9月21日(水)より、すみだ北斎美術館では、浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)やその門人たちが絵を描いた板本に注目した『北斎ブックワールドー知られざる板本の世界―』が開催される。浮世絵というと《冨嶽三十六景》のように、多色刷りの一枚絵が思い浮かぶが、そうした木版画は、実は板本に描かれた絵が独立したものと言われている。北斎自身も一枚絵のほかに、読本や絵手本など、様々な板本を手掛けている。なかでも滝沢馬琴の小説に北斎が絵をつけた《椿説弓張月》などは代表的だ。彼の挿絵は、板本という大きさの決まった画面に、躍動的な絵を入れるための様々な工夫が凝らされており、時には枠線からはみ出すモチーフなど、現代の漫画にも似た斬新な構図も多用されていて、見ているこちらまで引き込まれてしまう。また同じ絵柄でも、手間をかけて作った初摺と制作工程を省いた後摺では、印象がどのように違うのか?下流から上流へと遡る隅田川の両岸の景色を見せるために、どんな工夫がされているのか?といった板本に関するトピックスも紹介。本の所蔵者や読者たちが板本にほどこした書き込みや落書きなどにも焦点を当て、江戸時代後期の、出版や読書をめぐる文化についても浮き彫りにする。そのほか、北斎が狂歌本に描いた『さむたらかすみ』のうち1冊を同館初公開。数点しか残っていない希少な板本なので、ぜひこの機会に見ておきたい。葛飾北斎『橋供養』巻之一、巻之二 すみだ北斎美術館蔵(通期)左:北斎による口絵、右:読者による落書き上:葛飾北斎『飛騨匠物語』下、下:葛飾北斎『新板 飛騨匠物語』四 いずれもすみだ北斎美術館蔵(通期)葛飾北斎『北斎漫画』八編 すみだ北斎美術館蔵(通期)葛飾北斎『略画早指南』初編 すみだ北斎美術館蔵(通期)【開催概要】『北斎ブックワールド ―知られざる板本の世界―』会期:2022年9月21日(水)~11月27日(日)※会期中展示替えあり会場:すみだ北斎美術館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:月曜(10月10日は開館)、10 月 11 日(火)料金:一般1,000円、大高・65歳以上700円、中学300円美術館公式サイト:
2022年09月08日「すみっコぐらしイルミネーション」が、神奈川県・さがみ湖リゾート プレジャーフォレストのイルミネーションイベント「さがみ湖イルミリオン」内に登場。期間は、2023年5月7日(日)まで。関東最大級600万球が光り輝く「さがみ湖イルミリオン」「さがみ湖イルミリオン」は、関東最大級600万球のLEDを使用する、“関東三大イルミネーション”の1つ。都心から車で約1時間という立地でありながら、広大な土地と斜面の高低差を生かし、大自然と一体となった“絶景”イルミネーションを創り上げている。2021年は「美少女戦士セーラームーン」とのコラボレーションも話題を集めた。「すみっコぐらし」初のイルミネーションイベントそんな「さがみ湖イルミリオン」とのコラボレーションにより、「すみっコぐらし」初のイルミネーションイベント「すみっコぐらしイルミネーション」が実現。全長250mの「虹のリフト」にのり、イルミネーションの上を空中散歩した先に、光り輝く「すみっコぐらし」のテーマエリアが広がる。「すみっコぐらし」の物語をテーマにしたイルミネーションイルミネーションは、「すみっコぐらし」のストーリーである「かわうそとすみっコキャンプ」・「たぴおかパーク」・「星空さんぽ」・「おばけのナイトパーク」・「とかげの夢」をテーマに。「とかげの夢」エリアでは、水面に浮かぶ6mもの大型バルーンで「とかげ」と「とかげのおかあさん」を再現し、幻想的な空間を作り出す。すみっコたちが訪れた遊園地「たぴおかパーク」を再現した「たぴおかパーク」エリアは、カラフルな光による楽しげな雰囲気いっぱいの空間に。メリーゴーラウンドに乗ったり、観覧車に乗ったりして楽しむすみっコたちのチャーミングな姿を目にすることができる。この他、すみっコたちのスノードームイルミネーションや、オリジナル描きおろしイラストを使用した巨大なイルミネーションアートウォールなど、イルミネーションならではのフォトスポットも多数登場する。描きおろしイラスト使用の限定グッズ&メニューも園内レストラン「ワイルドダイニング」では、オリジナルノベルティ付きコラボレーションフード&ドリンクメニューも展開。星モチーフを飾った「みんな大好き!しろくまのデミオムライス」「塩ラーメン」などフードメニューに加え、「ねこのいちごクレープ」、「しゅわしゅわすみっコドリンク」といった見た目にも華やかなスイーツ、ドリンクを揃える。さらに、会場では、「すみっコぐらしイルミネーション」の描きおろしイラストを使用した限定グッズも発売。「光るキャンディ」や「光るブレスレット」、クリアファイルセットなど、さがみ湖イルミリオンでしか手に入らないコラボレーショングッズが店頭に並ぶ。「さがみ湖イルミリオン」では“ハートフルイルミネーション”も初登場尚、関東最大級600万球のLEDを使用するイルミネーションイベント「さがみ湖イルミリオン」では、「ハートフルイルミネーション」エリアも初登場。クリスマスツリーと空間いっぱいにちりばめられたハートのイルミネーションが音楽に連動して輝く、特別感あふれるエンターテインメントショーを展開する。360度、周囲をぐるりと囲うように装飾された1,000個ものハートイルミネーションがカラフルな光を放つ他、ムービングライトやレーザービームがより一層華やかな空間を演出する。また、1月中旬からは、音楽やオブジェを変更し、新演出となる予定だ。【詳細】さがみ湖イルミリオン「すみっコぐらしイルミネーション」開催期間:2022年11月12日(土)~2023年5月7日(日)※4月2日(日)までは毎日、4月3日(月)~5月7日(日)は土日祝日のみ点灯。場所:さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト住所:神奈川県相模原市緑区若柳1634営業時間:16:00~21:00※時期により異なる。※最終入場は営業終了の30分前まで。※昼間から入園すると、追加料金なしでイルミリオンを観覧可能。料金:・入園料(16時からリフト無料) 大人1,800円、小人/シニア1,200円、愛犬1,200円・3時からパス 大人2,800円、小人/シニア2,200円(15時から販売)・フリーパス 大人4,500円、小人/シニア3,700円※小人は3歳~小学生以下、シニアは60歳以上■限定メニュー場所:園内レストラン「ワイルドダイニング」価格例:・みんな大好き!しろくまのデミオムライス 1,800円・塩ラーメン 1,700円・ねこのいちごクレープ 900円・しゅわしゅわすみっコドリンク(全5種) 700円 ※ストローチャーム付き■限定グッズ・光るキャンディ(全3種) 680円・A4クリアファイル(2枚1セット) 700円・ブラインド缶バッジ(全6種) 500円・光るブレスレット 900円【問い合わせ先】さがみ湖リゾート プレジャーフォレストTEL:0570-037-353
2022年09月08日映画村にかくれたすみっコたちをさがす、家族みんなでたのしめる リアルイベント! 京都らしいお着物を装ったオリジナルぬいぐるみなどのグッズも公開!えいがむらすみっコぐらしロゴえいがむらかくれんぼキービジュアル東映太秦映画村×すみっコぐらし ぬいぐるみ(S) (全6種)※写真はイメージです子どもから大人まで大人気の『すみっコぐらし』と、和の風景が華やぐテーマパーク東映太秦映画村がコラボイベント開催。『すみっコぐらし えいがむらかくれんぼ』は、映画村にひろがる広大な江戸時代の町並みの中でかくれんぼをしているすみっコたちをさがし出す体験型イベントです。特設ショップにはお着物でおめかししたすみっコたちのかわいいぬいぐるみが登場。他にも限定アートの京都コラボグッズやコラボメニューなど、ファミリーから大人のファンまですみっコぐらしを愛する全ての人にご満足いただけるイベントです。詳細は次項をご覧ください。<公式HP> <公式Twitter> @kachinta<イベント名> 『すみっコぐらし えいがむらかくれんぼ』<開催日程> 2022年10月22日(土)~2023年1月15日(日)<開催場所> 東映太秦映画村村内一円1.『すみっコぐらし えいがむらかくれんぼ』とは… 江戸の町に実際にかくれているすみっコたちをさがす、ラリー形式の体験型イベントです。~遊び方~①映画村すみっコぐらし特設ショップでラリーシートを購入します。スマートフォンで付属のQRコードを読み取ると、あなたのLINEにすみっコたちがかくれていそうな場所のマップが送られてきます。えいがむらかくれんぼラリーシート¥500(税込み)ラリー中のLINE画面どこにいるのかな~②すみっコをみつけたら、名前を送信!スマートフォン用限定壁紙とキーワードが送られてきます。キーワードを全部集めてヒミツの言葉を完成させると…「限定ドデカ缶バッジ」プレゼント♪景品「限定ドデカ缶バッジ(76mm)」※写真はイメージです2.コラボグッズ 京都らしいお着物がかわいい 『東映太秦映画村×すみっコぐらし ぬいぐるみ(S)』販売♪「東映太秦映画村×すみっコぐらし ぬいぐるみ(S)」各1,980円(税込み)(全6種)※写真はイメージです『すみっコぐらし堂』の人気グッズが映画村に集合!店舗限定グッズも♪すみっコぐらし堂 太秦出張所「缶バッジ」各330円(税込み))「限定A5クリアファイル」 (全3種、ランダム配布) ※グッズ3,000円お買い上げごとに1つプレゼント※写真はイメージです他にも限定アートの京都コラボグッズぞくぞく販売予定…!9月下旬第2弾リリースでお知らせします!3.グッズ付きコラボチケット映画村入村券と『すみっコぐらし えいがむらかくれんぼ』ラリーシートの前売り券に東映太秦映画村×すみっコぐらし ぬいぐるみ(S)がセットになったお得なチケットを数量限定で販売♪かわいいお着物のとかげを確実に手に入れよう!※ 「『すみっコぐらし えいがむらかくれんぼ』ラリーシート」及び、「東映太秦映画村×すみっコぐらしぬいぐるみ(S)とかげ」はイベント期間中、映画村内すみっコぐらし特設ショップ内でも販売いたします。▪販売期間 2022年9月7日(水)10:00~10月21日(金)23:59▪料金 大人 4,500円 中高生 3,500円 子ども 3,300円(3才~小学生)▪購入方法:各種コンビニでお取り扱い。・ファミリーマート(店頭マルチコピー機)・ローソン・ミニストップ店頭LoppiもしくはローチケWEB Lコード:55517ローソンチケットURL: ・セブンイレブン(店頭マルチコピー機もしくはセブンチケットWEB)セブンコード:097-538セブンチケットURL: その他詳細は上記HPをチェック!▪引換場所 映画村インフォメーション▪引換期間 2022年10月22日(土)9:00~2023年1月15日(日)17:00●権利表記● 画像をご使用の際は以下の著作権表記の付記をお願いします。 ©️2022 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年09月07日「すみっコぐらし やわらかECO湯たんぽ」が、全国の量販店・専門店にて発売される。「すみっコぐらし」の人気キャラクターが湯たんぽに!「すみっコぐらし」の人気キャラクターが、秋冬にぴったりな湯たんぽになって登場。とかげ・しろくま・ねこ・えびふらいのしっぽの全5種類の専用カバーを揃えており、湯たんぽにかぶせるだけで、低温やけどを予防しながら“ぽかぽか”と身体を温めてくれる。スリムかつコンパクトなサイズ感なので、おうち時間にはもちろん、オフィスやアウトドアシーンの冷え対策として活用できるのも嬉しいポイント。そのキュートな見た目に加え、ふわふわとした心地の良い手触りで、心までじんわりと癒してくれそうだ。機能的なS字フックつきなお中身の湯たんぽには、専用のS字フックが付属。持ち手として使用することで、直接本体に触れずにお湯を注ぐことができる安心の仕上がりとなっている。【詳細】すみっコぐらし やわらかECO湯たんぽ (容量800mL) 2,200円発売日:2022年9月1日(木)展開:全国の量販店・専門店・通信販売など
2022年09月05日たれぱんだ、リラックマ、すみっコぐらし……。癒しキャラクターの生みの親・サンエックスが初の大展覧会「サンエックス90周年 うちのコたちの大展覧会」(松屋銀座8Fイベントスクエアで8月30日まで)を開催中。会場には試作のぬいぐるみなど貴重な展示品がいっぱいだ。そんな、キャラクターにまつわる秘話を紹介♪【たれぱんだ】最初の試作品はもっとリアルだった!えーっ!これがあのたれぱんだ?と衝撃を受けるはず。展示されているのは工場から初めて上がってきた試作品。ほかにも、作者手縫いの試作品などが会場にあるのでぜひ見てきて!【リラックマ】違うのは耳くらい初期の試作品は、耳のデザインと顔の輪郭が違っているものの、脱力したゆるゆるな感じや愛らしさは現在のものとほぼ同じ。より愛されるキャラクターになるため、試行を重ねてリラックマが誕生。【すみっコぐらし】初期カンプにはキリンや羊が!初カンプや初期カンプと比べると、現在とキャラクターの顔ぶれに違いが。なかにはキリンや羊らしきキャラまで……。ぺんぎん?は最初からずっといた!
