くらし情報『父からの性虐待、母が全力で守ってくれたら――』

2019年7月29日 11:00

父からの性虐待、母が全力で守ってくれたら――

裁判官は「抵抗できないほどの暴力や、心理的極限状況に追い込まれていたわけではない」と判断した。

「幼いころから性虐待を受けていたら『抵抗してもムダ』という気持ちになるんです。しかも、彼女には2人の弟がいた。父の性虐待が世間に知られて仕事を失ったら、弟たちが生活できなくなると心配していたといいます。なぜ、そういう被害者の心理が理解できないのでしょうか」

’17年7月、110年ぶりに性犯罪に関する刑法が厳罰化された。しかし、多くの問題が残っている。抵抗できないほどの暴力や脅迫があったと証明できないと罪に問われないなど、被害者側にとって立件のハードルが高いままだ。

ゆかりさんは、ときに相談者に会って話を聞くこともある。


「私に寄せられる相談の9割が、父からの性虐待を母に相談したとき、『見て見ぬふりをされた』ことが心の傷になっています」

母親の対応も、被害者のトラウマを深くする。ゆかりさん自身もそうだった。

「私も、母親が全力で守ってくれていたら、40年近く苦しまなくてすんだかもしれません」
ゆかりさんは1970年、香川県高松市に生まれた。父は、地元の有名企業に勤める会社員。母は、専業主婦だった。

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