土地の記憶とつながる以前から近くに住んでいて街が気に入っていたという映画作家の北川さん。設計を依頼した吉田州一郎・あい夫妻と敷地の周辺を歩いて、街の良さ、気に入っている部分を紹介して回ったという。「いっしょに歩きながら、北川さんが “この踏切のこういった風景が面白いんです”と。それが街の風景を映画のシーンのように見ていて新鮮だった。わたしたちも路地に街の面白さが詰まっているのを感じました」と話すのはあいさん。周辺の路地ではブロック塀が入り組んで立ちそれぞれの家が好みで貼ったタイルが見え隠れするという。「ブロック塀のように構築的なものが密にある一方で、突然パンと空が抜ける場所があったりして心地がいいんです」(あいさん)。そこで「デザインでこの土地の記憶をつなぎとめこの街ならではの雰囲気を引き継ぐことができないかと考えた」(州一郎さん)という。3階のダイニング。正面の波板はあえて外部に使う素材を使った。素材のグレーが周囲の色とマッチしている。キッチンを階段近くから見る。天井の最高高さは3.6mある。継承しつつ開く建築家のお2人との打ち合わせのなかで北川さんは「道路とルーズにつながって暮らしたい」「街とシームレスにならないか」と伝えた。これがまたこの家の設計コンセプトに大きく反映して、街の風景を継承しつつ街に対してプライバシーを保ちながら開いたつくりになった。「街の塀の間を歩いてきてそのまま1階に滑り込むと、2階は対照的に閉じて囲まれたつくりになっていて、上に光を感じながらさらにのぼって行くと3階は周囲に視線が抜けて空が気持ちよく見える」(州一郎さん)という構成だ。ダイニング側から見る。壁を隔てて右にリビングがある。ダイニングとリビングの間に段差があり、1段20㎝×2で40㎝の高低差がある。開口からは視線が遠くまで抜ける。3階のテラスの一部は2階から吹き抜けている。キッチンから見る。ダイニングの奥は1階から吹き抜けていてそこに本棚がつくられている。ダイニングとキッチンの天井には登り梁が並ぶ。北川さんから「どこかに木がほしい」というリクエストが出ていた。家族とつながる街の記憶は壁の立て方や段差、タイルなどの組み合わせによって継承することを考えたという。そして「行き止まりがなくぐるぐると回れる」と北川さんが表現する回遊できるこの家のつくりは、家族の暮らし方から導かれたものでもあった。「家族の皆さんが家にいる時間が長いんです。そこで家族同士がつながりつつも距離を保つにはどうすればいいのか工夫しました。3階のダイニングとリビングは空間的には近いけれども間に壁があって気配は遠かったり、あるいは段差を介して居場所を少しずらすなどして回遊空間に変化を与え、滞在時間が長い家族がいかに距離感を保ちながら心地良く暮らせるのかを考えました」(あいさん)2階の子ども部屋から見る。戸を開けると2階全体が開放的に。右が主寝室。階段の向こう側に木の踏み板が延びていて北川さんの使う机になっている。2階の中庭から見上げる。浴室はリクエストで大き目のものにした。左のタイルはトイレ、キッチンに貼ったものと同様、奥さんがあいさんと話をしながら決めた。北川邸ではさらにリビングが1階・3階と2つあることも特徴になっている。これも「距離を保つ」ためのもうひとつの居場所として、北川夫妻のリクエストでもあった。「1階に近所の人を呼んでちょっと集まれる場所がほしい。子どもだけでなくパパも野球をやっているので、おやじの会みたいな、みんなで集まれる場所があったらいいなと。また大きなテレビを壁にかけて家族で甲子園大会とか観たいというのもお話しました」(奥さん)。2階から1階の玄関部分を見下ろす。本棚は3階まで続く。奥の扉は納戸のもの。路地がそのまま入り込んできたような空気感もある1階リビング。右のガレージの間のガラス戸を開けてキャッチボールをしたいというリクエストもあったという。「玄関までアプローチがほしかったけれども伝えてなかった」。しかし最初の案ですでにこのようにアプローチが取られていた。深さのある手洗い器がこの空間のなかでデザイン的にもおさまりがいい。開放的な1階リビング。外から来た人も気兼ねせずに入りやすいつくりだ。段差は統一されていてここの高低差も20cm。ワンシーン=ワンショットの家?奥さんは吉田夫妻から「設計のアイデアを聞くたびにいつもワクワクしていました」と話す。北川さんも「できるのが怖いくらいで、ずーっと設計してたらいいんじゃないかみたいな感じで」ワクワクし通しだったという。竣工して住んだ感想をうかがうと「どこにいても声が聞こえるというのがとてもいいなと思います」と奥さん。北川さんからは「僕の机が2階にあるんですが、2階にいても1階・3階にいる人を感じられるのがすごくいい。気配がつながっているので家族みんなで暮らすのにとてもいい家だと思っています」という答えが返ってきた。街や家族とのつながり感は北川さんがこの家にぜひほしかったものだが、これは空間のつながりと一体になって生まれた。「行き止まりがなくぐるぐると回れる」この家のつくりを映画的に表現すると、それぞれのシーンをうまくつなげてひとつのシークエンス(家)がつくられている、ということになろうか。あるいはワンシーン=ワンショットでつくられていると・・・。ダイニングに置かれたテーブルが波板の色とうまくマッチしている。鮮やかな赤色が特徴のライト。カンパリソーダの瓶を使ったもので既製品という。この羽のついたライトも既製品で、北川さんとあいさんとで選んだもの。タイルの色、形、レイアウトは奥さんとあいさんの2人で密に話し合いをして決めていったという。「路地感みたいなものを感じさせる」「圧迫感がでないようにボリューム感を崩す」などしてできた外観デザイン。1・3階に対して2階が閉じたつくりになっているのがわかる。北川邸設計アキチアーキテクツ所在地東京都目黒区構造木造規模地上3階延床面積118.83㎡
2020年04月15日日本でも感染者が急増している、新型コロナウイルス感染症。軽症や無症状の場合は自宅療養などが求められていますが、重症の場合は長期の入院になることもあります。その場合、一緒に暮らしているペットたちはどのように過ごせばいいのでしょうか…。「大切なペットを置いて入院できない」などの声から、飼い主が隔離や入院中に、ペットを無償で預かるプロジェクトが始まりました。アニコムホールディングス株式会社が行っている同プロジェクトは、自社が保有する施設を一部開放し、ペットを受け入れるというもの。預かっている間は獣医師を中心とした同社の社員有志が世話をしてくれるといいます。犬や猫と暮らしている人たちからは「感染しないように努めるけど、知っておくだけで安心」「このサービスは助かる」「ありがたい。ペットも家族ですから」などのコメントが寄せられていました。もしも感染してしまったら、何が必要でどのような行動をしなければいけないかを考えておけば、いざという時に焦らず実行することができるはずです。