2022年08月27日サーティワン アイスクリーム(31 ICE CREAM)から、「すみっコぐらし アイスクリームケーキ」が登場。2022年8月25日(木)より通年販売される。すみっコたちが“お花畑”に集合サーティワン アイスクリームから、2022年に10周年を迎えた人気キャラクター「すみっコぐらし」をモチーフにしたアイスクリームケーキが初登場。“しろくま” “ぺんぎん?” “とんかつ” “ねこ” “とかげ”が、お花畑に集まっている姿を表現し、可愛らしいビジュアルに仕上げている。土台はキャラメルリボン&ストロベリー土台となっているアイスクリームケーキのフレーバーは、キャラメルリボン&ストロベリー。トップには、砂糖菓子でできたすみっコたちや、チョコレートの花&葉っぱモチーフを飾った。「すみっコぐらし」のやさしい世界観をイメージし、ふんわりとしたパステルカラーのホイップも絞っている。【詳細】サーティワン アイスクリーム「すみっコぐらし アイスクリームケーキ」販売期間:2022年8月25日(木)~通年販売参考価格:3,300円※店舗により価格が異なる。サイズ:5号(直径 約16cm×高さ 約5cm)
2022年08月25日すみだ北斎美術館では2022年9月21日(水)から11月27日(日)まで企画展「北斎ブックワールド」を開催いたします。企画展《北斎ブックワールド》浮世絵と聞くと、「冨嶽三十六景」のような一枚の紙に摺られた木版画がイメージされます。もともとそうした一枚摺の木版画は、板木に文字や挿絵を彫って摺ったものを本に仕立てた「板本(はんぽん)」から、次第に絵のみが独立したともいわれます。浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)は、板本にも絵を描いており、物語の挿絵であったり、自らの絵を集めた絵手本(えでほん)であったりと、たくさんの板本を出版しました。北斎絵手本の代表作として知られる『北斎漫画』には、江戸時代の板本を読む人々が描かれています。人々がくつろぎながら読みふけって楽しむ様子は現在と変わりません。本展では、このような板本に注目し、その魅力をお伝えします。葛飾北斎『北斎漫画』八編 すみだ北斎美術館蔵(通期)※摺られた本は版本とも表記しますが、北斎が活躍した江戸時代後期の本は、一枚の板を彫った板木を摺ってつくる本が主流であったため、本展では板本の表記を使用します。■展示構成序章 板本の中の板本をよむ人々/1章 板本の基礎知識/2章 板本に関するトピックス/3章 所蔵者・読者の痕跡/4章 板本の優品■本展の見どころ◎展示室にずらりと並ぶ板本、約110点!北斎や門人によって挿絵が描かれた板本は、絵画表現が工夫されているため、内容に惹きこまれます。本展では北斎や門人が描いた板本、前後期あわせて約110点を展示。出版文化が花開いた江戸時代に、読者が感じていた「読む」楽しさをご紹介します。◎知れば知るほど奥が深い!【ここに注目】パネルで解説。板本に関する用語のほか、作品の注目すべき点や、端々に残る読者・所蔵者の痕跡をパネルで解説。ポイントをおさえながら鑑賞していくと、見終わる頃には板本の世界に夢中!?■1章 板本の基礎知識北斎が浮世絵師として活躍する頃には、板本の大きさや形式などが定まっていました。本章では、板本を鑑賞するための予備知識として、本を学問の対象としている書誌学の成果に基づき、板本の形態や、板木や包み紙、内容(ジャンル)による分類など、板本に関する基礎的な知識を紹介します。◎キーワード:読本(よみほん)読本(よみほん)とは、歴史に題材をとり、勧善懲悪、因果応報を伝える趣旨で書かれた小説です。絵を中心とする黄表紙などに対して文章を読む本という意味で、読本と呼ばれています。江戸時代では最も知的で格調高いとされる小説でした。挿絵は本文とは別の頁にあり、内容に即した刺激的な挿絵が入れられています。葛飾北斎『椿説弓張月』続編 巻四 すみだ北斎美術館蔵(通期)『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』は、伊豆大島に配流された平安末期の武士・源為朝が琉球にわたり活躍する読本で、江戸時代のベストセラーとも評されます。本図は物語の一場面で、琉球王朝の忠臣、陶松寿(とうしょうじゅ)が一太刀で毒蛇を倒す様子が描かれています。◎キーワード:絵手本(えでほん)絵手本(えでほん)は、狭義では絵を習うための手本のことですが、実際には北斎の絵を鑑賞したい人が購入したり、職人が下図として利用したりもしていました。葛飾北斎『略画早指南』初編 すみだ北斎美術館蔵(通期)『略画早指南(りゃくがはやおしえ)』は、コンパスと定規による円と線で、描く対象物のおおまかな形を描けることを解説した北斎の絵手本です。このページでは、松坂踊という踊りと、川で魚を取る川狩の描き方が解説されています。■2章 板本に関するトピックス板本をみていると、北斎や門人が板本のために工夫した絵画表現などが目にとまります。また、板本は手作りのため全く同じものはありません。同じ書名でも見比べてみると、薄墨(うすずみ)や濃墨(こずみ)が省略されていたり、細かな部分が変わっていたりする例もあります。2章では、板本の挿絵にみられる絵画表現や、現在から考えると少し変わった事例などの紹介、初摺(しょずり)と後摺(あとずり)などの比較など、板本の奥深さをご覧いただきます。◎注目!後摺では濃墨(こずみ)が省略!?上:葛飾北斎『飛騨匠物語』下、下:葛飾北斎『新板 飛騨匠物語』四 いずれもすみだ北斎美術館蔵(通期)読本『飛騨匠物語(ひだのたくみのものがたり)』は、飛騨の名工・猪名部墨縄が、様々な機関(からくり)を作って活躍し、仙人の世界を追われた男女を結婚させるという物語です。『新板 飛騨匠物語』はその後摺にあたります。後摺とは、初摺の板木を再び使用して摺られたものを指します。両書の挿絵を比較してみると、姫君が将来の夫たちを夢にみる場面で、初摺(上)は夢の中の夫たちの背景を濃墨にすることで、寝ている現実の姫君と対比させています。後摺(下)では濃墨が省かれ、夢と現実の境目がわからなくなっています。◎注目!まるで絵巻物のような板本葛飾北斎『絵本隅田川 両岸一覧』上 すみだ北斎美術館蔵(頁を替えて通期展示)『絵本隅田川 両岸一覧』は、隅田川を下流から上流へと遡った両岸の景色が描かれた板本です。前の見開きの図柄と次の見開きの絵柄がつながるように仕立てられており、ページをめくりながら絵巻物のように鑑賞することができる点が特徴です。本展では見開き3ページ分の絵柄がつながった状態で鑑賞いただけるように展示します。■3章 所蔵者・読者の痕跡すみだ北斎美術館が所蔵している板本は、江戸時代に作られた後、数人の手を経て伝えられてきたものです。板本には蔵書印や、所蔵者や読者による書き込みなどがみられます。大事に伝えられてきた証、ときには心無くいたずら書きされてしまったものなど、北斎が生きた時代から現在までの150年以上の間にのこされた、所蔵者・読者の痕跡を紹介します。◎注目!入手の嬉しさの書き込み左:北尾政演『百人一首 古今狂歌袋』すみだ北斎美術館蔵(頁を替えて通期展示)『百人一首 古今狂歌袋』は、紀州徳川家15代当主・徳川頼倫、浮世絵研究者・楢崎宗重が旧蔵していたものです。本書に付属している帙(ちつ、本を保護するために包むもの)の内側には、楢崎宗重による手書きのコメント(昭和壬寅之年首夏 偶然ニこの美本を入手し 嬉しさのあまり座右ニ備えて玩賞 これを恒とす)が記されており、本書を入手した喜びが伝わってきます。※「楢崎宗重」の名前について、機種依存文字に該当するため通常の「崎」で代用しておりますが、「立崎」が正式です。◎注目!北斎の絵をまねた落書き葛飾北斎『橋供養』巻之一、巻之二 すみだ北斎美術館蔵(通期) 左:北斎による口絵、右:読者による落書き葛飾北斎『橋供養』巻之二には、巻之一の北斎の口絵の人物をまねた拙い絵(落書き)が書き込まれています。落書きをした人は、教科書へ落書きをする現代の私たちと同じ気持ちだったかもしれません。本書は料金を取って本を貸し出すことを商売とする貸本屋(かしほんや)が所蔵していたものです。貸本屋に所蔵されていた本は、多くの利用者に読まれたため、読者の感想などのコメントが書き込まれていたり、逆に貸本屋から利用者に宛てて落書きをしないように記している事例も見られます。■4章 板本の優品板本には墨一色で摺られた本が多いですが、錦絵のような多色摺の本もあります。本の形のため、閉じた状態で保存されてきたことで、褪色が少なく非常に鮮明な色のまま伝えられている板本もあります。4章ではそのような優品や遺存数の少ない希少本、また北斎のターニングポイントになった板本を展示します。◎必見!すみだ北斎美術館初公開の希少本葛飾北斎『さむたらかすみ』すみだ北斎美術館蔵(前期)寛政から享和(1789-1804)の頃には、狂歌をたしなむ人々の間で豪華な狂歌本が盛んに出版されました。『さむたらかすみ』もその一つです。北斎による挿絵は、近景に長閑な田舎の風景が画面全体に描かれ、子どもを負んぶする女性や、小川で鎌を研ぐ農夫、行楽に訪れた娘と婦人などが描かれます。遠景には社の鳥居や鶴などを小さく配置し、奥行きが表現されています。遺存数も数点しか知られていない希少な板本で、当館初公開です。◎必見!美しく鮮やかな銀色の波魚屋北溪『三都廼友会』すみだ北斎美術館蔵(前期)本図は、魚屋北溪(ととやほっけい)が狂歌本『三都廼友会(みつのともえ)』に寄せた挿絵です。北溪は北斎門人の中でも優れた浮世絵師として知られています。隅田川の渡し船の情景が描かれ、月が照らす波の表現には銀摺(ぎんずり)が用いられています。収載された狂歌師のなかには、狂歌堂島人(人吉藩主・相良頼徳)や歌垣綾麿(綾部藩主・九鬼隆度)などの大名も含まれており、出版の助力をした可能性も考えられ、大変美麗な本となっています。■企画展「北斎ブックワールド」開催概要展覧会名 : 北斎ブックワールド ― 知られざる板本の世界 ―会期 : 2022年9月21日(水)~11月27日(日)※前後期で一部展示替えを予定前期 9月21日(水)~10月23日(日)後期 10月25日(火)~11月27日(日)休館日 : 毎週月曜日※開館:10月10日(月・祝)、休館:10月11日(火)開館時間 : 9:30~17:30 (入館は17:00まで)主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館お問い合わせ : 03-6658-8936 (9:30~17:30 ※休館日を除く)公式ホームページ : 観覧料 : AURORA(常設展示室)、常設展プラス観覧料含む通常料金 一般1,000円、高校生・大学生700円、65歳以上700円、中学生300円、障がい者300円、小学生以下無料・本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスもご覧になれます。・団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。本展観覧券の販売について詳細はこちら ◎前売券 2022年9月20日(火)まで販売中。前売料金:一般800円、高校生・大学生560円、65歳以上560円、中学生240円、障がい者240円、小学生以下無料◎関連イベント・スライドトーク「北斎ブックワールド」展の見どころ講師:本展担当学芸員日時:10月1日(土)、11月19日(土) 各日14:00~14:30(開場13:30)会場:MARUGEN100(講座室)定員:未定。最新情報は公式ホームページをご確認ください。料金:無料(ただし、企画展観覧券または、年間パスポートが必要です)・講演会「板本を見る、板本に触れる」講師:堀川 貴司 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授日時:11月5日(土)14:00~15:30(開場13:30)会場:MARUGEN100(講座室)定員:未定。最新情報は公式ホームページをご確認ください。料金:無料(ただし、企画展観覧券または、年間パスポートが必要です)・新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性がございます。・最新の状況は、すみだ北斎美術館公式ホームページにて最新情報をご確認ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月24日さまざまなアイスフレーバーで知られるアイス店『サーティワンアイスクリーム』が、あの人気キャラクターと初コラボ!2022年で10周年を迎えた、人気シリーズ『すみっコぐらし』のアイスケーキを発売することが発表されました。サーティワンから『すみっコぐらし』のアイスケーキが発売すみっこにいるのが大好きで、心を癒してくれるゆる~いビジュアルが人気を博す、『すみっコぐらし』。2022年8月25日から、同作のキャラクターがケーキにちょこんと乗った『すみっコぐらし アイスクリームケーキ』が発売されます。キャラメルリボンとストロベリーが組み合わさったアイスケーキに乗っているのは、しろくま、ぺんぎん?、とんかつ、ねこ、とかげの5匹。いつもはすみっこにいる同作のキャラクターが、お花畑をイメージしたケーキに集合しました!ケーキには、チョコレートでできた花や葉っぱだけでなく、パステルカラーのホイップクリームも乗っています。キャラクターたちは砂糖菓子でできているため、食べることができます。…しかし「かわいすぎて食べられない!」と思ってしまいそうです。また、アイスケーキの台紙とフィルムも『すみっコぐらし』デザインが施されています。箱からアイスケーキを出した瞬間、あまりのかわいらしさに頬がゆるむこと間違いなしです!『すみっコぐらし アイスクリームケーキ』は発売後、通年販売されます。自分へのご褒美に食べるもよし、大切な人の誕生日ケーキにするもよし、子供へのプレゼントにするのもよし。ゆる~いキャラクターたちと一緒に、楽しいひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか!【すみっコぐらし アイスクリームケーキ】価格:参考価格3300円(税込)サイズ:5号(直径約16cm×高さ約5cm)販売期間:2022年8月25日~通年販売[文・構成/grape編集部]
