2019年5月30日 11:00
きっかけは自らの不祥事なのに…NHK受信料「法廷闘争」の歴史
《自家用車のカーナビでも、NHK受信料の契約義務が生じる》
そんな驚きの判決が、東京地裁で下ったのは、5月15日のことだ。
テレビは持っていないが、テレビ放送が視聴できるワンセグ機能付きのカーナビを所有する女性が、契約義務がないことの確認をNHKに求めたこの裁判。女性は「カーナビは交通案内のため」と主張したが、東京地裁は「放送を受信する目的がないとは認められない」として、女性の訴えを退けた。
今年3月には、ワンセグ付き携帯電話にも、受信料の契約義務があるという判決が最高裁で確定している。元NHK職員でアゴラ研究所代表の池田信夫さんは次のように語る。
「まったく別の目的で購入した電化製品でも、ワンセグ機能が付いている限り、NHKと受信料契約を結ばないといけない。そんな判決が相次いでいます」(池田さん)
さらに、今までNHKが制限されていた、テレビ放送と同時のインターネット配信を可能にする放送法の改正案が、5月29日に現国会で成立した。これは、近い将来、スマホやパソコンで、ネットを通じたNHKのライブ視聴が可能になることを意味するのだが……。
「ネットに接続されているスマホやパソコンを持っていると、“NHKを受信できる”と見なされてしまうようになる。