「この小説を何かの形で立体的に見せられたら。そう思ったことが、舞台を制作する会社を立ち上げようと思ったきっかけでもあったんですよね」と、小泉今日子さん。そこまで小泉さんを駆り立てたのが、大島真寿美さんの小説『ピエタ』だ。18世紀イタリアの作曲家・ヴィヴァルディが、一時期、ベネチアの孤児を養育するピエタ慈善院で、少女たちに音楽指導をおこなっていたという史実をもとに創作された物語。渾身の舞台化が実現。「原作を読んで本当に泣けてしまった」「ピエタで育ったエミーリアという女性がヴィヴァルディの訃報を受け取ったことをきっかけに、いろんな女性たちが出会っていくんです。いつしかシスターフッド(同じ目的で集まった女性たちの連帯)的な動きをしていきますが、そこが素敵だなと思ったんですよね。今は40代50代になっているけれど、少女時代に見た綺麗なものや美しい記憶が、ここまで彼女たちの支えになってきていて、自分もそうだなと思ったら、本当に泣けてしまって」そこから舞台化に向けて動き出した小泉さんは、交渉からスタッフの手配までプロデューサーとして奔走。貴族の娘のヴェロニカ役に石田ひかりさんを、そして自身はエミーリア役で俳優として出演も担うことに。「石田さんって、なんともいえないお嬢様感を持っている方なんですよね。以前、朗読劇に出ていただいたとき、終演後に『私もお手伝いしようと思って来たんです』ってバッグから軍手を出して…。じつは本物の貴族って、こういう感じじゃないかと思ったんですよね。エミーリアに関しては、当初は私が演じるつもりじゃなかったんです。でも、本来は2020年に上演するはずだったのがコロナで中止になって。再度企画を立ち上げたときに自分がやってみようかなって。私、映像作品もそうですが、ちょっとスケバン感がある役ばっかり来るんです。自分を律してピエタの中で生きてきたエミーリアみたいな役は、自分で与えないとやれない気がして、そういうのもできるぞ、と(笑)。じつはエミーリアは、物語の中心にいるので主人公のようであるけれど、物語を案内していく役割だからやれるかなっていうのが本音なんですが」ほかにも峯村リエさん、広岡由里子さん、伊勢志摩さんといった、小劇場界の個性溢れる面々が揃った。「グッとくる顔ぶれですよね。今回のリベンジ公演のために、みなさんが再びスケジュールを空けてくださったことに感激でした」本作は音楽も物語の重要な要素に。「音楽の船に運ばれるようにエミーリアが人に出会っていく物語ですから、音楽は必須だと思い生演奏にこだわりました。音楽の持つ力で、現代と18世紀のベネチアが地続きになればと思っています」アーティストや俳優として、ずっと第一線で活躍してきた小泉さんが、自ら車を運転し裏方仕事に従事し、開演前や終演後には、プロデューサーとしてロビーにも立つ。そこまで魅了された演劇の魅力とは?「20代の頃、演出家の久世光彦(てるひこ)さんのドラマによく呼んでいただいていたんですが、その現場が本当に楽しかったんです。なかでも、柄本明さんとか蟹江敬三さんのような小劇場出身の方々が圧倒的に面白くて、きっと演劇という場所にその答えがあると思ってしまったんですね。それで30代になったら舞台をやろうと思っていたら岸谷五朗さん演出の公演に呼ばれて、そこでアンサンブルの人たちと一緒に柔軟体操したり、発声練習したり基礎からやらせてもらったら、まるで部活みたいで楽しくて。でも、その後すぐ参加した岩松了さんの舞台では、話している会話の内容とはまったく違うことを考えているという芝居を要求されたんです。たとえば頭でクラゲのことを考えながら、全然関係ないセリフをしゃべってるとか。何これ!?超面白いんですけど、って衝撃を受けました。しかも演劇に携わっている人たちって、本当に純粋に演劇が好きでやっている人ばかりで、それを見ているのが幸せなんですよ。こういう人たちと一緒にものを作ることによって、自分が知り得ることはきっとあるし、一緒にもう少し光が当たる場所に行けたらと思うんですよね」asatte produce『ピエタ』ピエタ慈善院で育ち、そこで働くエミーリア(小泉)は、かつて共にヴィヴァルディに師事した貴族の娘・ヴェロニカ(石田)から、少女時代に詩を書いた楽譜の行方を捜してほしいと依頼を受けるが…。7月27日(木)~8月6日(日)下北沢・本多劇場原作/大島真寿美『ピエタ』(ポプラ社)脚本・演出/ペヤンヌマキ音楽監督/向島ゆり子プロデューサー/小泉今日子出演/小泉今日子、石田ひかり、峯村リエ、広岡由里子、伊勢志摩、橋本朗子、高野ゆらこ、向島ゆり子、会田桃子、江藤直子一般8500円ほかMitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00)愛知、富山、岐阜公演あり。こいずみ・きょうこ1966年2月4日生まれ、神奈川県出身。’82年に歌手としてデビュー。その後、俳優にも活動の幅を広げ、ドラマ、映画、舞台と多岐にわたり出演。2015年に舞台制作の会社を設立し、プロデュース業にも力を入れている。ワンピース¥46,200ベスト¥63,800(共にハイク/ボウルズ TEL:03・3719・1239)※『anan』2023年8月2日号より。写真・中島慶子スタイリスト・木村舞子ヘア&メイク・岩田美香(mod’s hair)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年07月30日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、計画的に行動して休みを楽しむ女性、「2か月先の予約をする女」になりきり。行きたい場所を普段からリストアップしておこう。長期のお休みやイベントの度に思うのは、今動く者は2か月先を制する、ということです。夏休みの旅行でホテルの予約を直前にしようとすると、すでに埋まっていたり、料金がいつもより高くなっていたりしますよね。飛行機のチケットも1~2か月前から予約がスタートしているのに、ギリギリのタイミングで「何する?」みたいなことを言い始めて、検索してもどこも空いていない…ということを何度も繰り返していて、本当に悔しい思いをしています。休みの期間は前から決まっていたのに、なぜ、動かなかったんだろう…と。また、クリスマスケーキやバレンタインデーのチョコレートといったイベントにまつわる商品も同じですよね。1週間前に慌ててケーキを探しても、とっくに予約が締め切られていたりします。だからこそ、インスタグラムなどで人気パティスリーのケーキを食べている人を見かけると、そんなに前からイベントに向けて準備をしていることに驚くし、さすがだなという気持ちに。話題のレストランとかでも、2か月前などに設けられている受付日に予約が埋まり、行けずにいるということもしばしば。きちんと予約が取れる人は休みなど自分のスケジュールをしっかりと把握して、“この休みにはこれをする”と予定を立てているはず。そうして目標を作ることで仕事を頑張るモチベーションにもなりそうでいいですよね。そんなふうに計画的に行動できる人になるためには、2か月先までのスケジュールを把握して前もって予定を立てることが大事。あと、やりたいことや行きたいお店をリストアップし、少し先の日にちでも思い切って予約してみるのも手。きっと誰かは“一緒に行きたい!”と乗ってくれるのではないでしょうか。よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年8月2日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2023年07月29日昨年公開された映画『ハケンアニメ!』で、若き天才アニメーターを演じた小野花梨さん。若いながらも、仕事への熱く頑固な情熱を持つ一方、プライベートでは自分に自信を持てずに鬱屈した思いを抱えている。そんな役柄をリアルに、そして魅力的に演じ、限られた出番ながら存在感を発揮し、今年日本アカデミー賞新人俳優賞も受賞した。――新人賞を受賞されて、なにか変化のようなものはありました?小野花梨(以下、小野):正直、体感としては一切なく…、これまでと地続きの日々をコツコツ歩ませていただいています。――賞が自信に結びついたりは?小野:お褒めの言葉をいただけたことはとても嬉しいことでしたが、自信というより、ここまで頑張ってきてよかったなという気持ちの方がしっくりくる気がします。――着実にキャリアを積んで、今回、『初恋、ざらり』で連続ドラマ初主演を果たします。小野:プロデューサーさんは以前ドラマでお世話になった方ですし、共演の風間俊介さんは10年前の映画『鈴木先生』で共演させていただいています。これまでのご縁が積み重なって今に至った感じがして、過去の自分に通知表をもらったような、過去の自分を認めていただいたような気持ちになりました。――本作で演じているのは、軽度の知的障害と自閉症がある主人公・有紗。障害を隠して働き始めた職場でも周りに馴染めず、ミスを連発。そんな中、風間さん演じる職場の先輩・岡村の優しさに触れて恋に落ちるストーリーです。小野:非常にセンシティブな題材ですよね。実際に有紗と同じ症状で不自由な思いをしている当事者の方たちがいて、表現の仕方など繊細さが必要な役で、少なからず恐怖心もあります。でも、原作を読んだとき、不器用な女の子が一生懸命に生きている…そんな愛らしさを感じて。気づけば有紗に感情移入していて、なぜだか自分の不安定な部分まで愛せるようになった気がしました。――考えすぎて動けなくなったり、テンパってミスしたりって、有紗ほどではないにしろ誰にもあることで、共感できる部分も多いです。小野:この作品が秀逸だなと思うのは、そこなんですよね。軽度知的障害の有無にかかわらず、有紗の持つ劣等感に多くの人が共感できる。恋愛的なシーンでの、自分で勝手に不安になって相手を傷つけてしまって、その事実に自分も傷つく。相手を思うがゆえにすれ違ってしまうというところは、私も共感を覚える部分で。多くの人がプライドや理性で呑み込んでしまう言葉を有紗は言ってしまったり、逆に考えすぎるがゆえに言えなかったり。そういう個性はあるけれど、根底の感情に共感できるのが、この作品が多くの人に愛されている理由なのだと思いました。――連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』のきぬちゃんもそうですが、小野さんが演じることで役に人間的魅力が加わり、愛すべきキャラクターに育っていくような印象を受けます。普段、役にアプローチしていくとき、どんな段階を踏まれているんでしょうか。小野:毎回、たくさんの方にアドバイスをいただきながら作っているので、自分だけでどうこうではないと思うのですが、演じる役については自分が一番好きでいなきゃとは毎回思ってやっています。この人のどんなところが良くて、どこがダメで、どこが愛おしいところかを、一番説明できる人間でいたいです。――ときには、キャラクターが自分には理解できない行動をとることもあると思うのですが?小野:理解はできても共感はできない、というパターンはありましたけど、人として全く、理解も共感もできない!ということはなかったと思います。たとえば人を殺しちゃう役も、どんな理由であれ殺す結論に至ったことに共感はできなくてもそこまで追い詰められた感情の流れは理解できる…みたいな。――子役時代から遡って、これまでに難しかった役というと?小野:それでいうと、今回の有紗役は、感情の根底にあるものは理解できても、アウトプットの仕方が自分とは真反対で難しいですね。私は、小さい頃からこの環境にいるからか、先に口が動いて、言葉を発した後から頭がついていって辻褄合わせをする、みたいなところがあります。でも有紗はパッと言葉が出てこない人なので、いったん頭の中で考えて言葉に出すまでのラグをお芝居で作る必要があるんですが、感情だけで有紗をやろうとすると、反射的に口が動いてしまって…。最初の数日は、有紗のテンポに慣れなくて悩みました。小野さんにとって初の連続ドラマ主演作となる『初恋、ざらり』は、毎週金曜24:12~テレビ東京系にて放送中。軽度知的障害がある自閉症の上戸有紗(小野)は、そのことを隠して運送会社で働き始める。しかし、暗黙の了解が理解できず、ミスを連発し落ち込む日々。そんななか、職場の先輩・岡村(風間)の優しさに触れ、恋をするが…。おの・かりん1998年7月6日生まれ、東京都出身。2006年のドラマ『嫌われ松子の一生』で子役デビュー。’21年の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』や主演した映画『プリテンダーズ』、昨年の映画『ハケンアニメ!』などで注目を集める。出演映画『Gメン』は8月25日に公開予定。トップス¥39,600(Y’s/ワイズ プレスルーム TEL:03・5463・1540)ジャケット¥63,800(daichiogata TEL:080・1212・7269)イヤリング、右¥20,900左¥19,800(共にGARNI/ガルニトウキョウ TEL:03・3770・4554)※『anan』2023年8月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・髙橋美咲(Sadalsuud)ヘア&メイク・森下奈央子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年07月28日ミュージカル『ファントム』で、オペラ座に棲む“音楽の天使”ファントムに導かれ歌手としての才能を開花させるヒロインのクリスティーヌを演じる真彩希帆さん。宝塚歌劇団在団中にも、トップ娘役として演じた役だが、再びクリスティーヌと向き合いながら「演出の城田(優)さんに確認し、解釈を深めながらですけれど…」と前置きしつつ、あらためて「大事なことは変わらないんだと実感しています」と語る。「クリスティーヌは、演じるたびに原点に返らせてくれる役です」「宝塚の『ファントム』とは演出も、翻訳の脚本も、キャストも違いますから、クリスティーヌとしても新しいアプローチが必要だろうと考えていました。でも、“気持ちの持っていきかたを変えてみよう”と考えてきたことが違和感だらけで。なんだか心が繋がらず歌も歌いにくい。ならば無理に変えるのも違うし、今は同じものが生まれたら生まれたでその気持ちを大事にしようと思って演じています」もともと楽曲に導かれながら、その場その瞬間に舞台の上で湧き上がるものを大事にしてきた人。「クリスティーヌという役は、演じるたびに原点に返らせてくれるんです。誰に見せるわけでもなく、ただただ歌を楽しんで歌っていたときの気持ち、初めて舞台に立ちたいと思ったときの気持ち、練習を重ねる中でこんなふうにも歌えるんだと発見があったときの喜び…。そして、初めて人前で歌ったときの、周りの嬉しそうな反応。ひとつひとつの場面が自分と重なって、リアルな感情として迫ってくる。とても面白い役だなとあらためて思います」そして、そんな“役者自身から生まれてくるもの”を大事にしてくれるのが城田さん流の演出。「しっかりとしたビジョンを持ちながらも、ここは絶対にこうでなきゃとはおっしゃらない。ただ、『僕からはこう見えるけれど、あなたの意図と合ってますか?』と言ってくださるので、答え合わせをしながら作っていっている感じです」曇りのないクリアで美しい歌声と、確かな歌唱力の持ち主。クリスティーヌ同様、真彩さんも音楽の天使に愛された人であることは間違いない。「私自身は自分の声や歌にそんなに自信はなくて…(笑)。もし褒めていただけるとしたら、ここまで演じてきた役の子たちが作ってくれた歌や声ですから、それは役のおかげです。私は、自分じゃない“誰か”から生まれた想いが歌になっていく瞬間が大好きで、舞台に立って歌えることを本当に幸せだなと感じています。これからも“誰か”として歌い演じ続けられるよう、なにも演じていないときはハスキーになる自分の声も大事にしながら(笑)、丁寧に役と向き合っていきたいと思っています」ミュージカル『ファントム』7月22日(土)~8月6日(日)梅田芸術劇場メインホール、8月14日(月)~9月10日(日)東京国際フォーラム ホールC 脚本/アーサー・コピット作詞・作曲/モーリー・イェストン原作/ガストン・ルルー演出/城田優出演/加藤和樹・城田優(Wキャスト)、真彩希帆・sara(Wキャスト)、大野拓朗・城田優(Wキャスト)、石田ニコル・皆本麻帆(Wキャスト)、加治将樹、中村翼、加藤将、西郷豊、岡田浩暉ほかS席1万4000円A席9000円B席5500円キョードー東京 TEL:0570・550・799(11:00~18:00、土・日・祝日10:00~)19世紀後半のパリ。オペラ座では、ファントム(加藤・城田)が出没すると噂されていた。そんななか、憧れのオペラ座で職を得た歌手志望のクリスティーヌ(真彩・sara)は、その美しい声に魅せられたファントムから密かに歌のレッスンを受けるようになり…。※出演を予定していたsaraさんですが、体調不良のため全公演を休演することになりました。まあや・きほ埼玉県出身。2012年に宝塚歌劇団に入団し、たしかな歌唱力と繊細な演技力が注目され、’17年に雪組トップ娘役に就任。’21年の退団後は、『ドン・ジュアン』『ジキル&ハイド』などミュージカルを中心に活躍。11月からは『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』に出演。※『anan』2023年7月26日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年07月24日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、自然体な姿をとらえる女性、「何気ない写真を上手に撮る女」になりきり。風景や雰囲気を記録するような気持ちで撮ろう。もう芸人を辞めてしまった同期の女の子がいるのですが、以前、彼女も含め、みんなで子どもを連れて集まり、ごはんを食べたことがありました。その時に私や子どもの写真を撮ってくれたのですが、そのうちの一枚が子どもの前髪と、手に持っているお椀のカーブがぴったりと合うような素敵なもので感動!他にも、いろいろと撮ってくれたのですが、そのどれもがピースをするようなキメたものではなく、子どもと一緒に遊んでいる様子などをさらっと撮っていて。「撮るよ」みたいな掛け声もありません。