「第11回 LITALICO 教育実践フォーラム 2017」開催!Upload By LITALICOニュース2017年11月18日(土)の13:30より、大阪・梅田の「AP 大阪梅田茶屋町」(D+E+F+Gルーム)にて、発達障害に対する学校教育での合理的配慮をテーマとしたイベント、「教育実践フォーラム」が開催されます。登壇者は、発達障害児への教育支援研究の第一人者である大阪医科大学LDセンター顧問 竹田契一先生、障害児のICT活用等の研究を進める関西学院大学教育学部教授 丹羽登先生、障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究する鳥取大学大学院の井上雅彦教授ほか、小中学校・高校の教員、児童・生徒の保護者の方々。「障害のない社会をつくる」をビジョンに、児童発達支援事業や就労支援事業などを展開する株式会社LITALICOが主催し、教育を取り巻く課題と実践、未来の展望を考える「教育実践フォーラム」。2012年の初回企画から数えて、今回で11回目の開催となります。11回目のテーマは「合理的配慮」。どんな人々も個性を尊重され、過ごしやすい世の中になれば理想ですが、特定の個性や心身の症状を持っている人にとって生きづらい状況がまだまだ残っているのが現状です。たとえ障害のある方であっても、一人ひとりの困りごとや状況に応じた適切な配慮を受けることで、自分の力をより発揮しやすくなり、日常生活や社会生活を営むことが出来るようになる、という考えのもと進められているのが、「合理的配慮」です。今回は、専門家・現場の教員・保護者それぞれの立場から合理的配慮のあり方について考えていきます。第11回教育実践フォーラム専門家と保護者、それぞれの立場から語る教育現場の合理的配慮2016年4月に施行された「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)により、公立学校の教育現場でも合理的配慮が義務化されました。発達障害のある子どもにとって、学校生活における困りごととして、授業やテスト、成績評価、行事、さらには食事や排泄、友だちとの関わりなど、さまざまな場面が想定されます。フォーラムの基調講演では、発達障害に対する教育現場での合理的配慮に関して、発達障害児への教育支援研究の第一人者として長年ご活躍される竹田契一先生のお話を伺います。講師:大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生Upload By LITALICOニュース竹田契一大阪医科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会理事長。専門は発達障害児(LD・ADHD・高機能広汎性発達障害)への教育的支援など。主な著書は「高機能広汎性発達障害の教育的支援」(明治図書)他、多数。基調講演のあとは、障害児のICT活用について研究を重ねられている丹羽先生からお話を伺います。社会の情報化が急速に展開している中、授業の双方向性を高め、児童生徒の主体性・意欲・関心や知識・理解を高める効果があるとして、学校教育におけるICT活用が注目されています。指導内容や指導方法を変更・調整することが合理的配慮の1つとして求められていますが、お子さんによっては、タブレット端末等のICTの活用が効果的なことがあり、積極的な活用が望まれています。丹羽先生の講演では、教育現場での合理的配慮の手段としてのICT活用について考えていきます。講師:関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生Upload By LITALICOニュース丹羽登特別支援学級や特別支援学校の教員として重度障害児教育に携わる傍ら障害児のICT活用等の研究活動を進める。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官を経て、関西学院大学教育学部教授。病弱教育や障害児のICT活用に関する著書・論文多数。最後に、専門家・保護者等それぞれの立場から教育現場の合理的配慮の実際と課題について語るパネルディスカッションです。コーディネーター: 鳥取大学大学院教授井上雅彦Upload By LITALICOニュース井上雅彦鳥取大学大学院 教授/LITALICO研究所所長(アドバイザー)応用行動分析学を理論的基盤として障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究。ペアレントトレーニングシステムなどの支援プログラムの開発をはじめ、著書も多数。合理的配慮の導入を円滑にするためには、学校や本人・保護者が合理的配慮実現のための流れやしくみを共通理解し、コミュニケーションを密にすることが鍵となります。現場の教員の方々をパネリストに招き、保護者の方々にコメンテーターをしていただきながら、今現場で必要とされることについて考えていきたいと思います。第11回教育実践フォーラム詳細開催日時:11月18日(土) 13:30~18:45(受付開始 13:00)(教材等自由閲覧時間18:45~19:45)定員:240名参加費:無料(事前申込制)対象:小学校~高等学校、幼稚園、保育施設の職員、スクールカウンセラーなど子どもの教育や医療・福祉・行政機関など子どもの支援に関わられている方会場:AP 大阪梅田茶屋町 D+E+F+Gルーム(大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル8F)アクセス:JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩約3分阪急電車「梅田駅」2F中央改札口より徒歩約1分地下鉄御堂筋線「梅田駅」北改札より徒歩約3分地下鉄谷町線「東梅田駅」北東改札・北西改札より徒歩約5分阪神電車「梅田駅」東改札口より徒歩約5分お申込み締切:2017年11月17日(金)13:00お問い合わせ:03-5704-7361(地域教育相談室 岡野)※お申込みは下部ボタンのお申込みフォームよりお願いいたします。主催:株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)12:00~発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(50分)13:00~受付開始13:30~開会挨拶(30分)株式会社LITALICO執行役員 野口晃菜14:00~基調講演(60分)【講師】大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生15:00~質疑応答&休憩(15分)15:15~講演(60分)【講師】関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生16:15~質疑応答&休憩(10分)16:25~パネルディスカッション(120分)【コーディネーター】井上雅彦先生【パネリスト】小中学校・高校の教員など数名【コメンテーター】丹羽登先生、児童・生徒の保護者さま18:25~質疑応答、インフォメーション、閉会挨拶(20分)18:45~パネル展示・教材自由閲覧・発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(60分)19:45終了学校や幼稚園、保育園の先生やカウンセラーの方々、子どもの発達が気になる保護者様はじめ、学校教育における「合理的配慮」に関心のある方々はどなたでもご参加いただけます。たくさんの方のご来場をお待ちしております!
2017年10月06日「シュタイナー教育」をご存知ですか?お子さんに少しでもいい環境を与えたいと願い、さまざまな教育論を調べたことがあるママなら、一度はその名を目にしたことがあるかもしれませんね。シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが20世紀始めに提唱した教育方法です。7歳までの子どもたちは夢の中にいるようなものだとして、音楽や絵画など感性に訴えるアプローチで接することを掲げています。音楽のリズムに合わせて動く「オイリュトミー」というダンス、「にじみ絵」と呼ばれる独特の水彩画法が特徴です。今回は、都内のシュタイナー系幼稚園で働くG先生(50代女性/幼稚園教諭)から、自宅でできる「ゆるシュタイナー教育法」を聞いてきました。●(1)刺激は「子どもが欲してから与える」シュタイナー教育と聞いて最初に思い浮かぶのが「テレビを見せない」ということ。音や光の出るオモチャ、テレビゲームなんてもってのほか。遊ぶ道具は、石、木、布、羊毛といった自然素材だけなんですよね。でも、子育てママならそのハードルの高さはわかるはず。どうしたらいいのでしょうか?『子どもが求めてくる前に、親が先回りして強い刺激を与えてしまうことを避けてみてください 。テレビは、子どもが積極的に見たがっていないなら、あえて見せる必要はありません。プラスチック製のおもちゃも同じ。最初に与える遊び道具は、自然素材のもので十分です。でも、よそで見かけたり、他の子が持っていたりして、お子さん自身が興味を持ったなら、少しずつ与えてもいいと思いますよ』そうはいっても、家事をやっているあいだに子どもがテレビを見ていると助かるんですよね。夕方の幼児番組、「ほら!もうすぐ○○が始まるよ!ママ忙しいから、観てて〜!」なんて率先して付けちゃってましたが……それすらNGなんでしょうか?『そのあたりは、ママの裁量でいいと思いますよ。無理をしてまでノーテレビ育児にこだわり続けることはありません。ただ、7歳までは体のリズムを作る時期です。生活リズムをテレビに支配されないようにするのが大切ですね。大人がテレビなしの生活をしてみせるのも、時には必要です』なるほど。ということは、大人が観たい番組があるときは、録画をして子どもが寝たあとに楽しむのがよさそうですね。●(2)生活リズムづくりは「ゆるやかに」がコツシュタイナーの教えでは、毎日の生活リズムを作ることも重要視されています。