2022年08月22日千葉市美術館は、企画展「とある美術館の夏休み」を2022年7月16日(土)から9月4日(日)まで開催する。“日常と非日常のあわい”という視点から美術館を捉え直す誰にとってもいつもと少し違う時間に出会い、ささやかで特別な経験ができる「夏休み」。企画展「とある美術館の夏休み」は、まるで夏休みのような“日常と非日常のあわい”という視点から美術館そのものを捉え直していく展覧会だ。現代美術家の作品と所蔵作品を一緒に展示会場では、“美術館をときほぐす”“作品と出会い直す”“日常で表現する”という3つのテーマのもと、現代美術家やクリエイターなどの作品と、彼らが選んだ千葉市美術館の所蔵作品を展示。伊藤若冲、田中一村、河原温、杉本博司などの所蔵作品を、現代美術家、編集者、デザイナー、雑貨店などさまざまな表現者たちの目を通して紹介していく。中﨑透、ミヤケマイ、清水裕貴、津田道子も参加たとえば、中﨑透、ミヤケマイ、清水裕貴、津田道子の4名の現代美術家は、展示ケースや学芸員、監視員といった普段展覧会であまり意識されることのない存在を新作インスタレーションに組み込みつつ、千葉市美術館の所蔵作品と一緒に展示。作品そのものだけでなく、美術館をとりまく要素に着目し、美術館という場所を捉え直す。小川信治や目[mé]の新作インスタレーションまた、2017年と2019年に千葉市美術館で個展を開いた小川信治と現代アートチーム目[mé]は、その際に美術館に所蔵された自身の作品と再び対面。自身の作品と向き合いながら、新たなインスタレーションを制作する。日常生活の中で生まれる表現にも注目さらに、企画展「とある美術館の夏休み」では、日常生活の中でも多様な表現が生まれていることに注目して作品を紹介。日々の生活や感覚を日記で表現するきぐう編集室や、毎日決まった時間にコピー機に自分の顔や手を押し付けてプリントする井口直人、場所・時間・記憶を匂いという切り口で捉えて表現する井上尚子、長谷川義太郎が手掛ける雑貨店・文化屋雑貨店が参加し、日常の表現を見つめ直すことに繋がるような展示を実施する。展覧会概要企画展「とある美術館の夏休み」会期:2022年7月16日(土)~9月4日(日)休館日:8月1日(月)※休室日は7月25日(月)、8月15日(月)開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)※入場受付は閉館の30分前まで会場:千葉市美術館住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8観覧料:一般 1,200円(960円)、大学生 700円(560円)、小・中学生、高校生無料※障害者手帳所持者とその介護者1名は無料※( )内は前売り、市内在住65歳以上の料金※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額※本展チケットで5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」も鑑賞できる【問い合わせ先】千葉市美術館TEL:043-221-2311 (代表)
2022年08月01日東京都美術館で7月23日(金)より『ボストン美術館展芸術×力』が開幕、10月2日(日)まで開催されている。芸術を自らの力を示すため利用してきた、古今東西の権力者たち。「力」とともにあった芸術の歴史を約60点で振り返る。新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年に中止となっていた展覧会だが、このたびようやく開催の運びとなった。第1章展示風景より左:アンソニー・ヴァン・ダイク《メアリー王女、チャールズ1世の娘》1637年頃右:ロベール・ルフェーヴェルと工房による《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》1812年第1章展示風景より、左:長船長光《太刀 銘長光》13-14世紀右:来国俊《短刀 銘来国俊》13世紀後半第5章展示風景より狩野山雪《老子・西王母図屏風》17世紀前半ボストン美術館は50万点以上もの作品を有する世界有数の美術館。同展では、約10万点と膨大なコレクション数をほこる日本美術のほか、エジプトやヨーロッパ、インド、中国など世界各地の作品から「芸術と力」をテーマに約60点をセレクトし展示。その半数以上が日本初公開の作品となる。ロベール・ルフェーヴェルと工房 《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》1812年ボストン美術館蔵展覧会は5章構成。第1章「姿を見せる、力を示す」では、権力者の力を誇示するために制作された作品が展示される。《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》は、マントを羽織い、月桂樹の冠をかぶるナポレオンを描いた肖像画。その身にまとった服やポーズ、周囲に描かれた調度品など、すべてが権威を示す物だ。《ホルス神のレリーフ》 紀元前1971-紀元前1926年ボストン美術館蔵権威を示す手法は地域や時代によって大きく異る。ホルス神はエジプトの最も重要な神のひとりで、ハヤブサやハヤブサの頭部を持った男性の姿で表される。そして、現世に生きるエジプト王はホルスの化身とされていた。《ホルス神のレリーフ》はカイロから50キロほどはなれた場所にあるピラミッド複合体で見つかったものだ。《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》部分 13世紀後半ボストン美術館蔵《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》部分 13世紀後半ボストン美術館蔵同展のハイライトともいえる二大絵巻のひとつが《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》。平安時代末期、上皇と天皇の対立から巻き起こった「平治の乱」を描いた本作は、日本に残されていれば国宝に指定されていただろうと考えられている。注目点は、この動乱で重要な役割を担う後白河院が画面には一切登場せず、牛車でその存在を暗示するにとどまっていることだ。権力者の姿を威風堂々と描くヨーロッパとは異なり、天皇を描かない日本ならではの慣習によるものといえる。地上の統治者たちは、しばしば「神の代理人」としての役割を果たした。また、宗教的な儀式を行うことや、その地の宗教の支援を行う事もあった。第2章の「聖なる世界」では、権力者たちと宗教美術とのかかわりを扱う。ブオナッコルソの《玉座の聖母子と聖司教、洗礼者聖ヨハネ、四天使》は、金箔をふんだんに使い、照度を落とした展示室でも光り輝く祭壇画だ。ニッコロ・ディ・ブオナッコルソ《玉座の聖母子と聖司教、洗礼者聖ヨハネ、四天使》1380年頃ボストン美術館蔵エル・グレコの《祈る聖ドミニクス》はドミニコ会を創設した修道士聖ドミニクスを描いた作品。聖ドミニクスの敬虔さがドラマティックな構図で描かれている。エル・グレコ《祈る聖ドミニクス》1605年頃ボストン美術館蔵《大日如来坐像》は平安時代に制作されたもの。当時、権力者たちに広く受け入れられていた仏師、定朝の様式を踏襲して作られている。様式は、権威を表す機能も果たしていたのだ。《大日如来坐像》1105年ボストン美術館蔵続く第3章「宮廷の暮らし」では、統治者たちの暮らしぶりが垣間見える絵画や宝飾品などを紹介する。《灰色の枢機卿》は、現在もパレ=ロワイヤルとして現存するパリの宮殿の大階段が舞台の作品。カラフルな服を身にまとい、うやうやしくお辞儀をする貴族たちを、修道士は気にもとめず読書をしている様子が描かれている。修道士は、当時フランスの大権力者であったリシュリュー枢機卿のブレーンの一人。フランス王国の力関係がドラマティックな構図で描かれている。ジャン=レオン・ジェローム《灰色の枢機卿》1873年 ボストン美術館蔵《モンスーンを楽しむマハーラージャ、サングラーム・シング》は、統治者であるサングラーム・シングが郊外の宮殿を訪れたときの様子が描かれている。サングラーム・シングは画面上部と下部に描かれており、上部の屋上から妻とともに広大な領土を眺める様子や、下部の侍女を従えながら宮殿に入っていく描写から、その絶大な権威を見てとることができる。《モンスーンを楽しむマハーラージャ、サングラーム・シング》1720-1725年頃ボストン美術館蔵第4章「「貢ぐ、与える」、第5章「たしなむ、はぐくむ」へ統治者は、ときに他の統治者や家臣に贈り物をすることもある。第4章「貢ぐ、与える」では、権力者たちによる贈答品、あるいは権力者への貢物などを紹介していく。狩野永徳によるものと伝わる《韃靼人朝貢図屏風》は、韃靼人(モンゴル系騎馬民族)の一行が、位の高い人物に謁見するために、貢物を持って向かう様子が描かれている。この画題は中国の皇帝に謁見するために様々な民族が貢物を持って向かう「王会図」という画題に傚ったものだ。伝狩野永徳《韃靼人朝貢図屏風》16世紀後半 ボストン美術館蔵《銀の水差しと水盤》はイングランドの女王、エリザベス1世への贈り物、あるいは女王からの贈り物であったと考えられている。水差しと水盤の両方に歴代国王の略系図が彫り込まれ、水差しにはさら旧約聖書の物語も表されている。《銀の水差しと水盤》1567−68年ボストン美術館蔵そして、クライマックスとなる第5章「たしなむ、はぐくむ」では、芸術家のパトロンとしての権力者に焦点を当てる。同展で里帰りを果たした二大絵巻のひとつ、《吉備大臣入唐絵巻》は、全期を通して4巻揃って展示。奈良時代を代表する学者で官僚、遣唐使だった吉備真備と、唐で亡くなり、鬼となって現れた阿倍仲麻呂との物語が描かれる。現代の感覚ではかわいらしくユーモラスにも感じる内容だ。《吉備大臣入唐絵巻》展示風景《吉備大臣入唐絵巻》(部分)12世紀末ボストン美術館蔵《吉備大臣入唐絵巻》(部分)12世紀末ボストン美術館蔵展覧会の最後を飾るのは、同展のために修復が施され初の里帰りを果たした増山雪斎の《孔雀図》。雪斎は江戸時代に伊勢長島藩を治めた大名でありながら、画技にも秀でた文人大名だった。修復を経て色鮮やかに蘇った精緻な表現をじっくりと鑑賞して欲しい。増山雪斎《孔雀図》1801年ボストン美術館蔵はるか昔から密接に関わり合ってきた「芸術」と「力」。時代や国によって異なるさまざまな「力」の表現に注目しながら、権力とは何か、ということについて改めて考える機会ともなりそうだ。構成・文:浦島茂世【開催情報】『ボストン美術館展芸術×力』7月23日(土)~10月2日(日)、東京都美術館にて開催※日時指定予約制
2022年07月26日「すみっコぐらし」のキッズサイズ腕時計ベルトセットモデルが、2022年7月22日(金)より全国のチックタック系列店などにて数量限定で発売される。「すみっコぐらし」限定キッズ腕時計今回登場するのは、2022年で10周年を迎える「すみっコぐらし」のキッズサイズ腕時計だ。時計本体に加え、異なるデザインのベルトが3点付属。特別なパッケージに収納される。“たぴおか”がくるくる回る文字盤ちいさな文字盤には、“ねこ”“しろくま”“とんかつ”“ぺんぎん?”“ほこり”が肩を寄せ合う姿をあしらっている。秒針はクリア素材のディスクで、その上に描かれた“たぴおか”がくるくる回る、遊び心溢れる楽しい見た目もポイントだ。ぷっくりかわいいキャラクターを配したベルトセットとなる3種類のベルトにも注目。かわいいキャラクターたちがぷっくり立体的に配されている。ベルトのカラーによってそれぞれ異なるキャラクターが描かれているので、その日の気分によって付け替えて楽しんでみて。詳細すみっコぐらし キッズサイズ腕時計ベルトセットボックス発売日:2022年7月22日(金)販売店舗:チックタック系列店、チックタックオンラインストア価格:4,950円 ※200セット限定<仕様>クォーツ(MIYOTA S2035)素材:ケース/ABS樹脂、バンド/PVCサイズ:ケース径27.5mm、バンド幅14mm、バンド厚 9mm、バンドアジャスト幅 125mm~170mm※非防水