まるで目の中にカメラが入っているのかな?と思うくらい自然とシャッターを切っているようでした。私が子どもの写真を撮る時は、つい声変えをしたり、「このポーズをして!」と強要してしまいます。でも、振り返ってみると、彼女は昔から集団コントやネタ合わせをする時の写真をずーっと撮っていて、その時から画角やトリミングの仕方が上手でした。一緒に遊んでいるだけなのに作品のような写真をもらえるし、彼女の写真のおかげで、アルバムもすごく豪華な感じになるので、本当にありがたいです。すごいのは、自分の子どもにごはんを食べさせながら自分もごはんを食べ、さらに写真を撮っているところ。心に余裕がないとできないですよね。彼女のようにナチュラルにシャッターを切って自然体な写真を撮れるようになるためには、まずは撮ることに慣れ、特別なものにしないことが大事。目の中にカメラを入れるような気持ちで、とにかく当たり前に撮影をする。その時、写真立てに飾るようなものを狙ったり、上手く撮ろうとせず、今の現場や状況、風景、雰囲気を押さえておくような記録する気持ちで向き合うと、いいものが撮れるのかなと思いました!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年7月26日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2023年07月22日年上の素敵なお姉様を招き、お話を伺う「乙女談義」。今回は、過去の名作シリーズをお届けします。女優の市原悦子さんと、料理家の鈴木登紀子さんです。市原悦子「『家政婦は見た!』のお話は、労働者へのエールなんですよ」作品を選ぶとき、役柄が孤独だったり、重く、暗く、不幸な題材に興味を持ちますね。『家政婦は見た!』もそうですよ。あれは働く女の原点を描いている物語。主人公の石崎秋子さんは、バーゲンを漁ってブラウスを買って、それを着て家政婦の仕事に行くわけだけど、お給料は日当だから風邪をひいたらもらえない。体を大事にして、とにかく一日一日働くんだっていう女性。彼女には、夫も子供もいない、猫しかいない。孤独なんですよ。あれは、体を使って汗をかきながら働いている、しかも定収入のない不安定な人たちへの、“元気に頑張ってね”という、エールがこもった作品。社会的に弱い立場の人たちが、エリートに対して憤る。松本清張作品の根本はそこなんです。でもそれをマジメに理屈っぽくやっても、ちょっとね。よくあの作品はユーモラスだと言われましたが、そんな狙いはなかったんですよ。でも人間って一生懸命になり、そして健気だと、おかしいものなんじゃないですか(笑)。いちはら・えつこ女優。千葉県生まれ。俳優座出身。舞台や映画、テレビ、ラジオと幅広く活躍。アニメ『まんが日本昔ばなし』での声の芝居や、ドラマシリーズ『家政婦は見た!』などで知られる。2019年1月に逝去。’15年2月に連載に登場。初出は1943号。鈴木登紀子「長い人生を豊かにするためには、“好きなこと”を見つけましょう」好きこそものの上手なれ、と言いますが、私は小さい頃から母のお手伝いをしていたことで料理を好きになり、40代でそれが仕事になりました。今でも自宅で料理教室を開き、テレビで料理を作ったり、本にまとめたり。毎日好きなことができて、本当に幸せだと思いながら過ごしています。これを読んでいる皆さんは、今はお仕事を一生懸命になさっていることでしょう。でもそれとは別に、何か好きなことを見つけるといいと思いますよ。誰でも、好きなことをしているときは、幸せでしょう?人生はとても長いもの。夢中になれるものを持っていると、年をとったときでも、豊かな時間が過ごせると思いますよ。好きなことは、いくつあってもいいです。若い頃は旅行も好きで、毎年スイスに主人と二人で出かけてました。それもとっても楽しかった。でも今思うのは、美味しい料理を食べることが一番楽しい。娘に「食べすぎちゃダメ」って言われるけど、セーブできなくて困っております。やめられないわね。すずき・ときこ料理研究家。1924年、青森県生まれ。テレビ『きょうの料理』や『あさイチ』(共にNHK総合)などで活躍。『誰も教えなくなった、料理きほんのき』(小学館)など著書多数。2020年12月に逝去。’14年2月に連載に登場。初出は1894号。※『anan』2023年7月26日号より。写真・中島慶子ヘア&メイク・山本理恵(Team/市原さん)(by anan編集部)
2023年07月22日多彩な声色を使い分け、今やディズニー作品を語るのに欠かせない声優となった山寺宏一さん。約40年近くのキャリアの中で思い出に残る作品を貴重な裏話とともに振り返ってもらった。共に歩んできた思い出深い作品。――タレント、声優・山寺宏一さん「初めてディズニー作品に参加したのは、1992年日本公開の『美女と野獣』。その1年ほど前に野獣役のオーディションがあったんです。当時、僕はまだ若手でしたし、ベテランの声優さんたちが数多くエントリーしていたから、ダメ元で受けてみたんですよ。野獣は低くて野太い声ですし、迫力も必要。何度も練習しましたね。合格の連絡をいただいた時は『まさか自分が!』と。野獣の声はほぼ加工なしで自分の声をそのまま使ってもらっているんです。映画を観た先輩から『山ちゃん、野獣の声とってもよかったよ』と感想をいただけたのも嬉しかった。この時、声優として自信がついた気がしました。そしたら、次にドナルドダックのオーディションがあると聞いて。それまで日本ではいろんな声優さんがドナルド役を演じていましたが、僕、友達にやり方を習ったことがあって、ダックボイスができたんですよ。それをオーディションで披露したら『すごい!じゃあダックボイスでセリフをしゃべってみて』と。いやいや、無理だろうと思ったけど(笑)、『あなたができなかったら日本でする人いないから』って言われて。本国から発声マニュアルをいただいて、3か月くらい徹底的に練習しました。その甲斐あって、ウォルト・ディズニー・カンパニー本社からお墨付きをいただいて、30年近くやらせてもらっています。長くやっていてもドナルド役は毎回苦労する難役ですね。ディズニー作品には人間以外の個性的なキャラクターが数多くいますから、発声方法もアプローチも変わってきます。例えば『リロ&スティッチ』に出てくるエイリアンのスティッチ。彼の場合も独特の発声をマスターするのに苦労しました。スティッチは特に日本での人気が高く、沖縄を舞台にした『スティッチ!』というテレビシリーズも作られたんです。チャレンジという意味では『ロジャー・ラビット』のロジャー・ラビット役も。声もテンションも高いので冒頭のシーンだけで声がかれそうに(笑)。また、ミュージカル映画『メリー・ポピンズ』は、歌のハードルが高かった作品。僕が演じたバートの歌『チム・チム・チェリー』は、キャラクターソングとは違って正統派で歌い上げないといけない名曲で必死に練習しました。“スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス”の早口は、今では歌えないかも(笑)。こうしてさまざまな役を演じさせていただいたおかげで自分の役幅が広がったと思っています」そして、山寺さんとディズニー作品を語る上で忘れてはならないのが、『アラジン』に登場するランプの魔人ジーニー。「ユーモアに富んだ口調でジョーク好き。さらに、子どもから老人、女性などさまざまな声色を駆使するエンターテイナーなジーニーは、本当に魅力的な役。僕、声優になる前はものまねタレントになりたいと思っていましたから、この役こそ自分の力を120%発揮できると思ってオーディションに臨んだんです。ジーニーは天才コメディアンで俳優のロビン・ウィリアムズに当て書きして作られた役ということもあってファンが多い。吹き替え版でその魅力が半減しないよう、ロビン・ウィリアムズに負けないぞという気持ちでやってます。ディズニー作品は本国の声優陣がアカデミー賞俳優ということも少なくなく、吹き替えの声優にも高い表現力や演技力を求められます。『ムーラン』の守護神ムーシューは、エディ・マーフィが声を担当していますから豪華ですよね。実写版『アラジン』はウィル・スミスがジーニーを演じたことで話題になりました。この作品の日本公開をきっかけにウィル・スミスとイベントで共演したのもいい思い出です。そうそう、僕はコンサートなどでジーニーの十八番『フレンド・ライク・ミー』を歌わせていただくことが多いのですが、『アラジン/ジャファーの逆襲』『アラジン完結編/盗賊王の伝説』など、スピンオフ作品にも隠れた名曲が多いのでぜひ聴いてみてほしいです。ディズニー作品に携わっていると、ジーニーのように長い付き合いになるキャラクターも少なくない。過去の自分に負けないよう、表現力を磨き続けようと思えるのもディズニー作品のおかげですね」こうして役と向き合いながら、力をもらっているという山寺さん。「『シュガー・ラッシュ』はゲームの中の悪役にスポットライトを当てた珍しいストーリー。不器用だけど心優しいラルフが仲間はずれの少女ヴァネロペと出会い、友情を築き上げる。演じていてすごく心が温まります。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、はみ出し者たちがそれぞれの弱さを補い合いながら、銀河を守るために戦う姿に勇気をもらえる。失敗ばかりの僕も誰かの役に立てるかもしれない。ディズニーやマーベル・シネマティック・ユニバースなどのキャラクターを演じているとそういうふうに前向きな気持ちになるんです」【Disney】『アラジン』(1992)陽気な魔人ジーニーを魅力たっぷりに演じた当たり役。砂漠の国アグラバーに暮らす貧しい青年アラジンは洞窟の奥に眠るランプの魔人ジーニーと出会う。ランプの力を使い、悪名高い魔法使いジャファーと戦いながら、ジャスミン王女の心を射止めようとする。2019年には実写版も公開。© 2023 Disney【Disney】『美女と野獣』(1991)ハンサムな王子のイケボと、野獣の唸り声が聞きどころ。魔女の魔法で恐ろしい野獣の姿にされてしまった美しい王子。人を愛し、愛されなければ永遠に獣のまま。心を閉ざし、絶望の日々を送っていた野獣に光を与えたのは、聡明で美しい女性ベル。二人の出会いが互いの運命を変えていく。© 2023 Disney【Disney】『ダックテイルズ』(2017~2020)ドナルドダックのかわいい甥っ子たちが大活躍!ドナルドダッグの伯父スクルージ・マクダックと3つ子の甥っ子ヒューイ、デューイ、ルーイが主人公のテレビアニメシリーズのリブート版。オリジナルは1987年に放送開始。山寺さんは30年にわたってドナルドダックを担当。© 2023 Disney【Disney】『リロ&スティッチ』(2002)不思議なスティッチ語がクセになるハートフルな作品。ハワイ・カウアイ島に暮らすリロは両親を亡くした孤独な少女。ある日宇宙からの逃亡者であるエイリアンのスティッチと出会い、一緒に暮らし始める。破壊することしか知らなかった暴れん坊のスティッチはリロとの交流で人を思う心を知る。© 2023 Disney【MARVEL】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)チャーミングな悪役ヒーロー、ピーター・クイルの魅力が炸裂。Marvel’s Guardians Of The Galaxy..Peter Quill/Star-Lord (Chris Pratt)..Ph: Jay Maidment..©Marvel 2014幼い頃に地球から誘拐され、宇宙のトレジャーハンターとなったピーター・クイル。刑務所に収容されたピーターは4人の凶悪犯たちと銀河の危機を救うため立ち上がる。はみ出し者たちがヒーローになる冒険活劇。© 2023 MARVEL【Disney】『シュガー・ラッシュ』(2012)厄介者扱いされてしまう悪役の知られざる一面を描いた傑作。悪役に嫌気がさし、自分のゲームを飛び出したラルフ。ヒーローとして活躍できるゲームを探して、お菓子の国のレースゲーム「シュガー・ラッシュ」へ忍び込む。そこで仲間はずれにされていた少女ヴァネロペと出会い、友情を深めていく。© 2023 Disney【Disney】『ロジャー・ラビット』(1988)笑わせることが生きがいの映画スターが名探偵と駆け回る!舞台はアニメーションと実写が交錯する街トゥーンタウン。殺人の容疑者になったロジャー・ラビットは、追っ手から逃れた先にいた探偵エディと共に、真犯人を捜すことに。実写とアニメーションをCGで合成した画期的な作品。© 2023 Disney【Disney】『メリー・ポピンズ』(1964)名曲揃いで楽しい気持ちにさせてくれるミュージカル映画。ジョージ&ウィニフレッド夫妻のやんちゃな子どもたちの元にやってきた不思議な力を持つ家庭教師メリー・ポピンズ。山寺さんが吹き替えを担当したバートはメリーの昔からの友達。彼が歌う「チム・チム・チェリー」はアカデミー賞歌曲賞を受賞。© 2023 Disney【Disney】『ムーラン』(1998)ムーランを陰で支える守護神、ムーシューの活躍から目が離せない。ファ家の一人娘ムーランは父の身代わりとなり、男性と偽って国の命運を左右する戦いに身を投じていく。山寺さんが声を吹き込んだムーシューは茶目っ気いっぱいの赤竜でムーランの守護神。アメリカではエディ・マーフィが声を担当。© 2023 Disney掲載作品は、すべてディズニープラスで配信中視聴には、月額990円、年額9900円の2プランがあり。詳しくはKoichi Yamadera1961年、宮城県生まれ。幅広い声色を使い分け、「七色の声を持つ男」といわれる。’85年のデビュー後、アニメの吹き替えのほか、エディ・マーフィなど多数のスターに声を当ててきた。ディズニーの名曲で構成された『フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート』にも出演。※『anan』2023年7月26日号より。取材、文・浦本真梨子構成・野尻和代(by anan編集部)
2023年07月22日デビューはなんと1歳のとき。大河ドラマ『天地人』や映画『忍たま乱太郎』、CMで扮した「こども店長」など代表作は数知れず。2010年のananでは表紙に登場、「Seishiro Love」と題し8ページにわたる特集が組まれたことも。21歳になった加藤清史郎さんが、今、そして当時を語ります。――つい先日、11月に帝国劇場で上演のミュージカル『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』への出演が発表されました。’13年のミュージカル『レ・ミゼラブル』(通称・レミゼ)以来、10年ぶりに帝国劇場(通称・帝劇)に立てるのが何より嬉しいです。僕は高校入学のタイミングでイギリス留学したんですが、向こうにいる間も将来的に日本のミュージカルの世界に戻りたいと思っていて、そのイメージの中にあったのが帝劇でした。初めてミュージカルを観たのも初めて立った舞台も帝劇で、自分にとっては特別な思い入れがある場所なので。――幼い頃からドラマ、映画、CMにと活躍されていましたが、そこまでミュージカルに強い思い入れを持ったのはなぜですか?きっかけは、当時の事務所の先輩子役さんがガブローシュという役を演じているからと観に行ったレミゼです。そのとき、この大人たちに交ざって、大人顔負けの熱量で歌って、お芝居して、走り回っている男の子、なんなんだ、すっげえかっこいい…ってなったんです。レミゼという作品も大好きになって、次にオーディションがあったら絶対に受けさせてほしいと事務所にお願いしました。もしあのときに、先輩がガブローシュをやっていなかったら、僕はレミゼもミュージカルも知らないままだったかもしれないし、留学もしてなかったかもしれない。俳優人生のターニングポイントをくれた帝劇に10年ぶりに帰ってこられるということで、ちょっと気合入っちゃってます(笑)。――初めてガブローシュ役で出演されたのが’11年。大人気子役として引っ張りだこだった中、ご自分からオーディションを受けられたとは思いませんでした。当時のことをよく「すごく活躍されていた」と言っていただきますが、僕としては当時も今もその感覚があまりないんです。たしかに『天地人』やこども店長で名前が出て、道端で声をかけられることは増えましたが、学校だったり家族や親戚、友だちだったりが、何も変わらなかった。レミゼのオーディションに関しても、小さいときから散々受けてきて落ちるのが当たり前だと思うようにプログラミングされているので(笑)、抵抗はなかったです。100%出し切って落ちたら、それはご縁とタイミングが合わなかっただけのこと。それでも、あんなに緊張したオーディションってなかったんじゃないかっていうくらいでした。もともと緊張しいではあるけれど、本当に吐くんじゃないかってくらい、過去最高レベルでしたね。――ご自身は人気子役の自覚はなかったんですね。ありがたく感じていましたけれど、ただ自分が楽しいことをやってるだけなのに、いいのかなぁみたいな感覚だった気がします。楽しいからやっているっていう根本は今も同じですけれど、あの頃に比べたら、少しはお芝居をお仕事として見られるようになったかな。――’15年に市川海老蔵(現・團十郎)さん主演の六本木歌舞伎に出演されたとき、俳優を辞めるか迷って海老蔵さんに相談したと話されていました。“楽しい”お仕事を辞めようと思っていたのは?あのときは、楽しいことが他にもあったんですね。――というのは?野球です。小さい頃から阪神タイガースが好きで、ずっと大ファンだった赤星(憲広)選手とお話しする機会があって、「俺は中学の途中から野球を始めたから遅くないよ」と言われたんです。そのとき、今からでも自分も野球選手になれるかもしれないと本気で思っちゃったんです。野球選手がお芝居やってるイメージはあまりないけど、CMやバラエティ番組に出られたりもするし、両立できなくないのかなと考えたりもして。――その頃は、本気でプロ野球選手を目指そうと思われた?…というと語弊があるかもしれませんが、気持ちとしてです。なれるかはわからないけれど、もしまだ野球選手になる可能性があるならば…と思うくらい野球が好きだったんでしょうね。――あの…大変に失礼ですけれど、意外と単純、というか…。そうなんです(笑)。今もそういうところがありますが、楽しいからやっていて、楽しくなければやれない。