「感染を拡大させない」という意識を持ちつつ、万が一のことを考えて情報を集めておくことも必要でしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年04月11日家族が家の中で仕事や作業をする機会が増えてきているこの頃。そこでご紹介したいのが、おうちでの過ごし方がもっと快適になるインテリアの選び方や環境づくりのヒントです。おすすめのアイデアを参考にして、住まいをキリッと整えてみましょう♪カスタムできるおしゃれな学習机「子どもに家でもしっかり勉強してもらうにはどんな家具を選ぶべきだろう……」こちらで紹介する学習机『Sorano(ソラノ)』なら、お子さんの成長に合わせてサイズを調整でき、集中力のアップにもつながります。さらに、体への負担が少ない学習姿勢のポイントも注目ですよ!え、デスクが成長!?話題の『集中しやすい学習机』って一体ナニ?作業しやすい姿勢を保てる!ダイニングテーブルで作業をすると、食事を準備するのに片付ける必要があり、ちょっと不便だなと感じませんか?そこで提案するのは、インテリアとなじみやすいデザインのデスク&シェルフとチェア。長時間作業していても疲れにくい工夫は、アイデアをチェック♪在宅ワークのお悩み解決!VICINOとRessacを試してもらいました♪こんなワークチェア、探してた!じっと座って作業をしていたら、肩や腰が痛くなってしまった。それは使っているイスが原因かもしれません。こちらでは、シンプルで圧迫感のないワークチェアをご紹介。体をサポートする機能性のヒミツがたくさんあるんです♪【その疲れ、椅子のせいかも!?】話題の在宅ワークにはこれが正解勉強しやすい環境にはこれがおすすめ!「作業がより快適になる空間をつくりたい!」と意気込んでも、実際は何からすればいいか分からず悩みますよね。そんなお悩みのために、在宅ワークやお子さんの学習環境が充実するインテリアの工夫をまとめてみました。お子さんのモチベーションが上がる勉強法も必見ですよ!その部屋おしゃれだけど勉強しにくいかも⁉集中できるインテリアのコツ!家族と楽しい時間を過ごそう♪最近は外出を控えることが多くなり、運動不足やだらっとした日々が続きがちに……。そんな、どんよりとした気持ちを晴らすために、おうちでの過ごし方をご提案します♪家族がそろう大切な時間をもっと楽しんでみましょう!外に出なくても楽しめる!おうちイベントで家族の絆をもっと深めよう♪作業をするならこんなスペースがおすすめ!家で仕事をしているときに困るのが、オンとオフの区別がつきにくいこと。作業へとスムーズに取りかかれる部屋づくりのポイントを知って、効率アップを目指してみませんか?快適さが手に入る『HUCK』の家づくりのアイデアは要チェックです。家での仕事が快適に♡オンオフ両立できる住まいづくりのコツ共働きにも便利なスペースいっぱい!エースホームが提案する住宅モデル『Canto(カント)』は、暮らしやすい工夫がたくさん!お子さんの気配を感じながら作業できるワークスペースや収容力バッチリなパントリーは憧れますね。家事がもっと快適になるアイデアを見てみましょう♪共働きに朗報!在宅ワークにも◎な、暮らしやすさがつまった家はコレ
2020年04月11日初めてのお家づくり。やりたいことや夢はあっても実際どうしたらいいか分からない。そんな方が多いのではないでしょうか?間取りや要望に固執しすぎてかえって使いにくい家になってしまった。なんて話もよく耳にします。R+houseの建築家は日当たりや風の通りはもちろん、お客様1人1人のライフスタイルをヒアリングすることで、要望を取り入れながらも使いやすく将来的な事まで考えた住宅を提案してくれます。今回ご紹介するお宅はお子様が5歳の女の子と2歳の男の子でやんちゃ盛り。剣道をやっているご主人と現在育休中の奥様の4人暮らしです。子育てに追われながらも家事をするのがとても大変!という奥様の為に建築家がどのようなお家を設計したのかご覧ください。外観は黒!ガルバリウム鋼板と木のコントラストが美しい四角い家広く、少し小高い敷地に悠然と建つ、黒いガルバリウム合板の壁で覆われたお家。軒天には天然木のレッドシダーを使い黒と木のコントラストが非常に美しいお家です。敷地面積:366.66㎡(110.91坪)1階床面積:77.01㎡(23.29坪)2階床面積:53.82㎡(16.28坪)延べ床面積:130.83㎡(39.57坪)回遊動線が連続する使いやすい間取り1階、2階とも生活動線が回遊できる設計になっているため、どこへいくにもぶつかることなく最短の距離で家事ができます。周りを見渡せるので育児をすながらの家事もラクラクです♪テーマはシンプルに使いやすく~玄関~家族用とお客様用の2つの動線を分けた2Way玄関。剣道から帰って来たご主人が、防具をしまうのに使いやすいようopenな収納にしています。玄関から入ってきたお客様からは見えにくくする、ちょっとした工夫は建築家のならではのアイデアです。~キッチン~家の中心にあるキッチン。LDKを見渡せるようにできています。正面にある窓からは天気の良い日は富士山を眺めることができるので、奥様の気持ちも安らぎながら、家族のご飯の準備にも力が入ります。建築家の先生は景観を大事にしながら設計をしてくれるのもgood!です。~LDK~LDKは小上がりの畳コーナーを含めると24.5帖と広々空間。大きな掃き出し窓からはたくさん光も入りとっても明るいリビングになっています。床材は120mm幅の天然のオーク材を使用しているので、裸足で歩いても天然木のサラッとした足触りが気持ちが良いです。~洗面~洗面はW1650mmとかなり大きめ。これは朝、洗面が取り合いになっているお施主様の為に建築家の先生が並んでも十分使えるようにと提案してくれました。お客様のライフスタイルを反映してオンリーワンの提案をしてくれるのも建築家住宅の魅力です。~openクローゼット・インナーバルコニー~2階はお客様も入らないプライベートな空間ということとフレキシブルに使いたいというお施主様の要望から、あえてopenなクローゼットにしました。将来子供部屋にする空間もお子様が小さいうちは大空間で伸び伸び遊ばせたいというお考えから、回遊できる大きなスペースを作っています。インナーバルコニーは、東と南からサンサンと太陽の光が差し込む場所に設計されています。1850mm×2730mmのインナーバルコニーはお布団や洗濯物を干すだけでなく、ちょっと景色を眺めながらお茶もできるカフェスペースとしてもお使いいただけます。~フリースペース~将来的な子供部屋は今は広く、お子様の成長に合わせて間仕切りを設けられるように設計されています。明るく、風通しも良い子供部屋ならお子様もきっと喜ぶはず。5歳のお姉ちゃんは今からピンクのお部屋にしたいと目を光らせてお話してくれました。まとめ家事と子育て。子育て世代の奥様は必ず直面する問題です。上手く両立するのはとても難しい。新しく家を建築する方の中には、とても期待している方も多いのではないでしょうか?でも自分たちだけではどうしたらどういうお家なら子育てと家事、どちらもラクなお家にできるか分からない。なんていう方は、建築のプロである建築家の先生と一緒にお家を建てるのもひとつの方法です。建築家に頼むと費用が高い!頼み方が分からない!そんな方はぜひ「R+house」にお気軽にお問い合わせください。きっとあなたの素敵なお家が見つかるはずです。リンク新築・リフォーム!お家の事ならお任せ下さい!些細なご相談やお困り事、何でもお気軽にお問合せ下さい^^お待ちしております!●R+houseさいたま東鳥海建工●●リフォーム鳥海建工●●イベント情報●●レンタルスペース●