2022年07月25日手作りドーナツ専門店・フロレスタは、「すみっコぐらしコラボドーナツ」を2022年8月6日(土)から8月26日(日)まで期間限定で発売する。フロレスタの「すみっコぐらしコラボドーナツ」手作りドーナツ専門店・フロレスタが、人気キャラクター「すみっコぐらし」とコラボレーション。期間中、第1弾・第2弾に分けて、見た目にもカワイイ、食べておいしい「すみっコぐらしコラボドーナツ」を展開する。第1弾は、「ねこ&ざっそう」「しろくま&ふろしき」をモチーフにしたドーナツを販売。有機抹茶パウダーやいちごパウダーを練り込んで、カラフルに仕上げたキャラクターをこだわりのドーナツの上にちょこんとのせた。続く第2弾では、「とんかつ&えびふらいのしっぽ」をひとくちサイズのドーナツにして表現。カラフルなボーダー模様のドーナツとともにカップに入れて提供する。【詳細】フロレスタ「すみっコぐらしコラボドーナツ」取り扱い店舗:フロレスタ店舗、フロレスタオーガニックストア■第1弾:2022年8月6日(土)~8月16日(火)・リングドーナツ 全2種(ねこ&ざっそう / しろくま&ふろしき) 各520円<テイクアウト時>■第2弾:8月17日(水)~8月26日(日)・カップドーナツ 1種(とんかつ&えびふらいのしっぽ) 690円<テイクアウト時>※販売期間中、店舗によっては展開状況が異なる。※予約、取り置きなど詳しくは各店舗に問い合わせ。※すべて数量限定。※フロレスタオーガニックストアでは、2022年8月6日(土)10:00~8月19日(金)23:59受注受付。■販売店舗【東北】石巻R45店【関東】宇都宮平成通り店、高円寺店、学芸大学店、三軒茶屋店【東海】浜松さんじの店、日比野駅前店、野並駅前店、イオンタウン各務原店【関西】奈良本店、堀江店、キッチンコドモ、北花田店、三田ウッディタウン店、王子公園店【中国】米子店【九州】藤崎店、平尾店、六本松店、くまもと光の森店、大分店、大分駅上野の森口店、大分大在店【沖縄】新都心店
2022年07月25日葛飾北斎「冨嶽三十六景」を背景に小唄を味わう浮世絵、時代劇、歴史、落語ファンも楽しめる演奏会明暮れ小唄『北斎小唄 其の弍 冨嶽三十六景』が下記の通り東京・岐阜の二会場で上演されます。【東京公演】2022年9月18日 (日)/すみだリバーサイドホール(東京都墨田区吾妻橋1丁目23-20)【高山公演】2022年9月25日 (日)/飛騨高山まちの博物館酒蔵ホール(岐阜県高山市上一之町75番地)チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中【東京公演】 【高山公演】 「北斎小唄2021」より邦楽ユニット 明暮れ小唄「北斎小唄」第二弾上演決定!葛飾北斎の最高傑作として名高い「冨嶽三十六景」の高画質映像をスクリーンに映写しながら、江戸情緒あふれる「小唄」をお楽しみいただく演奏会。噺家の柳家緑太さんの落語仕立てによる愉快な進行。お囃子の演奏で浮かび上がる波や風の音、街道の賑わいをお楽しみ下さい。北斎作品の中に入り込み、一緒に江戸の旅に出かけませんか。邦楽ファンだけでなく、浮世絵、時代劇、歴史、落語が好きな方にもお楽しみいただける公演です。さらにプレイベントとして、8月7日(日)に、子供(5歳〜15歳)向けの無料イベント「北斎さんとお江戸の歌を歌おう」を開催します。会場は、すみだ北斎美術館MARUGEN100(講座室)。すみだ北斎美術館で開催中の企画展「百鬼見参」にちなむ「鬼」を題材にした小唄も演奏します。参加ご希望の方は、 akekurekouta@icloud.com までお知らせ頂けましたら、応募要綱を返信致します。【予定曲目】花のお江戸、舟に船頭、浮世も義理も、春霞浮世は、峠々など、約30曲(左から)映像監督:渡邊いち、明暮れ小唄、噺家:柳家緑太明暮れ小唄とは江戸情緒あふれる「小唄」+日本美術・伝統建築という、三味線音楽、邦楽の新たな楽しみ方を発信しているユニットです。岐阜県高山市の重要文化財「日下部民藝館」での映像制作(2020年)、葛飾北斎の浮世絵をスクリーンに映写しながら隅田川にまつわる小唄を次々と演奏していく「北斎小唄」(2021年)の上演を通し、小唄という芸能の可能性を広げています。【公式YouTube】 公演概要明暮れ小唄『北斎小唄 其の弍 冨嶽三十六景』【東京公演】公演日時:2022年9月18日 (日)15:00~16:30(※開場は、開演の30分前)会場:すみだリバーサイドホール(東京都墨田区吾妻橋1丁目23-20)チケット料金:4,000円(全席自由・税込)<カンフェティ限定>4,000円 → カンフェティ席3,000円!【高山公演】公演日時:2022年9月25日 (日)13:30~15:00、16:00~17:30(※開場は、開演の30分前)会場:飛騨高山まちの博物館酒蔵ホール(岐阜県高山市上一之町75番地)チケット料金:3,000円(全席自由・税込)■出演者小唄演奏: 明暮れ小唄(千紫巳恵佳・小唄幸三希)進行: 柳家緑太囃子: 福原千鶴社中■スタッフ映像監督:渡邉いち舞台制作:明治座舞台アートディレクション:関本明子宣伝写真撮影:渡邉肇画像協力:すみだ北斎美術館文化庁ARTS of the future! 2採択公演隅田川森羅万象墨に夢ネットワーク企画後援(東京):墨田区後援(高山):高山市/高山市教育委員会/一般社団法人飛騨高山コンベンション協会/一般社団法人高山市文化協会 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年07月22日すみだ水族館は、“夜の水族館”を楽しむ夏イベント「夏の夜すい」を2022年7月23日(土)から8月28日(日)まで限定開催されます。夏の“夜の水族館”イベント「夏の夜すい」「夏の夜すい」は、落ち着いた夜の水族館を舞台にした限定プログラム。青色の照明・ブルーナイトアクアリウムに切り替えた幻想的な空間で、海の生き物たちを存分に楽しむことができます。「ペンギン花火」ペンギンプールで花火ショー中でも目玉となるのは、プロジェクションマッピング「ペンギン花火~10 周年バージョン~」だ。“日本最大級(※1)”の屋内開放型ペンギンプールの底面に、花火の映像をプロジェクションマッピングで投影。約8分間の花火ショー中は、花火を追いかけて泳いだり、光をついばもうとしたりする愛らしいペンギンの姿を鑑賞できます。また「夏の夜すい」期間中は、17:00以降の入館でワンドリンクが付いたお得なチケット「すみだ夜 cafe チケット」も利用可能。夜の水槽をイメージしたカクテル「バイオレットフィズ」もオーダーできるので、ドリンクを片手に、水槽前のソファで、ゆったりと泳ぐ魚たちを眺めるのもおすすめです。【詳細】すみだ水族館「夏の夜すい」開催期間:2022年7月23日(土)~8月28日(日)住所:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ5F・6F営業時間:平日 10:00~20:00、土日祝日 9:00~21:00※入場受付は閉館の1時間前まで。※気象状況および貸切営業等により営業時間を変更する場合あり。料金:大人 2,300円、高校生 1,700円、中・小学生 1,100円、幼児(3歳以上) 700円※中学生、高校生は、チケット売り場で生徒手帳の提示が必要。※障がい者手帳を提示した人と同伴者(1名)は、一般料金の半額。すみだ夜 cafe チケット 2,300円※公式ウェブサイトより事前購入。※1ドリンク付き:生ビールMサイズ、ペンギンフロート、バイオレットフィズなど選択可能。(20歳未満はソフトドリンクのみ選択可能)■「ペンギン花火~10 周年バージョン~」会場:すみだ水族館 ペンギンプール開催時間:19:00~(各回約8分間)
2022年07月12日ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)は、新作腕時計「レベルソ・トリビュート・エナメル - 葛飾北斎『木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧』」を、2022年7月12日(火)まで伊勢丹新宿店にて開催される期間限定ショップで先行販売。葛飾北斎の木版画をエナメル細密画で複製した限定腕時計“反転式ケース”を備えたジャガー・ルクルトのウォッチ「レベルソ」に、19世紀の日本の巨匠である葛飾北斎の作品にオマージュを捧げた限定モデルが仲間入り。特徴的なのは、ケースの裏側に施された、葛飾北斎の作品「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」だ。葛飾北斎が70代の頃に制作した史上最高の風景画と称えられる8枚組の木版画「諸国瀧廻り」の中で、最も有名な作品として知られる「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」。流れ落ちる水の力強さや雄大な地形が表現されている。そんな「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」を、オリジナルの10分の1サイズよりも小さい「レベルソ」の3平方センチメートルの面に忠実に再現。北斎作品の特徴的な鮮やかなブルーとイエローの色味、紙に刷ったオリジナル作品に見られる微妙なニュアンスと徐々に変化する色の独特なぼかしなど、熟練の職人による特殊なエナメルによって、原画同様力強く描かれている。半透明グリーンの鮮やかダイヤル鮮やかなカラーが目を引く表側は、ギョーシェ彫りのひし形パターンを装飾した後に、半透明なグリーンのエナメルを6層重ねて構成されている。シンプルながら力強さを感じるダイヤルは、葛飾北斎の作品をより一層引き立てている。ケースはホワイトゴールド製。ブラックアリゲーターストラップを組み合わせ、上品なビジュアルに仕上げた。なお、本ウォッチには、42時間のパワーリザーブを誇るジャガー・ルクルト製キャリバー822/2が搭載されている。詳細レベルソ・トリビュート・エナメル - 葛飾北斎「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」発売日:2022年7月6日(水)販売店舗:新宿伊勢丹 期間限定ショップにて先行発売。その後は問い合わせ。参考価格:14,608,000円 ※価格は2週間ごとに見直し。限定数:10本<仕様>リファレンス:Q39334T3キャリバー:ジャガー・ルクルト製キャリバー822/2ケース:ホワイトゴールドサイズ:45.5mm×27.4mm×9.73mm機能:時、分パワーリザーブ:42時間防水性:3mダイヤル:ひし形パターンのギョーシェ彫りに半透明なグラン・フー・エナメルケースバック:クローズド – 細密画グラン・フー・エナメルストラップ:ブラックアリゲーター■期間限定ショップ「レベルソ ストーリー since 1931」情報期間:2022年7月6日(水)~12日(火)場所:伊勢丹新宿店 ザ・ステージ住所:東京都新宿区新宿3丁目14−1
2022年07月10日森羅万象、ありとあらゆるものを精力的に描いた絵師・葛飾北斎。彼が「鬼」をどのように捉え、表現してきたかに迫る展覧会『北斎 百鬼見参』がすみだ北斎美術館で開催されている。北斎の肉筆画《道成寺図》も初公開される展覧会だ。途中、展示替えをはさみ、8月28日(日)まで開催される。日本では古来より鬼の存在が信じられてきた。現在でも鬼を打ち払うために節分には豆を撒き、まんがやアニメ、ゲームなどさまざまな創作物に鬼が登場する。鬼は私達の心のなかにしっかりと住みついているのだ。展示風景より現代の私たち以上に、古来の人々は鬼を身近に感じながら暮らしていた。江戸時代に起こった読本や浮世絵のなかにも鬼は頻繁に登場している。同展では、葛飾北斎や、北斎の門人たちがそのような鬼たちをどのように捉え、表現したかに迫っていく。展覧会は4部構成。第1章「鬼とはなにか」では、江戸時代の人々が持っていた鬼のイメージを北斎の作品を通して紐解いていく。天下泰平とうたわれていた江戸時代、人々はスリルを求めて怪談話を好んで求めていた。人々が集まり、それぞれが知る怪談話を語り合うイベント「百物語」では、100の物語を語り終わったときに怪奇現象が起こると信じられていた。北斎の《百物語》シリーズはこの百物語を絵画化したもので、現在5図が確認されている。位牌や供物を抱え込むように這う蛇は、死者が持つ現世への執念や執着を図像としたものだ。葛飾北斎 《百物語 しうねん》天保2~3年(1831-32)頃 すみだ北斎美術館蔵江戸の人々が好んだ読本にも、異形のものや恐ろしいもの、そして鬼が登場した。『釈迦御一代記図会』は釈迦の一生を描いた物語。若き日の釈迦や鬼たち、冒頭で紹介した天雷流離王が大胆な構図で描写されている。葛飾北斎『釈迦御一代記図会』四 《仏威魔軍を懲す図》弘化2年(1845)すみだ北斎美術館蔵第2章は「鬼となった人、鬼にあった人」。太宰府に左遷され、恨みを抱いた菅原道真のように「鬼になった」とされる人は古来より少なくない。逆に、遣唐使の吉備真備のように鬼に助けられたり、修験者の役小角や陰陽道の安倍晴明のように鬼を自分たちの手下にしたりする人物もいる。