俳優業も、子供の頃から親に「いつ辞めてもいいんだよ」って言われてきたおかげで、将来的に家計がどんなに苦しくなっても、楽しくなくなったら辞めるんだろうと思います。逆にどんなに苦しくても、演じる楽しさを超えない限り続けるんでしょうし。――ということは、ここまでずっと、楽しいが勝っていた?今のところ、楽しくないと思ったことはないです。まだまだ僕の経験なんて、たかが知れてますけど。演じている最中も楽しいですけれど、カットがかかった瞬間、舞台だったらカーテンコールでお辞儀して顔を上げた瞬間、楽しいなーって思います。――それは達成感?それもあると思いますが、たぶんその瞬間って、感覚がもっとも研ぎ澄まされているんです。喧嘩のシーンとかだとより実感しやすいですけれど、相手が発するあらゆるものを敏感に感じ取って投げ返して、それを向こうが受けて…って、卓球とかテニスのラリーみたいな感覚です。しかもそのラリーには勝ち負けがなくて、どっちも勝ち。そりゃ楽しいですよね。ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒にされた』は、毎週土曜22時~日テレ系にて放送中。卒業式の日に生徒に殺される未来を体験した女教師・九条里奈(松岡茉優)。自身の死を覆すため、生徒にすべてをかけて向き合う覚悟を決める。加藤さんは、すべてにおいて自分の“楽しい”を優先させる独善的な生徒・相楽琉偉を演じる。かとう・せいしろう2001年8月4日生まれ、神奈川県出身。1歳でデビュー、7歳のときに大河ドラマ『天地人』で演じた幼少期の直江兼続で注目を集め、映画『忍たま乱太郎』など数多くの映画やドラマに出演。中学卒業後はイギリスに3年間留学。帰国後に出演したドラマ『ドラゴン桜』第2シリーズやミュージカル『ニュージーズ』なども話題に。カーディガン¥13,200(ヌワールファブリック/ジーンズ ファクトリー 卸団地本店 TEL:088・861・5100)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年7月26日号より。写真・玉村敬太スタイリスト・ダヨシヘア&メイク・MYOKENインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年07月21日無類の映画好きとしても知られる前田敦子さん。ヒーローものにはマーベルで開眼。前田さんならではの楽しみ方を聞きました。ヒーロー映画のトップランナーとして、ファン層を拡大し、魅了し続けているマーベル・シネマティック・ユニバース作品。「私がマーベルに興味を持ったのは、『アベンジャーズ』が公開されて、しばらく経った頃だと思います。周りがみんな面白いって言っていて、マーベルの最初の盛り上がりがきている時だったんです。それで私もシリーズ1作目の『アイアンマン』を観てみました」前田敦子さんとマーベルの出合いは、今から10年ほど前。前田さんが21歳くらいの頃のこと。「観たら、すっごい楽しかったんです。それまでヒーローものというと非現実的なイメージがありましたが、『アイアンマン』は全く違って、むしろ実在するようなリアリティ。大人もハマれる作品で『これ作った人すごい!』って尊敬しちゃいました(笑)」ヒーローといえど、主人公のトニー・スタークはそもそも人間。テロリストから地球の平和を守るため、自ら開発したアーマーを装着して「アイアンマン」になる。「それって現実的ですよね。でも、同時に夢もある。『アイアンマン』を観てからは、その当時出ていた『アベンジャーズ』までの6作品を一気に観て、あとはずっとリアルタイムで追いかけています」現在44作品あるMCUのなかでも大きな区切りとなるのが、ヒーローたちが大集合する『アベンジャーズ』シリーズ。これまで4作品が公開されている。「私はアイアンマンやキャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウといった初代アベンジャーズが大好きで、うちの猫にもメンバーたちの名前をつけるほど。アベンジャーズは、それぞれ個性的なところが魅力なんですよね。例えば、トニーは単体の映画で観ていると個人主義だけど、アベンジャーズになるとリーダーシップを発揮するんだな、とか。あと、ノリが軽い(笑)。一方、キャプテン・アメリカはマジメで紳士的。悲しい過去を背負っていて、だからこそ応援したくなる!そんな違うタイプのヒーローが集まって、わちゃわちゃするのが楽しいんです」1作目の『アベンジャーズ』ではそういう姿がよく見られるが、いったんの終幕に向かう『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、かなりシリアス。「世界を救うための集中モードに入っていくので、仕方ないんですよね。でも、私はやっぱり最初の頃の楽しい雰囲気が好きだし、何よりシビアな結末が辛かった。あのヒーローがいなくなってしまうなんて…。現実的といえばそうなんですけど、リアルタイムで追っていたぶん、感情移入も大きくて。『エンドゲーム』を観たあとは、ただただ泣いていました」シリーズを順番に観るなら「この衝撃を一度は体感してほしい」と言いつつ、前田さん自身はもう少し軽やかな楽しみ方が好み。「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『スパイダーマン:ホームカミング』『キャプテン・マーベル』は肩の力を抜いて観られるし、期待通りに面白い。例えば『キャプテン・マーベル』は、主人公のキャロル・ダンヴァースがアベンジャーズの誰より強いんじゃないかというほどスーパー強くて、彼女が自分の星にいてくれたら一生安心(笑)。マーベルにはこういう作品もあって、全てが悲惨にならないところがいいんです」それこそが、前田さんがマーベルに惹かれるところ。「誰かが犠牲になっても、ほかのヒーローが現れて、最悪の状況は食い止められる。そのギリギリの感じが、たまらないなと思います。マーベルには、そういう展開がいくつもあって、ひとたび世界に飛び込むと夢中になれる。だから私は、日常のモヤモヤからパッと離れたい時に観たくなるんです」これほど没入感ある映画体験ができるのは、物語の良さもさることながら、俳優陣の魅力や演技力によるところも大きいよう。「私は、この世界の中にいる俳優さんが全員好き。ヴィラン(敵)も含めて嫌いな人は一人もいないです。100%その役になっている。みんなピッタリって思えるなんて、本当にすごいですよね」『エンドゲーム』後はヒーローの世代交代など、それ以前のマーベルとはまた違った雰囲気になっているが、初代アベンジャーズファンの前田さんは、その変化をどのように受け止めているのだろう。「やっぱりちょっと寂しい気持ちもありますが…。でも、ディズニープラスのドラマシリーズから新ヒーローが続々と加わって、なかには気になるキャラクターも。例えば『ホークアイ』に登場した、ホークアイの跡を継ぐケイト。子どもの頃からホークアイに憧れていた彼女が、弓矢の腕を磨いて後継者になるなんて、夢がありますよね。あと新登場といえば『ムーンナイト』は、ヒーローの心の闇が描かれていて、これまでのマーベルにはなかったようなダークな世界観。今後、ほかの作品にどう影響するのか、楽しみです。ほかにもまだまだ新しい仲間が増えそうなので、これからも変わらず追っていきたいと思います」前田さんのMY BEST「マーベル」『アベンジャーズ』(2012)ヒーローたちのわちゃわちゃ賑やかな感じが好きなんです。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ソー、ハルク、ホークアイという、それまで個々に活動してきたヒーローたちが、初めて力を合わせて敵と戦う。「ヒーロー同士の関係性がいい。なかでも私は、芯が強くてブレないブラック・ウィドウが、一番好き」『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)アライグマに木のヒーロー…!見た目から引き込まれます。MCUの中でも独立した魅力を持つ作品。はみだし者のピーター・クイルが、ワケありの仲間とチームを組んで、銀河を救う旅に出る。「アライグマのロケットに、木のグルートと、見た目からしてみんな個性的で面白い。ガーディアンズは音楽も良くて、サントラを聴いていました」『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)ヒーローと同じ目線で楽しめて、どっぷりハマりました!普段は高校生。街にトラブルが起こるとスパイダーマンとして活動するピーター・パーカーが主人公。「これを観た時は、私もまだ20代だったので、ピーターのキラキラした姿を同じ目線で楽しんでいました。どっぷりハマっていた時期で、思い入れも深い作品です」『キャプテン・マーベル』(2019)彼女がいれば絶対に大丈夫と思える存在って本当に心強い。アベンジャーズ誕生前の世界線。過去の記憶を失ったキャロルは、その代償として強大な力を得るが…。「とにかく可愛くて、かっこよくて、めちゃくちゃ強い!ヒーローが負けてしまうのはある意味、現実的ですが、一方で彼女のように最強の人がいると安心して観られます」©2023 MARVEL掲載作品は、すべてディズニープラスで配信中(『スパイダーマン:ホームカミング』はソニー・ピクチャーズ配給)視聴には、月額990円、年額9900円の2プランがあり。まえだ・あつこ1991年7月10日生まれ、千葉県出身。俳優、歌手。7月20日から放送のドラマ『彼女たちの犯罪』(読売テレビ・日本テレビ系/毎週木曜23時59分~)に出演。映画『Love Will Tear Us Apart』が8月19日公開。シャツ¥36,300(PAS MARQUE/パ マーク)シンプルフープ¥12,000おっぱいリング¥30,000KOIAI STUDIOS×クレーターリング¥42,000ハグリング¥24,000エヌリング¥24,000ころころバングル¥38,000チェーンブレスレット¥50,000(以上korocoro@koro__coro)ランニング、スカートはスタイリスト私物※『anan』2023年7月26日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・清水恵子ヘア&メイク・高橋里帆取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2023年07月20日子供の頃から多くのディズニー作品に触れ、家にはキャラクターグッズがわんさか!生粋のディズニー好き、吉川愛さんが魅力を語り尽くす。幼少期からディズニー・アニメーションをこよなく愛する吉川愛さん。ハマったきっかけは、現在、実写映画も公開中の人魚姫の物語。「最初に好きになったディズニープリンセスは『リトル・マーメイド』のアリエル。人間に興味を持ち、自分も歩いてみたいと憧れるアリエルがかわいくて。アリエルになれる衣装キットを買ってもらい、人魚の格好でポーズも真似していました。それが5歳の頃で、同時期、『ピーター・パン』にも夢中になり、ティンカー・ベルの妖精の粉が欲しくて、サンタさんにお願いしたほど。届いたプレゼントは、残念ながら、ティンカー・ベルとは関係ないブレスレットでしたが(笑)。親泣かせな子供ですよね。でも、どうしても欲しくて、4年ぐらい連続でお願いした覚えがあります。他にも、小さい頃はディズニー・チャンネルでいろんな作品を観て過ごし、家に帰ったら即、ディズニー・チャンネルをつけるのが習慣でした(笑)」登場キャラクターへの憧憬に加え、誰もが口ずさみたくなる劇中の名曲も吉川さんを魅了した要因。「ディズニー作品はどれも曲が素晴らしくて!『ピーター・パン』の『きみもとべるよ!』が好きで、東京ディズニーランドの『ミッキーのフィルハーマジック』でこの曲が流れてくるとウキウキします。『リトル・マーメイド』のアリエルの心情を歌ったナンバー『パート・オブ・ユア・ワールド』も大好きで、就寝時、ディズニーのヒーリングミュージックを聴いているのですが、『パート・オブ・ユア・ワールド』が流れる瞬間は毎回、『はぁ』って、胸がギュッとなります」ディズニープリンセスに憧れ、楽曲に心を奪われ、夢中になった幼少期から、作品に求めるものは癒しへと変わってきているよう。「『白雪姫』や『シンデレラ』『塔の上のラプンツェル』など、プリンセス作品は大好きで憧れ。でも、いま心に刺さる作品を挙げるなら、『ベイマックス』など、愛らしい癒し系キャラクターが登場するものが多いかも。家にもベイマックスの大きなぬいぐるみがいますが、ベイマックスが実在したら、疲れたときにギュッと抱きしめて、頭をポンポンしてほしい(笑)」さらに、年齢を重ねるにつれ、「ストーリーの奥深さに気づいた」と、作品の受け取り方にも変化が。「例えば、昔は『美女と野獣』を観ても、ベルがかわいいとか、野獣が怖いとか、内容を深く理解せず、表面的な描写に目がいっていたけれど、いま観ると、こんなにも愛に溢れた作品なんだと感動します。自分がまるでベルになったかのように野獣のいいところを見つけて、感情移入してしまう。小さい頃は、キーアイテムである1輪のバラの意味もよくわからなくて(笑)。ストーリーに注目して、二人の深い愛の物語なんだと知ると、より好きになりました」一昨年公開の『ラーヤと龍の王国』日本語吹き替え版ではプリンセスのラーヤの声に挑戦した。ディズニー愛が深すぎるゆえのプレッシャーも感じたと、当時を振り返る。「オーディションに受かったときはこの上ない喜びとともに、『本当に私がラーヤでいいのか』と正直、不安にもなりました。でも、やるからには全力で、強く、たくましいラーヤを表現したいと思い、普段から声を低めに、男勝りな口調を意識してみたり。強いプリンセスが登場する作品を観て、研究し、吹き替えに臨みました」ラーヤを演じたことで、新たな気づきや学びもあったという。「ラーヤは心を許した友達に裏切られ、人を信頼できなくなってしまったけれど、シスーに出会い、信じることの大切さを知る。それこそ私も仕事柄、人に言えないことも多いですし、信用することが難しかったり、周囲に対して壁を作ってしまうこともあったかもしれません。でも、信じることで見える世界は変わるし、心のモヤモヤが晴れたりする。疑いから入るのではなく、信じてみて、自分をさらけ出すことも大事なのだと、ラーヤから教わった気がします」吉川さんのMY BEST「ディズニー・アニメーション」『ピーター・パン』(1953)ネバーランドに妖精の粉…。夢と憧れを与えてくれる人気作。公開は70年前。夢と冒険の楽しさが詰まった、色褪せることのない不朽の名作。「キャラクターたちが空を飛んでいる姿が気持ちよさそうで、私も飛んでみたいとワクワク。寝ている間にピーター・パンやティンカー・ベルがやって来るんじゃないかと空想するのも楽しかった」『リトル・マーメイド』(1989)アリエルに憧れて、ディズニー・アニメーションの虜に。原作はアンデルセン童話の『人魚姫』。人間のエリック王子に恋した人魚のアリエルは、美しい声と引き換えに人間となり、エリック王子に会いに行くのだが…。「繰り返し観た、思い入れの強い作品。大好きなアリエルに会いたくて、東京ディズニーシーにも何度も足を運びました」『ベイマックス』(2014)キュートな見た目に癒される!ディズニー作品の中で一番泣いた傑作。兄を失い、心を閉ざした少年とケア・ロボットの心の交流を描いた感動作。「ベイマックスは優しい大型犬みたいで本当にかわいい。クライマックスは涙なしでは観られず、こんなに泣いたのは初めてというぐらい号泣。でも、コメディ要素もあり、まさに笑って泣ける物語です」『ラーヤと龍の王国』(2021)強く気高いプリンセスの声に挑戦。私にとっては一生の宝物。龍の王国を舞台に、国に平和を取り戻すため奮闘する少女の戦いと成長を描いた物語。主人公・ラーヤの日本語吹き替えを吉川さんが務めた。「ディズニー作品に携わることができるなんて夢のような経験で。ただ、戦闘シーンの“うっ”といううめき声には苦戦しました(笑)」©2023 Disney掲載作品は、すべてディズニープラスで配信中視聴には、月額990円、年額9900円の2プランがあり。よしかわ・あい1999年10月28日生まれ、東京都出身。3歳で芸能界入りし、数々のドラマや映画で活躍。現在、ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)に出演中。10月より上演される舞台『レイディマクベス』にも出演。トップス¥41,800ワンピース¥181,000(共にカナコ サカイinfo@kanakosakai.com)※『anan』2023年7月26日号より。写真・柴田フミコスタイリスト・木村真紀ヘア&メイク・窪田健吾取材、文・関川直子撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー(by anan編集部)