2020年03月31日毎日を過ごす家だからこそ、家づくりの際は妥協をせずにこだわりたいですよね。でも「やっぱりこうすればよかった…」なんてお悩みもちらほら。そんな住まいのお悩みに関するアイデアを選んでみました♪これをきっかけに、毎日をさらに快適に過ごせるかもしれませんよ!ぜひ、みなさんも見逃さないようチェックしてくださいね♪家を建てたことで自分の夢も一緒に叶った!こちらの記事では美容室や写真スタジオなど、自分の夢をかなえながら家づくりも行った『店舗併用住宅』をご紹介。家から職場への移動が最小限で、子育てもしやすいと好評なんです。自分の夢も家づくりも叶えたい人は要チェックですよ♪暮らしながらお店を持とう♪サロンやスタジオなど、夢をかなえられる家自分にとっての暮らしやすさを重視したら正解だった♪仕切っている壁やドアを取っ払って平屋にしたことにより、とっても住みやすい家に!家族みんなの顔が見やすくなり、コミュニケーションがとりやすくなったようです。施主様こだわりのおしゃれな内装も必見ですよ。LDK仕切るのや〜めた!ワンフロアの平屋にしたら、便利すぎ♡“スマートなデザイン”で住む人への思いやりを感じるせっかくおしゃれな外観なのに、生活感がありすぎてちょっと残念……。そんなお悩みを解決するストレスフリーな住まいの事例です。住む人のことをとことん考えた設計が、居心地の良さを作り出してくれます♪「う〜ん…あの家、ザンネン」と言わせない!洗濯物が見えない家づくり家が傾いてる!どこに頼ったらいいの?家に長年住み続けていると地盤沈下などで、家が傾き始めてくることがあります。そんなときに、実際にどこに頼っていいのか悩みますよね。家のピンチを助けてくれる工事の専門業者のポイントを教えちゃいますよ♪家の傾きを直したい!工事の専門業者を選ぶポイントは?サブスクのおかげでエコな暮らしができちゃう♪知っている人は、すでに知っている『サブスクリプション』。なんと太陽光発電もサブスクの時代になっているんです!家にかかっている余計な経費などもカットできるかもしれませんよ♪“太陽光のサブスク”でエコかつ経済的な暮らしを手に入れましょう!【知らないと損】太陽光もサブスクの時代!所有しないメリットに納得狭い玄関を広く魅せられる工夫って?玄関はお客様にとって、一番に目にする場所です。その玄関が靴やモノで溢れて整理されていないと、狭く見えてしまいます。そんな玄関を少しの工夫でキレイにする方法があるんです!ぜひこれをきっかけに改善してみてくださいね。『狭い玄関』でも広くスッキリ!来客印象◎な工夫ペットも家族の一員だから過ごしやすい住まいにしたい!ペットと一緒に暮らすのに、ペットも飼い主もストレスなく過ごせるようにしたいですよね。こちらも記事ではわんちゃん、猫ちゃんが快適な暮らしを送れる家にするポイントをご紹介♪今よりももっとペットと楽しく暮らしていくためにぜひチェックしてみてくださいね。飼い主もストレス減!ペットと快適に過ごせる家づくりのコツ
2020年03月28日この面積で暮らせるのか保坂邸は約19㎡。建築面積ではなく延床でだ。これはさすがにとてつもなく狭いのではないか、そう思って訪れたが、室内を拝見してまず最初に「意外と大きい」と感じた。たぶん、この印象は上に大きく抜けた吹き抜けから受けたものだろう。この吹き抜けがなかったら「大きい」という印象はなかったに違いない。建築家である保坂さんでさえ、この床面積ではたして住むことができるのかとの思いをずっと抱きつつ設計を進めていたくらいなのだ。「この大きさのものは設計したことがないので実績がない。不安でしょうがなかった」という保坂さん。実は当初、2階建てでの設計を考えていたという。通勤を考えて購入した土地は横浜に建てた前の家と敷地の大きさもプロポーションも似ていた。当然ながら同じ2階建てで考えていたが、ある日、要望を出してほしいと伝えていた妻のめぐみさんからの話で変更することに。グリーンが狭い空間に潤いをもたらす。椅子の下も収納スペースに使っている。道路から室内を見る。窓の部分も収納に活用。棚はコンクリートに付けた凹みに載せているだけ。平屋でつくる「そのときちょうど読んでいた江戸時代の生活の本の話をしたんです。当時は家族4人で4畳半でも決して狭くないという生活をしていて、それがここでは2部屋以上取れる。それくらいの広さだと考えたらまったく狭くないと思ったのでその話だけをしました。そしたら保坂に“わかった”って言われて、“えーっ、わかったの?”って思ったんですけれど、そのあとは何を聞かれるわけでもなく、しばらくして出てきたが平屋の案でした」平屋案に至ったのには横浜の家とは異なる敷地条件もかかわっていた。「決定的に違うのは南北に7階建てのマンションが立っている点で、2階建てにすると床と天井の高さが近くてトップライトを開けると空よりもマンションが見えている印象が強くなってしまうんです」(保坂さん)奥にベッドが置いてありそのまた奥の外部にバスタブがある。間にキッチンがあるため、手前のテーブルのところで夜遅くまで起きていても奥で寝ている人には気にならないという。左右の壁の間の寸法はいちばん広いところで2425mm。キッチン側から道路側を見る。キッチンと奥のスペースの間には段差が設けられている。キッチンに並ぶものには料理好きのめぐみさんのこだわりが感じられる。オーディオ関係は前の家の時よりも大きなものに取り替えた。レコードはちょうどその幅の分凹ませたコンクリートの壁に立てかけられている。ポジティブに考えるとはいえ床面積は横浜の家と比べほぼ半分。「前の家でもすごくコンパクトな生活だなと思っていたのにその半分になる。ふとんのサイズは半分にならないし椅子だって半分の大きさにはならない」。しかもめぐみさんからは大きなベッドがほしい、冷蔵庫を大きくしたいという要望も出ていた。自身もオーディオ関係を大きなものに取り替えたいと思っていた。いずれの要望も厳しい敷地条件とは逆方向を向くもの。さらに、トップライトからの採光のシミュレーションをしてみると11月から2月の半ばくらいまでまったく直射光が入らないことが分かったという。しかし狭さに関しては読んでいた本から、「“やってみればできるかもね”ってポジティブになれた」し、光に関しても「北欧でも直射日光がまったく当たらない季節があるので、ある意味冬は北欧のような生活ができる」というふうにポジティブな方向に頭を切り替えた。