くらし情報『野澤亘伸はなぜ世界で20年間、子供の貧困を撮り続けるのか』

2020年7月24日 06:00

野澤亘伸はなぜ世界で20年間、子供の貧困を撮り続けるのか

日本では絶対に見ない行動なので驚いていたら『今日生きるのがやっとの人たちに、自分ができることをしているだけだ』と言われて、「そうだよなぁ」と思いました。取材して報道しても、貧しい人たちの生活がすぐに変わるわけではない。彼らにとっては、今日ご飯を食べられることの方がずっと大事なことです。自分がしていることが無力に感じて、虚しさを覚えたんです」

2000年、日本ユニセフ協会が内乱から半年後の東ティモールに視察に行くことになった。当時、野澤さんが契約していた週刊誌が同行取材することになり、野澤さんは初めて現地へ赴く。

「その取材成果を日本ユニセフ協会と大使のアグネス・チャンさんがとても気に入ってくれて、翌年から私に直接同行依頼がくるようになったんです」

以来、定期的に世界各地の貧困と対峙するようになった野澤さん。世界の貧しい少年少女とのエピソードは尽きないが、そのなかでも特に思い出深い記憶を聞いた。

「ブルキナファソで会った街灯の明かりで勉強をする少年。
彼の家は狭く、弟や妹がいて勉強する場所がない。夜、家の手伝いが終わった後、いつも道端の明かりの下でノートを開いてその日の授業の復習や明日の予習をする。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.