2023年07月19日18歳で妊娠した大学生の有栖(ありす)と、もうすぐ40歳で恋は後回しなアートスペシャリストの瞳子(とうこ)。偶然出会った二人のシスターフッドを描く『18/40~ふたりなら夢も恋も~』で、深田恭子さんと共にW主演している福原遥さん。現代を生きる女性の悩みと成長を丁寧に描いた、人の温もりを感じられるドラマです。「18歳は、成人ではあるけれど、まだ大人になり切れない部分があると思うんです。私自身もその頃は怖いもの知らずというか、何でもできるという強気な面がありました。そんながむしゃらな18歳らしさを大事に演じています」有栖の、キュレーターという夢を諦めず、未婚で妊娠した今後の人生の選択を後押ししてくれたのが、深田さん演じる瞳子の存在。「今の時代を生きる女性は、選択肢がたくさんあるからこそ、何を選び、どう進んでいくのか迷いや葛藤があるのかなって。有栖は、瞳子さんの『諦めないで』という言葉で前向きに、強くなっていきます。一人では何もできないけれど、互いが存在するから強くなれる。そんな二人の関係がとても素敵です」深田さんとは今回が初共演。劇中での関係性さながら、お姉さんのように接してくれるそう。「ずっとテレビで拝見してきた方なので、緊張していたんですが、『ちゃんと寝られた?』と気遣っていただいたり、気楽にお話しできる雰囲気を作ってくださいます。食べることが好きな私に合わせてくださっているのか、深田さんをはじめ共演者の方々とはずっとごはんの話をしていて、撮休に教えていただいたお店に行くのが楽しみになっています」共に柔らかな雰囲気を持った二人の会話は、想像しただけで何とも微笑ましい。さらに、そこに有栖の新たな恋の相手で、プロダンサーを目指す祐馬役・鈴鹿央士さんが加わると…。「『そうだよね』『ねえ』『だよねえ』みたいなやりとりが(笑)。鈴鹿さんのダンスシーンはすごいです!初めは全然動けなかったそうですが、本番ではすごくカッコよくて感動しました。普段はほわほわしてるのに、こんなにも機敏に動けるんだって驚きもありましたね(笑)」福原さんといえば、連続テレビ小説『舞いあがれ!』でヒロインを演じたことが記憶に新しい。そこでは、シスターフッドを感じられる人との出会いもあった。「山口紗弥加さんは、たわいもない話でキャッキャッと言い合い、真剣な相談もできる、近い距離にいてくれる大先輩で、ドラマが終わってからも沖縄旅行をするくらい仲良くさせてもらっています。大先輩方とお芝居をさせていただき、引き出しを増やせた朝ドラでの経験をちゃんと活かせたら」夢と現実の狭間や、仕事と私生活とのバランスで揺れ動く二人の女性の物語は、anan読者にも大きな共感を生みそう。今、迷い悩む人にメッセージをもらった。「これは有栖もそうですし、私自身もそうですが、一人で抱え込んでいていいことって、何もないんですよね。打ち明けるのは勇気がいることだけど、周りに甘えることも大事なのかなって思います。有栖がリアルな厳しい現実を、瞳子さんやお父さんなど、周りの人の温もりを感じながらどう乗り越え成長していくのか、私自身が楽しみです」火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』TBS系、毎週火曜22:00~放送中。海外でキュレーターとしての活躍を夢見る有栖。大学に受かり、前進した矢先、予期せぬ妊娠が発覚。一方、アートスペシャリストの瞳子は、私生活を充実させようと動き始めるが…。ふくはら・はるか1998年8月28日生まれ、埼玉県出身。『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(NHK Eテレ)で主人公を演じ、人気を博す。W主演映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が12月8日全国公開。ジャケット¥32,000(ヴィヴィアン タム/マツオインターナショナル カスタマーサービス TEL:0120・29・1951)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年7月19日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)スタイリスト・津野真吾(impiger)ヘア&メイク・丹澤由梨子インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年07月17日個性豊かなキャリアアドバイザーたちが、さまざまな事情を抱えた求職者と対峙する姿や人間模様を描くドラマ『転職の魔王様』。主人公は、転職エージェント会社「シェパードキャリア」に勤務するキャリアアドバイザーの来栖嵐。杖を突き、オーダーメイドスーツを身に纏う威圧感ある人物で、辛辣な言葉遣いゆえに“転職の魔王様”と恐れられるも、必ず転職を成功させる手腕を持っている。演じる成田凌さんは今作について、「シーン数は少なく、言葉数が多いところが、作品の見応えになっている」と話す。厳しい言葉は、愛情が注げる相手にだからこそ言えるもの。「毎話、来栖は悩める求職者たちを強い言葉で攻め、彼らの本性や本音、本人もわかっていなかったやりたいこと、本当の幸せみたいなものをあぶり出していきます。でも、“ああしろこうしろ”と言うのではなく、“今のあなたはこうです”と突きつけて本人に気づいてもらうというのが彼のスタンス。人は誰かに一言言われたり、優しい言葉をかけられたくらいではなかなか変わらないもの。それをわかっているからこそ、来栖は厳しい言葉で畳み掛けていきますが、そのやり方はすごく勉強になります。『あなたの人生このままでいいですか』という台詞があるけれど、言われた方としては結構響きますよね。作中には他にも、求職者はもちろんですが、人生に満足している人であっても心に刺さるような台詞がたくさん出てきます。僕としては、自分の状況や自分というものについては人に言われる前に気づけるようになりたいと思いますね。たとえば最近、若い頃に比べて徐々に周りの方が気を遣ってくれることが多くなってきていて。ありがたいことではありますが、冗談のつもりで言ったことが相手には冗談に聞こえなかったりするようなことは避けたいじゃないですか(笑)」来栖が放つ厳しい言葉は、求職者への深い想いがあるがゆえのもの。その苦労は理解できるという。「友人がお店を開く時に意見を聞かせてほしいと頼まれて、厳しいことを正直に言ったこともあるんですけど。言う方も言われる方も疲れるし、本当は言いたくないじゃないですか。労力を使ってでもいいと思える、愛情が注げる相手じゃないとできないことです」転職とは、今作でも描かれている通り自分を見つめるタイミング。成田さんは20歳の時に経験している。「美容専門学校に通って免許を取り、美容師になるのか?誰かの下で働くのか?と悩み、今の仕事を選びました。恥ずかしいという気持ちもあったし、親に伝えることにかなり体力を使いましたね。僕は就職前の転職みたいなものでしたけど、それでも周りに相談したいと思ったし、結構大変だったので、来栖や、小芝風花さん演じる未谷千晴のように、転職を考えている人に対して本気で向き合ってくれる人がいてくれたらなって。今は、あの時に勇気を振り絞って転職をしてよかったなと思っています」『転職の魔王様』毒舌ながら敏腕なキャリアアドバイザーが悩める求職者に働く自信と希望を取り戻させる、爽快感あふれる一話完結型の転職エンターテインメント。7月17日より毎週月曜22:00~、カンテレ・フジテレビ系にて放送。なりた・りょう1993年11月22日生まれ、埼玉県出身。主演を務めた『逃亡医F』をはじめとするドラマや舞台『宝飾時計』などに出演して話題に。映画『こいびとのみつけかた』が、10月27日より全国ロードショー。※『anan』2023年7月19日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・伊藤省吾(sitor)ヘア&メイク・高草木 剛(VANITES)インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2023年07月17日今年4月から放送され一気に人気に火がついたTVアニメ『【推しの子】』。そのヒットの裏には思わず感情移入してしまうリアルな心の揺れが。見る者の心を掴むその作品世界に迫ります!精緻で魅惑的なビジュアル、愛とミステリーが溶け合うめくるめく物語、胸打つ音楽。圧倒的な作品力で日本のみならず世界を虜にしているアニメ『【推しの子】』。物語は、天才的なアイドル・アイと彼女の双子の隠し子、アクアとルビーを軸に進んでいく。芸能界、そして“アイドル”という存在を通じて紡がれるストーリーの中で、特に支持されているのは、登場人物の複雑な胸の内をリアルに描き出している点。全11話の放送が終わって間もないいま、改めて本作の魅力について“自己肯定感”という視点から掘り下げていきます。『【推しの子】』を象徴する自意識を読み解く。『【推しの子】』の魅力は強い光を放つキャラクターとストーリーにあり。そこで、第1期で展開した物語の概要と主要キャラクターたちをざっくりご紹介。アクア&ルビーの声優から見た、キャラクター分析もぜひチェック!STORY:白熱の全11話をプレイバック!第一話:アイ推しのふたりが、推しの子として転生!産婦人科医・ゴローのもとに最推しのアイドル・アイが妊婦として訪れた。主治医として彼女を見守るゴローだったが、何者かに殺され、気づけばアイの息子・アクアに転生。双子の妹もゴローの患者・さりなの生まれ変わり。だがある日、アイはふたりの前で殺されてしまう。芸能界編 第二話~第四話:成長し芸能界の扉を開いた双子の運命が回りだす。芸能プロ“苺プロ”を営む斉藤ミヤコに育てられた双子。ルビーはアイドル志望で、アクアと共に芸能科のある高校に進学する。アクアはアイを殺した人物を特定すべく暗躍。昔のツテで元天才子役・有馬かなを通じ彼女が出演中のドラマのプロデューサー・鏑木勝也に近づこうとする。恋愛リアリティショー編 第五話~第八話:同世代の才能との出会いと恋愛リアリティショーの裏側。鏑木からアイの情報を得るため、アクアは彼の関わる恋愛リアリティショーへの出演を決める。そこで出会ったのは同世代の俳優・黒川あかね。真面目で番組映えしない彼女は、焦りから共演の女子に軽傷を負わせてしまう。ふたりはすぐ仲直りしたが、SNSは大炎上に発展していく。ファーストステージ編 第九話~第十一話:新生「B小町」デビュー!初代センターは誰!?新生「B小町」としてアイドルデビューを決めたルビー。メンバーは有馬かな、アクアがリアリティショーで出会った人気配信者・MEM(メム)ちょ。でもかなは過去のトラウマからアイドル活動に自信が持てなかった。そこに上がった「センターを誰にするか」問題。3人の結論は…?CHARACTERアイ:嘘と秘密に包まれた伝説の天才アイドル。アイドルグループ「B小町」のセンターで、アクアとルビーの母。自信あふれるパフォーマンスと笑顔、そして“嘘”の愛でスターダムを駆け上がるが、不幸な生い立ちゆえ本物の愛を知らずに育ってきた。彼女はなぜ16歳で母になったのか、なぜ殺されなければいけなかったのか。その謎がいまも人を惹きつける。アクア:最愛の人の復讐を誓う頭脳明晰な美少年。アイの息子。前世ではアイ推しの産婦人科医で担当医のゴローだったが、何者かに命を奪われ、“推しの子”として転生。見た目はアイ似の美少年だが、中身は冷静な成人男性(推定アラサー)。復讐を使命として生き、そのためなら手段を問わない。仲間のためにひと暴れするような一面も。本名、愛久愛海(あくあまりん)。asアクア:大塚剛央さん一見冷静な彼の行動原理にはアイの存在がある。頭脳明晰でアイ譲りの外見を持つアクア。無敵にも思える彼だけど、「自己肯定感では0点かも」と分析するのは成長後のアクアを演じる大塚剛央さん。「そもそも自己肯定感を測れるところにいるのかも疑問です。同じ双子でも妹のルビーは自分の人生を大切に、憧れを実現しようとしている。その自意識の差に、“自己肯定感”において、ふたりの違いが表れている気がします。アクアは、自分にできることとできないことを客観視した上で、それを実行するだけというふうに僕は感じています。演じるにあたって、彼の判断や行動の理由を考えますが、アクアの原動力のほぼ全ては、アイなのではないかと思っています」おおつか・たけお10月19日生まれ、東京都出身。2020年、第14回声優アワードで新人男優賞を受賞。代表作に、TVアニメ『風が強く吹いている』の蔵原走など。7月から放送のTVアニメ『AIの遺電子』(須堂光)、『SYNDUALITY Noir』(カナタ)に出演中。ルビー:母・アイの背中を追ってアイドルの道を走る!アイの娘で、アクアの双子の妹。前世ではアイに憧れ、同じ病院の医師であるゴロー(アクアの前世)に懐いていた難病の少女だった。現世ではアイ譲りのルックスを武器に、前世では実現できなかったアイドルの夢を叶える。自信満々で前向きな性格だが、ときに前世のつらい記憶が影を落とすことも…。本名は瑠美衣(るびい)。asルビー:伊駒ゆりえさん自分を信じて全力で進む。それがルビーの輝きの秘密。ルビーの自己肯定感を点数で表すと「90点」と答えてくれた伊駒ゆりえさん。「作中でも初仕事で『嘘は、いやだ』と述べるなど、自分の考えを言い切る場面が多くあります。一方『ルビーかわいい』でエゴサしたり(笑)。自分の考えを肯定し、またアイ譲りの容姿にも自信があるんだと思います。満点にしなかったのは、前世の記憶や環境が今後彼女をどう左右するか未知数だから。でもいまルビーは自分を信じて前向きに進んでいる。それが彼女の輝きの源でしょう」伊駒さん自身も、ひたむきなルビーに力づけられることも多いそう。「やりたいことを大切に、全力で取り組む。私もそんな人でいたいです!」いごま・ゆりえ2月24日生まれ、東京都出身。今作が初のレギュラー作品で、メインキャラクター。文化放送『A&G NEXT STEP HOOOOPE!』水曜パーソナリティ。夢はディズニープリンセス、目標とする声優は山寺宏一さん。愛称ごまちゃん。まだまだいる!個性豊かなキャラクターたち有馬かな“十秒で泣ける”元天才子役。演技力がピカイチの自信家。アクアやルビーの1学年上の先輩で、芸能界の厳しさを教えたり面倒を見てくれる。再起を図るべく、新生「B小町」に加入する。MEM(メム)ちょアクアやあかねと共にリアリティショーに参加していた人気配信者。明るく陽気に振る舞うみんなのまとめ役。元々はアイドル志望。アクアの誘いで新生「B小町」に加入することになる。黒川あかね劇団所属の俳優。リアリティショーでのとある過ちがSNSで大炎上し、絶望の淵に立たされるがメンバーと共に乗り越える。その後アクアと交際。アイを完璧にトレースできる演技力。TVアニメ『【推しの子】』原作は、赤坂アカと横槍メンゴによる同名漫画(2020年より『週刊ヤングジャンプ』にて連載中)。伝説的な人気を誇る夭逝のアイドル・アイと彼女の子で双子のアクアとルビーを中心に、華やかだがシビアで残酷な芸能界やアイドルの世界をリアルに描いた作品。各配信サイトで配信中。©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会※『anan』2023年7月19日号より。取材、文・大澤千穂(by anan編集部)
2023年07月17日俳優で、モデル。ふたつの道で活躍する20歳。自らを「マイペース」と表現する水沢林太郎さん。ふたつの衣装を纏った彼のさまざまな表情を、注目の写真家・野田若葉さんが切り取ります。装いの空気を一瞬で感じ、カメラの前で表現した水沢林太郎さん。俳優として、『MEN’S NON-NO』の専属モデルとして活躍の幅を広げているが「人は人、僕は僕」と淡々と語る。「人と比べることはしないほう。お仕事のオーディションも芝居力を磨く場であり自分を知ってもらう場と考えているので、不合格でも自分を追い込むことはないかな。思えば昔は勉強しなさいと言われても『いま気分じゃないんだよな~』なんて言う子でした(笑)」クールなルックスと、飾らない性格。そんな彼の周りには同世代の才能が集まる。「いやいや僕たぶん変なんですよ、距離の詰め方が(笑)。相手に興味を持つと止まらなくなる。例えばなにわ男子の道枝駿佑くんのこと、僕はミチコと呼んでいるんですけど、初対面の時『はじめまして。僕といまから3回じゃんけんしませんか?』って声をかけて。勝ったー、負けたー!って男子ノリで友達になりました(笑)。そこに(板垣)李光人や(青木)柚も加わっていって。現場でどんどん仲良くなっていくのがうれしかったです」明るくて、積極的な水沢さんだけれど、役者としては悩んだ時期もあったという。「5年くらい前、“役の中の自分”を受け入れられない時期がありました。現場でも挨拶すらぎこちなくなって…。でも2019年に出たドラマ『俺の話は長い』では演技を根本から鍛えられ、翌年の『17.3 about a sex』では10代の性という難しい題材に覚悟を持って挑むことができ、転機になった作品です」この春はドラマ『だが、情熱はある』で髙橋海人さん演じるオードリー・若林正恭さんを支える友人・鈴木足秋を演じた。「髙橋さんとは楽屋ではゲームや漫画の話ばかりしていました(笑)。現場でも役どころでも、作品を裏から支えることができるような人になりたいですね」自分で悩んで拓いた道。だからこそ役者仲間の悩みも一歩引いて見守る主義という。「悩んでる人がいたら『頑張ってる自分を、まず褒めてあげなよ』と声かけるようにしてます。自分を認めるって自分にしかできないから。それに誰の人生にも一人で乗り越えないと前に進めない瞬間って、あると思うので」モデルの仕事は、洋服好きな“素”の自分をさらけ出せる時。この日も真剣な表情からのWピースでスタジオを沸かせてくれた。「笑ってもらうと、自分も力が抜けてもっと楽しめる。笑顔ってやっぱり大事ですよね!10年後もこの世界で、人を笑顔にさせる人であり続けられたらいいな。何十年かかってもいつか研音(所属事務所)の看板俳優になるのが目標です…って自分でハードルあげちゃったな(笑)」冗談めかして明るく笑う。だけどその内面には強くて熱い芯が、一本通っていた。撮影を終えて一言出演・水沢林太郎「僕の好きな系統の洋服での撮影だったので、リラックスした気持ちで臨めました。ガムやキャンディを使っての撮影も楽しかったな。『小道具の使い方が上手』ってカメラマンさんにも褒めてもらえて…マネージャーさ~ん、いまのちゃんと聞いてましたか!?(笑)」みずさわ・りんたろう2003年2月5日生まれ、埼玉県出身。’17年デビュー。主演作『海の見える街で』が「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2023」の特別製作作品としてYouTube配信中。(1枚目写真)ジャケット¥74,800パンツ¥53,900(共にEYCK/EYCK SHOPinfo@eyck-tokyo.jp)シャツ¥24,200(KICS DOCUMENT.)リング¥12,100(20/80) 共にHEMT PR TEL:03・6721・0882シューズ¥46,200(Maison MIHARA YASUHIRO/Maison MIHARA YASUHIRO TOKYO TEL:03・5770・3291)ネクタイ¥15,400(DAIRIKUinfo@dairikucinema.com)ベレー帽¥6,050(CA4LA/CA4LA プレスルーム TEL:03・5773・3161)サスペンダー¥2,090(原宿シカゴ 神宮前店 TEL:03・5414・5107)その他はスタイリスト私物(2枚目写真)ジャケット¥72,600(J.PRESS ORIGINALS/untlim TEL:03・5466・1662)シャツ¥42,900(UJOH/M TEL:03・6721・0406)カットソー¥11,550(LENO/GOOD STANDING TEL:03・6447・2478)パンツ¥39,600(DAIRIKU)シューズ¥37,400(SESA Footwear/KNOW showroomhello@ontheparkstreet.com)ネックレス¥62,700(PLUIE/PLUIE Tokyo TEL:03・6450・5777)リング¥7,700(20/80/HEMT PR)その他はスタイリスト私物撮影・野田若葉「第一印象は純粋無垢で透明感のある人だなと思いましたが、実際に撮影を始めると心がオープンな感じで、初めて会った感じがしない不思議な包容力のある人でした。自然にシャッターを切らされるような感覚で、とても楽しかったです。また、ご一緒できたら!」のだ・わかば1984年生まれ、福岡県出身。スウェーデン・ヨーテボリ大学で写真を学ぶ。帰国後はアシスタントを経て2018年に独立。確かな技術とみずみずしい感性で、数多くの媒体、広告で活躍している。※『anan』2023年7月19日号より。写真・野田若葉(TRON)スタイリスト・能城 匠ヘア&メイク・菅井彩佳取材、文・大澤千穂撮影協力・バックグラウンズ ファクトリーEASE(by anan編集部)
