2023年7月19日 14:11
【『VIVANT』感想初回】堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、鮮やかな個性が渦巻く冒険の始まり
すんでのところで乃木を救い出したのは、野崎と名乗る公安部外事4課の刑事だった。
野崎を演じるのは阿部寛。2015年・2018年放送のテレビドラマ『下町ロケット』(TBS系)、2005年・2021年放送の『ドラゴン桜』(TBS系)と、阿部もまた日曜劇場を代表する俳優である。
大胆にして用意周到、どんな危機にも飄々と対処するダンディズム溢れる野崎は、阿部寛にしか出せない圧倒的な存在感である。
かくして爆弾犯と見なされて現地の警察から追われることになった乃木と野崎は、バルカで医師として働く柚木薫(二階堂ふみ)まで巻き込んで、日本大使館まで怒濤の逃走劇を繰り広げることになる。
ダーティで一見救いのない逃走劇だが、もはや懲戒免職どころか生きぬくことも難しそうなのに、出会う相手に律儀に名刺を渡し、お金を返して下さいと切々と訴える乃木の社畜ぶりが可笑しくて魅力的だ。なるほど、これも堺雅人にしか出来ない。
二階堂ふみ演じる医師の薫はタフで自立したメンタルの持ち主である。
二階堂ふみのインテリで気丈な女は、やはりハマり役だ。
監督の福澤は、番組開始前のインタビューでドラマの内容は明かさないまでも、自身がスター・ウォーズシリーズの大ファンだと語っている。