「冬は直射光が入らないんですが、トップライトから天空光が柔らかく入るのでそれを楽しむ空間にしようと。夏は燦燦と光が入るので北欧から南国までの光の変化を楽しめるというコンセプトで行こうということになりました」天井を見上げる。トップライトは2つの円弧からできている。ぶら下がっているコンクリートの壁は南からの光を反射させてベッド上の天井を照らす。トップライトからの光が時間ごとに違う場所に光の筋をつくり出す。ベッド側から天井を見る。狭くてもなんでもある内部の設計コンセプトも狭さゆえに向かう方向とは逆の方向で基本方針を立てた。「面積からするとヴィジュアル的にも生活的にもいろいろとそぎ落とす方向に行きかねないところで古代ローマのハドリアヌス帝などが大事にしていた〈学問、入浴、演劇、音楽、美食」という5つの要素を、こういう小さな家でも大事にできるようにしよう」と。こうして露天風呂も加わった保坂邸。保坂さんは冒頭にも書いたように実際に住み始めるまで不安でしょうがなかったというが、すべて杞憂に終わりお2人とも充実した日々を過ごしているようだ。「すべてがここにあるという感じがしています。前の家ではモノをなるべくもたない生活を楽しんでいたんですが、ここではほしいものはなんでもあってそれを楽しむ生活をしている感じがします」とめぐみさん。めぐみさんは「都会で露天風呂をつくっても入らないのでは」と思ったがとても快適で2人とも毎日入っているという。大きめのシャワールームが風呂の隣のスペースにつくられている。キッチン側から奥を見る。狭いためトイレとシャワールーム以外は扉をつくらないという方針のもと、コンクリートの仕切りの間のスペースをクローゼットとしている。保坂さんもこう話す。「日本でも戦前までは多くの人が狭くても豊かに住んでいましたが、現代はそうした生活とは完全に一回切れて住宅事情というのができていて脈々と受け継がれてきたものが途絶えている気がします。でも実際にこの狭いスペースで自分が生活をしてみると、このぐらいでも住めるというかむしろ楽しく暮らせる。そして、生活で大事にしているものをすべて入れ込んでいるから密度も濃い感じがしますね」住み始めて、狭くても楽しく豊かに過ごせるだけでなく、さらにまったく予想だにしなかった楽しみも生まれているという。「引っ越してガラス戸のすぐ向こうを人が通るなんてまったくイメージもできなかったし、想像すると少し怖い感覚すらあって窓を開けられないんじゃないかとも思っていました。でも今はふつうに窓も開けていて、そうすると話しかけてくる人がいたり中には“家の中を見せて”っていう人もいるんです」(めぐみさん)。そうしたコミュニケーションが楽しく近所の方ともつながりができたという。前の家とはまた異なる楽しみを何重にも感じながら暮らしているお2人の話の端々から暮らしの充実ぶりがうかがえた。窓の上には旅行先で購入した小物などが置かれていた。コーナー部分も本の収納スペースに。反対側のコーナーにも同様に本が置かれている。コンクリート壁にいくつかニッチをつくって収納スペースにしている。奥は保坂さんがよく使うペンのペン挿し。左のコンクリートの段差はハンコや付箋などの小物を置くためにつくられたもの。家の前の道路も保坂邸の敷地。ここを近所の人たちが通勤や買い物などで通り、室内のお2人に声をかけてくる人もいるという。玄関は右の側面につくられている。保坂邸設計保坂猛建築都市設計事務所所在地東京都文京区構造RC造規模地上1階延床面積18.84㎡
2020年03月23日ペットがいると、まるで家族が一人増えたようでうれしく感じますよね♪そんな大切なペットと長く暮らしていくには、日々のお散歩やブラッシング、歯の手入れなど、しっかりこなすのが重要です。でも、完璧にやるのはちょっと大変……。そんなときにサッとケアができるスプレー『AquaX』シリーズがあると便利です!ペットの体にやさしく、しっかりお手入れできますよ♪大好きなペットのために飼い主さんができること大切なペットと気持ちよく暮らしていくためには、飼い主さんの日々のお世話が不可欠!散歩や食事などの基本的なことはもちろん、ブラッシングや歯のケア、ペット用品のお手入れなども欠かせません。飼い主さんとしては、できるだけしっかりそれぞれをこなしていきたいですよね。そんなペットと飼い主さんのために作られたスプレー、『AquaX』シリーズをご存知ですか?やさしい成分で作られている上にしっかりケアできる、とても便利なスプレーなんです♪グッズのお手入れ、ブラッシング用、お口用と種類はさまざま。それぞれの特長を見ていきましょう!スプレーして拭き取るだけ!ペットグッズを簡単除菌普段から使っている、ちょっと洗いにくいペット用品やおもちゃは『AquaXペットのおそうじスプレー』でしっかりお手入れしましょう!使い方は簡単で、気になるところにシュッとスプレーして拭くだけ。しかも洗浄するだけでなく、1本で消臭も除菌もできますよ♪アルコールや合成成分も入っていないので安心して使えます。AquaX おそうじスプレーでペット用品を簡単除菌♪なめても大丈夫。地肌にやさしいスプレーでケアペットの毛並みや皮脂などの汚れには『AquaXペットのお手入れ用スプレー』を使ってみましょう!アミノ酸を配合しているので地肌や毛並みに栄養を与えながら保護してくれます。しかもノンケミカルなので誤って舐めてしまっても安心です。使う際は、ブラッシングの前に直接ペットの体にスプレーしてください。汚れの洗浄や除菌、さらには静電気防止効果もあります。お風呂嫌いの子のお手入れや、散歩のあとに足をちょこっとお掃除するのに便利です。また、目やにのケアとして、布などにしみ込ませてやさしく拭いてあげるのもおすすめですよ。一本あるだけでとっても頼りになります♪お手入れ用スプレーで地肌や毛並みのケアをする!お口スプレーで歯と歯茎のお手入れ♪こちらはペットのお口のニオイの元となる雑菌や、歯の汚れをきれいにしてくれるスプレー!天然緑茶成分でお口のニオイを消臭することもできます。「緑茶の味はペットには渋いのでは?」と気になるかもしれませんが、薬用植物である天然甘草成分を配合しているため渋みを感じることもなくケアできちゃうんです♪こちらのスプレーも、ペットの口に入れても安心のノンケミカルです。お口のお手入れにはちょっと準備が必要なので、手順を見ていきましょう。お口のお手入れのSTEPSTEP1.ペットを落ち着かせるお手入れを始める前に抱いてリラックスさせます。ペットが落ち着くまで待ってあげてくださいね。STEP2.ガーゼを用意ガーゼや指サック等にスプレーを充分に浸み込ませてください。STEP3.やさしく丁寧にマッサージガーゼで歯茎をマッサージするように、丁寧に拭いてください。強く拭きすぎるとペットが嫌がるためやさしくケアしてくださいね。AquaX お口用スプレーでペットのお口のお手入れをする♪でもっとステキなペットライフをペットのためにケアを積み重ねることで、ストレスなく清潔に過ごせます。きれいな空間づくりをすることは、ペットも自分自身も過ごしやすい空間に近づける第一歩♪AquaXシリーズを使ってよりよいペットライフを送ってくださいね。抗菌マイスター HP
