宅間孝行×田中美佐子の手で蘇る“のり平芝居”、東京喜劇として
撮影:石阪大輔
2021年1・2月に上演される「よみがえる明治座東京喜劇 -ニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』全力応援!!-」。高田文夫の企画によって、舞台作品と寄席演芸(ゲスト日替わり)の2本立てで構成される本公演のうち、第一部の喜劇『こちとら大奥様だぜぃ!』の脚色・演出を手がけ出演する宅間孝行と、主演の田中美佐子が取材に応じた。
高田の敬愛する三木のり平が打ち出した“笑い”を現代に蘇らせ、「東京喜劇」として観客に差し出そうと企画された本作。この東京喜劇を体現する者として高田が白羽の矢を立てたのが、笑って泣かせる人情喜劇を得意とする宅間だった。宅間は今回、のり平劇団の作家・小野田勇による『俺はお殿様』を大胆にアレンジ。主人公をとある藩主の“奥方様”に翻案し、放蕩三昧の夫(前川清)に愛想を尽かして城を飛び出した彼女の行く末をドタバタコメディーとして描き出す。
落語から派生したストーリーには、のり平らしさが覗く。宅間は、本作のモチーフである「らくだ」や「松曳き」といった古典落語のおかしさを、どうやって現代人に伝えようか試行錯誤。
その結果、「今の時代に江戸のエッセンスを乗せて爆笑をかっさらう噺家さんのスタンスを見習って、古典の中にあるオーソドックスな笑いをきちんと伝えたい」