2023年07月17日映画『MOTHER マザー』の少年役をはじめ、数々の映画で存在感を示す奥平大兼さん。全身全霊で役に飛び込むような演技で作品ごとにイメージを更新する…。そんな天才俳優の素顔を写真家の表萌々花さんが捉えました。下町の路地裏を、サンダル履きでぶらぶら。日常感あふれる“撮影散歩”をリラックスモードで楽しんでくれた奥平大兼さん。「カッコつけるのは苦手だから、こういう自然な感じはすごく心地いいです」デビュー4年目にして数々の賞を受ける映画界期待の新星。そんな高評価をよそに、役作りは自問自答の繰り返しだ。「映画の撮影は1年くらいかかるので、その間ずっと『これでいいのかな』の連続。そういうときは一人で抱えず、不安や迷いも含めて一緒に作っている方々の意見をしっかり聞きます。撮影時間には限りがあるけれど、そこで妥協したら観る人に絶対伝わるから」真摯な役作りの原点は、2020年、世界的な評価を受けた映画『MOTHER マザー』。「この作品ですごく注目をしていただいて、ありがたいことに褒められることが多くなって。半面、指摘してくれる人が減ってしまった。撮影でもOKは出てもちょっと違うなと感じることもあったので、以来クランクインの際に『違うと思ったらすぐ言ってください』と、周りの方にお願いするようになりました。率直に言い合うことで、お互いにより力強い気持ちで作品にのぞめると思うから」撮影中はストイックそのもので、オフの時間も役の設定にある趣味に取り組む。「自分の趣味は、役が終わってからです。特に大好きな服作りに没頭しているときは、自分ってこういう人間だったなと思い出せる、すごく大事なリセットの時間です」服は作るのも着るのも大好き。なかでも憧れのデザイナーの一人、ジョン・ガリアーノの服作りには共感と尊敬を持っている。「無条件に彼の作る服が好き。一方で有名ブランドのディレクターとして活躍して、ブランドと自分のやりたいことを調和させることもできる。一緒に作る人の思いと自分の感覚を両方生かすことの難しさは僕も感じているから、ジャンルは違っても、それができる人は素晴らしいなと思います」そのひたむきな姿勢で難役に挑戦し続けてきた奥平さん。公開中の映画『君は放課後インソムニア』ではいつになく(?)等身大の男子高校生役で、リアルな青春を生きている。「撮影前、監督に『学生時代を思い出して若返って』って言われたんです。やってみたら昔の気持ちに戻るって難しいんですよ!でも現場で同世代キャストとキャピキャピ過ごすことで無事、青春に戻れました(笑)」いまは複数の作品を並行して撮るほど忙しい毎日。そのモチベーションはどこに?「これまでの監督や役者さんと、別の作品で再会するのが目標です。そう思えるのもいままで出会った人たちが本当にいい人たちばっかりだから!そう思うと、僕はつくづく人に恵まれて俳優をやれているんだなあ」撮影を終えて一言出演・奥平大兼「下町の路地裏を、カメラ片手に散歩気分での撮影。すごくのんびりした気持ちになりました。服装も街の空気もこのくらいのラフさが僕にとっては居心地がいい。潮風を含んだ初夏の空気に、下町のおばあちゃんちで過ごした子供の頃の夏休みを思い出して…、ふと今年は隅田川の花火が見たくなりました」おくだいら・だいけん2003年9月20日生まれ、東京都出身。好物はワイン好きのお母さんが作るアヒージョ。「お酒は飲めないけど白米に合うんです(笑)」ロングTシャツ¥27,500(ジェームス パース/ジェームス パース青山店 TEL:03・6418・0928)その他はスタイリスト私物撮影・表 萌々花「前日まで雨予報だったのが、当日は晴れ間が差す瞬間も。撮影は、奥平さんと同じ目線で撮ることを心がけました。なので、お互いに撮る人/撮られる人という意識はしていなかったと思います。等身大の19歳で気張った感じもなく、ずっと自然体で撮影に応じてくれ、自然にシャッターを切ることができました」おもて・ももか1998年生まれ、岐阜県出身。山や自然、旅先など、自分が身を置く場所やそこでの出会いで感じた心の機微を写真で切り取っている。※『anan』2023年7月19日号より。写真・表 萌々花スタイリスト・伊藤省吾ヘア&メイク・速水昭仁取材、文・大澤千穂(by anan編集部)
2023年07月16日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「フェムケアアイテムの選び方」。自分に合うフェムケアアイテムを選ぶためには?中元日芽香さんと一緒に『Biople』の店舗を訪れ、ポイントを伺いました。デイリーケアに注目すれば心身の状態は変わっていく。フェムケアアイテムを数多く取り揃えている『Biople』。お話を伺ったBiople企画/コンシェルジュトレーナー・中條直子さんによれば、初めてフェムケアアイテムを買いに訪れる人が増えているそう。「初めての方へのおすすめは、デリケートゾーンのデイリーケアアイテム。ボディソープではなく、デリケート部分専用のソープで洗うなど、日々のケアにプラスするだけで気になる不快感の対策として、体を心地よい状態に保つことができるので試してほしいです」フェムケアアイテムにハードルの高さを感じるという人は、ホルモンバランスを整えてくれるハーブティーやフードなど手軽なものから取り入れるのもおすすめだ。「“これがいい”というのは人それぞれ。ライフスタイルなどによって異なるので、まずは試すことから。肌荒れや、眠りが浅いといった悩みを抱えるお客様をカウンセリングする際、ホルモンバランスに話題が及ぶと『そういえば、生理周期が乱れているかも』と初めて気づく場合も多いんです。アイテムを生活に取り入れることが、ご自身の体の状態と向き合うきっかけになるよう願っています」中元さんが気になった商品はコレ!女性に必要な栄養素を手軽に摂れる人気商品!【VEGE KITCHEN】Beauty Snacking ドライなつめ「鉄分や葉酸、食物繊維も摂れて、おいしく栄養補給できるのがうれしい。小腹がすいた時にサクッと食べられるのもいいですね。ダントツ人気という理由もうなずけます」(中元さん)。20g¥453デリケートゾーンの乾燥対策に【NaturaMoon】デリケートケアローション「とろみがあるのに、サラリとしたつけ心地。フェムケアグッズを買う時は、香りが好みかどうかを重視しているのですが、これは優しい香りで、とても気に入りました」。120ml¥1,980ハーブの力で女性特有の不調を緩和【HERBORISTERIE】タンチュメール for woman「ハーブの浸出液を、水に溶かして飲むだけという手軽さに惹かれました。インナーケアは初心者ですが、続けやすそう。体の外側だけでなく内側からのケアにも気を配りたいです」。30g¥3,024月の周期に合わせた4種類のハーブティー【SONNENTOR】ビューティフル マジックムーンティー「ネットで見かけて気になっていました。月のリズムに合わせてブレンドされたお茶が4種類入っているので、体調管理に気を配るきっかけによさそうだと思いました」。28袋入り¥1,512すべてビープル TEL:03・5774・5565Biople 三軒茶屋店東京都世田谷区三軒茶屋1‐33‐15‐1FTEL:03・6450・7341 11時~20時中條直子さんBiople企画/コンシェルジュトレーナー。2005年入社。企画担当として、ビープルなどのオーガニック商品セレクトを担当。コンシェルジュトレーナーとして、店舗でカウンセリングを行うことも。なかもと・ひめか1996年4月13日生まれ。2012年、乃木坂46メンバーとしてデビュー。現在は心理カウンセラーとして活動。ananフェムケア委員会メンバーとして誌面にもたびたび登場。ブラウス¥13,200(nee mee/nee meeカスタマーセンターec@shop-neemee.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年7月19日号より。写真・水野昭子スタイリスト・岡安幸代取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2023年07月15日年齢を重ねるごとに更新し続けている、俳優・松本まりかさんの美の秘密は“腸活”。独自のメソッドや愛用品もたっぷり披露!腸活って、自分自身と向き合う作業なんです。撮影中、おへそが見えるクロップド丈の衣装を着ては、「お腹、ひっこめなきゃ!(笑)」と言って、お腹を凹ませようとする、茶目っ気たっぷりの松本まりかさん。一方で、努力家の彼女らしく、この日の取材のために、腸活について猛勉強!学んだことを書き留めたメモや、愛用中の腸活アイテムのパンフレットをたくさん持参してくれた。「腸活って、菌活なんです。菌活のプロにお話を聞く中で、腸を健やかに保つためには、腸内に多様な菌がバランスよくいることが大事だと知って…。なので、とにかく菌を大事に、菌とともに生きなきゃって思っています。そのために心がけているのが、“(1)菌を取り入れる”“(2)菌を育てる”“(3)菌の邪魔をしない”、菌活のプロが教えてくれたこの3か条!」松本さんが腸活の基本としている“菌活3か条”とは、菌ファーストな食事術のこと。「まず、(1)の菌を取り入れるとは、乳酸菌などの腸にいい働きをしてくれる、生きた菌を取り入れる“プロバイオティクス”のこと。菌活を始めた今では発酵食品を組み合わせるのが楽しくて、いろいろな種類の菌を取り入れるようになりました。(2)の菌を育てるというのは、腸内細菌のエサとなるものを取り入れる“プレバイオティクス”という考え方。エサになる成分を摂取することで、善玉菌を増やすことができます。食物繊維が豊富なきのこや海藻類などはこれをサポートしてくれるそうです。そして意外と盲点なんですけど、(3)の菌の邪魔をしない、ということもすごく重要なんです。何を食べるかということと同じくらい、腸内環境を悪化させる悪玉菌を増やさないよう、何を摂らないかも重視しています。体に害のあるものやグルテンはなるべく避けています。また、心身のストレスはそのままにしないよう、サウナやよもぎ蒸しで汗とともに老廃物をデトックスするように。ここをおろそかにしていると、(1)と(2)でせっかく培ったいい菌も台無しになってしまうんです。結局、昔ながらの食事が、腸には一番なんですよね」ロケ先での食事も、時間が許せばその土地ならではの食材を使った手作りの味を求めて、食堂を探すという松本さん。でも、ストイックすぎないことも、腸活を楽しく続けるポイントなんだそう。「たまにはご褒美にパスタを食べるときもあるし、食べたいものを食べることも。甘いものが欲しくなったら我慢するんじゃなくて、甘酒を飲んだり、米粉のクッキーやマクロビ系のお菓子を選んだりと、質にこだわるようにしています。外出するときは、青汁や酒粕など、普段愛用しているものを入れた保冷ポーチを持ち歩いているんですけど、お仕事中、ちょっと小腹がすいたときのおやつにあると安心です。調味料やオイルも好きなので自宅にはたくさんそろえていますが、良質なものをセレクトするように。とくに、オイルだけは絶対にケチらないようにしています。酸化した油は腸内環境を悪くするので、酸化しにくい遮光瓶であることはマストだし、どんな工程で作られているかも大切。ごま油、アマニ油、オリーブオイル、ココナッツオイルなど、いい油をそろえておけば、それだけで安心です」“自分に合う”腸活アイテム探しを支えているのが、前のめりなほどの好奇心と知識欲。「今って、腸活にいいものがいろいろ出ていますよね。だから、気になったものは、片っ端から試しちゃいますし、調べます。知り合いを通じて、〈福光屋〉の社長さんや、〈仁井田本家〉の識者の方に直接話を伺う機会を設けていただいたり。やっぱり自分で体感して、知識を増やしていくのが一番身になるなって思います。今は甘酒にハマってるんですけど、原料も製法もそれぞれに違ったりするから、なぜいいのか、どれが自分に合うか、どんな体感があるか見極めるのが楽しい。自分の体を知るきっかけにもなってるんですよね。腸活って、自分自身と向き合う作業だなって思います」無理せず楽しみながら自分に合った腸活を行う今、自分史上最高のボディと肌に!「昔は便秘がちだったけど、最近は巡りがよくなり、いつの間にか悩みが解消していました。それはお肌も同じ。10年前よりも確実に今の方が肌がキレイになっていると、自信を持って言えます!実は、27歳のときに俳優仲間から“老けたね”って言われたのが本当にショックで…。でもたしかに、今より肌はごわごわしていたかな。くすみやほうれい線もあったから、皮膚科に行ったこともありましたが、今は肌悩みほぼゼロに。かといって、高価な化粧品やあれこれいろんなものを使っているわけじゃなくて、外側からのケアはシンプル派なんです。それでも肌をキープできているのは、腸のケアを重視しているのが大きいのかな。38歳の今が、人生で一番キレイな肌だなって思うし。そういえば、もう何年も風邪をひいてないし、体力の衰えも感じません。内側から整えて腸が元気だと、体も肌も健やかになれると信じています」まりかボディを育てる腸活アイテム。お米と麹で作られるヴィーガン発酵飲料。右・1本に1500億個の植物性乳酸菌を含むお米の発酵飲料。ANP71 150g¥324左・麹由来のクエン酸による爽やかな風味。KOJI POWER DRINK 350g¥324(福光屋)良質なオイルで健やかな腸をサポート。オレイン酸が豊富。「加熱に強いのでサラダ油の代わりに重宝しているオイル」(松本さん)。オリバード エキストラバージン アボカドオイル250ml¥2,160(ヤカベ)国産ケール100%の乳酸菌入り冷凍青汁。低温殺菌製法と特殊冷凍で栄養キープ。「栄養がたっぷり!続けやすい価格も魅力」。遠藤青汁「生(特殊冷凍)」1箱(100g×28袋)¥4,536(遠藤青汁高知センター TEL:0120・44・7769)栄養や機能性成分が豊富な“さかすけ”。酒粕を乳酸菌で発酵させた発酵食品。「クリーミーな味わい。小腹がすいたときに、豆乳と混ぜて飲みます」。八海山酒の實使用 乳酸菌発酵酒粕 200g¥594(麻布 千年こうじや TEL:03・6277・8578)白砂糖や添加物ゼロのマクロビ酵素ペースト。汚染されていないブラジルの土地で育った86種の野草などを8年熟成。「あまたある酵素の中でも信頼の品」。be my flora 8年熟成酵素10g×60包¥19,500(REBEAUTY)白糀の自然な甘さと清涼感のある爽やかさ。無堆肥無農薬栽培の自然米の白糀を100%使用した甘酒。「豆乳と混ぜると、とろとろになっておいしい。炭酸割りもさっぱり」。あまさけ すぱっしゅ 160ml¥400(仁井田本家 TEL:0120・552・313)まつもと・まりか1984年9月12日生まれ、東京都出身。演技派俳優として映画やドラマ、CMなどの出演多数。NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演中。待機作に7/14公開予定の映画『アイスクリームフィーバー』と『湖の女たち』がある。ビスチェ¥24,200(プランクプロジェクト/プランクプロジェクト 青山店 TEL:03・6455・4550)パンツ¥38,500(ストゥディオ アール スリーサーティー contact@studior330.co.jp)ピアス¥28,600(ピューピル キャスケット/ショールーム ウノ TEL:03・5545・5875)※『anan』2023年7月12日号より。写真・嶌原佑矢(UM)スタイリスト・SHOCOヘア&メイク・AYA(TRIVAL)取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2023年07月08日歌舞伎の舞台を務めながら、日本の伝統音楽である清元節の継承者でもある尾上右近さん。近年はバラエティ番組に出演したり、ミュージカルに出演するなど精力的に活動しているが、そのバイタリティは一体どこからやってくるのだろう。――先日、8人の現代アーティストとの対談集『右近vs8人』を出版されました。もともとアートに興味があったということですが、関わりというと?僕はもともとアートを歌舞伎の延長線上にあるものとして捉えていたようなところがあります。3歳のときに見た曽祖父である六代目尾上菊五郎の『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』の映像に心を奪われて、歌舞伎の世界に来たんですね。曽祖父の存在そのものが好きだったので、写真集の中にあった曽祖父の描いた竹林の絵を模したくて描いていたのが、5歳くらいの頃。そこから、絵が好きならばと日本画の先生のところに教わりに行くようになり、次第に日本画から近現代のアートにも興味を持つようになりました。――対談での右近さんの言語感覚の鋭さにも驚きました。自分の想いや考えをこんなに明確に言葉にできる方って多くはないので…。会話が好きなだけです。自分で文章を書くのはそこまで得意じゃなくて。会話って相手の反応があるから、そこでやり取りする中で、自然と言葉が出てくるんです。だから取材も好きですよ。