2018年6月2日 16:00
アルコール依存症からの回復「自分をすきになれてよかった」
すべての根っこは、自分自身を肯定できない苦しみでした」
’01年、長女が誕生。3年後、次女を出産したが、夫との溝が徐々に広がり離婚。そんなとき、以前から関心のあった外資系スーパーが地元で開業することになり、面接を受けた結果、総務系の仕事で採用となった。すべてがうまくいく、はずだった。
「やりがいはありましたが、とにかく仕事がハード。このまま学童保育と職場の往復で終わるのかと悩みながらも、この選択をしたのは私自身。もっともっと強いシングルマザーにならなきゃとの思いで踏ん張ったんですが……」
ある日、気付いたら、1杯のワインを手にしていた。10年以上やめていたアルコール依存の日々が再開。
飲まなければ出社はもちろん、子どもを学校へ送り出すこともできなくなっていた。
「もっとしっかり。あなたはお母さんでしょう」と自分に言い聞かせて、地元の自助グループに通い始めたころ、旧知の矢澤祐史さん(42)から、電話が入る。
矢澤さんは、’05年に奈良の施設を第1号として開設していた、依存症回復支援を行うワンネスグループの創設者である。