この章では、人と密接に結びついた鬼について紹介していく。葛飾北斎『画本武蔵鐙』上《悪源太義平の霊 難波の六郎を引割く》天保7年(1836)すみだ北斎美術館蔵平治の乱で源義朝とともに戦い、破れてしまった悪源太義平こと源義平は、六条河原で処刑された後、雷となって処刑役の難波三郎経房を殺したとの伝承がある。本作は義平の怨霊が雷神の姿となり、憎き相手を撃ち抜こうとする躍動感あふれる瞬間を描いたものだ。蹄斎北馬は北斎の門人。《角大師と蝸牛図》の角大師とは、平安前期の僧侶で延暦寺中興の祖でもある良源が鬼に化身した姿。この異形の姿を弟子に描かせ、版木で刷り護符として配ったところ、護符を戸口に張った家には一切の災厄が降りかからなくなったとされる。鋭いツノを持つ角大師と、かたつむりの2本の触覚が呼応したユーモラスな作品だ蹄斎北馬《角大師と蝸牛図》享和~嘉永年間 (1801-54)頃すみだ北斎美術館蔵前期(6月21日~7月24日)展示第3章「神話・物語のなかの鬼」は、日本の神話や物語に登場する鬼を紹介する。世界的ベストセラー『北斎漫画』のなかにはさまざまな能面を紹介するページがある。左ページ2段目、左端の「生成(なまなり)」は、鬼になりかけの状態を表す面。右ページ2段目左端には「外道」、その隣には「鬼」もいる。葛飾北斎『北斎漫画』二編 《はんにや なまなり》文化12年(1815)すみだ北斎美術館蔵《道成寺図》は、この展覧会のメインとされる北斎の肉筆画。本作は能の「道成寺」における後半のクライマックス「柱巻き」を描いた物。鬼女の面をつけ、蛇体に扮したシテが柱に絡みつく姿は、文字通り鬼気迫るものだ。なお、本作は修復後の初公開となる.葛飾北斎《着衣鬼図》嘉永元年(1848)佐野美術館蔵前期(6月21日~7月24日)展示そして、第4章「親しまれる鬼」では、人々に親しまれていた鬼を紹介する。金太郎や桃太郎などの昔話に登場する鬼、豆で追い払われる節分の鬼など、その姿はとてもユーモラスだ。《豆まきをする金太郎》は、北斎が20代の頃の作品。なぜか必死で豆をかき集める子鬼たちの姿が愛らしい。《五十三次江都の往かい 大津》は、当時から土産物として人気のあった大津絵の制作風景が描かれている。画中画の大津絵のなかには、人気の絵柄だった「鬼の寒念仏」の絵柄も見られる。葛飾北斎《豆まきをする金太郎》天明年間(1781-89)年すみだ北斎美術館蔵前期(6月21日~7月24日)展示葛飾北斎《五十三次江都の往かい 大津》文化(1804-18) 初・中期頃すみだ北斎美術館蔵前期(6月21日~7月24日)展示『北斎略画手ほどき』は大正時代の再販本。大津絵で親しまれていた「鬼の寒念仏」を絵描き歌に合わせて描く方法が説明されている。《着衣鬼図》は、徳利と刺し身を前にした鬼が目をとろんとさせて佇む肉筆画。恐ろしい鬼もユーモラスな鬼も自在に描けるのは北斎だからこそだろう。葛飾北斎『北斎略画手ほどき』大正8年(1919)すみだ北斎美術館蔵葛飾北斎《着衣鬼図》嘉永元年(1848)佐野美術館蔵前期(6月21日~7月24日)展示恐ろしい鬼、かわいらしい鬼、ときには笑いを誘う鬼など、北斎が描いた鬼はバラエティに富んでいる。前期・後期あわせて145点の鬼が揃う同展で、鬼三昧なひとときを楽しもう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『北斎 百鬼見参』6月21日(火) ~8月28日(日)、すみだ北斎美術館にて開催※会期中展示替えあり
2022年07月06日株式会社BANDAI SPIRITS ロト・イノベーション事業部では、ハズレなしのキャラクターくじの最新作として、『一番くじ すみっコぐらし~みんなでことりっコテーマ~』(メーカー希望小売価格1回650円(税10%込))を、ファミリーマート、すみっコぐらしショップ(一部の店舗を除く)、一番くじONLINEなどで、2022年7月5日(火)より順次発売いたします。(発売元:株式会社BANDAI SPIRITS)商品紹介動画URL : 商品紹介ページURL: 店舗検索URL : 一番くじ すみっコぐらし~みんなでことりっコテーマ~■商品特長本商品は、「すみっコぐらし」の最新テーマ「みんなでことりっコ」テーマ使用した一番くじです。A賞からD賞は、ことりっコの衣装を着た「しろくま」「ぺんぎん?」「ねこ」「とかげ」のぬいぐるみをラインナップしました。本物の小鳥のようなふわふわとした生地と、約28cmの大きなサイズでボリューム感と愛らしさが溢れるぬいぐるみです。E賞の「お出かけトートバッグ」は、ファスナーもついていてお出かけなどにも便利な大きめなトートバッグになっています。F賞の「まるい巾着袋」は、正面がすみっコたちそれぞれの「フェイス柄」になっていて小物を入れるとコロっと丸くなる可愛い巾着袋です。そのほかにも、G賞の「タオルコレクション」やH賞の「カラフル スタッキングカップ」にも、「みんなでことりっコ」テーマのデザインをふんだんに使用しています。さらに、最後の1個を引くと手に入るラストワン賞には、「とんかつ&えびふらいのしっぽ ことりっコぬいぐるみ」をご用意しました。とんかつはことりっコの衣装、えびふらいのしっぽはたまごの殻をかぶった衣装を着ています。すみっコぐらしの可愛さ溢れるアイテムを取り揃えた今回の一番くじを、ぜひお楽しみください。■等賞一覧・A賞:しろくま ことりっコぬいぐるみ (全1種) 約28cm・B賞:ぺんぎん? ことりっコぬいぐるみ (全1種) 約28cm・C賞:ねこ ことりっコぬいぐるみ (全1種) 約28cm・D賞:とかげ ことりっコぬいぐるみ (全1種) 約28cm・E賞:お出かけトートバッグ (全1種) 約40cm・F賞:まるい巾着袋 (全5種) 約15cm・G賞:タオルコレクション (全5種)ランチョンマットタオル…約40cm ハンドタオル…約25cm・H賞:カラフル スタッキングカップ (全5種) 約9cm・ラストワン賞:とんかつ&えびふらいのしっぽ ことりっコぬいぐるみ 約28cm・ダブルチャンスキャンペーン:とんかつ&えびふらいのしっぽ ことりっコぬいぐるみ 合計50個※賞品とパッケージは、ラストワン賞と同仕様になります。■商品概要・商品名 : 一番くじ すみっコぐらし~みんなでことりっコテーマ~( )・メーカー希望小売価格: 1回650円(税10%込)・種類数 : 全8等級20種+ラストワン賞・販売ルート : ファミリーマート、すみっコぐらしショップ(一部の店舗を除く)、一番くじONLINEなど・店舗検索 : ・販売開始日 : 2022年7月5日(火)より順次発売予定・発売元 : 株式会社BANDAI SPIRITS※店舗によりお取り扱いのない場合や発売時期が異なる場合があります。なくなり次第終了となります。※画像と実際の商品とは異なる場合があります。※掲載されている内容は予告なく変更する場合があります。※「一番くじ」および「ラストワン」「ダブルチャンス」は登録商標です。(C)2022 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved.■「一番くじ」についてコンビニエンスストアやアミューズメント施設などで購入できる、BANDAI SPIRITSのキャラクターくじです。■「一番くじONLINE」についてハズレなしでオリジナルグッズが必ず当たる『一番くじ』がいつでも・どこでも気軽にネットで購入できる公式通販サイトです。■「すみっコぐらし」について電車に乗ればすみっこの席から埋まり、カフェに行ってもできるだけすみっこの席を確保したい…。すみっこにいるとなぜか“落ちつく”ということがありませんか?さむがりの“しろくま”や、自信がない“ぺんぎん?”、食べ残し(?!)の“とんかつ”、はずかしがりやの“ねこ”、正体をかくしている“とかげ”など、ちょっぴりネガティブだけど、個性的な“すみっコ”たちがいっぱい。すみっコぐらしのサブタイトルは「ここがおちつくんです」。2012年、日本人の「隅っこが好き」という気持ちをテーマに作られた、大人気のキャラクターです。【一般のお客様からのお問い合わせ先】BANDAI SPIRITSお客様相談センター 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月01日「すみっコぐらし 10th アニバーサリー カフェ」が、東京&大阪で開催されます。2022年7月1日(金)から9月4日(日)までボックス カフェ&スペース 東京ソラマチ店に、7月22日(金)から8月28日(日)まであべのコンタクトにオープン。「すみっコぐらし」10周年記念カフェ「すみっコぐらし」は、“すみっこが好き”というユニークな設定と、愛らしいビジュアルで人気を博しているキャラクター。そんな「すみっコぐらし」の10周年を記念して、東京&大阪に「すみっコぐらし 10th アニバーサリー カフェ」がオープン。好みのキャラクターを選んでオーダー展開メニューの中でも注目は、自分好みのキャラクターを選んでオーダーするフード、デザート、ドリンク。「しろくま」「ぺんぎん?」「とんかつ」「ねこ」「とかげ」の中から好きなものを選ぶと、そのキャラクターに合わせたビジュアルのメニューを用意してくれます。「10周年お祝い♪ハンバーグプレート」は、目玉焼き、ハンバーグ、サラダを盛り合わせたボリューム満点の一品。添えられているライスを、自分好みのキャラクターでオーダーすることができます。記念ピックを掲げた「すみっコ」の姿が愛らしい。「すみっコブーケパフェ」は、フルーツやゼリーを合わせた“花束”のようなパフェ。中央のアイスクリームを、レモンシャーベットの「しろくま」、抹茶アイスの「ぺんぎん?」、キャラメルアイスの「とんかつ」、バニラアイスの「ねこ」、ブルーソルトアイスの「とかげ」からセレクト可能。フェイスモチーフが目を引くミルクドリンク「すみっコみるくどりんく」も、好きなキャラクターをチョイスできる仕様。ホワイトミルクの「しろくま」、メロンミルクの「ぺんぎん?」、ティーミルクの「とんかつ」、レモンミルクの「ねこ」、ブルーハワイミルクの「とかげ」といったバリエーションが揃います。10周年を祝すオリジナルグッズも展開メニューだけでなく、「すみっコぐらし 10th アニバーサリー カフェ」のオリジナルグッズも要チェック。10周年を祝したミニグラスやアクリルキーホルダー、マスキングテープ、巾着などが並びます。【詳細】「すみっコぐらし 10th アニバーサリー カフェ」■東京期間:2022年7月1日(金)~9月4日(日)場所:ボックス カフェ&スペース 東京ソラマチ店住所:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ 1階■大阪期間:7月22日(金)~8月28日(日)場所:あべのコンタクト住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1あべのキューズモール内 4階<メニュー例>・10周年お祝い♪ハンバーグプレート 1,430円・すみっコブーケパフェ 1,430円・すみっコみるくどりんく 990円<グッズ例>・アクリルキーホルダー(ランダム8種) 660円・10th Anniversary ミニグラス(全5種) 各1,540円<事前予約>予約金:715円 ※予約特典付き。1申込につき、4席迄予約可。予約受付期間:・「すみっコぐらし 農園つくるんです」アプリユーザー先行受付 6月14日(火)18:00~6月17日(金)23:59・一般受付(公式サイト) 6月23日(木)18:00~※いずれも先着受付。※当日、直接店舗に行き、席が空いていれば入店できる場合もある。<特典>・事前予約者限定カフェ利用特典:事前予約(715円/1名)を利用し、メニューを注文した人に「オリジナルミニパズル(全3種)」から1枚をランダムでプレゼント。・カフェグッズ購入特典:カフェのグッズを3,000円以上購入した人に1会計につき1枚「オリジナルショッパー(全1種)」をプレゼント。※無くなり次第終了。