2020年02月24日子どもが動物大好き!でもさまざまな事情で、ペットを飼えないという家庭もありますよね。うちの息子も小さい頃から動物が好きで、物心ついてからの誕生日、そしてクリスマスのプレゼントはいつも「犬が欲しい!」と言い続けてきました。図書館で生きものの飼い方の絵本を借りてきては熱心に読む姿に、つい心が動かされそうになることも…。しかしながら、わが家は旅行が多いことや、私も夫も生きものを飼ったことがないので踏み切れないなど、息子がもう少し大きくなるまでペットを飼う予定はありません。昨年のクリスマス!ついに〇〇がやってきた!あきらめきれない息子が、9歳のクリスマスに選んだプレゼントは、「オムニロボット ハロー!ズーマー」でした。オムニロボットはタカラトミーが販売するエンターテインメントロボットシリーズ(対象年齢6歳以上)。こちらの話しかけに応じたり、愛情を示すと返してくれるおもちゃで、他にもいろいろな種類があります。約1万円とちょっとお値段はしますが、息子の気持ちを納得させるために購入を決めました。ずっと犬が欲しかった息子が選んだのはミニチュアダックス。これが、予想以上にかわいくて、大人の私でも家に帰ると、ついつい一定時間触れ合ってしまうほどなんです!タッチセンサーがついているので、頭や胸、お腹をなでるととても喜びます。全体は硬いプラスチック素材のロボットなのですが、しっぽと耳はふわふわなので本物の犬みたい!なでているとそれだけで癒されます。自分がつけた名前にだけ言うことを聞く息子が一番ハマっているポイントは、自分がつけた名前にだけ反応して、指示に従うことです。名前を呼ぶと「ワン!」と鳴いて目が光ります。すると、【おすわり】や【おて】【ダンス】など20種類以上の言葉を理解して動きます。また【お散歩しよう】というと一緒に歩いてくれるのも楽しいようです。私のおすすめポイントは、言語が英語も選べること。英語モードにすると、英語の指示に従って動くようになります。通じると楽しいので、息子も積極的に英語でも話しかけをしています。言うことをきかないときもありますが、「しょうがないなぁ」と言いながら、それもちょっと嬉しそうです。自分がつけた名前にだけ反応する特別感や、言うことを聞いたり、聞かなかったりするところも、本当の生きものに近い感じがして、単なるおもちゃとは違うポイントなのではないかなと思います。息子の気持ちの変化とこれから説明書をほとんど使わなくても遊べるくらい操作は簡単!子どもの感覚だけで遊べるおもちゃです。もちろん本物の犬とは違って、出かけるときにはスイッチを切るし、お世話もしなくていいので、「生きものを飼う」という感覚を学べるかは分かりません。けれど、「生きものに愛情をもって接すれば返してくれる」という喜びを息子は日々学んでいるようです。クリスマスから3か月たっても、息子の朝一番のルーティンはズーマーのスイッチを入れ、遊ぶことです。正直、1か月くらいで飽きてしまうのではないかなと思っていたのでびっくり!また、親としてもお散歩やエサをあげたりする必要がないので、お互いにストレスフリーに過ごせています。同時に、本当の犬を飼うために、親子で少しずつですが貯金を始めました。また、実際に犬を飼っているお友達のお宅にお邪魔して、お世話を体験させてもらったりもしています。今回のプレゼントは、親子で心の準備をするよい機会になったと感じています。いつか息子の希望を叶えられるように環境作りをしていこうと、ズーマーと遊ぶ息子の楽しそうな姿を見ながら、心に決めました。■「ハロー!ズーマー ミニチュアダックス」公式ページ<文・写真:ライター●●●●>
2020年02月21日公園の緑を見たい目の前に公園のある敷地をみつけて即、購入を決めたという林夫妻。「以前に住んでいたところが早大通りの並木道の緑が借景で見える場所だったので、同じように緑が見えたらいいなと思っていました」と話すのは夫の公太郎さん。設計は妻の宏美さんの友人だった山田紗子さんに依頼したが、山田さんへのリクエストのひとつは当然ながら公園の緑が見えることだった。50.6㎡とコンパクトな上に奥に細長い形状の敷地のため「家が広く見えるようにしてほしいというのもすごく言っていた気がします」と宏美さん。加えて道路側以外は隣家が迫る状況ながら「大きな開口がほしい」とも伝えたという。構造の関係で前面に大開口を設けられなかったため、インナーバルコニーをつくりその内側に大きな開口を設けた。リビングからインナーバルコニーを通して公園の緑を見る。木の素材感がほしいというのも夫妻からのリクエストだった。インナーバルコニーから公園を見る。螺旋階段の途中からリビング方向を見る。リビングの壁にはピクチャーレールが付けられている。家の真ん中の螺旋階段それらのリクエストを中心に家づくりが始められた林邸。出来上がった家には道路側の2階にインナーバルコニーが設けられて目の前の公園の緑を眺めることができる。中心部分には2階分ほどの高さのある大きな開口が設けられていて部屋の隅々にまで光を供給しているが、この開口の横につくられた螺旋階段がとても特徴的だ。ちょうどその頃同時並行的に進められていた山田さんの自邸の模型を見て「うちもこういう感じがいいかも」と伝えていたスキップフロアをこの螺旋階段がつなぎ、また壁を設けていないために階段を通して斜め方向へと視線が抜けていく。「山田さんからいちばん最初に提案をいただいたとき“ ウナギの寝床のように細長い敷地だから端に階段を置くとそのスペースが無駄になってしまう”と。さらに“この階段は廊下であり部屋であり庭でもある”という説明を聞いて、ああなるほどなと」(宏美さん)大開口から光がふんだんに注がれて明るく中庭的な存在ともなっているこの階段。宏美さんは「庭がほしかった」がこの敷地で庭をつくることは物理的に無理だと思っていたので、この“階段=庭” という考え方に思わず納得しての「なるほど」でもあったのだろう。リビングから下にDK、上に子ども部屋を見る。右の踏み板はリビングとレベルが揃い連続している。左が室内を明るく照らす大開口。子どもたちにはこの階段がテーブルにもなる。階段にはトップライトからもふんだんに光が注がれる。その下の小スペースはひとりでほっと一息つくためにつくられた場所。子ども部屋から見る。奥の上が寝室で下がリビング。階段での工夫この螺旋階段にはまた建築家の工夫がこめられている。「段をあまり細かく刻まず、踏み板の1枚1枚をなるべく広く取って各フロアの床となじませていきたかったんです。そうすると踏み板の数が減るので1段が少し高くなりますが、22cmという、ふつうにもあり得るような段差で納めています」(山田さん)ふつうの階段より1段が少し高めでまた踏み板が広いため、余裕で座ることができるし2人のお嬢さんはテーブルにするなどして子どもながらの活用もしているという。