なるべく自分の言葉が世に出るときには、ちょっと色合いがある面白い言葉を使いたいと思っていたりします。――そういうパワーワードは、ストックしておくんですか?人と関わる時間が好きな一方で、根本的には根暗、みたいなところがあるので、ひとりでいるときにあれこれ考えるんです。そこで自分の考えが徐々に明確になってきたら、何度か言葉に出して言ってみる。それを繰り返すうち、自分にしっくりくる言い回しみたいなものが見つかるんです。みんながいい反応をしてくれるなって思ったら、そこはもうこすりにこすって言い慣れた感じにしていくっていう(笑)。内弁慶で2人になると全然喋れないんです。――出演されているレディースアートネイチャーのCMも面白かったです。「突然の尾上右近」ってすごいフレーズですが、お引き受けになられたのは…。嬉しいじゃないですか。断る理由、なくないですか?たまに知り合いにイジられるくらいで。――イジられるのはいいんですね。イジられるのもイジるのも好きです。それもコミュニケーションのひとつだと思ってるので。――CMにかぎらず、バラエティ番組やミュージカルなど、今や歌舞伎以外の分野にも数多く進出されています。なんでもやってみたいというのと、いろんなことをやってみることで、自分では見つけられなかった自分を見つけてもらえて、広がりを持てるというところですかね。逆に、歌舞伎界を背負っている感覚はまったくないですし。あと単純に、知り合いが増えるのが嬉しいというのもあります。歌舞伎界って、ずっと同じメンバーでやっているわけで、みんな家族みたいなもんなんです。家族って近くて遠い存在で、素の自分というより、みんなが認識しているであろう自分を見せてしまう、みたいなところってありますよね。――いい子であろうとしちゃったりしますね。歌舞伎以外の作品に初めて出たのが2018年の舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』でしたが、ご自分から外に出ていこうと動かれたんですか。そうですね。自分から動いて今の事務所に入れていただきました。でも、所属してから舞台に出るまで2~3年ありましたから、結構時間がかかりましたね。――それは好奇心から?それとももうちょっと…。どっちもです。好奇心もあったし、できないことがあるのが嫌だなというのもあって。あとは、とにかくなんでもやって目立ちたかったというのもありました。目立たないと、歌舞伎の舞台で真ん中に立てないので。でも、目立つのが一番の動機ではないです。一瞬そこで葛藤していた時期もありますけれど、関わる人たちに失礼ですし。実際に現場に飛び込んだら、そんなことより現場で過ごす時間そのものが楽しいんですよね。歌舞伎って、お互いわかりきっている関係性から安心して一緒に芝居ができるっていうこともあるんですが、逆に一回怒らせちゃったことがある役者仲間ともずっと一緒なわけです。歌舞伎界が門限のある世界だとしたら、友だちの家にお泊まりしたくなるものでしょ。そういう感覚なんです。――それだけ厳しい世界ということなんですか?それぞれひとりひとりじかに関わってみると優しいし、普通なんですけれど、組織になると厳しくなっちゃうんですよね。でもそこに気づけたのも、内弁慶の僕が知らない人がいっぱいいる世界に飛び込んで、いろんな人と関わっていく中で、ひとりひとりと向き合っていくことが大事なんだって思えてからで。以前は師匠(七代目尾上菊五郎)なんて、どこか超越した生き物みたいに思っていたんです。必要な報告や連絡以外は、話さないし話せない、みたいな。でも、ある時期から徐々に冗談とか言える感じになって、人間同士として関わることが大事だし、楽しいんだなって思いました。右近さんが、念願だったという横尾忠則さんをはじめ8人の現代アーティストと語り合った対談集『右近vs8人』(PARCO出版・2420円)は、現在好評発売中。横尾さんとは、8月2日~3日に浅草公会堂で開催される自主公演『第七回 研の會』のポスターでもコラボ。会では『夏祭浪花鑑』と『京鹿子娘道成寺』に挑む。おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節の宗家に生まれ、幼い頃から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。近年は歌舞伎以外の活動も精力的におこなっており、昨年のミュージカル『ジャージー・ボーイズ』も話題に。現在は、新橋演舞場で上演中の新作歌舞伎『刀剣乱舞』に出演中。※『anan』2023年7月12日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(tatanca)ヘア&メイク・Storm(Linx)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年07月07日“ロケの千鳥”と名高い、お笑いコンビの千鳥。そんな千鳥・大悟さんと旅を共にするのはヤギのポポ。前代未聞の人間とヤギ一匹の斬新なコンビによる、『ヤギと大悟』が4月からレギュラー放送化!笑いと癒しで、街ゆく人の心を解かす旅に出る。わがままな相方に振り回される、そんな旅行も悪くないです。「月に1回、お互いスケジュールを合わせてどこかの町で集合し、ただ一緒に歩く。改めて考えると、ロケというより旅に近い感覚ではありますね。仕事であることは重々承知の上ですが、実際、ポポと田舎を歩く時間は、都会に疲れたワシにとってはいい休息なんです。でもそんな様子を番組にしてもらっているって…、申し訳ないという感覚もありますよ(笑)」旅の相棒であるポポちゃんはヤギなので、当然打ち合わせもできない上に、とてつもなく自由奔放。今回撮影を拝見していても、大悟さん、振り回されっぱなし。「今までワシが接したどの女の子よりもわがままであり、どの子供より好き勝手に動く(笑)。ポポとの旅は、全く思い通りにいかないです。でも、自分は振り回されるのは好きじゃなかったはずなんですけど、この番組をやるようになって、“おいおい”と言いながら喜んでる自分がいることに気が付きました。翻弄される旅行も悪くないです」ロケの間、基本的にずっとふたりは一緒。一般的にヤギと人間の場合、飼い主は人間ですが、このふたりの場合、大悟さんが尊敬の念を持ってポポに従っている印象。「ポポを見てると羨ましい。僕もあのくらい何も気にしないでやりたいですよ。自分も自由にやっている方ではありますが、ポポには敵わない。ポポはカッコいいなぁと思うし、それに比べると自分も含め人間はカッコ悪いなぁって。ちなみに途中で寝ちゃって、ワシが一人でロケに行った回もありましたからね(笑)」とはいえ、旅というシチュエーションだからか、あるいはポポちゃんという本能的な存在と共にいるからか、この番組での大悟さんはとても自然体な印象がある。「そうかもしれません。ポポといるから自分に強いキャラを入れる必要もないし、また僕が田舎の出身なので、ロケでおじいさんやおばあさんと絡むときは、実家の近所の人たちと喋っている感覚に近いんです。なので、この番組の僕はほぼ素です。ロケ中に意識したり注意を払うようなことは何もないし、極端に言えば“面白いものを作らなきゃ”みたいな気持ちもない。ただ僕はポポに振り回されているだけです(笑)。でもその結果、笑かしてないのに面白くなっちゃっている、という…。あれはポポにしか作れない空気で、例えるならば、大人が全く想像していなかった動きを子供がしたときに思わず笑っちゃう、みたいな笑い。僕ができることといえば、ポポに身を委ねることだけです。そういう意味では、もしかしたらこの番組は、いわゆる“お笑い番組”とは異なる周波数の笑いなんじゃないでしょうか」大悟さんは、瀬戸内海に浮かぶ岡山県の小さな島・北木島の出身。今年の夏、ぜひポポちゃんと島や海に行きたい、とのこと。「小さい頃から釣りが好きなので、ほんまのプライベートだったら、海でのんびり釣りをしたいですね。まあでもポポには夏の砂浜は暑いだろうし、好き勝手に動くからそんなのは無理だろうけど(笑)。うちの地元の島とかね、一緒に行けたらいいですよね。海辺に草も生えてるし、たぶん嫌がることはないと思う。ていうかポポ、船乗ったことあるのかな。船に乗ったポポ、見てみたいなぁ」『ヤギと大悟』モンゴルの民族衣装を着た大悟さんが、ヤギのポポちゃんを連れて村や町を歩き、住民の方の家の雑草をポポに食べてもらう紀行番組。ポポがお腹いっぱいになったらロケは終了。2021年12月に特番として第1回が放送され、3回の特番を経て今年4月よりレギュラー放送化。毎週金曜19:25~、テレビ東京系で放送中。だいごお笑いコンビ〈千鳥〉のボケ担当。1980年生まれ、岡山県出身。千鳥としてのレギュラー番組に『ぴったり にちようチャップリン』(テレビ東京)、『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)など。ポポ2020年4月25日生まれ、北海道出身。現在は静岡県在住。本名はタンポポ。名前の由来は第1回の放送で「一番最初に出合った花の名前をつける」という大悟の提案から。好きな食べ物は草。※『anan』2023年7月5日号より。写真・森本美絵(by anan編集部)
2023年07月03日モンゴルの民族衣装を着た、お笑いコンビの千鳥・大悟さんが、ヤギのポポちゃんを連れて村や町を歩き、住民の方の家の雑草をポポに食べてもらう番組『ヤギと大悟』。番組を『anan』で紹介したいと連絡をしたところ、「なんならロケ、見に来ます?」とのお誘いが!ウキウキ出かけた我々の前で繰り広げられたのは、本当に“ヤギ・ファースト”な世界でした。密着!まったりな番組だが、果たしてそのロケは本当に穏やかなのか?!5月某日、朝8時少し前。静岡県富士宮市のとある公園の駐車場にanan取材班が到着すると、すでにスタッフさんが収録の準備中。そこに颯爽と、荷台にポポちゃんを載せた軽トラが!!ポポちゃん、思ったよりデカいです…。大悟さんの到着を待つべくADさんがポポちゃんのリードを持っている間、早速あっちこっちの草を食べまくり!プロデューサーの持山さん、「今食べると、ロケ中食べられなくなるから、ちょっと我慢して…」と話しかけるものの、ポポちゃんはガン無視でむっしゃむしゃ(笑)。そうこうしているうちに大悟さんが例の衣装で登場。「お~ポポ、1か月ぶりやな。元気だったか?」と話しかける…が、またもやガン無視であちこち歩くわ草食(は)むわ!かなり力が強いようで、リードを受け取った大悟さんを早速翻弄。この番組、穏やかそうでなかなかの体力仕事かも…。この日は最初にオープニング用動画を撮影し、そのあとに町をぶらっとするという段取り。草むらの中を大悟さんとポポちゃんに歩いてきてもらうことになったのですが、ポポちゃんの速度&引っ張る強さが本当に半端なく、大悟さんは引きずられる状態(笑)。ズンズン先を歩くポポちゃんに大悟さんはずっと話しかけていて、よく見ていると、言葉はなくてもふたりの心は通じているのではと思わせる、独特の親密さがありました。ドローンが勢いよく飛ぶなか何度か草むらを歩いたのち、突然スタスタと集落に向かって歩き出すポポちゃん。それに合わせてスタッフも一緒にゾロゾロ移動。え、これから集落にロケに入ります~、みたいなのってないの?!持山さんに聞くと、「ないですないです。本当にポポの赴くままに、ポポのあとをついていくロケなんです」とのこと。何もかもがポポ・ファーストで、台本はあってないようなものだとか。大悟さんが「ポポ、こっちには雑草ありそうだよ?」と話しかけても逆方向にスタスタスタ…。それをみんなで追いかける。ディレクターの冨田さんによると、「ロケ地選びの条件は、車が停められ、オープニングのためにドローンを飛ばすことができ、そこから歩いてすぐの場所に民家がある、そしてそこをヤギが歩ける、それだけなんです。観光地であるとか、そういうことは一切不要。今回もその条件で探し、富士宮にやってきました」。とはいえ、ただただ集落を歩いているだけでは撮れ高は稼げないので、大悟さんは住民を探します。最初に遭遇したのは、撮影の賑わいを訝しげに見に来たちょっと強面のおじいさん2人組。勝手に撮影するな、とか怒られたらどうしよう…とドキドキ見ていたところ、大悟さんが近づいていき「お父さん、このあたりの方?」とコミュニケーション開始。最初は言葉数少なく対応していた男性陣も、大悟さんのトーク力とポポちゃんの愛らしさによって緩んでくるのが手に取るようにわかります。また別の住宅の玄関に「こんにちはー」と呼びかけては、出てきたおばあさんに「裏の畑、おばあさんの?雑草で困ってません?」と直談判。冷静に考えると、突然家にヤギを連れた芸能人がやってきて、「雑草食べさせてください」と言われる状況、かなりおかしいと思うのですが、大悟さんとポポちゃんの牧歌的な雰囲気には初対面の人の心を解かす謎の力があるのか、みなさんニコニコ顔で対応するから不思議。おばあさんは「あらヤギ、可愛い」と、畑の雑草を食べさせてくれました。実はこの日、スペシャルゲストとして、「弩級の新人」(by大悟さん)の生後2か月の仔ヤギが登場。ロケの途中で参加したのですが、さっきまでポポちゃんを褒めていた住民の方々が、「仔ヤギ!可愛い!」と絶賛し始めてしまい、ポポが見る見る不機嫌に(笑)。大悟さんも「ポポごめんよ、動物にそんな興味のないワシでもこの仔ヤギは可愛い」と言いつつ、拗ねるポポちゃんの頭を撫で撫で。「すまんなポポ、毛並みが違うんや…」と苦笑いの大悟さんでした。この番組は1回のロケで、4週分を収録。10時半頃1本分が撮り終わり、次の場所に車で移動することに。しばし座ってひと休みする大悟さんのもとに住民の方がやってくると、お喋りをしたり握手をしたり、にこやかに対応。そこには、芸能人とファンといった関係性ではなく、ふらっと村に寄った旅人と、彼を「ここに来てくれてありがとうね」と温かく迎える地元の人のような、とても穏やかな空気感がありました。大悟さんが「仕事だけどこのロケは休暇みたい」と言うのも納得。さてこれがどういう番組になるのか…。オンエアが楽しみだ~!『ヤギと大悟』モンゴルの民族衣装を着た大悟さんが、ヤギのポポちゃんを連れて村や町を歩き、住民の方の家の雑草をポポに食べてもらう紀行番組。ポポがお腹いっぱいになったらロケは終了。2021年12月に特番として第1回が放送され、3回の特番を経て今年4月よりレギュラー放送化。毎週金曜19:25~、テレビ東京系で放送中。だいごお笑いコンビ〈千鳥〉のボケ担当。1980年生まれ、岡山県出身。千鳥としてのレギュラー番組に『ぴったり にちようチャップリン』(テレビ東京)、『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)など。ポポ2020年4月25日生まれ、北海道出身。現在は静岡県在住。本名はタンポポ。名前の由来は第1回の放送で「一番最初に出合った花の名前をつける」という大悟の提案から。好きな食べ物は草。※『anan』2023年7月5日号より。写真・森本美絵(by anan編集部)
2023年07月03日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは心地よさで選ぶ、下着の選択肢。肌に触れるものだから下着は快適なものを選びたい。毎日を心地よく過ごすためのこれからの下着選びって…?良品計画 衣服・雑貨部インナー担当 カテゴリーマネージャー・高垣伊織さんとananフェムケア委員会の井上咲楽さんが語ります。今年3月、無印良品から吸水サニタリーショーツと下着の悩みに着目したブラジャーが発売。今回は“無印ユーザー”であり、日々の下着選びに悩みを抱えているという井上咲楽さんと、商品開発に携わった良品計画の高垣伊織さんが「心地よい下着とは…?」を一緒に考えてみました。井上咲楽:無印によく行きますが、吸水ショーツが発売されたのは知りませんでした。気になります!高垣伊織:すでに多くの吸水ショーツが発売されていますが、無印良品では素材の良さにこだわった商品を追求しました。女性社員に何度も何度も試してもらい、改善を重ねたので、実は発売までに約3年かかったんです。井上:え~、そんなに!私も吸水ショーツを愛用中ですが、ナプキンがズレたらどうしようというストレスから解放されて、生活が変わりました。ただ、吸水ショーツって、ゴワゴワしたり、服にひびきやすいというジレンマも。高垣:そういった不満を抱えている方のために、体にほどよくフィットする生地を採用しました。シームレスタイプとボクサータイプの2種類を販売しているのですが、とくにシームレスタイプはラインが出ないので、「生理中もファッションを楽しめるようになった」という声を多くいただいています。井上:シームレスってすごい!普通のショーツ感覚で、吸水ショーツが使えるのは理想かも。高垣:吸水量が多いと安心感がある分、締め付け感が気になるという声も多かったので、ボクサータイプはムレにくくなめらかな風合いで肌触りの良い天然由来のリヨセル素材を使用しています。井上:新しく発売されたブラジャーには、どんな工夫が?高垣:普段の生活で、肩紐がズレることってありませんか?井上:あります!私もロケのとき、落ちた肩紐をこっそり直してますけど、地味にストレスで(笑)。高垣:左右別の動きや腕の上げ下げといった日常動作にフィットするため、アンダー部分を左右別々に支える構造を採用し、そのようなストレスの解消を目指して作られたブラジャーなんです。ノンワイヤーなので、締め付け感がないのも快適に過ごせるポイントです。井上:下着に関するストレスは、ガマンするのが当たり前だとみんな思っていますよね。でもちょっとの不快だとしても、あるよりないほうが絶対にいいはずなのに。高垣:“不快なもの”を身につけてガマンするのは当たり前じゃないし、快適な着心地で、体型をキレイに見せられるようなインナーがいいですよね。無印良品の商品が女性の下着に関するお悩みを見直すキッカケになったら。井上:そうですね。当たり前と思わないで、まずはいろいろと試してみることから。“次はこれを使ってみよう”って思うと、憂鬱な日でも下着選びが楽しくなりそう。紹介した商品はコレ!右・サイズはA65~G85まで。左右差を調節するブラジャー 全3色 S~XL/S+~XL+各¥3,990中・ひびきにくい吸水サニタリーショーツ 全2色 XS~XXL各¥2,990左・なめらか吸水サニタリーショーツ XS~XXL各¥1,990(無印良品 銀座 TEL:03・3538・1311)いのうえ・さくら(写真右)1999年10月2日生まれ、栃木県出身。