決まった生活リズムを繰り返していくことが、子どもたちの心の調和と安定につながると考えられているからです。『家庭でも、ぜひ規則正しい生活を送っていきたいですね。まずは一日のスケジュールを組んであげましょう。ある程度大きなお子さんなら、親子で相談しながらスケジュール決めをするといいでしょう』でも先生、子どもってこっちの希望通りに動いてくれませんよね。うちの子はいつもノロノロしていて、スケジュールなんか決めても絶対守れません。守れないことでカリカリしてしまう自分も目に見えてますが、どうしたらいいですか?『細かく時間を定めてしまうと後がつらいので、最初は起きる時刻・寝る時刻・食事の時間帯をゆるく決めるくらいでOKです。「○時」ときっかり決めるより、30分程度の幅がある「時間帯」でスケジューリングしていく のがおすすめですよ。また、スケジュールを守れなかったときにお互いを罰しないことも重要です。お子さんの様子や発達段階を見極めながら、無理のないスケジューリングに組み直していきましょうね』●(3)子どもに「遊びを教えない」勇気を!シュタイナー教育で忘れてはいけないのが、オイリュトミーやにじみ絵などの独特な遊び方。これらは子どもたちの感性を伸ばすためのアプローチ法ですが、家庭で取り入れるにはどうしたらいいでしょうか。『子どもの遊び方に自由を与えてあげましょう 。最近のママたちを見ていると、やり方が決まっているオモチャを与え、子どもが考える間もなく「ほら、これはこうやって遊ぶのよ」と教えてしまっている方が多いんですよね。中には「その遊び方は間違ってる」とお子さんを叱っている姿も。これでは、子どもたちの感性は育ちようがありません。何に興味を持ち、それをどうするかはお子さんに全て任せてあげましょう。口出ししないことは、ママたちにはちょっと勇気がいるかもしれません。でも、グッとこらえて見守っていると、子どもの思わぬ発想にこちらが驚かされることもよくありますよ』つまり、オイリュトミーなど有名な方法論を知って、その形だけをなぞっても意味がないということですね。そういった各方法論の裏側にある理念をよく理解し、無理のない形で実践していくことこそが重要なのでしょう。----------いかがでしたか?今回G先生に伺った「ゆるシュタイナー教育法」は、特別で特殊な子育て方法ではありませんでした。むしろ、わが国の昔ながらの子育てに通じるところが多くあったように感じます。生活に無理のない範囲で取り入れていくと、子どもたちの豊かな成長と自立を促すことができるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月30日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日特別支援教育就学奨励費とは?出典 : 特別支援教育就学奨励費とは、お子さんが特別支援学校や特別支援学級などに通っている場合に、学校で使う勉強道具から通学費、給食費などに必要な費用の一部を、国や地方自治体が補ってくれるというサービスです。文部科学省ではこの制度を以下のように定義しています。障害のある幼児児童生徒が特別支援学校や小学校・中学校の特別支援学級などで学ぶ際に、保護者が負担する教育関係経費について、家庭の経済状況などに応じ、国及び地方公共団体が補助する仕組みです。なお、平成25年度より、通常の学級で学ぶ児童生徒(学校教育法施行令第22条の3に定める障害の程度に該当)についても補助対象に拡充しています。つまり義務教育において、障害のあるお子さんを持つ保護者の方の負担が軽くなるよう、国や地方公共団体が経済的な補助をしていこうと考えられたのがこの制度なのです。特別支援学校や特別支援学級に在籍しているお子さんだけでなく、普通の学級で学んでいるお子さんでも障害の程度によっては支援が受けられるということですが、具体的にはどのような子ども、家庭が対象となっているのでしょうか?特別支援教育就学奨励費の支援対象となる人出典 : 上記の文部科学省の規定によると、この事業の対象となるのは以下の2つのどちらかに当てはまる子どもとなっています。なお通っている学校が私立でも公立でも、この制度を利用することが可能です。1.特別支援学校、特別支援学級に通っている2.サービスを提供する市町村にある小学校または中学校に在学しており、学校教育法施行令第22条の3に定める障害の程度に当てはまる障害がある学校教育法施行令が定める障害の程度については、以下のページから見ることが可能です。磐田市「特別支援教育就学奨励費について」ただし上の条件に当てはまっていても、生活保護や要保護児童生徒援助費補助金などを受けている場合は対象外となります。なお自治体によっては、通常学級に通われるお子さんへの支援を認めるために事前に教育相談をする必要がある場合もあります。参考:学校教育法施行令参考:練馬区「就学奨励費」参考:札幌市「特別支援教育就学奨励費」特別支援教育就学奨励費ではどんな支援が受けられるの?出典 : では、この制度では何に対しての費用が補助対象となるのでしょうか?文部科学省の取り決めによると、下のようなものが対象として挙げられています。対象とする経費は、通学費、給食費、教科書費、学用品費、修学旅行費、寄宿舎日用品費、寝具費、寄宿舎からの帰省費などがあります。この中には入学時に必要なランドセルや制服なども含まれています。実際に支給を受けられるのは小・中学在学中ですが、入学前に購入したものも含まれるので、申請する場合を考えてレシートや領収書を取っておくと良いでしょう。特別支援教育就学奨励費の支給額ってどのくらい?出典 : 実際の支給額は、保護者の経済的な負担の重さによって異なります。負担が大きいほどより多くの補助を受けられるシステムになっているのです。今回は東京都の場合を例にとってご説明します。東京都では保護者の収入額に応じて支弁区分というものが定められています。支弁とは支給されるものが金銭であるときに使われる言葉であり、支弁区分とは、支給の程度を定めるために振り分けられる段階のようなものです。支弁区分は子どもが施設等に入所している場合を除いて3つに分けられ、それぞれに応じて補助の割合が決まっています。支弁区分に応じた補助の割合は、下のようになっています。第1段階(収入額が生活保護基準の1.5倍未満)→全額補助第2段階(収入額が生活保護基準の1.5倍から2.5倍)→半額補助第3段階(収入額が生活保護基準の2.5倍以上)→補助なし自治体によっては3段階でも半額になるものがあるなど、補助の程度はさまざまです。ではこの1~3段階の収入額は、具体的にはどのように定められているのでしょうか。東京都では、下のような額を目安として世帯の状況が判断されています。Upload By 発達障害のキホン※ここでの「収入」とは、前年1年間(平成27年1月1日から同年12月31日まで)の世帯全員の総所得金額(給与所得のみの場合は給与所得控除後の額)を合計した額のことを差します。出典:東京都教育委員会「就学奨励事業のお知らせ」特別支援教育就学奨励費の申請方法出典 : 毎年春頃になると、学校からこの奨励費に関する案内がきます。受け取った案内に従い、必要な書類を学校指定の期限までにご提出ください。東京都では、必要な書類が以下の4つとなっています。ただし段階の程度や受給の有無によっても、必要な書類が変わってきます。購入した際のレシートや領収書がある場合は添付します。1.就学奨励費受給調書 - 就学奨励費の受給申請に必要な書類です。2.交通調書 - 交通費又は帰省費の受給申請に必要な書類です。3.支払金口座振替依頼書(新規・変更用) - 就学奨励費の振込支給に必要な書類です。4.住民税関係書類 - 「課税(非課税)証明書」特別支援教育就学奨励費の支給方法出典 : 東京都では、奨励費を支給する際に「金銭支給」と「現物支給」の2つの方法を取っています。「金銭支給」とは、実際に必要となる費用を口座振り込みや現金によって支給してもらうというものです。一方で「現物支給」とは、直接必要な額を受け取るのではなく、本当であればかかる費用を、代わりに負担してもらうというものです。たとえば、給食費を学校から納付してもらったり、修学旅行にかかる費用を学校から業者に支払ってもらったりするというのがこの現物支給です。参考:東京都教育委員会まとめ出典 : 今回は基本的に東京都の例を挙げながらご説明しましたが、この制度の詳細は地方自治体によって大きく異なります。ご利用を考えている際は、ぜひお住まいの地方自治体や、在学している、またはする予定の学校にお問い合わせください。障害があると、通院や薬だけでなく療育などいろいろな場面でお金がかかりますよね。また発達障害のあるお子さんをお持ちの方には、お子さんがすぐに物をなくしたり壊したりしてしまうということから、経済的な負担を感じている方もいるかもしれません。この特別教育就業支援奨励費は、そんな経済的な負担を少しでも軽くするために支援してくれるサービスです。今お子さんが学校に通っているという方も、来年度から学校に通い始めるという方も、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
