【『VIVANT』感想7話】堺雅人、二階堂ふみ、阿部寛 真実と愛情の狭間を演じきる妙技
というテント幹部の言葉が印象に残った。
その一言で、彼が組織にとって大切な御曹司なのだとわかる。
まだセリフは少ないノコルだが、眉間にシワを寄せた表情や神経質な振る舞いから、どこか満たされていない、憂いをまとった青年を二宮和也がその演技力で繊細に表現している。
血縁の有無はまだ分からないが、ベキが家族の写真を見る横顔を黙って見つめている表情からも、そして乃木が「自分はベキの息子だ」と叫んだ瞬間に咄嗟に銃を弾いた判断からも、ノコルがベキの『本当の息子』に複雑で少なくない感情を抱いているのは間違いない。
遙か過去に生き別れた本当の息子と組織を継ぐべく運命づけられたもう一人の息子。
その対峙がどんなものになるか、そこにあるのは協力関係か敵対か、それは来週明らかになるだろう。
今回のラスト、乃木は別班の同僚四人を射殺し、黒須(松坂桃李)には重傷を負わせ、テント側に寝返る。
乃木の最終的な目的は何なのか、どこまでの覚悟で国を裏切っているのか、それともその裏切り自体が別班としてフェイクなのか、憎らしいほどに先は読めない。
しかし、相手の言動を互いに信じられないと熟知した上で、乃木は公安の野崎(阿部寛)