2021年4月4日 13:10
優しく穏やかな父を見ながら、一生懸命に自分を支えながら生きることを学ぶ
「暖かくして出るから大丈夫」と言って、こちらの心配を受け取ってくれません。
「決めたことをやらないと、一気に弱っていく気がする」
役に立っていたい。決めたことをする。これが、高齢の父を支えるルールなのです。
マンションの小さな庭に畑を作り、夏にはプチトマト、なす、ピーマン、ゴーヤ、オクラなど、秋から冬にかけては水菜、小松菜、ほうれん草など。
自分が食べる分だけではなく、私の家、妹二人の家にたくさん分けてもらいます。小さな畑作りも父の楽しみ、生きがい、そして私たちに食べてもらいたいという思いがエネルギーになっているのだと思います。
生きているということ。
ここにいるということ。これが私、ということ。
若い頃に『存在証明としての何か』を求めていたように、年齢を重ねるほどまた『生きている証』を求める。
若い頃は外に向けての思いだったのが、高齢になると自分に向けての思いになる。
私も、作詞をしたり文章を書いたり外に向けて発信していますが、と同時に自分自身に向けての言葉を綴りたい衝動を覚えることがあります。
いつか、肉体的に人の支えなしでは生きられない時が来る。その時であっても、生き方を見せていくことはできるのではないか。