2016年12月21日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日子育てや教育には何かとお金がかかるもの。祖父母から孫へ「援助したい」といってもらえたら、とてもありがたいですよね。でも、このとき気をつけなければいけないのが贈与税です。贈与税がかかる金額や条件など、制度のことを前もってきちんと知っておきましょう。■祖父母からの援助でも贈与税は発生する!?贈与税というのは、個人から財産をもらったときに発生する税金です。ただし、祖父母や親から、生活費や教育費などを必要なときにその都度渡す場合は、贈与税はかかりません。また、それ以外に使うお金であっても、年間で110万円以下であれば、贈与税は発生しません。ただ、ここで気をつけたいのが、「必要なときにその都度」なら非課税、ということ。たとえば「孫の将来の大学入学費用に」「教育費を数年分まとめて」などの理由で、祖父母からまとまった額の援助を受けてしまうと、それは贈与税の対象になってしまいます。 ■1,500万円まで一括贈与が非課税になる「教育資金一括贈与制度」とは実はこのような教育資金の一括贈与について、もらう側1人につき1,500万円までが非課税になる「教育資金一括贈与制度」という制度があります。通常の贈与の場合、非課税になるのは年に110万円までですが、この制度を活用すれば、祖父母が「孫のためにまとまった援助を」と言ってくれても税金がかからずに済みます。ただし、この制度を利用するには、いくつかの条件があります。1つ目は、贈与を受けたお金の使い道は教育資金に限られる、ということ。たとえ子どものためであっても、洋服代やおもちゃ代などには使用できません。対象となるのは入学金や授業料などのほか、通学定期代や給食費なども。塾や習い事の費用は500万円までなら対象になります。2つ目は、制度を利用するためには金融機関に専用口座を開設し、きちんと申請を行わなければいけない、ということ。お金を引き出す場合には、領収書などの提出も必要になります。申請方法はそれぞれの金融機関によって異なるので、一括贈与を考える場合は事前に銀行などで相談するとよいでしょう。■意外なデメリットも!? 「教育資金一括贈与制度」の注意点祖父母が「元気なうちに孫にまとまった援助をしたい」「援助の対象を教育資金に限定したい」などと考える場合はメリットになる、この「教育資金一括贈与制度」。でも、思わぬ落とし穴もあるので注意が必要です。贈与を受けてから「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、デメリットもしっかり知っておきましょう。まず、一括贈与されたお金は、贈与を受けた本人が30歳になるまでに使わなければ非課税の対象になりません。教育資金として使いきれなかった分は贈与税の対象になるため、たとえ範囲内であってももらいすぎには注意しなければいけません。また、たとえ祖父母が援助を申し出てくれたとしても、祖父母自身の老後資金が足りなくなっては本末転倒です。一括贈与をしたあとで「やっぱり返して」というわけにはいかないため、将来を計画的に考えることが必要です。「教育資金一括贈与制度」は、一見すると非課税の範囲が大きくお得なようですが、人によっては毎年110万円までの贈与の方がメリットが大きいこともあります。祖父母が「孫に援助したい」と言ってくれたときには、よく話し合って、子どもにとって有益な方法を選びたいですね。
2016年09月17日「子育ての教育資金はどれぐらい必要?」「うちの家計これで大丈夫?」といった、お金に関する漠然とした不安をかかえているママも多いのではないでしょうか。いざというときに慌てないための教育資金の備えについて、「ママのためのマネーセミナー」を主催しているファイナンシャルプランナー加藤貴司さん(ブロードマインド株式会社)に話を聞きました。教育資金の準備時期は?子どもが生まれると、将来の教育資金が気になり始めますね。加藤さん提供のデータによると、教育資金準備の開始時期は、誕生時が52.8%、幼稚園入学前が19.3%、小学校入学前が10.3%、小学校1~3年生が4.6%、小学校4~6年生が3.9%、中学生以降が9.1%。子どもの誕生で、生命保険の見直しをした?子どもの誕生は、マネープランの見直しのきっかけになります。子どもの誕生を機に生命保険に新規加入した人が33.6%。一方で、火災保険や自動車保険なども各業者に言われるがままに入って放置しているプランがある人も多そうですね。「保険に入ったまま放置では宝の持ち腐れ。定期的にチェック&見直しを。調べるのもプラン変更も面倒だと思ってしまいますが、積み重なると随分差がでてきそうです」。やっぱり学資保険は必要?教育費を備える=学資保険が一番に浮かぶ人も多いのでは。実際、私もベビーカーを押して郵便局に立ち寄ると、必ずといっていいほど局員に「学資保険いかがですか」と声をかけられていました。やはり、学資保険は必要なのでしょうか。「学資保険は、大学入学に満期のタイミングを合わせたものが大半ですが、中学から私立受験するなど教育プランによっては、小学校高学年からずっと教育資金がかかり続ける場合があります。学資保険は、払った保険料を積み立てて、満期のタイミングで受け取る仕組み。好きな時期に自由に受け取れるわけではありません」。(Copyright 2014 Broad-mind co.Ltd All Rights Reserved)学資保険以外の保険も視野に入れてでも、学資保険は、契約者に何かあれば保険料の払い込みが免除されるというメリットがありますよね。「確かに払い込みが免除になることは、学資保険の一番の特徴です。しかし、受取りは決まったタイミング(満期のとき)しか受け取れません。一方、『終身保険』は積立もでき、死亡保障もついています。万一のとき、すぐに保険金が受け取れるのが学資保険と違う点です。学資保険にこだわらなくても、もしものときには対応できるので、最近、教育費の積立手段として人気があります。たとえば、下記に示した保険では、満期がなく、積み立てたお金は解約時の解約返戻金という形で受け取ります。受け取るタイミングが遅いほど、返ってくるお金は多くなります」(Copyright 2014 Broad-mind co.Ltd All Rights Reserved)「終身保険だけでなく、他の保険商品でも使い方を工夫すれば、貯蓄もできてより大きな死亡保障が確保できるものもあります。学資保険は固定利率でインフレ対応ができないので、投資信託やジュニアNISAなどとうまく併用していけば、学資保険にこだわることはありません」。ライフプランニングを始めよう!加藤さんによれば、「お金を貯める&備える手段や金融商品は無数にありますが、それぞれ家族構成や環境、価値観など様々なので、万人に適したものはありません」とのこと。そのために、個別に現状を把握してプランを立てることが必要なのですね。「お子さんが生まれたら、ぜひライフプランニングを始めてください」と加藤さん。「有効な経済設計を行うためには、専門家に相談するのがお勧めです。ファイナンシャルプランナーというと少し敷居が高く聞こえるかもしれませんが、個人では情報収集などなかなか難しい部分もありますので、お気軽に活用してみてください」ファイナンシャルプランナーは、保険会社や金融機関に所属して窓口で対応にあたる『企業型』と、『独立・個人型』とに分類されるそうです。それぞれの特長は、企業型:無料で相談に応じてくれることが多が、自社が取り扱っている商品の紹介に限られる。独立・個人型:相談料が必要、または契約が成立したら料金が発生することが多いが、中立的な立場で、数多くの商品から最適なものを勧めてくれる。企業型でも、加藤さんの会社のように、契約が成立するまではもちろん、契約成立後も無料で相談を受けている組織もあるので、そういうところを利用するのも手。独立・個人型は、HPなどで検索して自分に合ったファイナンシャルプランナーを探してみるといいかもしれません。また、無料セミナーも多く開催されてるので、チェックしてみると、出会いの機会が広がるかもしれませんね。「お金は苦手」と思っていた私も、一度きちんとお金に向き合ってみようかなと思えてきました。家族の将来の姿を想像したり、自分でお金をコントロールするという感覚を持ったりすることは、きっと楽しいはずです。取材協力:ブロードマインド株式会社<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年08月22日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日世の中にはお金に関するいろいろな情報があふれています。特にイギリスのEU離脱といった大きな事象が起こると、株式市場や為替市場が大きく動き、自分のお金の管理について、より保守的に考えがちになりますよね。そのようなご時世だからこそ、お金の管理を改めて見直してみませんか? 「お金の常識」として言われていることも、必ずしも真実ばかりではありません。今回は、そんなお金に関する思い込み「あるある」を検証してみましょう。■お金の思い込み(1)借金はすべて悪?たしかに、クレジットカードや高金利ローンは、あなたの家計を圧迫する原因になります。堅実な方であればあるほど、支出は自分の収入の範囲内に必ず収める、と決めている方も多いでしょう。でも、すべての負債があなたにとってマイナスになるというわけではありません。では、「していい借金」とは何か。その判断基準となるのは、あなたや家族の将来のための投資になるかどうか、ということです。たとえば住宅ローン。今の未曾有の低金利で、「家」という将来にわたっての財産を得られるのは、将来のための投資といえます。ただし、もちろん借金は皆さんが支払える範囲に収まる金額にしなくてはなりません。あるいは、子どもの教育資金や、皆さん自身の成長のために勉強をしたいが自分の教育資金まではない、そんな場合、一部金融機関で「教育ローン」を提供しています。なかには「自己啓発資金」として申し込みができるものもあります。この場合は皆さん自身で目的と期間をはっきり決めてから臨みましょう。■お金の思い込み(2)少額の投資は無意味?「投資」というと、「まとまった金額があって初めてできるもの」と思っている人が多いようです。でも、もともとのお金持ちでない限り、最初から大きな資金はありません。フルマラソンで考えてみましょう。42.195kmという長距離は、どうしたら完走できるのでしょう? それは1km1kmを地道に走った積み重ねの結果にほかならないのです。米国フィデリティでは、社会人になった方に「お給料の15%を貯めていきませんか?」とアドバイスしています。最初は1万円でも2万円でも構いません。1回あたり少額の投資をいかに継続していけるかというところは、フルマラソン完走の極意と同じです。 ■お金の思い込み(3)株式に投資するのはリスクが大きいからやめるべき?たしかに、価格が変動することを完全に避けようと思えば、預貯金が最適です。