くらし情報『「南海トラフ地震」特別な注意の呼びかけが終了しても「深刻度は変わらない」。いちばん怖いのは「自分は大丈夫」という思い込み!』

「南海トラフ地震」特別な注意の呼びかけが終了しても「深刻度は変わらない」。いちばん怖いのは「自分は大丈夫」という思い込み!

臼田先生ひとつ、見習うべき事例を紹介しましょう。私もこれを聞いて「へええ」と唸ったのですが、とある地方の集落に、独自の避難基準があるんです。それは「雨が降り始めたら、180mlが入る日本酒の空カップを屋外に置き、雨水が1時間で2センチ溜まったら区長に連絡する」というルールです。それを受けて、区長は区民に「警戒を開始」と呼びかけます。そのうえで、「◯◯橋のこの位置まで川の水位が上がった」ら、避難指示が出ていなくても集落全員が「避難を開始」と決めているのです。

ーーこれまでの経験で培ったその土地ならではのルールがあるのですね。

臼田先生「行政からの避難指示」だけではなく、自分たちで考えて決めることがいちばん重要なんですよ。

■地震発生確率が低いとされている土地でも、大地震が来た

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ーーしかし一方で、私たちは「自分の家は大丈夫だろう」といったように、事態をつい楽観視してしまう“正常性バイアス”を持っています。
これにとらわれていると、避難のタイミングを逸してしまう恐ろしさがありますよね。

臼田先生おっしゃるとおりで、万一に備えて逃げる訓練を常々しておくことが大事です。東日本大震災以降、海沿いの自治体は津波を想定した避難訓練を徹底してやるようになりましたが、徐々に「津波なんてそんなに来ないだろうし、もうやらなくていいのでは」

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