『新婚さんいらっしゃい!』のMCなど、バラエティ番組を中心に活躍。ananフェムケア委員会のメンバーとして、誌面にも度々登場している。※『anan』2023年7月5日号より。写真・水野昭子取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2023年07月02日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、歓声をあげて盛り上げる女性、「拍手と歓声で褒める女」になりきり。歓声をあげられるよう日頃から声出しの練習を。長女の検診に行ったのですが、先生と看護師さんが、とにかく褒めてくれました。名前を聞かれ、「です」と答えると、「うわ~!すごい!合格です!」。年齢を聞かれて答えても、「うわ~!」と、拍手をしながら、ただただ褒めてくれる。特に看護師さんは、まるで娘の取り巻きの人かのように褒めてくれて、“ひょっとして、うちの子って天才?”と勘違いしそうになりました(笑)。しかも娘だけでなく、私のお腹にいる子が女の子だと話すと、それに対しても「うわ~!」と喜んで盛り上がってくださり、子どもはもちろん、大人としてもすごく嬉しい気持ちに。これは心の栄養になるな…と感動しました。娘は褒められることに味をしめたようで、普段、家ではしない“靴を脱ぐ・履く”ということも先生と看護師さんに見せていたのですが、帰宅後に、「うわ~って言ってくれるんじゃない?」と娘に言うと、なんと、家でも靴の脱ぎ履きをするようになり、本当に素晴らしいなと。拍手、笑顔、歓声は三種の神器じゃないですが、楽しい気持ちになるし盛り上がる。相手の気持ちも伝わってきてテンションが上がるし、本当にいいことしかないんだなと気づかされました。心から人を褒めて気持ちを盛り上げられる人になるためには、きちんと声を出せることが重要になってくると思います。いきなり歓声をあげるのは意外と難しくて大変なので、まずは“やるぞ!”と気合を入れて思い切って声を出してみると、自然とテンションが上がってスムーズにできるようになるはず。また、スポーツ大会やライブを見て歓声をあげたり、友だちの誕生日会に参加して「おめでとう!」と言うなど、日頃から声を出しておくことも役立つはず。早速、やってみましょう!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。※『anan』2023年7月5日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2023年07月01日昨年配信されたNetflixオリジナルストーリー『First Love 初恋』で、佐藤健さん演じる主人公の若き頃を演じてブレイクした木戸大聖さん。北海道で青春を送る素朴な高校生をキラキラした演技で体現!日本国内のみならず、世界中の人の心を掴みました。――オーディションを経て『First Love 初恋』の出演が決まったと聞いた時は、どんな気持ちでしたか?木戸大聖(以下、木戸):台本を読んですぐに、並木晴道を他の人に演じさせたくないと思ったので、自分が演じられると決まった時は嬉しかったです。――なぜ、他の人に演じさせたくないと思ったのでしょう。木戸:晴道がすごくかわいらしくて、すぐに好きになったんです。このドラマを見る人にも、晴道をそう感じてもらえるように、自分が演じたくて。他の人がやっていることをちょっと想像しただけでも、悔しかったんです。――佐藤健さんとはどんな話をしましたか?木戸:細かなテクニカル的な話はまったくしませんでした。一度、演技の相談をしたら「俺も悩んでいる」とおっしゃったんです。僕にとってはその言葉がすごく大きかったですね。健さんが演じる晴道の青年期を演じることにどこか気負いがあって、健さんの演技に“寄せよう”としていたんですけど、健さんも悩みながら晴道に寄り添おうとしていることを知れたことで、“自分の晴道”を演じ切れば、健さん演じる晴道と合わさった時に成立するんだと切り替えられたんです。――佐藤さんほどの実力とキャリアを持った人でも悩んでいると。木戸:そう知れて、役者である以上、悩むことはきっと終わらないし、新しい役に出合うたびに悩むことが当たり前なんだと思えました。――当たり役に出合うことは、俳優にとって幸せであると同時に、そのイメージが強いほど、後から大変なのではと想像するのですが。木戸:「『First Love』の人」と言われ続けないように、どこかで上書きしたいですけど、自分でも代表作と言える初めての作品。どの現場でも「ドラマ、見たよ」と言っていただける今は、この状況がすごく嬉しいです。――恋愛ドラマに出て、ご自身の恋愛観は変わりましたか?木戸:恋愛に限らずですけど、前よりも運命を強く信じるようになって、すべての巡り合わせが、すごいことなんだと思えるようになりました。あの時あの場所に行っていなかったら、この人には出会えなかったんだな、この作品を選んだから、この人たちに出会えたんだなって。舞台『Shakespeare’s R&J R&J/シェイクスピアのロミオとジュリエット』で共演した少年忍者の北川拓実くんや青木滉平くんにも、「「First Love』見ました」って初めて顔を合わせた時に言ってもらえたんですよ。これも作品が繋げてくれた縁です。――映像と舞台でのお芝居の違いをどんなふうに感じますか?木戸:いろんな方向から何度も撮るのが映像で、そのたびにリセットして新鮮な気持ちで共演者の方と芝居をするのがすごく大事ですね。舞台は始まったら誰も止められない生き物のような感覚があります。公演ごとにお客さんの空気も違いますし、「今日の自分はいつもと何かが違う」と感じても焦るんじゃなくて、「今日はそういう日なんだ」って振り切って楽しめるようになれたらいいなと思います。――役作りのアプローチについて教えてください。木戸:キャスティングしてもらったということは、素の僕が持っている要素と、求められているキャラクターの要素がものすごく遠いわけじゃないと思うんです。なので、自分が持っているエッセンスをどうしたらキャラクターに投影できるかを考えます。最終的には、極論かもしれないですけど、演じようとは思わず、自分のフィルターを通した等身大でいいのかなって。初主演となる映画『先生!口裂け女です!』は、都市伝説とヤンキー高校生のバトルモノがミックスされた、奇想天外な作品。ヤンキーの高校生3人組が、いつものように原付を盗もうとするが、持ち主がよりによって口裂け女で、ものすごい勢いで追いかけてきて…。木戸さんは心優しいヤンキー、タケシを演じる。7月7日~全国公開。きど・たいせい1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年、ドラマ『僕たちがやりました』(カンテレ/フジテレビ系)でデビュー。翌年から3年間『おとうさんといっしょ』(NHKBS プレミアム)にレギュラー出演。’22年、Netflixオリジナルストーリー『First Love 初恋』で脚光を浴びる。今年7月に公式ファンクラブを開設。シャツ¥30,800パンツ¥35,200(共にウィーウィル TEL:03・6264・4445)カーディガン¥97,900(サイド スロープ/HEMT PR TEL:03・6721・0882)スリッポン¥15,400(オポジット オブ ブルガリティ/HEMT PR)※『anan』2023年7月5日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山田莉樹ヘア&メイク・速水昭仁インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年06月30日その年の台湾のアカデミー賞を最多受賞した映画『1秒先の彼女』。男女の設定を入れ替えたリメイク版『1秒先の彼』が公開される。なにをするにも1秒早い郵便局員のハジメと、1秒遅い大学7回生のレイカの物語。清原果耶さんはおっとりヒロインを瑞々しく演じていた。清原さんにとっては初の宮藤官九郎脚本である。レイカでいるときはのんきに緩やかに生きていました。「寡黙なレイカちゃんも、大学の部室に住んでいたり、気になる人についていったり、実は個性の強いキャラクター。でも、それを上回るくらい魅力的で特徴的な人たちがたくさん登場しているんですよね(笑)。完成作を拝見して、温かい映画ができたなあと思っています」せっかちで少々いけずだが憎めないハジメ(岡田将生)を筆頭に、郵便局の同僚たち(伊勢志摩、松本妃代)、ガングロギャルの妹(片山友希)とその彼氏(しみけん)、荒川良々演じるバスの運転手までキャラの立った人物が大集合。宮藤流笑いのエッセンスが満載なのである。「レイカちゃんは、どこか“なるようになる”と思っている、ふわっと柔らかい空気をまとった女の子。強いところもあるけれど、それを覆うくらいの優しさを持てたらいいねと監督と話していました。レイカちゃんでいるときは、どこかのんきで緩やかに生きていた気がします」しかし、1秒テンポが遅いという演技は思いのほか苦労したのだとか。「映像では、1秒動作を遅らせるだけでは遅いようには見えないんです。何かが起きて振り返るのでも、間を2~3秒おいてゆっくり動かないといけなくて。細かなタイミングを測ってお芝居を組み立てていくのは難しく感じることもありました」物語の舞台は京都。市内に限らず、京都の各所でロケをした。清原さんは京都弁に挑戦している。「すぐさま言いたくなるようなセリフでも、方言指導の先生に『京都に生きるレイカちゃんだったら、ここはもう少しゆっくり言うかも?』と京都の方の人となりも教えていただき、学びの日々でした。町家も、平安神宮も天橋立も、空気が澄んでいるような気がして、リラックスできる場所でしたね」本作は、フィルムカメラやラジオ、手紙など、アナログなモチーフがファンタジックな世界を彩っている。SNS世代の清原さんからすれば、あまりなじみのないものかと思いきや、そうでもなかった様子。「手紙は私も大好きで、よく書いてプレゼントに添えたりしています。レターセットやポストカードはすぐ買ってしまいますし、むしろSNSのほうが疎いかもしれません(笑)。手書きの文字は気持ちを載せられるからよいなあと思います」ご自身はレイカとは逆で、思い立ったらすぐ行動に移す即行型。大変な役柄を演じるときも、苦しんだこともひっくるめて楽しみたいと考えるような、明るく清々しい方でした。『1秒先の彼』いつも人より1秒早いハジメ。ある日、楽しみにしていたある大切な1日が消えてしまったことに気づく。ことの真相を探ろうとするのだが…。原作/チェン・ユーシュン『1秒先の彼女』監督/山下敦弘脚本/宮藤官九郎7月7日より全国公開。©2023『1秒先の彼』製作委員会きよはら・かや2002年1月30日生まれ、大阪府出身。主な出演作品にドラマ『おかえりモネ』(NHK ’21)、『ファイトソング』(TBS’22)、映画『護られなかった者たちへ』(’21)、『線は、僕を描く』(’22)など。シャツ¥30,800(BAUM UND PFERDGARTEN/S&T TEL:03・4530・3240)パンツ¥62,700(BY MALENE BIRGER/S&T)イヤリング¥24,200(Jouete TEL:0120・10・6616)バングル¥57,200(CASUCA PLATA/CASUCA表参道本店 TEL:03・5778・9168)※『anan』2023年6月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・井阪 恵(dynamic)ヘア&メイク・面下伸一(FACCIA)インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年06月25日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、人の気遣いに気がつける女性、「帰った理由を悟る女」になりきり。行動の裏にある真意を考えよう。先日、『おはよう!ニッポン全国消防団』というラジオ番組の収録に行ってきました。その現場に、日本消防協会の会長さんが来てくださったのですが、“この人は偉い人だ!”ということが一目でわかるような立派な方。しかも、めちゃくちゃ優しくて物腰が柔らかく、私に対しても「ご出演、本当にありがとうございます」とおっしゃってくださいました。その日は全部で4本分を収録したのですが、1本目が終わった後に会長さんが、「どうしてもやらなければいけないことがあるので、先においとまさせていただきます」と言って帰ることに。私が、番組の進行を担当している、ひろたみゆ紀アナウンサーに、「お忙しい方なんですね」と言ったところ、「会長さんは、ここにいるみんなが気を使わないようにと思って帰られたんですよ」とおっしゃって、本当にその通りだと気がつきました。そして、人の気遣いに、きちんと気がつける人になりたいなと心から思ったんです。長年、社会を見てきた人だからこそわかることだし、立場が上の人にしかわからない気持ちさえも悟っている、中間管理職的立場のすごさみたいなものを感じました。きっと、どんな行動に対しても、“この人は愛ゆえに、こういうことをしている”という視点で見ているんだろうなと。会長さんのように人に気を使わせないようにする優しさも素晴らしいし、それに気がつける人もすごいと感じた現場になりました。ひろたアナウンサーのように人の気遣いに気がつけるようになるには、物ごとをポジティブにとらえることが必要だと思います。あと、先輩や後輩にかかわらず、いろいろな立場の人の大変さを理解することが、行動の裏にある真意に気づけるようになるための、大きなポイントにもなりそうです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。婚活で培ったテクニックをまとめた著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。2021年10月に第二子を出産。※『anan』2023年6月28日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2023年06月24日宝塚歌劇団在団中から、深く豊かな声と表現力を兼ね備えた歌の実力は、観客を圧倒するものがあった。しかし、一昨年に退団し、舞台にコンサートにと作品を重ねるごとに声に艶が増し、美しさに磨きがかかる望海風斗さんの姿を拝見していると、持って生まれた才のみならず、確かに重ねた研鑽に裏打ちされたものだということを実感する。――今年、読売演劇大賞で優秀女優賞を受賞、そして先頃、菊田一夫演劇賞の受賞も発表されました。私自身が一番驚いています。今年は初舞台を踏んで20年目の節目の年。そのタイミングに大きな賞をいただいて、ここまで頑張ってきてよかったなということと、これまで出会ってくださった方々、関わってくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。――そして次の作品は、日本初演となる大作『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』です。出演が決まった時はいかがでした?じつはオーディションだったんです。宝塚を退団してあまり経っていない頃で、オーディションというもの自体が自分にとって大きな経験になるだろうという気持ちで受けたんです。でも受けたからにはやはり出たいですし、決まった時は素直に嬉しかったです。――オーディションだったんですね。宝塚でトップスターまで務められていて、オーディションを受けるってすごいですね。外の世界のことも、オーディションというものも、あまりよくわかっていなかったのがよかったんだと思います。とにかく与えられた課題をこなすことに必死でしたから。原作の映画を何度も観て、ニコール・キッドマンのサティーンを研究するんだけれど、女性を演じる自分がしっくりこないし、使ったことのない語尾にも戸惑って…。でも、おかげでオーディションまでに自分が乗り越えるべき課題がはっきりしたし、明確なゴールがあったから頑張れたとも思います。その後の女性の役に違和感なく入っていけたのは、あの経験が最初にあったからですね。――オーディションへの恐れ、みたいなものはなかったんですか?とにかくわからないことだらけなので、これが世に言うオーディションというものなんだって感覚で、当たって砕けろ精神。この世界でやっていこうと思うなら、ここをまずは乗り越えないとって。――退団当初から、舞台に軸足を置こうと思われていたんですか?そうですね。退団を決めた時は、先のことを何も考えていなかったんです。辞めてからゆっくり考えればいいやって思っていたんですよね。でもコロナ禍になり、舞台が止まって考える時間ができた時に、やっぱり舞台に立ちたいと思ったし、そこでファンの方とお会いすることが、何より好きなんだって自覚したんです。――現在の事務所の先輩は映像作品で活躍されている方が多いですが、映像より舞台だったんですね。入る前にお話しさせていただいている時から、舞台と歌はやりたいですということはお伝えしていました。その上でお世話になろうと思ったのは、自分が想像していなかったようなことにもチャレンジできると思ったからです。――ラジオ『望海風斗のサウンドイマジン』や、Spotifyで配信された『望海風斗のほろ酔いアワー』のような声のお仕事も、そのひとつなのかなと思いますが。それに関しては、思っていた以上に反響が大きくて嬉しいです。姿が見えないからこそ、楽しんでもらえるようにどうしゃべるのがいいのか、日々勉強しています。――ラジオの中で話されていて意外だったのが、退団後に結構焦りを感じていたとおっしゃっていたことでした。作品選びから、出演された舞台のクオリティまで含めて、ファンの期待以上のものを見せてくださっているだけに…。宝塚歌劇団の、入団1年目から順を追って育てていって、トップになるまでにちゃんと準備ができているシステムが、私にとってすごく居心地がよかったんだなと思いました。退団して、女性の役の経験がない状態で、この世界でずっとやられてきた方々ばかりのカンパニーの中に飛び込むわけです。準備ができてない私がちゃんと入れるのかなって、焦っていたんですね。女性を演じるには足りないものがいっぱいあるのはわかるんです。