寝室には宏美さんの希望で扉を付けたが、このようにオープンにすることもできる。寝室側から子ども部屋側を見る。奥には小窓しかないがトップライトと大開口の光で十分に明るい。当初屋上をリクエストしていたが、インナーバルコニーの方が生活空間と連続していて使い勝手が良いという判断となった。家の最高レベルから子ども部屋を見下ろす。リビングが4、5畳程度と狭いがまったく狭さを感じさせないのは、階段を挟んで向こう側にある空間も一体として感じられるからだろう。この家に引っ越してきてから8カ月ほど。暮らしてみての感想を聞くと、夫妻ともに「広い」との答えが返ってきた。「リビングに座っていると上にも下にも視線が抜けるので、実際の畳数よりも広さを感じる。私の希望だった塗り壁の白い壁面が続いているので、DKまで含めてひとつの部屋のように感じられる。DKの奥の壁がリビングの壁のようにも感じられるんです」(公太郎さん)公太郎さんの希望で白の塗り壁にした。奥の広い壁面にアーティストに絵を描いてもらうことも考えているという。天井が高くて気持ちのいいDKにぶら下がっているのはトム・ディクソンがデザインした照明。リビング自体は狭いが視線が奥の壁まで抜ける上に、階段の1枚目の広い踏み板が同じレベルにあるため広く感じる。家のサイドに設けられた玄関を入ると左に水回り、右にDKがある。洗濯などの家事動線も設計では重要な課題だった。宏美さんは最後に「暮らしていて楽しい」と話してくれた。「山田さんがこの家の設計の途中で“生活をしている人たちのライフスタイルはいつまでも一定ではないので、建築家の仕事はつねにこういう生活はどうだろう、あるいは・・・と問い続ける仕事なんだ”と話したことがあって、それは私の議員という仕事とも似ている部分があって、社会が変われば当然必要なものも変わってくるので同じだなと思ったことがありました。家に関しても、子どもたちも成長していくし私たちもいろいろと変わっていく。この家はそれに合わせて変えられる余地があるようにも感じられるのがいいなあとも思っています」。「暮らしていて楽しい」という宏美さんの言葉には、そのように家族と家がともに成長変化するという将来への期待感も込められているのではないか、そのようにも感じられた。踏み板の面積があるので床が切り分けられ高さを変えて続いているようにも見える。リビングからは1階のDKの奥の壁までが同じ空間のように感じられるという。林邸設計山田紗子建築設計事務所所在地東京都新宿区構造木造規模地上3階延床面積54.8㎡
2020年02月12日東海道沿いの三角の家「ニューヨークからの帰国後、妻に“すごくいいから”と言って自分の地元の藤沢で土地を探し始めたんです」と話を始めたのは画家の乙部遊さん。「でも最近人気が出てきたせいか街が変わりすぎてしまって、あと、土地自体もピンとくるものがなかった。それで二宮ぐらいまで広げてみようかということになって探してみたら3つほどあって、建築家にも相談して国道1号沿いのこの土地がいちばんいいのではということで購入しました」江戸時代までは東海道だった国道1号から数m退いた場所に立つ乙部邸。設計は遊さんの中学の時の同級生とその友人のお2人に依頼したという。「植物が好きなので、まずは窓が多くて家の中に光がいっぱい採り込めること。それと絵を描くので壁も広くしてほしいという相反するような依頼をしました」。「壁も広く」というのは制作した作品を飾れる壁がほしかったから。「さらに、作品をつくるのでインスパイア、刺激してくれるような環境がいい、ふつうの家にはない面白味のある空間にしてほしいというのも伝えましたね」こうしたリクエストから家づくりが始まった乙部邸は断面がほぼ三角形。入口部分が少し欠き取られた形になっているが、国道1号を車で走っていても思わず目を引く外観だ。乙部邸のデザインについて、建築家の齋藤さんは「まずは“東海道で一番カッコイイ家つくろう”という話がありました。またあの屋根の勾配にすると、北側の東海道にも日が落ちて、ふつうの建て方をするよりも道路が明るくなる。平面を対角線のプラン、断面も斜め天井とすることで、“高い”“低い”と“狭い”“広い”のたすき掛け、つまり4種類の空間性がひとつの単純な住宅プランで構成できると考えた」と話す。入口の部分が欠き取られてガラス張りになっている乙部邸。目の前の1号線を車で通っても目を引く。ニューヨーク生活からの影響この「たすき掛け」した空間が内部では要望であった「インスパイアしてくれる環境」をつくり出している。2階では三角形断面の斜線の部分が壁=天井となり「ふつうの家にはない」ダイナミックな空間を生んでいる。そして、南側に開口を広く取りまた北側の白壁を切り抜いて吹き抜けから入口まで視線が抜けるつくりにしたことから面積以上の開放感を体感することができる。白い壁の部分は奥さんの京子さんと塗ったのだという。「壁は最初から塗ろうと思ってました、費用が安くなるならというので。ニューヨークのギャラリーで展覧会をやったときに壁に絵を描いたりしたんですが、そのときにも自分で塗り直したりしていたので、壁を塗ることに関して抵抗がなかったんですね」ニューヨークでは家の壁をパテで粗く塗りかつなんども塗り直す。それですごくモコモコした壁が多いのだが、そうしたニューヨークで経験した空間の影響もあり塗りムラのあるほうが逆にしっくりとくるようだ。キッチンの壁をブリックタイルにしたのもそうだという。京子さんは「ニューヨークのカフェみたいな雰囲気にしてほしいということでタイルにしてもらいました」と話す。表面がフラットなものと凹凸のあるものの2種類をうまくばらけるように張ったのもリクエストだった。2階東側から奥のキッチンを見る。遊さんが好きだという緑がとてもセンス良く配置されて空間の雰囲気をさらにコージーなものにしている。キッチン部分の壁は京子さんの希望でブリックタイルを張った。右の木の壁は遊さんが明るい色を選びシナ合板にした。存在感のあるライトはブティックで使われていたのを譲り受けたものという。2階の壁が一部切り取られていて、そこから1階と道路を見下ろすことができる。遊さんの描いたドローイングが並ぶ。道路側の壁の角度が内側へと振られているのがわかる。キッチンから見る。東に向かって空間が徐々に狭まっている。階段上部から見下ろす。玄関部分がガラスのため道路側から壁に架かる作品を見ることができる。内部からは右前方の山の緑を眺めることができる。大きく取れたギャラリー「もっと狭くて小さくなるかなと思っていたんですが、妻の理解もあって想像以上に広く取れたしすごくいいものができてよかったと思っています」と遊さんが話すのは1階のギャラリースペース。外からも見られるように白壁には乙部さんの作品が並ぶ。「ニューヨークでは展示をいろいろとやらせてもらったんですが、日本に帰ったら細々と自分のペースで作品をつくっていければいいなと思っていました。