少年航空兵として空を飛びたかった父親 人生に悩む娘にかけた『ひと言』が、深い
とにかく苦しくて苦しくて、どういう生き方をしたらいいのかわからない、迷子になっちゃった…そんな曖昧で的を射ない話だったような。
その時の父の助言が私の一生の道しるべになるなんて、あの時は思ってもみませんでした。
でもそのあと何度もつまずいて、その度に父の言葉が私を救ってくれたのですから、これはもう私だけの宝ものです。
頭のすみに心の中に常にこびりついています。
ありきたりに言えば座右の銘です。
いわく「低空飛行というのはかなりの技術を要するんだ。墜落しないギリギリを飛ぶんだからな。墜落しない自分に自信を持っていいんだよ」。
父は第二次世界大戦時、少年航空兵としていざ飛ばんというタイミングで終戦を迎えた人。死んでも飛びたかったとのたまうような人でした。だから妙に説得力あり。
それにしても、こんなに優しく勇気を与えてくれる言葉があるでしょうか。
不器用な父の愛情を受け止める感受性を幸いにも持ち合わせていた私です。
以来、壁にぶつかった時にその言葉を思い出しては明るく強く乗り越えてきました。
父には心から感謝しています。存命のうちにそれをちゃんと伝えられなかったのですが。