でも、ご存じのように今は未曾有の低金利。日本ではマイナス金利で、20年たっても預金額の0.01%も得られません。増えないだけならまだいいとしても、仮にこれから20年後に物価が少しでも上昇していったら、預金しているお金の実質価値は大きく減少してしまいます。一方で、成長率が高いのは株式ですが、変動が激しい、つまり、リスクが大きいのも株式です。100%株式に投資するのは、そのリスクを負うことになります。でも、アラサーママの皆さんが、子育てを終えたセカンドライフのための資金作りを今からするとなると、約30年の時間があるわけです。資産を成長させるのに、これだけの時間をかけられるのであれば、100%株式に投資する必要はありません。基本を預貯金や債券といった安定的な資産におきながら、一部株式に投資するというやり方で、価格の上がり下がりをコントロールしながら長い時間をかけて資産を成長させていくのが、賢いアラサーの資産運用方法なのです。■お金の思い込み(4)まだ若いから退職後の資産形成に取り組む必要はない?当面の目的、たとえば家を建てるための頭金や、高額のものを買うための資産作りは、「ゴールが近い」と感じられるでしょう。一方で「退職後の、あるいは老後の資産作り」となると、「先が長いなあ」と思われるでしょう。でも、いまあなたが30歳だとして、「退職資産作りは40歳になってからでいいわ」と思っているとしたら、それは10年間にわたって「投資機会」を失い続けている、とも言えるのです。たとえば、Aさんは25歳からこつこつと、毎年50万円資産作りを続けていたとします。一方、Bさんは、Aさんに遅れること10年、35歳から毎年100万円(Aさんの倍)資産作りを続けていたとします。前提として、平均して年率7%資産が伸びたとします(税金等は考慮せず)。65歳になったとき、AさんとBさんのどちらにより資産が貯まっていると思いますか?Aさんは1億680万円、Bさんは1億100万円です。580万円の差が生まれることから、フルマラソンのような資産形成では、いかに「長い時間」をかけることのほうが「投資金額」より効果があるか、感じていただけるのではと思います。これらの「あるある」の中には、感覚的にはわかりづらいものもあるでしょう。お金にまつわる話は、なるべく思い込みを排して、正しい事実を理解してほしいと思います。時にはプロのアドバイスを受けるのも参考になるでしょう。
2016年07月15日子どもを授かると、親としていちばん最初に考えるのが「教育費の準備」ですよね。できる範囲で希望の教育を受けさせてあげたい。親ならば誰もが思います。そこで最初に検討されるのは「学資保険」ではないでしょうか?学資保険は、いろいろある生命保険のなかでは、比較的好印象な保険ではないかと思います。しかし、この学資保険、本当に教育費の準備になるのでしょうか?なぜ日本人が学資保険に対して好印象なのかといえば、学資保険が積立代わりだと思っているからでしょう。■学資保険でいくら戻ってくるのか計算すべしその昔、郵便局で学資保険に入ると、満期の時に倍ぐらいになって戻ってきた時代がありました。インフレ率等を考えてきても相当な戻り率です(そのぶん住宅ローン金利も高かったので、差し引きしてどれくらい恩恵を受けている人がいるかは微妙ですが)。そのイメージがついてはなれないのか、「学資保険は得だ」と思ってしまうようです。しかし実は、ご相談に見える方の実の70%以上は、得にならない学資保険に入っているといったら、みなさん驚かれるのではないでしょうか。もしすでに学資保険に加入しているのであれば、一度計算してみてください。「いくら払って」「いくらの満期で戻ってくるのか」を。210万円払って、200万円の満期なんてケースは結構あります。なかには、払った以上に戻ってこないことをわかった上で加入している人もいるかもしれません。そんな人は決まって、「保険がついているから仕方がない」なんていい方をします。たしかに、学資保険・こども保険という名称の保険のなかに、育英年金などの保険機能がついているものもあります。学資保険払込中に契約者(ほとんどのケースで父親)が死亡した場合に遺族に教育費の援助ということで育英年金が支払われるという内容です。内容の話を聞くと、とってもいいような気がします。しかし、よーく考えてください。なぜなら、教育費等必要な保障額は、ご主人の生命保険できっちり計算してリスクヘッジさせてあるはずです。■200万円もらえる学資保険じゃないとダメつまり、わざわざ学資保険でプラスしてその部分にお金を払う必要はないはずなのです。その他に、子どもの医療保険がついていることを理由にあげられる方が多いのですが、それもいかがなものでしょうか?乳幼児医療制度が整っている今、ある一定の年齢まで、医療費は無料です。自治体によって違いますが、長いところですと中学校卒業するまで、医療費無料なんていう自治体もあるほどです。そのなかで、どれだけの保険料をそこに払うのが適当なのか、考える必要がありそうです。学資保険は、純粋の貯蓄であるべきではないかと思います。180万円ぐらいの払い込みで200万円の満期がもらえる。最低でもこれくらいでないと、月々積立預金をしたほうがマシなことになってしまうのではないでしょうか?現段階で、払ったより戻ってくる金額が少ない学資保険に入っている方は、がっかりしてしまったかもしれません。でも、あきらめずに、計算することをお勧めします。現在加入中の学資保険を解約すると、いくら損をするのか。そのことについて計算するのです。ほとんどのケースで保険の途中解約は損が出ます。しかし、いまやめた損のほうが、満期まで払い続けたときの損にくらべて少ない場合は、思い切って解約をすることをお勧めします。その上で、貯蓄性の高い学資保険に入りなおして損が少しでも埋まるのであれば、入りなおしを検討してみてもいいのかもしれません。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年07月05日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日音楽教育が、子供の情緒や感受性、社会性や知能の発達にとても良い影響を及ぼすことは、すでに広く知られている事実です。また、子供たちが音楽を集中して聞くことで、言語を聞き取る能力もアップし、語彙力や語学力がつきやすくなるとも言われており、昨今ますます幼児のための音楽教室の人気があがっているようです。「音楽教室に通わせたいけれど、経済的な事情や、時間的な問題で難しい」というご家庭は、ぜひ家庭で音楽教育をしてみてはいかがでしょうか。今回は、家庭でもできる音楽教育についてご紹介したいと思います。つけっぱなしのテレビを消して、良い音楽を聞かせよう音楽教育というと楽譜を読んだり、楽器を弾いたりすることを想像しますが、 幼児期の子供にはまだまだ難しいもの。さらに楽器を演奏するにも、手が小さすぎますよね。ですから、乳幼児期はよい音楽をたくさん聞かせて、「耳つくり」をしてあげることが最も重要な音楽教育なのです。普段、リビングで子供と過ごすときなど、テレビをつけっぱなしにしているママも多いかもしれませんが、これからはテレビの代わりに良い音楽を流してみませんか。では、どんな音楽が子供にとって「良い音楽」なのでしょうか。クラシック音楽やジャズ・ポピュラー・日本の伝統音楽・童謡など、音楽といってもさまざまなジャンルがあります。もちろん、どのジャンルにもすばらしい音楽は存在していますが、子供におすすめなのが、それぞれの国の歴史とともに、長く生き続けてきたような音楽です。いくら流行しているとしても、機械的な音楽では、子供の想像力や情緒を育てることは難しいのです。手始めに、ママやパパが小さいころから聞いていた日本の昔ながらの童謡や、モーツアルトのクラシックなどの歴史ある音楽を選んで、部屋でゆっくりするときや、食事中のBGMとして流してみませんか?日常生活や遊びの中に音楽に取り入れる音楽教室ではなく、家庭で音楽教育をするメリットは、遊びや生活の一部として自然に音楽に親しめる点ではないでしょうか。子供が遊んでいるときに音楽を流してあげていると、無意識に子供の心に音楽が刻まれていきます。他にも食事中、寝かしつけの際、朝起きるときなど、その状況に相応しい音楽を選んで、自然な形で生活に取り入れていきましょう。また、子供が元気のないとき、イライラしているときは、まずは静かな音楽を流し、気持ちを落ち着けてから、活発な音楽を流すようにすると、子供たちの気持ちが明るくなったり いらだちをやわらげたりする効果があるとも言われています。このように、子供の気分を変えたり、気を紛らわせたりする手段として音楽を使ってみても良いでしょう。家族で一緒に音楽を楽しもう!子供の情緒や知能の発達に役に立つからと、一方的に子供に音楽環境を与えるだけでは、家庭での音楽教育は物足りないものになってしまいます。大切なのは、ママやパパの心にも、音楽を楽しむ余裕を持ってもらうことなのです。親子一緒に、童謡を歌ったり、音楽を聞きながらリズムを取ったりして、「音楽は楽しいものだ!」と子供が思えるようにしてあげましょう。ママやパパがピアノなどの楽器が弾けるのであれば、童謡やクラシックを演奏して子供に聴かせてあげることができますが、楽器が苦手だったとしてもハーモニカや鈴など、かんたんに演奏できる楽器を用いて、家族で歌いながら合奏するのもおすすめです。また「とんとんとんとんひげじいさん」や「いとまきまき」など、子供たちが大好きな手遊び歌を一緒に歌ったり、音楽に合わせて飛んだり跳ねたりすることも、立派な音楽教育です。このように、家族で音楽に親しみ、楽しんでいるという環境こそが、子供の音楽的感受性を育ててくれるのです。いかがでしたか?音楽が子供の心や脳に良い影響を及ぼすからといって、一方的に楽器を与えたり、子供が嫌がる音楽を聞かせようとしたりするなど、やみくもに「音楽」を押しつけることはやめましょう。子供たちが音楽に親しみを感じ、楽しめるようになってこそ、音楽が子供に良い影響を与えてくれるのです。まずは、親子で音楽を楽しみながら、子供が音楽に興味が持てるような環境づくりから始めてみましょう!
