雨に打たれながら必死で走る親子 それに気付いたバスの運転手が…?
子供達の靴は既に雨に濡れてびしゃびしゃ。
「ママ、待って。そんなに早く歩けないよ。」
「頑張れ、頑張れ!早くしないとバス行っちゃうよ!次のバスだと学校に遅れちゃうよ。」
その瞬間遠くに見えたのです。私達が乗るべきバスが丁度バス停を出発しようと動き始めたのを。
「ああ、待って!」
手を精一杯両手を振りながらバスに向かって全力疾走すると、その姿に気が付いてバスはその場で止まってくれました。
「サンキュー ベリー マッチ!」
息を切らせながら3人で転がるようにバスに乗り込むと、バスの運転手さんがにっこり笑ってこっちを見ていいました。
「いい走りでしたよ!あなたのこと置いていきませんよ。大丈夫ですよ。」っと。
運転手の笑顔が心の奥に染み入って、温かいモノが流れていくのがわかりました。
そしてその日の午後、学校終了時間に合わせて私はまた学校に向かい、今度は子供達と一緒に帰りのバスを待ちます。(子供だけでは帰れない規則です。)
「あ、来たよ!」
バスに乗りこむと運転席に座っていたのは朝の運転手さん!
「学校はどうだった?楽しかった?」
子供達は嬉しそうに、そして、恥ずかしそうに運転手さんに向かって大きく頷きました。