2021年7月31日 05:00
【TOKYO MER感想 4話】生命への誠意を信じるということ・ネタバレあり
したのは、本来ならMERを潰したいはずの医系技官の音羽で、それでもなお可能性に迷う高輪の背中を押したのは元夫である喜多見だった。
音羽がMERに対して悪意があると喜多見も高輪も気づいている一方で、医師としての音羽の判断にはきちんと信頼をおいているのだと分かる描写が面白い。
音羽は官僚としてより高みに上り、そこから制度改革をして、より『大きな船』で人を救いたい野心と、今目の前で危機にある『激流の小さな船』の命を救いたい願いで、常に大きく揺れている。
熱い気持ちを押し殺しても、ふとした拍子に漏れでてしまう賀来賢人の演技がいい。
人間味あふれる喜多見の一面が垣間見えた『TOKYO MER』第4話
対する喜多見はここまで揺れず、誰に対してもブレていない。しかしそんな喜多見が4話目にしてわずかにブレた。
誰に対しても丁寧かつ親切に、しかし緩やかに一線を引いているかのような喜多見が、移植手術を迷う元妻である高輪にかけた励ましの言葉は「大丈夫。千晶ならやれる!」。
いつも、「~できますよ」「~しましょう」と他者に柔らかく語りかける喜多見が、半歩踏み出したファーストネームの呼び方とラフな言葉の激励。