ミュージカル『17 AGAIN』で初舞台を踏む竹内涼真の胸中 【世界初演の注目作!】ミュージカル『17 AGAIN』連続インタビュー第1弾
だから客観は監督に託そう、って。
ただ、演劇の世界では役者も観客の立場から自分を捉えて表現しないと届かない。映像におけるお芝居の考え方とまったく違うことに、稽古の早い段階から気づかせてくれた谷さんにはやっぱり頭が上がりません。
──具体的に、どんなシーンを稽古していて気づいたんですか?
驚き、怒り、悲しみ……マイクの感情が大きく動いた瞬間ですね。映像だったらカメラがアップしてくれるから、表情でその変化を見せられる。たとえば日本人を演じる場合、喜怒哀楽や本音は“隠す”お芝居がリアルなんですよ。それでもこぼれてしまう瞬間に、ドラマがある。
一方で舞台は映像と違ってカメラに“寄って”もらえないから、体全体で表現する必要があります。
でも場数を踏んでいない僕には、まだその引き出しや筋肉が圧倒的に足りなくて。
──演劇におけるお芝居の“筋肉”を、谷さんと二人三脚で鍛えている最中なんでしょうか?
そうですね。たとえば「ここで一度立ち止まってみたら、マイクの悲しみが伝わるんじゃない?」と実際に谷さんに演じていただく場合もあります。そこからイメージを膨らませる作業を繰り返していくような。
──1ヵ月半後、開幕の時にどれだけ筋肉がつくか楽しみですね!
僕らしく演じるということももちろんですが、まず基本動作を徹底したいですね。