【TOKYO MER感想 第7話】ヒーロー未満の人生を生きるということ・ネタバレあり
それが喜多見なりの誠実なのだろう。

今回はベトナム出身の看護師のミン(フォンチー)が、看護学校に通った頃の話もあり、無邪気に見えるミンもまた苦労人であることが示唆されている。
冬木の家庭の話といい、喜多見の謎の過去といい、順調に生きているように見える誰かが実は痛みを抱え、表に見せない憔悴とともに生きているということなのだと思う。
息子に、離れて暮らす理由を夫婦の不仲ではなく父親として自分の仕事にそれだけの価値があるからだと嘘をついてでも思ってもらいたい冬木の願いが切ない。
仕事の現場では、もちろんサポート役としての自分に誇りを持っている。それでも麻酔科医という仕事はその難しさや重要さに比べて、どうにも世の中の認知度が低い。
しかし重傷で運び込まれた冬木の息子の手術は、エースである喜多見1人の技術だけでは助けられない。あわやというところで MERチーム全員が集結して無事に切り抜けて終わる。
クライマックスの魅せ方が光る『TOKYO MER』第6話
1人で奮闘する喜多見の技術が卓越しているということを存分に見せてなお、やはりチームでなければ大きな仕事はなし得ないと痛感させるクライマックスの魅せ方は素晴らしかった。