2016年06月08日あなたのお子さんは「お金」について正しく理解していますか。それはパパやママ次第です。 金融教育が普及している英国では「子どもが7歳のときまでに醸成された金銭感覚は一生涯続く」とも言われています。 とは言え、「具体的に何をしたらいいのかイメージがわかない」という方も多いのでは? でも多くのご家庭で、子どもに「お小遣い」や「お年玉」はあげているはず。それを用いて、お子さんの年齢ごとに、段階を追って金融教育をすると効果的ですよ。■3歳から6歳 ~結果を目に見える形で示しましょう~幼稚園児にお金についての教育なんて意味がないと思うかもしれません。たしかに、文字通りの金融教育はまだ必要ないですし、理解するのも難しいでしょう。しかし、ママが「お金」にまつわる話を子どもにすればするほど、子どもは自然に吸収してゆくものです。そのとき気をつけたいのは、この年齢の子どもはまだ「我慢」ができないということです。そのため「お金を貯める」ということを、なるべく目に見える具体的な形で子どもに示してあげることが大切です。子どもは成果が目に見えると、目的を理解します。おもちゃを買う、お菓子を買うといった小さな目的を与えて、少額でも子どもが自由にできるお小遣いやお年玉を与え、その目的に向かって貯めてゆくよう促してみてください。お金を貯める貯金箱はなるべく透明にして、増えてゆくのが目にみえる形にしてあげてください。■7歳から10歳 ~“トライ”アンド“エラー”を繰り返しましょう~この年齢になると、子どもは硬貨や紙幣の価値もだんだんわかり始め、お金で何を買うことができるのかもわかってきます。そこで、この年齢では1歩進んで、“トライ”アンド“エラー”を繰り返し、経験を積ませるのが効果的です。 まずはお金を使う目的を複数与えてみましょう。たとえば1つは日常の買い物、もう1つは高額商品、3つ目はチャリティー、といったように。この年代もまだ「目に見える」ことは重要ですから、それぞれの目的のためにそれぞれ透明な貯金箱を用意してあげてください。そして、3つの異なる目的のためにどのようにお金を扱えばいいか、ママから助言をしてあげてください。2つ目に、買いたいものを買うためのお金が今ないとき、お金が貯まるまで「待つ」ことを学ばせるのも重要です。ママの買い物に子どもを連れていき、そこで「手元にお金がなくてママが欲しいものを買わない」姿を子どもにみせてください。子どもはママやパパがすることから学びます。ですから、ママ自身が「買いたいものがあってもお金が貯まるまでは我慢する」という姿勢を示すと、子どもはそれをメッセージとして受け取ります。最後に、子どもに「自分で選択させる」経験をさせましょう。お店に連れて行き、子どもが「今手元にあるお金だと買えないけど、次のお小遣いを貯めたら買える」モノと、それより安く「手持ちのお金で買えるけど本当に欲しい物ではない」という2つのモノをみつけてください。そのうえで、ママは子どもに「どちらでもいいよ」と選択権を与えてください。子どもは我慢してお金を貯めて本当に欲しい物を買うか、すぐ買える安いものを買うか、というトレードオフを学んでいきます。さまざまな“トライ”をしていくなかで、ときには子どもが選択を失敗したと感じる“エラー”もあるでしょう。その経験が、将来より大きな選択をしていく際の備えになるはずです。■11歳から14歳 ~お金にはいろいろな「目的」があることを教えましょう~このくらいの年代の子どもには、お小遣いという枠ではなく「貯蓄」に目を向けさせるとよいでしょう。貯蓄にはさまざまな目的があることを教えてあげてください。「大学の入学金を貯めるための長期資金」「緊急時に備えて準備しておくお金」「日常的に好きなものを買うためのお金」などなど。ここまでくると、大人の資産運用の考え方に近づいてきます。このコラムの読者には小さい子どもをもつママも多いと思います。子どもが正しいお金の感覚を身につけられるよう、年代に応じた金融教育を考えていくことで、ママ自身もあらためてお金との付き合い方を考えるきっかけになるのでは。ぜひ実践してみてください!
2016年04月22日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日妊娠3ヶ月になると、母子手帳を受け取った方も多いのでは? 「妊婦であること」がだいぶ腑に落ちてきた今月は、「妊娠・出産でもらえるお金には何があるか?」を見てみよう。妊娠・出産をサポートしてくれる公的制度はたくさんある。制度を上手に使って、「もらえるお金」や「取り戻せるお金」の漏れがないようにしよう! (1)専業主婦ママも働くママ(働いていたママも)もらえる、妊娠・出産関連のお金(2)働くママがもらえる、妊娠・出産関連のお金(3)働いていたママがもらえるお金(4)特定の場合にもらえるお金【妊娠・出産関連のお金の詳しい内容を知りたい人は、こちらもどうぞ】・ どんな人がいくらもらえる? 出産手当金の概要を知りたい! ・ 契約社員、派遣社員でももらえる? 出産手当金Q&A ・ 分娩時のお金は、出産育児一時金でフォロー ・ 妊娠中のトラブルについてのお金 ・ 育休時期のサポートは、育児休業給付金で (監修:ファイナンシャルプランナー 畠中雅子/文:楢戸ひかる)
2016年04月04日1回目で教育資金の目標額を定め、2回目で「先取り貯金」の仕方をご紹介したこの企画。お金を貯める仕組みは理解できたけれど、収入が少なかったり、一時出費がかさんで「そんなに貯金ができるかな? 」と不安になったりした人もいるのではないでしょうか。私自身も、娘が3歳の時に離婚をして収入が激減した時期に不安な気持ちで教育資金を貯めていました。そこで今回は、そんな経験も踏まえて、毎月の貯金額を増やす方法についてお伝えします。○さらに貯金を増やす方法はずばりこの3つ!私が実践した方法は、「収入を増やす」「支出を減らす」「投資をする」の3つです。この方法で、育児休業や短時間勤務などによって収入が減った時期にも関わらず、3年で1,000万円以上貯金を増やしたママもいます。私自身について話せば、離婚時子どもはまだ3歳。実家が遠方だったこともあり、仕事を増やすことはできず、まずは「支出を減らせないか」と考えました。子どもがうまれてから家計簿を一生懸命つけていましたが、効果がなく断念。ぜいたくもしていないので、食費を削るしかないとレシートとカード明細の山を見ていたことを思い出します。しかし、食費以外にも削れるところはあったのです。○支出を上手にダイエットすればリバウンドなし家計簿をつけずに上手に支出のダイエットをする方法をご紹介します。具体的には……・携帯電話はSIMカード利用にし、固定電話も見直す・保険は公的制度を知ることで必要なものを見極め、加入し直す。さらには掛け捨てではなく貯蓄タイプを選ぶ。・調理法を工夫してガス代を減らす・子育て支援のある賃貸物件を見つける。もしくは住宅ローンを見直す。・子どもの衣類などを先輩ママから譲ってもらったり、借りたりするなどです。他にもいろいろありますが、毎月かかるものは、ひとつずつ確認していき改善しましょう。その他固定費以外の日々の買い物は、保存しておいたレシートを見て半年ごとに振り返りお金の使い方のパターンを改善していきます。月単位でみると少額で見過ごしがちな項目も、半年単位で見ると大きな金額となり、無駄も見つけやすくなります。○収入は増やせるサラリーマン家庭の場合、何かと収入を増やすことは難しいように思いますが、収入を増やすポイントは1.収入の入り口を増やす2.節税をするの2つです。既にパパが働いている場合、なかなかパパの収入を増やすことは難しいのが日本の現状だと思います。ですから、入り口を増やす方法として、もしママが働いていなければ、ママが働く。パパも副業をする方法があります。子育て中でもできる仕事はありますし、空いている時間やインターネットを使っての在宅ワークなどもあります。月10万円増えれば、3年で360万円です。ママが働くことは家計に大きなプラスを生みます。もうひとつは、節税です。節税をすることで手取り収入が増えます。ふるさと納税や確定申告の仕組みを知り、条件が合えば親を扶養に入れたり確定拠出年金などを実践したりして、節税していきます。税金も毎年のことなので1回仕組みを作れば後は楽なのがいいですね。さて、「収入を増やす」「支出を減らす」を実践すれば家計は大きく変わっていきますし、貯金は増えていきます。その上で、さらにお金に働いてもらう「運用」もご紹介します。○お金の運用で気をつけること日本の銀行はみなさんご存じのように金利が低いです。なので、日本の銀行にお金を預けてもお金は増えません。ですから私は海外に目を向け、金利や金融商品について勉強しました。私が投資を始めた後にリーマンショックで世界経済の暴落を目の当たりにしましたが、それでも運用成績はプラスになっています。