2022年06月16日この度、すみだ北斎美術館(東京都墨田区)において開催する特別展「北斎 百鬼見参」(2022年6月21日~8月28日)にて、鬼が描かれた北斎の肉筆画3点を展示いたします。作品数が多いことで知られる北斎ですが、鬼を描いた肉筆画は作例が少なく、3点はいずれも稀少な作品といえます。肉筆画は、修復後初公開となる「道成寺図」(すみだ北斎美術館蔵)を本展前期(6月21日~7月24日)に展示するほか、「着衣鬼図」(佐野美術館蔵)を前期、「念仏鬼図」(すみだ北斎美術館蔵)を後期(7月26日~8月28日)に展示いたします。さらに、後期には「道成寺図」の高精細複製画を展示いたします。開催日間近のため、本展必見の肉筆画3点の展示予定とあわせ、改めてお知らせいたします。■北斎肉筆画3点の展示予定・葛飾北斎「着衣鬼図」(佐野美術館蔵):前期(6月21日~7月24日)・葛飾北斎「念仏鬼図」(すみだ北斎美術館蔵):後期(7月26日~8月28日)・葛飾北斎「道成寺図」(すみだ北斎美術館蔵):前期(6月21日~7月24日)は原画、後期(7月26日~8月28日)高精細複製画を展示●葛飾北斎「着衣鬼図」佐野美術館蔵 前期展示葛飾北斎「着衣鬼図」佐野美術館蔵(前期展示)[年代]嘉永元年(1848)、[材質技法・形態]紙本着色一幅僧衣の赤鬼が、刺身の皿と徳利、数珠を前に座っています。煩悩を意味する生臭物に酒と、煩悩を打ち消す数珠のどちらをとるか悩んでいるようにも見えます。大津絵のイメージが根底にあると考えられますが、詳細な意味は不明です。右下の落款から、北斎が数え89歳のとき、門人の本間北曜(ほんまほくよう)に与えたものとわかります。数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画の貴重な1点であるとともに、最晩年の北斎の動静を知る上でも重要な作品です。●葛飾北斎「念仏鬼図」すみだ北斎美術館蔵 後期展示葛飾北斎「念仏鬼図」すみだ北斎美術館蔵(後期展示)[年代]天保14年(1843)、[材質技法・形態]紙本着色一幅僧衣をまとった赤鬼が、「藤娘」の大津絵を前に座っています。大津絵の定番の画題である「鬼の寒念仏」と「藤娘」を巧みに組み合わせた、北斎のユーモアが光る作品です。赤鬼は、煩悩を象徴する美しい藤娘の絵姿と、仏教の法具の鉦を前に、赤い顔をさらに赤らめつつ迷っているようにも見えます。紙上の紹介および展覧会における一般公開は久々であり、数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画としても注目すべき一点です。●葛飾北斎「道成寺図」すみだ北斎美術館蔵 高精細複製画(プリマグラフィ) 後期展示本展の目玉作品「道成寺図」を会期中いつでもお楽しみいただけるよう、今回新たに同作品の高精細複製画(プリマグラフィ)を制作、後期展示(7月26日~8月28日)にて展示いたします。浮世絵作品は光に弱く劣化してしまいます。作品を公開しつつ後世に保存していくため、年間の展示日数を適切に管理しながら展示替えを行っています。企画:墨田区・すみだ北斎美術館 機材協力:富士フイルム株式会社 撮影・プリマグラフィ:凸版印刷株式会社なお、修復を終えた「道成寺図」原画は、前期展示(6月21日~7月24日)にて当館において初公開となります。[PV]葛飾北斎「道成寺図」修復後、初公開。動画へのリンク: ■特別展「北斎 百鬼見参」開催概要特別展「北斎 百鬼見参」チラシ展覧会名 : 特別展「北斎 百鬼見参」会期 : 2022年6月21日(火)~8月28日(日)※前後期で一部展示替えを予定前期 6月21日(火)~7月24日(日)、後期 7月26日(火)~8月28日(日)休館日 : 毎週月曜日 ※開館:7月18日(月・祝)、休館:7月19日(火)開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月09日人気の錦絵「百物語」や版本などから鬼に関連する作品を紹介し、葛飾北斎がどのように鬼をとらえ、表現してきたかに迫る特別展『北斎百鬼見参』が、6月21日(火)よりすみだ北斎美術館にて開催される。古来より、日本人は鬼の存在を信じ、現在にも伝わる神話や伝説、また芸能、小説、マンガ、アニメ、ゲームに至るまで、鬼はあらゆる創作物に登場する。江戸時代の浮世絵も然り。それだけ、鬼は日本人の心に深く根ざし、その精神世界の形成に大きな影響を与えているといえるだろう。同展では、北斎や門人が描いた鬼にまつわる浮世絵を前期・後期あわせて約145点を展示。地獄の鬼をはじめ、雷神のような鬼から金太郎や桃太郎などの昔話に登場する鬼、ユーモラスな鬼まで、日本における多様な鬼の姿を紹介するほか、同展のために修復された北斎としては珍しい能を題材にした肉筆画《「道成寺図》が初公開される。江戸時代の人々がどのように鬼をイメージし、どのような存在と考えていたかを浮世絵を通して紐解いていく。葛飾北斎『絵本和漢誉』大江山の鬼賊酒顛童子を退治す 源頼光朝臣すみだ北斎美術館蔵(通期)葛飾北斎『北斎略画手ほどき』すみだ北斎美術館蔵(通期)卍楼北鵞《為朝と鬼ヶ島図》すみだ北斎美術館蔵(後期)【開催概要】特別展『北斎百鬼見参』会期:2022年6月21日(火)~8月28日(日)会場:すみだ北斎美術館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:月曜(7月18日は開館)、7月19日(火)料金:一般1,200円、大学生・高校生900円、中学生400円美術館公式サイト:
2022年05月26日すみだ北斎美術館では2022年6月21日(火)から8月28日(日)まで特別展《北斎 百鬼見参》を開催いたします。特別展《北斎 百鬼見参》古来、日本人は鬼の存在を信じ、暮らしにも取り入れ、ともに生きてきました。神話・伝説、芸能、小説、マンガ、アニメ、ゲームに至るまで、鬼が登場する創作物は数多く、それだけ、鬼は日本人の心に深く根ざし、その精神世界の形成に大きな影響を与えています。そして、古典や芸能、また新たに江戸時代に起こった読本などを題材とする浮世絵にも、鬼は多く登場します。本展覧会では、人気の錦絵「百物語」や版本などから鬼に関連する作品を紹介し、鬼才・北斎がどのように鬼を捉え、表現してきたかに迫ります。また、当館初公開の貴重な北斎の肉筆画も展示します。北斎が描くさまざまな鬼が展覧会に集結する迫力ある様をぜひお楽しみください。■本展の見どころ◎北斎や門人が描いた鬼にまつわる浮世絵を前期・後期あわせて約145点展示!作品を通して、鬼才・北斎が鬼をどのように捉え、表現してきたかに迫ります。◎怖い鬼、哀しい鬼、愛すべき鬼…。日本における多様な鬼の姿を描き出す、北斎の発想力と筆力をご覧ください。◎北斎として珍しい能を題材にした肉筆画、葛飾北斎「道成寺図」を当館初公開!「道成寺図」は本展のために修復を行いました。(PDF参照。)■展示構成1章 鬼とは何か/2章 鬼となった人、鬼にあった人/3章 神話・物語のなかの鬼/4章 親しまれる鬼●1章 鬼とは何か日本における「鬼」は、「幽鬼」のように死霊に対して鬼の字を用いることもありますが、鬼といえば思い起こす地獄の鬼をはじめとして、雷神のような鬼の様態を示す派生的な存在まで、幅広く鬼として捉えられています。森羅万象を描いた北斎の作品から、これら日本における広範な鬼の語の使用例や捉え方をうかがうことができます。本章では北斎の作品を通して、江戸時代の人々がどのように鬼をイメージし、どのような存在を鬼と考えていたかを紐解いていきます。<釈迦の伝記に登場する雷神>葛飾北斎『釈迦御一代記図会』六 暴悪を罰して天雷流離王が王宮を焼君臣を撃殺す図 すみだ北斎美術館蔵(通期)読本『釈迦御一代記図会』に登場する釈迦の伝記の一場面です。左に武器を振り上げて天罰の雷撃を落とす雷神、右に爆風渦巻く中に破壊される王宮を対比させるという、画面構成の大胆さが目を惹きつけます。北斎は、古来描き継がれてきた雷神にのっとり、雷神の背後に雷太鼓を描いていますが、乗り物は雲でなく雷獣に、顔は険しく恐ろしい形相とするなど、独自性を出しています。*1 読本(よみほん):江戸時代後期に流行した小説の一種で、挿絵とともに楽しまれました。●2章 鬼となった人、鬼にあった人日本の歴史において、鬼となった人、鬼にあった人の存在が数多く伝えられています。本章では実在した歴史上の人物のうち、鬼となった人、鬼にあったとされる人々の事績やエピソードをもとに制作された北斎の作品を紹介します。壮絶な恨みを抱いて鬼となった人、鬼に助けられた人、強力な呪術で鬼を使役した人など、鬼にまつわる多彩なエピソードを通して、古来日本人が、不幸のうちに亡くなった人々を鬼としておそれ、不思議な出来事を鬼と結びつけて考えてきたことを感じていただけるでしょう。<平家一門>葛飾北為「摂州大物浦平家怨霊顕る図」すみだ北斎美術館蔵(後期)源頼朝から刺客を放たれた源義経は、文治元年(1185)に大物浦(兵庫県尼崎市)から西国に逃亡しようとし遭難してしまいます。その史実が『平家物語』などで語り継がれるうちに、平家の怨霊の祟りによるとされ、能や歌舞伎の演目「船弁慶」などに戯曲化され広く知られるようになりました。北斎門人の葛飾北為(かつしか ほくい)による本図も、この事件を描いています。三枚続きの大画面に、嵐に翻弄される義経の船、長刀(なぎなた)を手に鬼神のごとく襲いかかる平知盛と平家一門の怨霊があらわされています。<角大師(良源)>蹄斎北馬「角大師と蝸牛図」すみだ北斎美術館蔵(前期)角大師とは、平安前期の天台宗の僧、良源が鬼に化身した姿を指します。良源は自らにとりついた疫病神を法力で退散させましたが、疫病に苦しむ民を救うため一心に念じて2本角の痩せた鬼の姿となり、それを弟子に写させ護符としたといいます。本作は北斎門人の蹄斎北馬(ていさい ほくば)が、蝸牛(かたつむり)を眺める角大師を洒脱な筆づかいで描いた肉筆画(*2)です。*2 肉筆画:浮世絵の中でも版画とは異なり、絵師が絵筆で直接紙や絹に描いた作品のこと。●3章 神話・物語のなかの鬼日本の神話・物語には、数多くの鬼が登場します。それらの鬼は、江戸時代において、錦絵や版本など江戸のメディアでも広く知られ、北斎も作品としています。本章では日本神話や伝説、章節・演劇などの物語に登場する恐ろしい鬼、哀しい鬼、強者のイメージとしての鬼などを集め、さまざまな鬼の様相を紹介します。また、本章の目玉となる北斎の肉筆画「道成寺図」は、修復後初公開となります。<酒呑童子>葛飾北斎『絵本和漢誉』大江山の鬼賊酒顛童子を退治す 源頼光朝臣 すみだ北斎美術館蔵(通期)武勇で名高い平安中期の武将・源頼光が、鬼の頭領・酒呑童子を退治する様子を、見開きのページを縦に使い、両者を上下に対峙させて描いています。頼光によって切断された酒呑童子の首が、不敵な笑みを浮かべて中空に舞う様子が黒い闇の背景とともにあらわされ、底知れない不気味さを漂わせています。<鬼夜叉>卍楼北鵞「為朝と鬼ヶ島図」すみだ北斎美術館蔵(後期)北斎の門人ないし孫弟子ともいわれる卍楼北鵞(まんじろう ほくが)の新出の肉筆画です。力強く緻密な筆づかいは、北斎を彷彿とさせ、北鵞の作品の中でも優品に位置づけられます。本作は、江戸時代のベストセラーとも評される、北斎が挿絵を担当した読本『椿説弓張月』の話をもとに、伊豆大島に流された源為朝が、弓矢で岩を打ち砕く場面が描かれています。画面中央から少し右に描かれている赤鬼のような風貌の人物は、七郎三郎(しっちょうさぼり、通称:鬼夜叉)です。七郎三郎は、海の潮風に焼けた赤肌で角のような2つの瘤があり、その風貌から為朝によって鬼夜叉と名づけられました。本作では鬼そのものの姿で描かれています。●4章 親しまれる鬼鬼は恐れられるだけではなく、暮らしのなかで親しまれる存在でもありました。例えば金太郎や桃太郎などの昔話に登場する鬼は、多くの人々が子どもの頃から慣れ親しんだ存在です。鬼瓦は、恐ろしい表情の鬼の顔で瓦を装飾することで魔除けとし、建物を守ります。本章では暮らしの中での身近な鬼とともに、ユーモラスな鬼の姿を集め、北斎の軽妙な筆が捉えた愛すべき鬼たちを紹介します。<鬼の寒念仏>葛飾北斎『北斎略画手ほどき』すみだ北斎美術館蔵(通期)大津絵の「鬼の寒念仏」は、江戸時代、東海道の旅人たちが魔除けや大津宿の土産物として買い求めた人気キャラクターでもありました。『北斎略画手ほどき』は、北斎の文字絵の教本を大正時代に再版したものです。本ページでは、絵描き歌に詠み込んだ文字を組み合わせて、大津絵の「鬼の寒念仏」の描き方が説明されています。単純な運筆で表された鬼の表情は不満げで、親しみやすさも感じさせます。■特別展《北斎 百鬼見参》開催概要展覧会名 : 北斎 百鬼見参会期 : 2022年6月21日(火)~8月28日(日)※前後期で一部展示替えを予定前期 6月21日(火)~7月24日(日)、後期 7月26日(火)~8月28日(日)休館日 : 毎週月曜日 ※開館:7月18日(月・祝)、休館:7月19日(火)開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト : ■観覧料通常料金(個人)一般 1,200円、高校生/大学生 900円、65歳以上 900円中学生 400円、障がい者 400円、小学生以下 無料●本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)もご覧になれます。●団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。■前売券通常料金(当日券)の20%引きになる前売券を1階エントランス受付で販売しています。販売期間:2022年6月19日(日)まで販売中。販売場所:すみだ北斎美術館 1階エントランス受付(開館日の9:30~17:00)<通常料金の20%引き!>前売料金(個人)一般 960円、高校生/大学生 720円、65歳以上 720円中学生 320円、障がい者 320円、小学生以下 無料●中学生、高校生、大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証をご提示ください。●65歳以上の方は年齢を証明できるものをご提示ください。●身体障がい者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで、障がい者料金でご覧いただけます。