くらし情報『「上田紬」女性伝統工芸士、家業でなく“女優”選んだ過去』

2017年8月4日 11:00

「上田紬」女性伝統工芸士、家業でなく“女優”選んだ過去

1年後、カリナさんは同期15人中3人の合格者の1人となった。見事、座員として迎えられたのである。

「前進座は祖母も大好きだった劇団なんです。やっと自分の道が開けた!そう思いました。憧れの舞台に立てて、地方巡業の旅にも行ける。それに前進座はお給料制でしたから、私の将来はこれで保証されたって(笑)」

しかし、役者の世界は甘いものではなかったのである。とにかく先輩たちから叱られどおしだった。

「たまに端役をいただいても、コテンパンにダメ出しされましたね。
前進座は時代ものが基本なんですけど、着物はきちんと着て当たり前、着崩れるなんて許されない。歩き方から所作からメークまで、あらゆることで怒られました」

期待と現実のギャップに悩み、思い悩んだ末、’04年1月、31歳にして前進座を退団。身も心もボロボロだった。そこでカリナさんは思い切った行動に出た。先のことはまったく未定のまま、アイルランドに向かったのだ。

「とにかく日本から遠い、知らない世界に行きたかったんです。すべてをリセットして、自分を見つめ直したかった」

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