・海外は日本より金利が高いことに注目する・日本株だけでなく海外にも目を向ける・リスクを小さくする方法を実践するこの3点が結果的にはよかったと思いますし、子育て中のママも実践して貯金を増やしています。ただ、投資には増える可能性もあれば、減る可能性もあります。勉強もせずに「窓口で言われるがまま購入」はしないようにしましょう。○大きな視点で貯金を増やす最後に貯金を増やす方法をまとめると「収入を増やす」「支出を減らす」「運用する」の3つになりますが、この3つを同時にすることで貯金は増えていきます。逆にひとつだけ実践しても貯金は増えにくいです。例えば、収入を大きく増やしても、支出が増えると貯金は増えませんし、投資で利益が出ても、「不労収入」だけに頼ろうとして仕事を辞めてしまうと、収入は不安定になるからです。逆に言えば、できているところはそのままで、できていないところを強化すれば貯金体質になっていきます。また、3年で貯金は少し難しいかもしれないと思う場合も、児童手当だけは必ず貯金しましょう。児童手当を中学卒業まで貯金すると約200万円になり、高校にかかる教育費の大きな足しになります。問題は大学進学にかかる費用ですが、あまりにも想定外の教育費がかかったら、給付型の奨学金を狙っていきましょう。教育費は青天井になりやすいところがあります。まず、目標を決め、夫婦で目標を共有することが大切です。子育て中のママ・パパは日々忙しいです。「貯まるといいな」「そのうちしよう」ではなかなか貯金できませんし、子どもも成長してしまいます。今まで貯金ができていない方は、今日から実践することを心がけてください。それが、3年後、6年後、9年後の結果につながっていきます。諦めないでくださいね。○著者プロフィールマイライフエフピー代表 加藤葉子子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、シングルマザーの支援にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。
2016年03月25日皆さんの親世代は、住宅ローンの額や年収といったお金にまつわる話題全般を、子どもと話すことはめったになかったと思います。でも、たとえ金融に詳しくない方でも2008年の金融危機、いわゆる「リーマンショック」は耳にしたことがあるでしょう。その経験から、今世界中で、子どもへの早い時期からの「金融教育」が注目されています。「うちの子は幼稚園児だからまだ早いわ」と思っていませんか? そうでもないかもしれませんよ。金融教育が進んでいる英国英国は、先進国の中ではもっとも積極的に国を挙げて金融教育を推進していると言えるかもしれません。1990年代に個人年金の販売がトラブルになり、その後始末のために政府として多額の出費をした苦い経験から、金融教育の普及を進めています。また、NPO(非営利団体)も積極的に金融教育の普及を政府に働きかけています。その結果、2014年9月から、一般的な教育カリキュラムの中の「数学」と「シチズンシップ教育(日本における「公民」でしょうか)」のなかに、「金融教育」が必須科目として組み込まれています。「数学」では、「債券の利回り」とは何かとか、商品の「単位」「価格」とは何か、といった授業があります。「シチズンシップ」では、たとえば11歳~14歳向けは金融の勉強の狙いとして、「生徒が自分のお金をうまく管理できるようにするとともに、将来必要になるお金を計画できるようにすること」と書かれています。さらに学習が進んで14歳~16歳になると、収入/支出、クレジット、借金、貯蓄、金融商品と金融サービスさらには税金がどのように使われているかということも勉強します。NPOで代表的なのはPersonal Finance Education Group、通称 “pfeg” と呼ばれる団体です。ホームページ(※1)で3歳から19歳までの子ども向け金融教育について幅広くサポートしています。3歳からというのはちょっとびっくりですよね。(※1) pfeg.org | Providing lesson plans and teaching resources on money management to help teachers of financial capability 企業やNPOが幅広く金融教育を支援する米国米国では、全米に共通する教育プログラムはありません。でもその一方で自主的に、企業や学校、各種NPOが積極的に取り組んでいます。企業の活動例としておもしろいところでは、アメフトやサッカーのゲーム形式(※2)でお金に関する質問にチャレンジするサイトを運営しています。また米国のフィデリティでは、子を持つ親に向けて、子ども向けの金融教育についてアドバイスしています。(※2) Games|Practical Money Skills puts the fun in financial literacy with online educational games for students and adults. 子どもがお金と賢く付き合えるかどうかは、親次第「人はお金の価値を親から教わるものです。ですから子どもに早い年齢から、例をあげながらお金にまつわる話をすることはとても重要です。もし子どもに何のために使うのかを示さずにお金を渡していると、子どものお金に対する理解が進まないおそれがあります」とアドバイスでは指摘しています。また、子どもの年齢別のアプローチも示しています。特に3歳から6歳の時期には、おもちゃを買うとか、小さくてもいいのではっきりとしたゴールを決めて、そこに向けてお金を貯めていくように促し、一方でお小遣いをどのように貯めるか使うか、ほんの少しでも「自由裁量」の余地を子どもに与えるのが重要だとも指摘しています。そして貯める教育には、達成度が目に見えるように、「透明なガラスの貯金箱」を使用するのがおすすめだとか!先に見た英国のNPO法人pfegのWebサイトでは、「子どもが7歳のときまでに醸成された金銭感覚は一生涯続く」と紹介しています。英国で子どもが初めてオンラインショッピングをする平均年齢はいくつだと思いますか? 答えは10歳です。早いと感じる方も多いかもしれませんが、幼少期からの金融教育がそれを可能にしているのではないでしょうか。日本では英国や米国と比べまだ子ども向け金融教育は普及していませんが、お子さんが将来自然体でお金と賢く付き合うために、他国での教育を参考に、ママがおうちでできることを試してみませんか。
2016年03月21日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日人工知能を活用することで英語教育を可能としたロボット「Musio」の開発を手がけるAKAは2月5日、成基およびGLOBAL VISIONの2社と 「教育効果の実証実験並びに教材開発実施に関する協力覚書(MOU:Memorandum of Understanding)」を締結したと発表した。今回のMOUは、2016年6月に予定しているMusioの正式販売前に成基およびGLOBAL VISIONが日本で蓄積してきた英語教育に関する知見やノウハウをもとに、 Musioを日本の英語教育向けに最適化していくことを目指したもの。具体的には、 成基が運営する英語学童教室「GKC(グローバルキッズ倶楽部)」ならびに個別指導塾「ゴールフリー」などにおけるMusioのパイロット導入および実証実験を通じて、 Musioを活用したより効果的な学習方法を開発するとしている。 また GLOBAL VISIONは、 実証実験で得られた知見をもとにAKAと共に英語学習コンテンツの開発を行い、同社のネットワークを通してMusioを公的・私的教育的機関へ販売する予定としている。なお、MusioはすでにAKAのWebサイトにて予約受付を開始している。
