2018年4月9日 16:00
遺産の2次、3次の継承先を決められる「家族信託」の始め方
それだけなら費用はかからないが……。
「必ずしも公正証書にする必要はありません。しかし、対外的により明確にするため、手数料はかかりますが、公正証書にしておくのが原則です。手数料は信託財産の評価額や契約内容によって変わる。たとえば、評価額が3000万円くらいなら、費用は3万〜4万円前後でしょう」
正しく書類を作り、運用するためには、家族信託に精通した弁護士や司法書士、税理士といった専門家に相談するのがいちばんだ。重要なのが、信託する人が元気なうちに行うこと。
「親が認知症と診断されたり、判断能力に陰りがでてきてから、慌てて相談に来る方が多い。できれば、本人が元気なうちに相談してください。
どんな老後を過ごしたいか、どう資産を残したいのか、親子でしっかり話しましょう」
そして、手続きの前に、宮田さんが強く勧めているのが「家族会議」だ。
「家族信託には家族全員の意向を盛り込むことが大切です。親がどんな財産を持っているかをオープンにして、意向を子どもに伝えておくこと。“家族会議なんて開いたら、取っ組み合いになっちゃうよ”と言う人もいます。