雨に打たれながら必死で走る親子 それに気付いたバスの運転手が…?
「朝の運転手さんだ、優しいね。」
耳元で囁く息子。そして続けます。今日は宿題で本を探すために図書館に行きたいのだと。
そこで、バスの揺れに身を委ねながら、私は席を立ち運転手さんのところに行きました。私達は最近越してきたばかりだということ、今から図書館に行きたいのだけれど、最寄りのバス停はどこなのかわからないので助けて欲しいこと。
すると、その運転手さん、何と他のお客さんもいたのにもかかわらず、バス停のないところでバスを停車させてくれたのです。そしてこう言いました。
「ここが一番近いですよ。
降りたら左に向かって歩いて行ってください!頑張って!」と。
「え!」
私の目が点。バス停もないところで降ろしてくれただなんて。そして他の2,3人のお客さんも何も言わずにそうすることを許可してくれただなんて。
またまた心の芯が熱くなりました。
「いい一日をね!またね!勉強頑張ってね!」
そういって運転手さんは子供達の頭を撫でてくれました。
子供達は覚えたてのサンキューと満面の笑顔で駆け足でバスを降りました。
私は他の乗客の方々に向かって大きく一礼し、再度運転手さんに心からの有難うを伝え子供に続いてバスを降りました。