【『ラストマン』感想8話】福山雅治と大泉洋、積み重ねた信頼の再確認
今作、ラストマンは3話の俳優殺人では不倫のイメージダウンより正当防衛の殺人を選ぶ展開、5話のインフルエンサー殺人事件では『SNSで力を得るために同業者を排除する』等、SNSや世論の評価と、刑事事件としての重大さのズレやねじれを問うエピソードが多く扱われている。
今回は、同姓同名というだけでネットのデマで生活全てを破壊された青年の復讐劇である。
しかしいざ真実の箱を開けてみたとき、特定の犯人は存在せず、ネットで無責任に石つぶてを投げた人々はどこまでも他人事で、何ともいえない空しい解決になった。
これらはSNSと人の権利の関わりが整備されようとしている過渡期としての『いま』を捉えたストーリーの数々だと思うと興味深い。
逮捕の瞬間、手錠をかけたのは永瀬廉演じる護道泉。犯人として手錠をかけられたのは京本大我。
二人ともアイドルとしての存在感と、有望な若手俳優としての顔を持つ。
『正しさや善』を体現する刑事が、『虚実の狭間で大衆の無責任な言葉に晒され傷つく存在』として犯人を捕らえるそのシーンは、ともにアイドルとしての側面を持つだけに、鋭く胸をつかれる瞬間だった。
バスジャックの解決後、帰国する予定を目前に、皆実は再び心太朗に41年前の事件を共に追ってほしいと説得する。