それでボイストレーニングに通っても、気持ちが焦っているから、自分は15段目くらいのことをやりたいのに、1段目から教わることにジレンマを感じてしまう。早くそこに行きたいのに、なかなか辿り着けない自分に、焦りが募った時期がありました。――でもその一方、宝塚で17年培った力を実感することもあると思いますが、とくに感じるのは?舞台をやり切る力と集中力。そして、その日のお客様のエネルギーをどう今日の芝居に活かして動かしていくかでしょうか。あと、男役の、あの照明や衣装、セットに負けないエネルギーみたいなものをバーンって瞬間的に放つ力というのは、今に活かされているんじゃないかと思います。――退団から約2年経ち、ご自身に向いているとか、好きな作品や役の方向性が見えてきた頃なのかなと思うのですが?やっぱりミュージカルが好きですけれど、その中でもお芝居がちゃんとメインである作品が好きなのかなというのは、いろいろ経験して思いました。歌うことは好きですが、役として歌うとか、ストーリーがあって紡がれる楽曲がとくに好きですし、共演者の方々と心を通わせて、お芝居をみんなで作り上げていく作業が好き。そういう意味で今回の『ムーラン~』は、やりたいこと好きなことがすべて揃っているなと思います。――とくに実感できた作品というのはありますか?どの作品も楽しかったですが、強く印象に残っているのは昨年の『Next to Normal』です。こういうことがやりたかったんだなと発見できた作品でしたし、やっていて「生きているな」と感じる瞬間が多かったです。退団して1年というタイミングに出合った作品だったのも大きかったと思います。まだ自分が何者かわからない中、初めましての方たちとたった6人で作っていかなきゃいけないという状況でしたから。――演じたのは双極性障害を患っている母親という難役でした。当時は、これが正解なのかなと思うことがいっぱいあり、本当に悩みました。それでも毎日稽古場に流れるヒリヒリとした緊張感も、キャスト全員で力を合わせていく感じも楽しかったです。『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』は、6月29日(木)~8月31日(木)、日比谷・帝国劇場にて上演(6月24~28日はプレビュー公演)。1899年のパリ、絢爛豪華なショーで観客を集めるナイトクラブ、ムーラン・ルージュ。その花形スターであるサティーンを望海さんと平原綾香さんがWキャストで演じる。東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777のぞみ・ふうと神奈川県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、花組に配属。当初から実力派の男役として知られ、’14年に雪組に組替え。’17年にトップスターに就任し絶大な人気を誇った。’21年の退団後は、『ガイズ&ドールズ』『ドリームガールズ』などミュージカルを中心に活躍。今年、読売演劇大賞優秀女優賞、菊田一夫演劇賞受賞。ジャケット¥238,700タンクトップ¥58,300パンツ¥236,500(以上ファビアナ フィリッピ/アオイ TEL:03・3239・0341)ネックレス¥65,000ピアス¥33,000パールとシルバーのリング¥62,000ゴールドリング¥39,000(以上ブランイリス トーキョー TEL:03・6434・0210)靴はスタイリスト私物※『anan』2023年6月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・早川和美ヘア&メイク・Yutoインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年06月23日自ら実践し続けてきた、本当に効果のあった美容法だけを公開した著書が大ヒット。“キレイはつくれる”というメッセージは、いま多くの女性たちに刺さっている。「正解が見えてきたのは30代後半から」と話すMEGUMIさんの、カラダづくりの軌跡や、マインドとの向き合い方を聞いてみた。「美容が好きで、スキンケアもカラダづくりも、いいと勧められたものや、これは!と思ったものはすぐに試したいタイプ。カラダづくりにおいてはこれまで、りんごダイエット、ファスティング、器具を使ったハードな筋トレ、加圧トレーニング、水泳、キックボクシングなど片っ端から試してきました。でも、20代~30代前半の頃は長く続いたものはありません。そもそもその年代ってカラダの不調を感じないんですよね。いろいろやっても効果が見えにくかったし、無理して過度な方法を選んだりしたことも、続かなかった理由かもしれません」ホルモンバランスがゆらぎ始め、体調不良を感じる日が増えてきた30代後半になり、ようやく自分に合うトレーニングがわかり始めてきたという。「体調が悪い状態から始めると、カラダの変化がわかりやすいんです。年齢とともに、やればやっただけ効果を実感できるようにもなりました。トライ&エラーを繰り返して自分の向き不向きが感覚でわかるようになり、現在はEMSのボディスーツを着て電気を流しながら行うトレーニングとマスターストレッチ、ピラティスの3つを続けています。特に4年前に始めたピラティスは、最初からすぐにハマりました。呼吸と動きを連動しながら行うので、仕事のことや余計なことを考える暇がないし、夢中でやっているうちに1時間経つとカラダがスッキリしていて。筋肉や内蔵が本来の正しい位置に戻ることで、肩の凝りも解消され、ラクに呼吸ができるようになるから気持ちがいいんですよね」「運動をしないと体調が悪くなり、心もくすんでしまう」そう。「40代になり、ドラマや映画への出演から映像作品のプロデュース、飲食店の経営、アートワークといろいろな仕事をする中で、決断を下す立場になったり、現場では一番お姉さんでいなければいけないことが増えました。自分のためにも、周りのためにも、いいパフォーマンスをするには常に自分を整えておくことが大事だと知り、マインドをいい状態でキープするのが運動の目的でもあります。とはいえ、ストイックにやっているかというと、そうではなくて。忙しい時は間が空いてしまうし、せっかく整ったカラダがまた歪んできてるな…なんて思うけど、歪んだらまた行けばいいや、って気楽に続けています。だって、週に何回は絶対に行く!と決めると苦しくなっちゃうから。自分のペースで無理なく通うこともまた、続けるためのポイントだと思います」そんなマイペースな流儀は、食生活にも取り入れているという。「会食や撮影が続くと、どうしてもハイカロリーで贅沢な食事になりがちですが、それはそれで楽しみながら美味しく食べます。その代わり自炊をする時は、粗食が基本。ご飯に納豆、焼き魚、具だくさんお味噌汁と、酵素が豊富で消化を促すフルーツや生野菜をプラス。そうやって一週間の中で帳尻合わせをすればいいし、半年に一回ぐらいは10日間の“若玄米食”プログラムでデトックスをしています。“解毒”というのも私のカラダづくりのキーワードで、サウナで汗を流したり、家ではよもぎ蒸しも。定期的に、ボディスクラブもしています。いろいろな情報が手に入る時代で、ついインプットすることばかり考えがちですが、いらないものを出すことも大事。解毒直後は、カラダが軽くなるのがわかるし、肌のトーンも全然変わります。いい栄養素や化粧水も、より吸収できるようになるんですよね。目指しているのは、元気なおばあちゃん!いま続けている習慣は、きっと60~70代になって返ってくると思っているので、私の美容の旅はまだまだ続きます」めぐみ1981年9月25日生まれ、岡山県出身。著書に『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)。放送中のドラマ『あなたがしてくれなくても』(CX系)、『unknown』(テレビ朝日系)に出演。出演映画『愛にイナズマ』は10月27日公開予定。ニットブラトップ¥19,800ニットスカート¥33,000(共にラインヴァンド/ラインヴァンド カスタマーサポートcustomer@leinwande.com)フープピアス¥26,400右手人さし指のホワイトゴールドリング¥48,400~(マリハ TEL:03・6459・2572)シューズはスタイリスト私物※『anan』2023年6月28日号より。写真・秋山博紀スタイリスト・大浜瑛里那ヘア&メイク・エノモトマサノリ取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年06月21日俳優、タレント、そして経営者としても日々奔走するMEGUMIさん。超多忙な毎日の中、「キレイをつくる」秘訣は? トライ&エラーを繰り返し、美の道を進むMEGUMIさんの心得を聞きました。MEGUMIが行き着いた、美しいカラダづくり、その心得。パーフェクトを目指さず、設定に余白を与える。「トレーニングやカラダづくりを始める時、最初に気合を入れてハードルを高く設定するから、ギブアップしちゃうんです。“気持ちが向いた時にジムに行く”くらいにしておけば、そのうち必ず気持ちが向く日が来るから、その時に行けばいい。そのぐらい心に余白を持っておき、ハードルはクリアできる程度に低く設定してみて」合うものはなかなかない。でも、必ず出合える。「私自身、運動は長く続かないタイプなので、三日坊主になる人の気持ちはよくわかります(笑)。自然と続けられるような、自分にぴったりと合うメソッドはなかなかないもの。でも、そのうち必ず出合えます。だから次々試してはやめて、でもOK。落ち込む必要はありません。それまで、美容の旅に出てほしいです」大人は“やらない天才”になりがち。無鉄砲に飛び込むくらいの気持ちを持つ。「例えば一回ヨガを試して向いていないと思っても、ヨガの先生によって教え方が違うし、もしかしたら自分に合う先生が見つかるかも。無理だと決めつけたり、やらない言い訳をせずに、気になったものにはまず、飛び込んでみたほうがいいと思います。間口は広く持つことが大事。飛び込んだ先で、人生変わることもありますから」自分のタイミングに合わせて、ひとつの方法に執着しない。「ジムやサロンのバリエは、いくつか持っておくことをおすすめします。これは、今日行きたかったのに、予約が取れずに断念しなければいけないという状況を防ぐため。例えばピラティスで3か所通ってもいいし、違う運動を数か所でやるのもいい。そうやって比較することで違いが知れたり、知識が深まることにもなりますから」たまには“ 好きなこと以外やらない日”を作る。「仕事の連絡も控えて、“お風呂、Netflix、食事”以外は何もしない日を作ります。好きな温度でしっかり汗が出るまでお湯に浸かり、最後に水を浴びるだけ。お風呂から出たら仕事は一切せず、好きなものを食べてNetflixを見て…これを3回繰り返すと、めちゃくちゃ疲れが取れます。月1程度、治療の一環として実践中です」めぐみ1981年9月25日生まれ、岡山県出身。著書に『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)。放送中のドラマ『あなたがしてくれなくても』(CX系)、『unknown』(テレビ朝日系)に出演。出演映画『愛にイナズマ』は10月27日公開予定。シースルーコート¥71,500(ランバン オン ブルー/レリアン TEL:03・6834・7224)ニットブラトップ¥19,800ニットスカート¥33,000(共にラインヴァンド/ラインヴァンド カスタマーサポートcustomer@leinwande.com)フープピアス¥26,400シューズはスタイリスト私物※『anan』2023年6月28日号より。写真・秋山博紀スタイリスト・大浜瑛里那ヘア&メイク・エノモトマサノリ取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年06月21日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は俳優の志田こはくさんです。戦隊ヒロインを演じて一躍話題に。豊かな表情で視聴者を魅了!6歳上のお姉さんが芸能活動をしていたことがきっかけで俳優の道へ。「TV放送は家族みんなで一緒に見ます。コミカルな表情をするキャラなので最初は照れくさかったです。離れて住んでいる祖母が放送後に毎回メールをくれるので嬉しいです」。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ではヒロインを演じきった。「役のはるかは喜怒哀楽を思いっきり出せるところが羨ましい。明るくて活発なところは私と似てますね」。今年が10代ラスト。「誕生日に黄色のインコを飼いたいと親におねだりしました」「自らが輝く」という絵に惹かれました。友達を誘ってアーティゾン美術館へ。感想を言い合うのも楽しかったです。カフェで甘いものを食べるのが好き。友達と映画を観てカフェに行くのが定番コース。パンケーキを食べました。2匹揃って写真を撮るのはレアです。祖母が飼う犬のキーちゃんとクーちゃん。2か月に一回会いに行きます。しだ・こはく2004年生まれ。’22年にデビュー。スーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でヒロインの鬼頭はるか/オニシスター役で連続テレビドラマ初出演を果たす。※『anan』2023年6月21日号より。写真・土佐麻理子文・松田唯花(by anan編集部)
2023年06月20日今年春、長期休館目前の渋谷・シアターコクーンで開催されたショースタイルの公演『シブヤデマタアイマショウ』。総合演出の松尾スズキさんをはじめとした個性的なキャスト陣の中で、誰よりもインパクトを残したのが多部未華子さんだった。演技も華もだが、それ以上に多部さんの表情や動きの愛くるしさに目を奪われ、自然と多部さんの役柄に共感し応援したくなってしまうのだ。「役者さんなら誰もが思うことだと思いますが、私はなるべく演出家の方がやりたいというもの、思い描くイメージに近づけたいと思っているひとりというだけです。ただ最近は、1か月近い舞台の稽古期間を楽しいと思うようになりました。若い頃は、やるべきことをやり、自分の出番が終わったら帰りたいと思っていたけれど、今は他の方が試行錯誤している様子を見て学ぶこともあるし、みんなでいろんなことを試して失敗しての繰り返しの中に気づきがあったりもする。勉強になるし、楽しいと思うようになりました」そんな多部さんの次の舞台は、NODA・MAP『兎、波を走る』。今の日本の演劇界のトップランナーである野田秀樹さんの作品に初参加となる。「演出家は野田さんですが、チーム全体でアイデアを出し合っている感じです。野田さんもですし周りの方も、意見を言いやすいし聞きやすい環境にしてくれているんです。特に(高橋)一生さんはアイデアマンで、野田さんの『ちょっとやってみよう』を楽しんでいて、野田さんが信頼を寄せられるのもわかります。松(たか子)さんは言わずもがな、大倉(孝二)さんも秋山菜津子さんもいらして心強いです。今はわからないことは秋山さんに聞いています(笑)」作品の舞台は、潰れかかった遊園地。そこに現れる“アリス”が多部さんの役どころだが、そこは野田作品だけに、さまざまな言葉遊びや示唆的なシーンが重ねられ、一筋縄ではいかない複雑な物語が展開される。「稽古に入る前に今回の題材の説明はしていただきましたが、単純な結末が用意されているわけではないし、心にずしんとくるようなテーマですし、自分のアリス役はどういうテンションでいけばいいのか、探っている段階です。ただ、作品を全部噛み砕いて理解して演じたいタイプの俳優さんもいらっしゃいますが、私は多分こんな感じかな、くらいの理解度でやってしまう方。今も、稽古場で『あのセリフはあそこにかかってるのかな?』などと話していると、秋山さんが『野田さん本人もわからずに書いているところもあるから大丈夫よ』って言ってくれて、『じゃあいっか』って開き直れたりして(笑)」観終わった後も余韻が長引き、あれこれと思考を巡らせる楽しみをもたらしてくれるのが野田作品の魅力。「個人的に面白いのは、スローモーション。これまでに観た野田さんの舞台でも取り入れられてきた手法ですが、稽古場で自分もやったり、みなさんがやっているのを見ていたら、すごく効果的に使われていました。しかもアンサンブルの方たちの動きがすごくて、まるでアスリート。早く本番を見てみたいです」プライベートでの大きな変化もありつつ、なお精力的に活動しているが、その原動力とは何なのだろう。「女優として“どうしても演じていたい”というほどの強い気持ちはないんです。すごく暇が苦手で(笑)。でも今回の稽古は本当に楽しくて、お芝居をしていなくても現場にいたいくらいです」NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』6月17日(土)~7月30日(日)池袋・東京芸術劇場プレイハウス作・演出/野田秀樹出演/高橋一生、松たか子、多部未華子、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一、野田秀樹S席1万2000円A席8500円サイドシート5700円ほか全公演にて当日券あり。NODA・MAP TEL:03・6802・6681(平日11時~19時)大阪、博多公演あり。たべ・みかこ1989年1月25日生まれ、東京都出身。2002年にデビューし、映画、ドラマを中心に活躍。舞台では、松尾スズキ、蜷川幸雄、白井晃などさまざまな演出家の作品に出演。最近のおもな出演作に、ドラマ『マイファミリー』、映画『流浪の月』など。シャツ¥55,000(チノ/モールド TEL:03・6805・1449)スカート¥33,000(ビリティス・ディセッタン/ビリティス TEL:03・3403・0320)バングル¥60,500(フォーヴィレイム/フォーヴィレイム カスタマーサポートcustomer@fauvirame.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年6月21日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・岡村春輝ヘア&メイク・赤松絵利(ESPER)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年06月20日