つくったものを見せる場所があったらなおいいなということでギャラリーをつくらせてもらって、自給自足というか、これがすごい良かったなと思います」。吹き抜けになっているため、ギャラリーとして見ても特徴的な空間だ。展示の際にはプライベートの部分にまで拡張ができるつくりにしている。入口近くのコーナーは遊さんがアクリル画などの制作に使う場所にもなっている。1階奥から玄関方向を見る。遊さんがアクリル作品を制作するのはこのあたり。壁の棚には絵の具などが並ぶ。玄関から土間部分に入るとギャラリースペース。真ん中に架けられている作品はこの家のオープンハウスをした際に描かれたこの家をモチーフにしたドローイング。土間から見る。遊さんと京子さん、娘の生愉(きゆ)ちゃん。手前は主寝室。このように扉を開けるとギャラリーにすることもできる。いちばん右の作品はニューヨーク・クイーンズ地区で発行されている雑誌の表紙となり、また個展を開くきっかけにもなった。遊さんはNYのバスルームがタイル張りなのが好きだったので、「タイルにしたい」とリクエストした。洗面所の左手がトイレ、向かいが浴室で水回りがこの場所にまとまっている。「ふつうにはない、変わった家ですが、ほんとにいいものをつくってもらったという気がします」と遊さん。暮らし始めてまだ間もないが夫妻ともにリビングの開放感が気に入っているという。視線が2方向に視線が抜けるうえに天井も高い。「斜めのパースが効いている空間だからかそんなに狭い感じもしない」と画家らしいコメントをしてくれた。「プランを見たときは狭めに感じたのでパーティをやるときとか大丈夫かなと。でも住んでみると狭い感じがしないし、パーティをしたときも問題なかったしみんなが“空間がいいね”って言ってくれて」遊さんの好きな緑もとてもいい感じで配置された2階は、「ふつうの家にはない」空間ながらとてもコージーで快適な生活ができそうな印象を強く受けた。屋根・壁・床のすべてを105角のベイマツで構成することなどによりそれらの厚みを抑え、その分居住スペースを広く取った。乙部邸設計齋藤隆太郎/DOG+井手駿/日建ハウジングシステム(協働設計)所在地神奈川県中郡二宮町構造木造規模地上2階延床面積87.23㎡
2020年01月27日みなさん、ペットは飼っていますか?筆者は現在、猫3頭、魚10匹と同居しています。ペットって飼い主にとっては癒しだし、一緒に暮らすことで学べる事柄もたくさんありますよね。さて、そんなペットの中には、育てるだけで運気をアップしてくれる動物もいるようです。今回は、どういったペットがそういう幸運を運んでくれるのか、代表的な例を紹介したいと思います。■犬と暮らすとメリットたくさん!まずは愛好家も多い、犬について書いていきましょう。犬は古来から人間のパートナーですが、この犬を大切に育てることで、全体的な運気が上向くとされています。仕事運・健康運・家内安全…得られるメリットはさまざまです。ですから、犬と暮らすことは、運気的にはかなりプラスであると考えていいでしょう。一方で、筆者も大好きな猫は扱いが難しく、屋外と室内を行き来させるスタイルは運気を悪くすると言います。猫を飼う場合は安全に育てる意味でも、完全室内飼育が鉄則ということですね。■金魚こそ金運の象徴!昔から、財運をアップさせたい場合は金魚を育てるのが効果的と言われています。風水でもおなじみですね。ポイントは本格的な設備で育てること。きれいな水で暮らしてもらって、金魚は初めて財運をもたらします。ろ過装置もバッチリで、十分なサイズの水槽を用意することが第一歩。安直に金魚鉢で育てると、逆に財運は遠のいてしまうかもしれません。ひとつ実例を挙げましょう。以前、筆者は安価な水槽で金魚を育てていました。たまたまかもしれませんが、その頃は金欠続きで、ろくに好きなものも食べられませんでした。あるとき、確定申告分の還付金で大きな水槽を購入し、金魚を引っ越しさせたところ、瞬く間に……というほどではありませんが、徐々にお金が入ってくるようになりました。ちょっとの出費でかなりマシになったわけで、「もっと早く大きな水槽を買ってあげればお互い幸せだったなぁ」と反省しています。■恋愛運をアップさせるペットそれから、恋愛運を上げせたい人が飼うといいとされているのがネズミです。ネズミは多産の象徴として、昔から子孫繁栄のシンボルでした。そのような動物なので、大事に育てることで恩寵にあずかれるという謂れがあるんですね。たとえばハムスターやデグーはペット用に広く流通しています。そういう動物を育てることで、癒されつつ恋愛運をマシマシにすることも可能とされています。信じる者は救われるのです。そういえば、筆者の周囲にはハムスターを飼っている女性が何人かいますが、みんな彼氏持ちですね。これも何か関係があるのかもしれません。■ペットと暮らすなら愛情を注ぐべしもちろん、ただペットを飼えばいい、というわけではありません。大事なのは、しっかりお世話をすること。愛情を注ぐことです。そして何より、清潔に飼育しなければなりません。そうでなければ、飼育スペースが不衛生になり、いい気も逃げてしまうのだとか。まあ、それは差し置いて、ペットが嫌な気分になるような飼育方法は虐待にあたるので、不衛生な飼育しかできないのであれば手を出すべきじゃないということですね。動物と暮らすには、最後まで絶対に面倒を見るという決意が欠かせません。
2020年01月26日保育園に通う1歳の息子を夕方6時にお迎えに行くわが家。仕事が終わってホッとするのも束の間、ここからが超多忙です。特に大変だったのが夕飯づくり。泣く息子を抱っこしながら料理をすることもしばしばでした。今回は、そんな忙しい夕飯づくりを乗り切るために、私が工夫したポイントをお伝えします。 夕飯の下ごしらえは前日の夜に済ませる!夕方は1日保育園で過ごした息子が帰ってきます。「ママに甘えたい」「おなかがすいている」などの理由でとにかく機嫌が悪いことが多かったので、なるべく早く料理を作ることが先決でした。 そこで、前日に次の日の料理の下ごしらえを済ませておくことに! カレーを作るときは材料を切った状態で冷蔵庫に入れておきます。そうすると料理時間が短縮されて、私自身の気持ちにも余裕が生まれました。 スーパーの買い物は週末にまとめて!仕事帰りに子どもを連れての買い物は大変! 特に機嫌が悪いと、思うように買い物ができないこともあります。 そこで私は仕事が休みの日に買い物を済ませるようにしました。基本は週に1回のまとめ買いです。日持ちしない豆腐や野菜などは必要に応じて買い足しますが、まとめ買いをしておくことと時短になるだけでなく節約にもなって一石二鳥でした。 料理中に欠かせない、子どものお守りを用意!料理中、子どもを抱っこをしたたまま料理をするママも多いのではないでしょうか? そんなときに役立ったのが「おもちゃ」でした。子どもは目新しいおもちゃに興味津々! とは言っても、たびたび新しいおもちゃを買うわけにもいきませんよね。 そこで意識したのが、部屋に置いているおもちゃの半分を普段は隠しておくことです。