入館の際は、身体障がい者手帳などの提示をお願いします。●団体販売はございません。●他の割引サービスは併用できません。●支払い方法は、現金またはPayPayとなります。●当前売券でのご観覧当日に限り、AURORA(常設展示室)もご覧いただけます。●この前売券は、特別に印刷されたものではなく、当館受付で通常の発券システムを使用して発券するものとなりますので、予めご了承ください。■本展公式図録を発売します!すみだ北斎美術館「北斎 百鬼見参」展(2022年6月21日~8月28日)公式図録をすみだ北斎美術館ミュージアムショップをはじめ、全国書店で発売します。本展で当館初公開の肉筆画「道成寺図」のほか、「百物語」シリーズから「笑ひはんにや」「しうねん」「さらやしき」、『椿説弓張月』『北斎漫画』等の版本、摺物の作品など、出品作品の図版と解説を網羅した図録です。タイトル :北斎 百鬼見参著者 :すみだ北斎美術館出版社 :講談社価格 :2,640円(税込)発売日 :2022年6月20日(月)形態/ページ数:単行本192ページISBN :ISBN978-4-06528083-6 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月18日『スコットランド国立美術館THE GREATS美の巨匠たち』が東京都美術館(台東区)で開催中だ。1859年に開館したスコットランド国立美術館は、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する。本展は、そのコレクションの中から、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示。そのほか、ゲインズバラ、レノルズ、ブレイク、コンスタブル、ターナー、ミレイといったイングランド出身の画家に加え、日本ではなかなか見ることのできないレイバーン、ラムジー、ウィルキー、ダイスなどスコットランド出身の代表的な画家たちの名品も。油彩画・水彩画・素描約90点を通じ、西洋美術の流れとともに、ヨーロッパ大陸と英国との文化交流から、英国美術がはぐくまれた様子を紹介している。展示構成は、スコットランド国立美術館の建物や館内の様子を描いた作品を紹介する「プロローグ」から始まり、アンドレア・デル・ヴェロッキオ(帰属)《幼児キリストを礼拝する聖母(「ラスキンの聖母」)》やエル・グレコ《祝福するキリスト(「世界の救い主」)》などが並ぶ「ルネサンス」、ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》、レンブラント・ファン・レイン《ベッドの中の女性》といった「バロック」と続く。英国のコレクターたちが美術品の購入や文化的教養を深めるために大規模なヨーロッパ旅行をした「グランド・ツアーの時代」では、フランソワ・ブーシェの晩年の作である《田園の情景》やジョシュア・レノルズ《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》などが見られる。「19世紀の開拓者たち」では、フランシス・グラント《アン・エミリー・ソフィア・グラント(“デイジー”・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人(1836-1880)》、クロード・モネ《エプト川沿いのポプラ並木》などを紹介。「エピローグ」では、フレデリック・エドウィン・チャーチ《アメリカ側から見たナイアガラの滝》という圧巻の作品で締め括られる。本展は7月3日(日)まで(休室日は月曜日)。開室時間は午前9時30分〜午後5時30分※金曜日は午前9時30分~午後8時(入室は閉室の30分前まで)。展示室の混雑を避けるため、日時指定予約制。一般1900円、大学生・専門学校生1300円、65歳以上1400円。天海祐希がナビゲーターを務める音声ガイドとのセット券は2400円(5月8日入場分までの期間限定)。なお、7月16日(土)〜9月25日(日)は神戸市立博物館、10月4日(火)〜11月20日(日)は北九州市立美術館 本館でも開催される予定だ。取材・文・撮影:五月女菜穂
2022年05月06日サントリー美術館で『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』が4月16日(土)よりスタートした。世界屈指の質とされる大英博物館の北斎コレクションを中心に、葛飾北斎の、特に還暦を迎えた60歳から90歳で亡くなるまでの30年間に焦点を当てる注目の展覧会。6月12日(日)までの開催となる。江戸時代後期を代表する浮世絵師、そして世界でもっとも有名な日本人芸術家、葛飾北斎。「冨嶽三十六景」や『北斎漫画』の強いインパクトは国境を越えてヨーロッパの人々も魅了し、印象派やポスト印象派の画家たちに大きな影響を与えた。イギリスでも北斎の魅力に惹き付けられた多くのコレクターや研究者が誕生。大英博物館には複数のコレクターによる北斎の優品が収蔵されるようになり、時を経て世界有数の北斎コレクションが形成された。この展覧会は、その大英博物館が所蔵する北斎作品を中心に、国内の肉筆画の名品をあわせて北斎の画業の変遷を追っていくもの。特に代表作の多くが描かれている60歳から90歳にかけての北斎の作品を紹介していく。展覧会エントランス展覧会は6章構成。第1章の「画壇への登場から還暦」では60歳までの北斎の画業をコンパクトにまとめている。勝川春章に入門し「春朗」と名乗っていた北斎は役者絵で頭角を表していたものの、師の没後は勝川派から離れ「宗理」の名前で活動を開始。琳派に接近しつつ、日本や中国、さらにはヨーロッパの技法を学び、精力的な活動を行っていた。その後、今日最も知られている「北斎」を筆頭に名前を変えながら独自の芸術を追求していく。《市川鰕蔵の山賤実は文覚上人》は、春朗時代の作品。後の五代目市川團十郎となる市川鰕蔵が演じていた文覚上人を描いている。文覚上人は、現在の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では四代目市川猿之助が演じている。葛飾北斎《市川鰕蔵の山賤実は文覚上人》寛政3年(1791)大英博物館《為朝図》は、版元の平林庄五郎が、北斎と曲亭馬琴とのタッグで制作した読本『椿説弓張月』の完成を祝って注文した肉筆画。画中に馬琴が漢詩を寄せている。葛飾北斎《為朝図》一幅江戸時代文化8年(1811)大英博物館第2章「富士と大波」では、北斎の世界的な代表作「冨嶽三十六景」など、北斎が富士山をモチーフにした作品を取り上げる。当時、輸入されたばかりの藍色の色料「ベロ藍(プルシアンブルー)」を用いた「冨嶽三十六景」や、版本『富嶽百景』など、北斎は富士山の姿をさまざまな構図で描き、日本はもちろんのこと、海の向こうの人々までをも熱狂させている。展示風景よりまた、富士山と同じく北斎は水の造形に興味・関心を持ち、丹念に描いている。《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》の波のうねり、しぶきはその研究のあらわれのひとつだ。葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》江戸時代天保元~4年(1830~33)頃大英博物館蔵第3章「目に見える世界」、続く第4章「想像の世界」は、では、北斎の卓越した描写力と想像力に着目する。北斎はたぐい稀なる画力で、名所絵や花鳥画を描き、やがては現実を凌駕した世界も描き出すようになる。奇抜な橋が多数登場する《諸國名橋奇覧》は北斎が好んで描いた水、そして橋がさまざまな形で登場する。《百物語》は当時江戸の町でブームになっていた怪談をテーマにしたシリーズ。現在展示されている2作品を含め5作品が確認されている。葛飾北斎《諸國名橋奇覧 三河の八つ橋の古圖》天保5年(1834)頃大英博物館蔵葛飾北斎 左:《百物語 こはだ小平二》右:《百物語 笑ひはんにや》天保4年(1833)頃 いずれも大英博物館蔵第5章「北斎の周辺」は、葛飾北斎を取り巻く人々にも焦点を当てる。《女重宝記》は北斎の娘で絵師の葛飾応為が挿絵を描いた、女性に日常的に必要となる知識ををまとめた本。そして《漁師図》は、北斎と応為との共作。画中には北斎と応為のそれぞれが書いた句が書かれている。葛飾応為《女重宝記》 弘化4年(1847) 大英博物館蔵葛飾北斎《漁師図》 文政年間(1818~30)頃 大英博物館蔵最晩年の北斎は肉筆画に制作の中心を移していった。最終章となる第6章「神の領域―肉筆画の名品―」では、肉筆画の名品を取り上げる。80代にしてなお画力の向上を願い、長生きを願った北斎の探究心が作品から垣間見える。葛飾北斎《白拍子図》 文化3年(1820)頃北斎館所蔵※5月16日までの展示葛飾北斎《肉筆画帖》天保5~7年(1834~36)頃 北斎館蔵※5月16日まで展示、5月18日より場面替年齢を重ねれば重ねるほど、画力が研ぎ澄まされていった葛飾北斎。日本でこれだけの良質な作品をまとめて鑑賞できるこの機会を逃さず、しっかりと楽しもう。【開催情報】『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』4月16日(土)~6月12日(日)、サントリー美術館にて開催取材・文:浦島茂世
2022年05月02日「すみっコぐらし展 10th Anniversary ~すみっこ表彰式~」が、2022年4月29日(金・祝)から5月15日(日)まで、西武池袋本店にて開催される。すみっコぐらし"10周年"を記念した「すみっコぐらし展」「すみっコぐらし展 10th Anniversary ~すみっこ表彰式~」は、2022年に10周年を迎えるすみっコぐらしを祝した特別なイベントだ。表彰式をテーマに、すみっこの神様“すみ神様”が、10周年を迎えたすみっコたちを表彰する。会場内では、すみっコぐらしの10年間の思い出が詰まったフォトスポットや、貴重な原画の展示コーナーなどを設置。10周年のお祝いを思う存分楽しむことができる。イベント限定のオリジナルグッズもまた、イベントオリジナルのグッズも販売。おしゃれなタキシード姿のてのりぬいぐるみや、クリアファイル、アクリルキーホルダー、Tシャツなど、すみっコぐらしの世界観を堪能できるグッズをバリエーション豊かに用意している。さらに、入場者にはすみっこ表彰式の“招待状”をプレゼント。今回のイベントならではのスペシャルなノベルティのため、ぜひ会場に足を運んでみてはいかがだろうか。【詳細】「すみっコぐらし展 10th Anniversary ~すみっこ表彰式~」開催期間:2022年4月29日(金・祝)~5月15日(日)時間:10:00~18:00※入場は各日閉場時間の30分前まで。※最終日5月15日(日)は、17:00にて閉場。会場:西武池袋本店 別館2階「西武ギャラリー」入場料:一般 700円、大学生・高校生 500円、中学生・小学生 300円※未就学児無料※本催事は全日程、日時指定制。※小学生以下は保護者同伴必須。<グッズ例>てのりぬいぐるみ 1,540円クリアファイル 385円アクリルキーホルダー 990円Tシャツ 3,300円■グッズ購入者特典会期中、会場にて1回5,000円以上の購入者に、「オリジナル巾着(日替わり 全5種)」をプレゼント。※各日先着150名。
