「兵庫県が自転車保険の加入義務化を検討」というニュースを目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。2014年10月に行われた兵庫県知事の記者会見によると、自転車保険の加入を義務化する条例について特別な部会を設立し、来年2月の条例化を目指して検討しているそうです。背景には、自転車と歩行者の事故により、歩行者側に対して、自転車を運転していた側が多額の損害賠償金の支払いを命じられる判決が続出していることがあります。今回は、自転車を運転することによって生じるリスクと、その備えについて説明していきます。
自転車に乗ることによるリスクとは?
警察庁の調査によると、平成15年から平成25年までの10年間で、自転車が関係する事故は減少傾向にあります。しかし、歩行者相手の事故は横ばい状態が続いています。歩行者が相手の事故になりますと、多額の損害賠償金を求められることもあります。
自転車での加害事故例
(※)賠償額とは、判決文で加害者が支払いを命じられた金額です(上記金額は概算額)。日本損害保険協会調べ
出典:日本損害保険協会発行「知っていますか?自転車の事故~安全な乗り方と事故への備え~」
このように、多額の賠償命令が出されることは、決して珍しくありません。また、自分自身のケガに対するリスクも忘れてはなりません。
自転車に乗るリスクには、どう備えたらいいのでしょう?
自転車を運転するときのリスクには、大きく分けて
- 他人にケガをさせてしまう、あるいは死亡させてしまう。他人の持ち物や公共の物を壊してしまう。
- 自分がケガをしてしまう、あるいは死亡してしまう。
の2つがあります。
これらのリスクに備える方法の1つに「自転車保険」があります。
他人にケガをさせたり、他人の持ち物等を壊してしまったりしたときの賠償責任に対する補償と、自分自身の死亡補償や入院補償がセットになっています。
自転車保険の中には、通院も補償しているものや、1契約で家族についても補償しているものもあります。保険料は補償内容により異なりますが、一般的に、年齢・性別にかかわらず定額になっています。
また、自転車保険には、保険会社や保険代理店で加入できるタイプ、携帯電話を通して契約できるタイプ、コンビニエンスストアで契約できるタイプ、インターネットで申し込みが完結するタイプなどがあり、契約できる場所や手段が多岐にわたっています。