【『ラストマン』感想5話】福山雅治と大泉洋、それぞれの演技があぶりだす過去の陰影
、5話は料理のSNSインフルエンサーをめぐる殺人事件。
卓上に料理を残したまま、人気インフルエンサーが殺害される。
皆実は最初の現場検証で見たテーブルのメニューに違和感を覚え、他の料理インフルエンサーに接触をはかる。
皆実と心太朗は捜査を重ねるにつれ、インフルエンサー間の競争の熾烈さ、そして人気次第で動く金銭の規模を知って驚く。
ひとり被疑者の男が浮かび上がる中、再びインフルエンサーの殺人未遂事件が起こるが、皆実はまだ最初に抱いた違和感を拭えずにいた。
今回も、捜査の最中に「これでまた美味しい料理が食べられる!」と無邪気に語り、心底楽しそうに捜査と美食を並行する皆実の軽やかさは見ていて思わず頬が緩んでしまう。
こういう肩の力が抜けた人たらしの魅力は、福山雅治本人と皆実広見という人物の境界線が重なって滲むようだ。そして、皆実の享楽的な振る舞いは捜査の一環だと頭では理解しつつも、毎度ハラハラしている心太朗の振り回されっぷりが絶妙な凹凸になっている。
料理をめぐる会話のなかで、皆実は殺人犯として服役中の心太朗の父親の思い出について問いかける。素っ気なくいなす心太朗だが、言いよどむ一瞬を皆実は汲み取ったように見える。