【知って得する!保険の基本】教育資金準備計画の死角
」
「そういう意味か!お父さんすごい!」
由里子が父を見て言った。
「でもそれは、将来受け取る年金が少なくなるということでしょ?やっぱり無理をしても納めておかないと老後になって困るんじゃないの?」
母はまだ浮かない顔をしたままだ。
「保険料を後から追納できる制度だって、
<保険料の後払い(追納)は、保険料が高くなることはあっても、安くなることはありません。>
って書いてあるし、やっぱり由里子の将来のために何とかして納めておいたほうが安心なんじゃないかしら。」
「……。」
3人とも黙ってしまった。
母が意を決したように、ややこわばった表情で話しだした。
「今、本当に困ったときのための貯蓄が50万円あるの。そこから毎月半額の7,800円ほどを出して、それに、由里子が少しバイトを増やして、あとの半額を出して納める、というのは無理かしら?だって、老後は年金が頼りという人がとても多いらしいわよ。」
「由里子が大学を卒業するまでの2年分は何とか賄えたとして、真由子(仮名・次女)の分はどうするんだ?」
父が難しい顔をして言った。
「そもそも由里子の大学入学のために、真由子の学資保険を使い込んでいる状態だろ?」
借金してでも払うべき?
「『教育ローン』は?!」
由里子が突然思いついたように言った。
「国の教育ローンを借りて、まとめて払ってしまうの。友達から、国の教育ローンの利率はかなり低いって聞いたことがあるわ。
この書類に、国民年金は2年分前納すればおトクって書いてあるし、それに、後払いの場合保険料が高くなるんでしょ?教育ローンの利率によっては、借りてでも払った方が有利になるってこともあるんじゃない?」
「確かに国の教育ローンは年2.15%の固定金利(※1) だから、利率はかなり低い。」
父がいつの間にかノートパソコンを持ってきて、画面を見ながら言った。