住宅性能の「トレードオフ」にご用心!中古物件購入の際は要チェック
つまり、お金をかけて次世代省エネルギー基準の快適なマイホームを建てたはずだったのに、実際に暮らし始めてみると、(天井の断熱材が規定の半分しかないことから)屋根や天井内にこもった熱で、家の中がちっとも涼しくならない。
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逆に冬は、天井や屋根から熱が放出され、暖房があまり効かないことに気づかされたのです。
このように、数字のマジックで建物全体のQ値は変わらなくても、実際はまったく快適ではない住宅が「次世代省エネルギー基準の適合物件」として、少なからず誕生しました。
そしてその要因の1つにあげられるのが、国技交通省が認めたトレードオフのルールだといえるでしょう。
新しい住宅省エネ基準の施行によって、トレードオフのルールはなくなりました。
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しかし、旧住宅省エネ基準で建てられた中古住宅を購入しようとする場合は、天井や屋根に充填された断熱材の厚さにも注意する必要があります。
特に、平成11年(1999年)から平成27年(2015年)3月31日までに建てられた小屋裏収納やロフトのある一戸建て住宅をはじめとして、勾配天井や吹き抜けのある一戸建て住宅、さらに三階建て住宅などを購入する場合は、念入りに確認する必要があるでしょう。