くらし情報『NHK過労死記者母の慟哭「大好きな仕事で亡くなるなんて…」』

2018年7月29日 11:00

NHK過労死記者母の慟哭「大好きな仕事で亡くなるなんて…」

’17年3月、ようやく症状が落ち着いて退院すると、恵美子さんは過労死遺族も参加するシンポジウムに足を運ぶようになった。

「家に閉じこもりきりでは、気がめいるばかりですから」(恵美子さん)

’15年12月、電通の高橋まつりさん(享年24)が自殺し、’16年に過労死認定されてから、過労死は大きな社会問題になっていた。しかし、NHKは、電通事件は大きく報じても、自局の未和さんのことには触れもしない。労働問題専門の解説委員さえ未和さんの過労死の事実を知らなかった。

「局内で未和の過労死は周知されていなかったんです。それは未和の命が軽く見られているということじゃないでしょうか」(恵美子さん)

昨年の命日にはNHKから直前になっても連絡がなかった。「このままでは未和の過労死がNHKの中で風化してしまう」。両親の危機感はつのり、守さんは報道センター長に局内での周知を要求した。
その後NHKと両親の間で何度か話し合いがもたれ、10月4日の『ニュースウォッチ9』での公表につながった。番組最後のたった2分の報道だった。

6月には、上田良一会長が謝罪したが、それで、両親が納得できたわけではない。

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