ミュージカル『17 AGAIN』で初舞台を踏む竹内涼真の胸中 【世界初演の注目作!】ミュージカル『17 AGAIN』連続インタビュー第1弾
まだ何も始まっていないし終わってもいないのに、谷さんにはすでに何度も感謝していますね。
──映像と演劇で、お芝居のやり方に違いを感じました?
全然違いますね。これまで映画やドラマでしてきた演技が、舞台だと通用しないことがよくわかりました。
映像だと、セリフは”相手”に伝えるもの。でも舞台の場合、相手だけにセリフを言っても観客の皆さんに届かないんですよ。「いま相手にこんなセリフを伝えています」って状態を見せなきゃいけない。自分と相手役の方だけで完結させず、観客に届けるための意識も必要だとわかった時には一瞬パニックになりましたね。
──その考え方、谷さんがツイートされていた世阿弥の能楽論「離見の見」ですね。
演者が、自分から離れて観客の立場で自身の姿を捉え、演技についても客観的な視点を持つことが大切である、と。谷さんは「立ち稽古初日で“離見の見”が話題に挙がった」とおっしゃっていました。
まさに! でも僕、最近ドラマで客観的に自分を捉えることをやめていたんですよ。観客の視点を取り入れて演じると、どうしても「こう見られたい」って自意識が入り込む。それってキャラクターを演じる軸がブレてしまうことでもあるんです。