くらし情報『「若い読者から『この主人公、大嫌い』と言われたことが。世代間ギャップですかね(笑)」 #窪美澄さん 2』

2022年9月28日 03:40

「若い読者から『この主人公、大嫌い』と言われたことが。世代間ギャップですかね(笑)」 #窪美澄さん 2

その話を聞いて、なるほどと思いました。この男の子の家は離婚家庭で、お父さんが再婚して新しいお母さんがいて、赤ちゃんが生まれて、でもなんとなく、家族がうまくいっていない。そんな気がしたんです。

――窪さんは実際に男の子を部屋まで連れて行ったのでしょうか?

窪さん玄関先でお父さんにお子さんをお渡ししました。とても若いお父さんで、リモートワーク中だったのか、非常に疲れている様子でした。

その男の子とはそれきりなのですが、自分のしたことはあれでよかったのだろうかという想いがずっと頭の中にあり、なかなか決着がつかなかったんです。そうした想いがこの作品の始まりです。

――小説の中には、小学生の男の子・想くんと交流をする高齢女性・佐喜子さんが「つらい思いをするのはいつも子どもだけれどもね。
それでも、生きていれば、きっといいことがある」と語りかける場面があります。佐喜子さんの言葉には、窪さんの想いがにじみ出ているようにも感じられます。窪さん実はその後、男の子のお父さんを見かけたことがあるのですが、やっぱり疲れている様子だったんです。コロナ禍によって大人が余裕を奪われてしまい、そのしわ寄せが子どもにいっているように感じています。

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