削れて、真実は朽ちて、風化し、忘れ去られていくのだ。
そして問題を追う者の心も同じ結末になる可能性すらある。
皆、冤罪事件を追っていてもジャーナリズム精神だとか、上に良い顔したいからだとか、自分が自分で居続けるためにだとか、松本のために冤罪を暴くことが根底にある者は少ない。
方向を見失えば、真実は簡単に朽ちていってしまうのである。
最終章へとつながる、巨大な構図
そして岸本は一人でも新たな情報を探しに、連続殺人事件が起きた八飛市の商店街の喫茶店を訪れていた。
そこで耳にしたのは、大門が副総理になってからというもの八飛が本城建託の土地の天下になったという話だった。
岸本は商店街のあの場所を訪れる。浅川が謎の男と会った店は、貸店舗となっていた。そしてその横には大門のポスターが貼られていた。