くらし情報『野澤亘伸はなぜ世界で20年間、子供の貧困を撮り続けるのか』

2020年7月24日 06:00

野澤亘伸はなぜ世界で20年間、子供の貧困を撮り続けるのか

「写真もカメラマンが自分の作品として見せるようなものであってならない。ポートレートではなく、写された人たちの背景がわかりやすいもの、子どもが自分と重ね合わせて見られる写真。あと興味を引くレイアウトを意識しました」

今後も変わらず、世界各地を訪ね、取材し続けるという。

「趣味の昆虫観察・撮影を兼ねて南米や東南アジアにも行っているのですが、そこでは現地の人々は生活のために原生林を切り開き、コーヒーやアブラヤシを植えています。遠くから見れば同じ緑でも、そこに行けば本来あった自然は失われている。スマトラやジャワでは、奥地まで恐ろしいほどのスピードで開発は進んでいます。そのツケは近い将来に地球規模で影響が出るでしょう。

でも、私には開発をやめろとは決して言えません。
そこには今日を生きるのが精一杯の人たちがいるのです。そして、作られたコーヒー豆の一番いいものは、日本に運ばれているのですから。昆虫観察は、人間の自然環境への関わり方をリアルに見ます。これからも色々な国に足を運んで行くつもりです」

柔和な笑顔の一方で、フォトジャーナリスト魂を感じさせる野澤さん。最後にこう訴える。

「援助や支援をする自分に、偽善を感じてしまうことはあると思います。

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