2016年02月06日文部科学省の調べでは、幼稚園から大学まで19年間の教育にかかる子ども1人の費用は公立で約300万円、私立で600万円超(1)。これだけでも結構大変ですが、晩婚化による出産年齢の上昇で、60歳の時に、子どもの教育費以外にまとまったお金が必要となる「自分の退職後の資金」「親の介護」の3つのライフイベントがいっぺんにくる可能性もあります。教育、介護、退職、これら3つの課題に一度に直面し、すべてを解決しきれない現在の30~40代は「トリレンマ世代」と呼ばれています。今回はこのトリレンマ世代が蓄えておくべき自己資金についてお話しします。自分の退職後資金はいくら必要?「退職後の資金」はなかなか単純ではありません。今のような超高齢化社会、女性の平均寿命の85歳まで毎月10万円ずつ取り崩していくとすると、60歳の時点で3,000万円必要になります。取り崩す金額が増えれば、必要な資金はさらに増えます。でも、たとえば60歳になった後、75歳までは少し運用をして増やす努力をしながら取り崩す、と考えてみます。「少し」というのを年率3%で運用した、とすると、60歳以降85歳までの25年間、毎月10万円引き出したとしても、60歳の時には約2,570万円準備できていればいいという計算になります。このように、退職後に備えた準備はひとりひとり変わってきます。ここでは後者の場合、すなわち運用で増やしながら切り崩していく場合の退職後必要資金を2,500万円(2)としてみます。親の介護費用はいくら必要?介護費用も、もちろん個人差はありますが、生活文化センターの平成24年の調査によると、約800万円(初期費用91万円+(7.7万円×12か月)×7.5年)(3)となっています。晩婚化、晩産化でライフイベントのタイミングに変化がこれら3つの資金(1)(2)(3)を単純合計すると3,900万円になります。「こんなに必要とは言っても、自分の親もちゃんとやってこられたのだから、そんなに心配することないのでは?」と思っていませんか? そこが盲点なのです。皆さんの親の世代は、年金もある程度潤沢にもらえた世代です。さらに、お金や生活に負担のかかる3つのライフイベントのタイミングもずれていました。今、女性の平均出産年齢は2013年には30.4歳、そして35歳以上で初めて出産する女性の比率は、1985年の7.1%から2014年には27.6%に上昇しています。仮に40歳で子どもが誕生したとしましょう。60歳で定年退職するときにはこどもは20歳、大学生です。一方で、親も80代で介護適齢期になっています(下図参照)。つまり、「こどもの教育費」以外に「自分(たち)の退職後の資金」「親の介護」という3つの課題に一度に直面する、ジレンマならぬトリレンマ世代になる可能性があります。同じ3,900万円でも、時期を追って順番に来る場合と、一時にくる場合では、精神的な負担感も非常に異なります。何より、その時期まで何の準備もしていなかった場合に、一度に3,900万円を用意する、というのはかなり大変ですよね。重要なのは、「必要になるお金が見えている」からこそ、「早い段階からできる範囲で準備をする」ことです。「準備の仕方」はさまざまですが、若い時期から取り組みやすいものに「ステップアップ投資」があります。経済的な安定に応じて月々の積立額を増やす投資です。たとえば30代で月に4万円、40代で月に5万円、50代で月に6万円を年率3%で運用し続けたとすると、計算上は60歳で2,800万円の資産になります(手数料、税金考慮せず)。毎月のお給料から4万円も出すのは無理!かもしれませんが、ご家庭でまずは考えるところからスタートしてみてはいかがでしょう?
2015年12月11日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日学びの秋、スキルアップや自分みがきをしたい! と思っている人も多いのではないでしょうか。でも、専門知識や資格を取得するには、スクールに通ったり講座を受けたりとそれなりにお金がかかってしまうことも。そんなときに活用したいのが、国のバックアップを受けて費用を一部負担してもらえる「教育訓練給付金」という制度です。将来のためのスキルアップを、しっかりサポートしてくれますよ。■スキルアップの費用を国が一部負担してくれる資格取得や専門的な勉強のためには、スクールに通ったり通信講座を受講したりと、何かと費用がかかるもの。その費用を、かかった分の20%、最大10万円まで国が支給してくれるのが、教育訓練給付金という制度です。講座の種類は、簿記やTOEICなどの事務系から、これから社会のニーズも高まりそうな介護福祉士などの医療系、仕事の幅を広げるのに直結しそうなCAD、プログラミング、ファイナンシャルプランナーまでさまざま。対象講座は9,600以上にものぼるので、自分の仕事や目指す将来像にあわせて選ぶことができます。■もっと本格的に学びたい人に! 最大48万円が支給される「専門実践教育訓練給付金」昨年からは、「長い期間をかけて本格的に学びたい」という人のための、給付金の上限が高い「専門実践教育訓練給付金」という制度もスタートしました。看護師や情報処理、インテリアデザインなど、対象講座は1,800以上。講座の数は一般の教育訓練給付金より少ないものの、支給される金額は費用の40%、年間で最大32万円に。さらに、訓練修了後、1年以内に資格を取得するなどの条件を満たせば、追加で最大16万円の支給も受けられます。つまり、しっかりと勉強して支給要件をクリアすれば、最大で48万円のバックアップが受けられるということに。長期的に腰を据えてキャリアアップを考える人にはおすすめの制度です。■給付金をもらうにはどんな手つづきが必要?この給付金の対象になるのは、会社勤めで雇用保険に加入している人。会社を辞めていても、退職から1年以内なら利用できます。給付金がもらえるのは、講座の受講が修了してから。講座修了の翌日から1か月以内に、受講料の領収書や給付金の申請書、本人確認書類などの必要書類を、住んでいる地域のハローワークに提出します。給付金の対象講座は、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」というサイトで探すことができます。通いたいスクールが決まっている場合は、対象講座かどうかを直接問いあわせてみてもよいでしょう。■給付金制度をかしこく利用するための注意点スキルアップにとても役立つこの給付金制度ですが、いつでも利用できるわけではないので注意が必要です。1度この制度を利用すると、「一般教育訓練給付金」の場合は3年間、「専門実践教育訓練給付金」は10年間制度が使えなくなるため、受ける講座の種類やタイミングなどをよく見きわめて。また、この給付金は、受講が修了しないと支給されません。途中で挫折してしまった場合は給付金を受けとることができないので、しっかり続けられるかどうかを考えてからスタートするようにしましょう。専門的な知識やスキルを身につけることは、社内でのキャリアアップはもちろん、転職などを考える場合にも役にたちます。給付金制度をかしこく利用して、学びを深めていきたいですね。※記事の内容は執筆時(2015年10月)の情報です。
2015年11月03日今は、現金がなくてもクレジットカードや電子マネーで買い物ができ、ATMで簡単にお金を借りられ、インターネットでいつでも好きな物が買えてしまう時代です。ゲームアプリの課金で高額請求されるといったトラブルも起きており、金銭教育の必要性が見直されています。大量消費、お金の流れが見えにくい時代に金銭教育を子どもの周りひとつとっても、おもちゃやゲーム、子供服、文具類など、新しいものが次々と発売され、激しい販売競争が繰り広げられています。物があふれ、お金がなくても買えてしまう時代、お金や物を大切に、と言われても、ピンとこないもの。こうした中で、お金との付き合い方をじっくり考えていく必要があるといえるでしょう。といっても、何か特別なものをするということではありません。たとえば、子どもの服が必要になった時、新品を買うか、リサイクルショップで買うか、おさがりをもらうのか、手作りするのか、リメイクして使うのかなど、さまざまな選択肢がありますが、そこでどういう選択をするか、ということも大切な金銭教育です。「おねだりを我慢したら旅行に行けるよ!」作戦で無駄遣いを減らそうまた、子どもが「おねだりを我慢できるようにすること」も立派な金銭教育のひとつです。子どもにねだられて買ってしまったものの、「無駄遣いだなぁ」と感じることも少なくないのでは? 無駄遣いが多いと思ったら、事前に買うものリストを作ったり、使う金額の上限を決めてから買い物に出かけたりすると、無駄買いを防止する効果があります。また、予定外の欲しいものを見つけた時は、すぐにカゴに入れずに一度その場を離れて、本当に買うべきか考えましょう。店内を1周して、それでも欲しかったら買うと決めます。これは、小さな子どものおねだりにも有効です2~3歳ぐらいだと欲しいものを我慢するのは大変ですが、買い物に行く前に「○○できたら1つ買ってあげるね」など約束をして、守れたら思い切りほめてあげましょう。欲しいものを買わずにすんだら、買わなかった物の金額、または500円など定額を貯金します。ある程度お金が貯まったら、家族で話し合って旅行や外食など、好きなことに使うのです。この方法だと、子どもも一緒に我慢と貯金の両方を楽しむことができるでしょう。「買う前にできることを考える」DIYも有効おもちゃやアクセサリーなど、欲しい物があったら、すぐに買うのではなく、家にあるもので工夫して作れないか考えてみましょう。ゼロから作ろうと思うと大変かもしれませんが、100円ショップにあるものなどを使って、ちょっとしたアイデアで乗り切れないか試すのは、おもしろいものです。