まるで老舗ホテルかのように、行き届いた心配りを見せつつも間違いない高級感を漂わせ、分け隔てなく一人一人のゲストを大切に迎えてくれる、輝かしい存在です。
公共空間では艶のあるダークウッドと、たっぷりとあしらわれた観葉植物の緑が、なんともエレガントかつ、どこかミステリアスな雰囲気を演出。
ロビーでは、1903年からここにあるというモザイクの床が歴史の重みを感じさせ、一方、ダイニングルームでは、吹き抜けの天井が屋外にいるかのような新鮮な爽やかさを感じさせます。
ライブラリーに備え付けられた、時代ものの暖炉や、わざわざフランスから輸入したという螺旋階段といったディテールは、見るからにゴージャスだけれど、視線を独り占めするのではなく、あくまでこのドラマチックな環境を演出する要素の一部として存在しているのもさすが。
廊下やちょっとしたエリアには、“ノマド”をキーワードに、旅をテーマにした額やハーブの押し花といったさりげないアートが飾られていたりします。客室階では、デザイナーのジャック・ガルシア(Jacques Garcia)が20代の時に住んでいたというユニークなアパルトマンにヒントを得た、もう少しボヘミアンな雰囲気が漂っています。