2021年12月27日 15:50
中学2年で全日本カート選手権優勝 堂園さん親子の二人三脚
「将来の目標は、F1レーサーです」
あどけなさの残る顔を真っ直ぐこちらに向けて、彼はキッパリとこう言った。
パイプフレームにむき出しのエンジン、タイヤ、それにシート……、必要最小限のパーツだけを取り付けた簡素で小さな車体で競い合うレーシングカート。モータースポーツの最高峰・F1への登竜門とも言われ、いま世界で活躍するトップレーサーのほとんどは、このカートの経験者と言われている。
そのカート界でいま、まばゆい才能を発揮しているのが彼、堂園鷲(しゅう)選手だ。若干14歳、中学2年生の彼は今年、大人も参戦する全日本カート選手権のFS-125(シニア)部門で、見事シリーズチャンピオンに輝いたのだ。
鷲くんが初めてハンドルを握ったのは2歳半のとき。趣味でカートに乗っていた父・謙さん(56)が、芝刈り機のエンジンを積んだキッズ用カートを買い与えたのが最初だった。以来12年間、父と息子は2人で、二人三脚で走り続けてきた。
「鷲はどこのチームにも所属していませんし、スクールに入れたこともない。だから、ドライビング技術などを教えた僕が、ここまで彼を1人で育ててきたんです」
こう謙さんは胸を張る。