4倍値上げのガトーショコラが「バカ売れ」するようになった理由
当然のことながら、ただ価格を上げるだけではなく、素材やレシピを含めた味を最高級のものにするための努力をしていることが大前提ですが。
■自分だけの製品をブランド化することで利益を得る
どちらかといえば、ビジネスの調子が落ちるとすぐに値下げして、買いやすさをアピールしようというのが一般的な考え方かもしれません。
しかし「戦略なき値下げ」をすると、営業利益と「見た目の価値」が同時に落ちてしまうことに。
ケンズカフェ東京の例でいえば、お客様にとっては1,500円のガトーショコラよりも3,000円のガトーショコラのほうが「ありがたみ」があり、よりおいしく感じられるということ。
もちろん、必ずしも高価格に設定することが正しいわけではないでしょう。ただし、「ライバルよりも安ければより多く売れる商品」とは、どこでも買えて、独自化されていない製品やサービスだけ。少なくとも中小企業や個人事業主がすべきことは、自分だけにしかできない質の高い製品をブランド化することによって価格を設定し、十分な利益を確保することだといいます。
よって、この問題の正解は「いっそのこと値上げする」になるわけです。
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このように身近な話題を題材にしているだけに、マーケティングの本質を無理なく理解できるはず。