厚紙や色画用紙、ペットボトルなどを使って船や車、ロボットなど、普段から作っていれば夏休みの自由研究のテーマにも困りません。女の子も、かわいい端切れをヘアアクセサリーにしたり、ストローやモールを使って魔法のステッキを作ったり、難しいところは手伝ってあげましょう。時にはキッチンセットや本棚などをママやパパが手作りして、子どもにプレゼントしてみてはいかがでしょうか。裁縫が得意なら、ドレスやコスチュームも喜ばれるでしょう。普段から身の回りにあるものは作れるのだと教えることは、物を大切にしたり、工夫する力につながります。とはいえ、どうしても欲しいおもちゃの変わりに、「手作りしよう!」といっても、「売っている方がいい」、となることもあるかと思います。手作りのほうがいいと押し付けず、日常的に手作りの楽しさがわかれば、新しいおもちゃだけに執着しなくなっていくことでしょう。お金の使い方には、「うちのルール」があることを教えよう5~6歳ぐらいになると、「自動販売機のジュースはすぐ飲めるのにどうしてお店で買わないとダメなの?」など、質問されることもあるかもしれません。親としては、同じジュースでも、自動販売機で買うよりお店で買うほうが安いという理由があるのに、目の前にジュースが売っていたら我慢できないのが子ども心です。こんな時は、「うちのルール」を伝えるチャンスです。「自動販売機もいいけれど、お店で買うほうが同じお金で、もっとたくさんジュースが買えるよ」など、わかりやすく説明してみましょう。そして、「自動販売機は、お店が閉まっていて、どうしても買わなければいけない時だけにしよう」というルールにします。このように、「うちのルール」を決め、親の価値観を明確に伝えましょう。たとえば、「お友達の○○ちゃんがゲームを持っているから、私も買って」といわれた時も、「うちでは○歳までは買わない」などときっぱり示すことが大切です。子どもが小学校の高学年になると、「うちのルール」を守らせるのも一筋縄ではいかなくなってくるかもしれませんが、それまでに親の価値観をしっかり伝えておけば、ある程度安心して本人の判断に任せられます。物にあふれている時代、つい子どもに与えすぎていないか、しっかり見直すことも大切なことといえるでしょう。(KANA)
2015年10月16日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』(山崎俊輔著、明日香出版社)の著者は、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について執筆・講演を行っている人物。「根拠のある『お金の貯まる習慣』が実行できれば、誰でも『お金がなくなる人』に別れを告げ、『貯まる人』になれる」そんな考え方のもと、本書では誰でも実行でき、その効果が確実に現れる「お金が貯まる習慣」をまとめているわけです。きょうは1章「お金が貯まる人の日常編」に焦点を当ててみましょう。■500円のランチを食べるとお金がなくなるお金がなくなる人の大きな間違いのひとつに、「いつもガマンしないと節約にならない」という思い込みがあると著者は指摘しています。でも実際には「貯まる人」ほど、日々を楽しみながらきちんと節約でき、お金を貯めているのだとか。その点について著者は「ランチ予算が1日500円だった場合はどうか」という問いかけをし、結果について以下のように断定しています。「素直に500円ずつ同じランチを、月曜から金曜まで同じ店で食べるような人は、お金がなくなる人です」■毎日同じランチを食べ続けると飽きる!意外な気もしますが、理由を聞いてみれば確かに納得できる話。つまり、こういうことです。「毎日500円の予算」と思い込むから、毎日500円でランチを食べるしかないわけですが、人間なので、それでは飽きてしまって当然。何ヶ月も続けていると、やがて食事はなんの楽しみもない、ただの作業になってしまいます。■同じ予算で変化をつけるとお金が貯まるしかし「1日500円」と決めつけてしまうからよくないわけで、「1週間で2,500円の予算」と考えれば違ってくることに。たとえば「月・水・木曜日は500円のランチ」「火曜日は吉野家で牛丼(並盛)380円」「金曜日は620円のちょっとだけゴージャスランチ」とすれば、同じ予算で変化が生まれるということ。だとすれば、同じ2,500円で買える満足度も、毎日同じランチよりも少し多くなることでしょう。つまり、同じ金額の消費について、自分の工夫で高い満足度を得たということになるわけです。「お金が貯まる人」は「同じお金で高い満足」を買ったり、「より安いお金でいままでと同じ満足」を買ったりしているのだとか。しかし「なくなる人」は、不満足のままたくさんお金を使ってしまい、同じランチタイムの過ごし方ひとつでどんどん差をつけられてしまうのです。*このように、ユニークな視点に基づいているので、読みごたえも充分。金の貯まる方法を、無理なく身につけられることでしょう。(文/印南敦史)【参考】※山崎俊輔(2015)『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』明日香出版社
2015年08月18日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日お金が貯まらない人のキマリ文句に、節約しているのに、家計簿をつけているのに、積立をしているのに……というセリフがあります。お金が貯まらないのは、お金との付き合い方ではなく、生活の仕方=家の片づけに原因があるようなのです。○風水師も断言。金運をアップするには"断捨離"以前、風水師の方に金運アップの方法を取材したときのことです。「西に黄色や金色のもの置くといい、通帳や貯金箱は北の方角などといいますが」と聞いたところ、「それよりも、まず"断捨離"をして家を片づけるのが一番です」といわれました。というのは、両手にモノをいっぱい持っていたら、欲しいものがあっても持てません。それと同じで、モノがあふれて余裕がない家にはお金がやってこないというのです。確かにモノがいっぱいあると、すべてを管理できないためムダが生じます。たとえば、何となくセールで買ってしまった洋服、どうせだからとまとめ買いしたけれど着ていないTシャツや下着、掃除をしようと買い揃えたけれど使わないままホコリをかぶっている洗剤、安いから買っておいたけれど賞味期限切れになってしまったレトルト食品、料理番組を見て作ってみようと思った献立のために買ったけれど1度しか使っていない調味料……。家の中をよく見ると必要ないもの、なくても困らないものがいっぱいありませんか。実はこれらの買い物が、お金の貯まらない最大の原因なのです。○家の整理の前に、自分の思考を整理してみる引っ越しをしたとき、驚くほどたくさんゴミが出たことはありませんか? 引っ越しというきっかけがあるとモノを処分したり整理したりするのですが、時間が経つうちにモノが増え、家の中が雑然とした状態になってしまいます。これは、どうしてでしょう? それは自分にとって必要なもの、必要でないものの整理ができていないことが大きな理由です。アメリカで生まれた「プロフェッショナル・オーガナイザー」という職業があります。収納の問題を解決してくれるプロなのですが"オーガナイズ"という言葉通り、単に片づけるだけでなく時間や情報、暮らし方などもサポート。この考え方を日本人向けに体系立ててまとめた「ライフオーガナイズ」という整理術に、いま私は注目しています。空間の整理よりも思考や感情の整理を重要と考え、単にモノを捨てたり見た目を整える収納ではなく、自分なりの片づけ方や収納方法を見つけることで、生活全体をスムーズにするというのが考え方の基本。確かに自分の考え方がハッキリしてくると、「不要なものはどんどん処分できるようになる」→「必要なものはより機能的に保存しようと思う」→「モノの居場所がハッキリしてくるので散らからない」、などリバウンドもしにくくなります。○まずは、モノを選別して減らすことからはじめようお金がたくさん入ってくる家にするためには、モノを「減らす」「整理する」「維持する」ことが必要です。上図はライフオーガナイズが提案する、モノを減らすときの考え方のひとつ。右下の「使っていない・気に入っていない」は処分、左上の「使っている・気に入っている」は残します。悩ましいのが右上と左下ですが、無理にどちらかに決めようとせず迷った場合は保留にし、少し時間が経ってから再考します。すると、不思議なことに意外と簡単に結論が出るものです。お金が貯まらないと感じている人は、押入れ一カ所、クローゼットひとつから整理を始めてみましょう。ムダがなくなると、知らないうちに節約できることを実感できるはずです。<著者プロフィール>鈴木弥生編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。
2015年05月26日