2022年05月01日東京・六本木のサントリー美術館で『大英博物館北斎』がはじまりました。本展では、大英博物館が所蔵するクオリティの高い北斎作品が集結。さらに、北斎を愛したイギリスのコレクターたち6名にもフォーカス。アートの目利きである彼らが絶賛&狂喜した、日本人が気づいていない“北斎のスゴさ”もご紹介!イギリスでも大人気…スゴい北斎!【女子的アートナビ】vol. 240『大英博物館北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』では、大英博物館が所蔵する北斎作品を中心に、国内にある肉筆画も展示。イギリス人コレクターたちの“北斎愛”にも触れながら、彼の画業、特に数多くの代表作が生み出された後半生の作品群を一覧できます。葛飾北斎(1760-1849)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師。彼の作品は、日本だけでなく世界でも有名で、例えばモネやドガなどフランス印象派の画家たちや、ゴッホにも影響を与えています。フランスで人気があったというイメージが強い北斎ですが、実はイギリスでも大人気。すでに1870年代から北斎コレクターや研究者がいて、特に大英博物館には多くの作品が所蔵されています。本展のプレス説明会では、アルフレッド・ハフト氏(大英博物館アジア部日本セクション学芸員)のビデオメッセージが流れ、100年以上前に大英博物館の学芸員だったローレンス・ビニョン(1869-1943)の言葉が紹介されました。とても印象的でしたので、以下に抜粋します。「1908年、ローレンス・ビニョンは、北斎の風景画を見たときの体験を『美と驚きがひとつになった衝撃』と表現し、『世界は我々の想像を上回る驚きに満ち、我々を狂喜させる力の源であることを北斎は明らかにした。それは、これから我々自身で発見していくことができるものでもあるのだ』と語っています」これほどの衝撃をイギリス人に与えていた北斎、すごいです!「芸術家として北斎こそ正真正銘の日本人」では、展覧会のおもな見どころをご紹介していきます。第1章「画壇の登場から還暦」では、貴重な初期作から還暦近くの年齢で描いた作品が登場。ここでの見どころは、北斎が直接筆をとった「肉筆画」の名品《為朝図》。曲亭馬琴の読本『椿説弓張月(ちんせつ ゆみはりづき)』の主人公・源為朝を描いたもので、絵のなかには作者馬琴の祝詞も書かれています。本作品を購入したのは、イギリスの医師、ウィリアム・アンダーソン(1842-1900)。彼は解剖学と外科の教授として明治期に来日し、東京の海軍軍医学校の校長を務めました。さまざまな美術品も入手し、そのうち約2100点が大英博物館の所蔵品になっています。また、アンダーソンは、日本美術についての本も執筆。著書の中で、「芸術家として北斎こそが正真正銘の日本人」と絶賛しています。代表作が次々と…!第2章「富士と大波」では、《富嶽百景》や《冨嶽三十六景》シリーズの作品群などを紹介。大波が印象的な北斎の代表作《冨嶽三十六景神奈川沖浪裏》や、「赤富士」として親しまれている《冨嶽三十六景凱風快晴》もここで見ることができます。また、第4章「想像の世界」では、偉大な歌人や詩に読まれた景色、さらに目に見えない妖怪を描いた作品などが登場。不気味な見た目でも、どこかユーモラスさが感じられる人気作品《百物語こはだ小平二》も展示されています。「これが一人の画家の作品だとは信じがたい」最後の第6章「神の領域―肉筆画の名品―」では、晩年に描かれた肉筆画が登場。特に、88歳のときの作品《流水に鴨図》は必見です。2羽の鴨と水面に落ちた紅葉が描かれた作品で、鴨の描写が本当に細かいのです!近くで見ると、その精緻な美しさに圧倒されます。あの時代の88歳、大家の北斎先生でも老眼になっていると思いますし、集中力や持続力も若いころに比べれば低下しているはず。でも、線のブレもムラもなく、まさに“神の領域”に達した作品です。本作品を所蔵していたのは、イギリスの小説家アーサー・モリソン(1863-1945)。彼は2000以上の浮世絵版画を入手したほか、日本絵画も約600点購入。また、日本美術の研究書も出版し、その中で北斎について「複数の優れた絵師による作品でなく、すべて北斎一人によるものだということが、実に信じがたい」と語っています。究極の“推し活”展覧会本展では、北斎の名品を堪能できるだけでなく、日本美術好き・北斎大好きイギリス人コレクターたちによる究極の“推し活”も楽しめます。彼らが書いた北斎の推しポイントを読むと、今まで気づかなかった作品の魅力も発見でき、改めて北斎の偉大さを実感しました。100年以上前に北斎担当のファンたちが熱心に集めたコレクションを、現代の日本人が見るなんて、考えてみたらステキなこと。推し活をしていたコレクターたちも、きっと喜んでいると思います。究極の“推し活”展覧会、ぜひ足を運んでみてください!Information会期:~6月12日(日)※会期中展示替を行います。※会期は変更の場合があります。休館日:火曜日(5月3日、6月7日は開館)会場:サントリー美術館開室時間:10時~18時※金・土および4月28日(木)、5月2日(月)~4日(水・祝)は20時まで開館※いずれも入館は閉館の30分前まで観覧料:一般¥1,700、大学・高校生¥1,200、中学生以下無料※最新情報は公式サイトでご確認ください
2022年04月30日葛飾北斎の作品と同時代・次世代に活躍した絵師たちの作品を並べ、北斎とライバルたちがどのような関係にあったのかを紹介する『北斎とライバルたち』が、4月22日(金)より太田記念美術館にて開催される。北斎は70年におよぶ画業のなかで、《冨嶽三十六景》に代表される風景画のほか、さまざまなジャンルの作品を手掛け、高い名声を得ていた。だがもちろん、当時活躍していた絵師は北斎だけではなく、数多くの浮世絵師たちが、時には北斎と覇権を争い、時には影響を受けたり与えたりしていた。同展では、そんな北斎とライバルたちとの交流や北斎が手掛けたさまざまなジャンルの作品を幅広く展観。歌川広重、東洲斎写楽、溪斎英泉、歌川国芳など、同時代に活躍した絵師たちとの交友関係や、晩年の代表作である《冨嶽三十六景》、役者絵や武者絵、風景画や美人画など、北斎の幅広い画業をほかの絵師たちの作品を交えながら紹介するほか、北斎の影響を受けた歌川広景、落合芳幾といった次世代の絵師たちの作品も公開。なぜ北斎は世界的に人気が高いのか?たくさんのライバルたちと対比から北斎の新たな魅力に気付くことができそうだ。歌川広重「不二三十六景 相模七里か浜風波」(後期)歌川広景「江戸名所道戯尽四御茶の水の釣人」(後期)葛飾北斎「冨嶽三十六景 登戸浦」(前期)歌川広重「冨士三十六景 相模江之島入口」(前期)『北斎とライバルたち』会期:2022年4月22日(金)~6月26日(日)会場:太田記念美術館時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:月曜、5月24日(火)~-26日(木)料金:一般1,000円、大高700円※会期中全点展示替え公式サイト:
2022年04月11日4月23日(土)より目黒区美術館にて、板橋区立美術館、渋谷区立松濤美術館、練馬区立美術館など都内区立美術館10館が所蔵する、猫をモチーフとした作品を紹介する『東京・区立美術館ネットワーク連携事業東京の猫たち』が開催される。2018年から都内の区立美術館11館が協働し、「東京・区立美術館ネットワーク」として連携活動を続けている。その活動の一環として開催される同展には、木下晋《シロ 1》、柴田是真《猫鼠を覗う図》や朝倉文夫《たま(好日)》といった各館自慢の猫たちが集結。猫は、単に可愛らしいだけでなく、画家にとっては繊細な毛を、彫刻家にとってはしなやかな身体のラインを表現できるモテーフ。また、多くの芸術家にとって、猫は社会にとらわれない自由な存在としての憧れや共感の対象でもある。各館のコレクションの特徴を反映した、身近で親しみやすい猫を取り上げることで、展示をとおして、多彩な東京の区立美術館の活動についても紹介する。朝倉文夫《たま(好日)》1930年台東区立朝倉彫塑館川端龍子《眠猫》1933年大田区立龍子記念館柴田是真《猫鼠を覗う図》1884年板橋区立美術館木下晋《シロ 1》1988年 目黒区美術館【開催概要】『東京・区立美術館ネットワーク連携事業東京の猫たち』会期:2022年4月23日(土)~2022年6月12日(日)会場:目黒区美術館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜料金:一般800円、大高・65歳以上600円美術館公式サイト:
2022年04月07日先行販売では940本が即時完売3月1日、株式会社エスプレッセは、化粧品研究系YouTuber・すみしょうのスキンケアブランド『スプレーゼ』の第1弾商品『バリアグロウクレンジングオイル』をスプレーゼオンラインショップで発売した。すみしょうは、大手化学メーカーの化粧品OEM部門での処方開発経験をもとに、化粧品研究系YouTuberとして、化粧品科学をベースとしたコスメレビューや、美容情報を発信している。耐水性の高いメイクもふわりと除去『バリアグロウクレンジングオイル』は、主成分にスキンケアクリームにも使われるエステルオイルを選択し、乾燥感の少ないポリグリセリン系の界面活性剤をメインとして、界面活性剤を複数組み合わせている。界面活性剤の量をできるだけ低減して、肌負担を軽減しながらもメイク落ちが良く、乾燥しにくく、さっぱりと洗い上げることが可能になった。毛穴汚れや角栓に対しても良好な洗浄力がある。すすぐ時には、メイク汚れを含んだオイルが、マイクロレベルの細かい粒子になって除去できる。ぬるつきがないので、ダブル洗顔は不要である。「バリアグロウ」という名前には、肌のバリア機能を健やかに維持してほしいという想いが込められている。価格は、150ml入り(約50日分)で、2,970円(税込み)。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース株式会社エスプレッセ※スプレーゼオンラインショップ
2022年03月16日特別展「北斎」が、福岡の九州国立博物館にて2022年4月16日(土)から6月12日(日)まで開催される。葛飾北斎の「日新除魔図」日本初公開特別展「北斎」は、世界でもっとも有名な日本の画家、葛飾北斎の想像力あふれる世界観を紹介する展覧会。2017年に九州国立博物館へ寄贈された、北斎の重要文化財「日新除魔図(宮本家本)」を、日本で初めて一般公開する。「日新除魔図」は、北斎が病や火災、借金苦などの災難を経て、毎朝魔除けのために描き続けた獅子たちを集めた圧巻の連作。九州国立博物館に寄贈される前は個人蔵であったためほぼ非公開状態であったが、寄贈後は九州国立博物館でのみ公開が可能に。80歳を過ぎた北斎による、門外不出の大作に注目だ。「冨嶽三十六景」や晩年の肉筆画「龍図・鳳凰図」もまた、「日新除魔図」と年代の近い浮世絵版画シリーズ「冨嶽三十六景」も登場する。さらに、長野・小布施から、北斎晩年の最重要作品である祭屋台の天井絵「龍図・鳳凰図」を九州初公開。躍動感あふれる肉筆画を、会期中通期で展示する。【詳細】特別展「北斎」会期:2022年4月16日(土)~6月12日(日)前期 4月16日(土)~5月15日(日)/後期 5月17日(火)~6月12日(日)※会期中、展示替えあり。場所:九州国立博物館住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2休館日:月曜日(5月2日(月)は開館)開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)観覧料:一般 1,800円(1,600円)、高大生 1,000円(800円)、小中生 600円(400円)※( )内は前売料金※チケットはARTNEチケットオンライン、 ローソンチケット(Lコード:84527)、 チケットぴあ(Pコード:686-008)等で販売。※開催予定・内容に変更が生じる場合は、展覧会ホームページ等にて随時告知。【問い合わせ先】九州国立博物館 ハローダイヤルTEL:050-5542-8600(9:00~20:00/年中無休)
2022年03月13日アメリカ・ニューヨークにあるメトロポリタン美術館所蔵の絵画を紹介する『メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年』が国立新美術館(東京都港区)で開催中だ。1870年に創立されたメトロポリタン美術館は、先史時代から現代まで5000年以上にわたる世界各地の文化遺産を包括的に所蔵している。今回は、同館を構成する17部門のうち、ヨーロッパ絵画部門に属する2500点あまりの所蔵品から、珠玉の絵画65点を展示。うち46点は日本初公開作品となる。展示は3章構成。まず「信仰とルネサンス」では、イタリアと北方のルネサンスを代表する画家たちの名画17点を紹介。初期ルネサンスのイタリアを代表する画家フラ・アンジェリコ(本名 グイド・ディ・ピエトロ)の《キリストの磔刑》(1420-23年頃)、ルネサンスの巨匠であるラファエロが20〜21歳の時に描いた《ゲッセマネの祈り》(1504年頃)、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《ヴィーナスとアドニス》(1550年代)などが日本初公開となる。続いては「絶対主義と啓蒙主義の時代」と題し、君主が主権を掌握する絶対主義体制がヨーロッパ各国で強化された17世紀から、啓蒙思想が隆盛した18世紀にかけての美術を、各国の巨匠たちの名画30点により紹介。20世紀に再評価された画家であるジョルジュ・ド・ラ・トゥール《女占い師》(おそらく1630年代)、17世紀オランダの画家フェルメールによる異例の寓意画《信仰の寓意》(1670-1672年頃)、生命や現世の富・名声のはかなさの寓意を伝える「ヴァニタス(虚栄)」静物画の典型である、ピーテル・クラース《髑髏と羽根ペンのある静物》(1628年)などが見どころとなっている。最後は「革命と人々のための芸術」。市民社会の発展を背景に、絵画に数々の革新をもたらした19世紀の画家たちの名画18点が並ぶ。オーギュスト・ルノワール《ヒナギクを持つ少女》(1889年)、エドガー・ドガ《踊り子たち、ピンクと緑》(1890年頃)、フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲く果樹園》(1888年)、ポール・セザンヌ《リンゴと洋ナシのある静物》(1891-92年頃)、クロード・モネ《睡蓮》(1916-19年)といった名画を見ることができる。会期は5月30日(月)まで。開館時間は10:00-18:00(毎週金・土曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)。休館日は火曜日。ただし、5月3日(火・祝)は開館。取材・文・撮影:五月女菜穂
2022年03月11日