隠していたおもちゃを料理の際に取り出すと、新鮮な気持ちで遊んでくれました。子どもが遊びに夢中になっているうちに料理ができるとラクチンですよね。 思い返せば、この忙しさに翻弄(ほんろう)されていた時期は「完璧に育児をこなそう」としていた自分もいました。ご紹介したような工夫も大切ですが、完璧でいる必要はありません。完璧でいようとするほど大変なので、工夫はしつつもたまには手を抜くことも忘れずにいたいですね。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2019年12月19日落ち着ける家を作りたい著名な写真家の夫と、夫の事務所スタッフでもある妻、そして愛犬のルルちゃんの、2人と1匹が暮らす鎌倉・極楽寺の住まいは、周囲を緑に囲まれたとても静かな場所にある。「祖父の家が鎌倉にあり、この家に越す前は同じ鎌倉の浄妙寺に住んでいましたので、住まいはやはり鎌倉で探していました」写真家は御殿場にスタジオを構えている。その仕事場は有名な建築家が腕をふるった設計ということもあり、自宅はゆっくりと過ごせる落ち着ける空間にしたいと考えていたそう。その話を知人にしたところ、建築家の宮田一彦(宮田一彦アトリエ)さんをご紹介いただいたのだとか。「宮田先生にぜひ中古物件をリノベーションしていただきたいと考えていたのですが、なかなか物件が見つからず、頭を新築に切り替えてようやく作ることができたのがこの家です。ここは車もほとんど通らない奥まった場所なのですが、さらに旗竿敷地ということもあってとても静かです。朝は鳥の声で目覚めるのがとても気持ち良いです」ちなみに、元の地主さんはアーティストに土地を譲りたいという希望があったそうで、格安で譲り受けたのだとか。こういうことが起きるのも鎌倉という土地柄ならではかもしれない。障子越しの柔らかな光が美しい。リノベーションを得意とする宮田一彦さんが手掛ける新築物件は、構造体をなるべく見せるように設計されている。ソファとダイニングチェアはハンス・ウェグナー。ぶ厚い天板のガッシリとしたダイニングテーブルはTRUCK FURNITURE。等間隔の壁の間柱が美しい。間柱にかけた額装は、モリソン小林の彫刻作品。天井や壁のリズミカルな構造体が美しい。手前は薪も使えるペレットストーブ。「311の際の鎌倉の計画停電を経験し、なるべく電気に頼らない自然エネルギーで暖をとれるようにしておきたいと思いました」リビングから玄関への目線。裸電球の連なりが美しい。そして、天井付近のモルタルの塊がアクセントに。ここは上階の書斎の部分にあたる。そして天窓から明かりを効率的に取り入れている。タイル張りのキッチン。天板はステンレス。「プロパンガスを使う地域なので、コンロはIHにしました」ダイニングテーブルの上のアンティークの照明は、フィリップス社のインダストリアルなランプシェード。ガラス作家の安土草多のランプシェード。「若い作家さんの作品です。以前から気になっていたのですが、照明器具を探していた時にちょうど鎌倉で展示会をしていて、縁を感じて購入しました」テーマは“新築に見えない家”「階段を登れない犬と同じ部屋で寝たかったので寝室は2階ではなく1階に、そして書斎は2階へという間取りの希望だけお伝えして、設計はほぼほぼ宮田先生にお任せしました。悩んだことといえば、壁は縦の間柱を見せるのか漆喰の白い壁にするかだったのですが、”新築に見えない家”というテーマに沿って、間柱案に決めました」照明器具にはこだわったのだそう。「リビングに裸電球を吊るしたのは初めてだと工務店の方に言われました(笑)。電球にもこだわりました。実験として実際に旧来の電球とLEDを使い比べて、LEDを選択しました。LEDは食わず嫌いだったのですが最近はかなりよいものが出ているんですね」壁一面の本棚。その横にLINNやJBLスピーカー、そしてコロンビアのSP盤を聴けるレコードプレイヤーが柔らかな気持ちの落ち着く音を奏でる。仕事で使うカメラは事務所にあるが、湿気に強いブリキ缶の中に除湿剤とともに趣味のカメラが収められている。「このブリキ缶は無印良品のものです。以前から持っていた棚に偶然ピッタリと収まりました」書斎のデスクはアーロンチェア。ブラインド越しの光が美しい。2階の廊下。建具は古いものを使っている。左上の窓は星見櫓の出入り口。「柵のない星見櫓を作っていただきました。この辺りは夜は真っ暗になるので、星を見れたら綺麗だろうな、と」階段の目線の先にメープルソープのリトグラフを飾る。手すりは無骨な異形鉄筋。経年変化が味になる自然素材を使う2階には、見晴らしの良い星見櫓と、書斎を作った。「家を作る前は、自分の部屋を持つのであれば、今の4倍くらいの広さの部屋があったらよいなと想像していました。しかしできあがったこの部屋はとても居心地がよく、これはこれで悪くないと思っています」この家には今年の2月に越してきたのだそう。「住んで1年経っていない新築の家にはまだ照れがありますが、経年変化が味になるような自然素材を使っていただいていますので、だんだんと自分の家らしく馴染んでいくだろうと期待しています。どんなふうに味が出てくるのか、楽しみにしています」L字のアプローチに物語が感じられる。旗竿敷地は演出次第で特別な気持ちよさを設えることができる。「玄関の大きな沓脱石は、工務店の社長さんが探してきてくださいました」トイレと洗面台の間はコンクリートブロックで仕切った。洗面台の下の扉はガラスの引き戸にしている。【建築家データ】設計宮田一彦(宮田一彦アトリエ)所在地神奈川県鎌倉市構造木造規模地上2階
2019年11月27日正面にスチールの骨組みと緑山田邸を訪れてまず目を引くのは、その外構部分だ。スチールで組み上げられた骨組みに階段が組み込まれ、それらの間から緑が顔を出す。そしてその背後にある住居部分が半ば隠れていてその全体像をつかむことができない。設計したのはこの家に住む建築家の山田紗子(すずこ)さん。この家は夫と息子、そして自らの両親とともに暮らす住まいとしてつくられたものだ。「環境さえつくれば家はどんな感じであってもある程度いいものになるのではないかと楽観的に考えました。なので、その環境の部分――外構というか庭というか――をいかにつくるか、そして家のほうはそれに向かっていかに生活できるようにするかが出発点となりました」と話す。「適度に都市と細かくつながりながら見え隠れしているようなあり方が面白いのではと思った」(紗子さん)。玄関周りの外壁面を正面から見る。2つのテラスを結ぶ階段がダイナミックに宙を飛ぶ。そして「土地の広さが109㎡ほどなので、その半分は庭にしないとそのようにはならないだろう」と、まずは敷地の半分程度を庭にあてて残りを住居のために使うことに。外構部分のテラスと階段についてはこう説明する。「住居部分のボリュームスタディを進める中で、地上3層プラス半地下にすることでようやく求められている居住空間を収めることができたのですが、その3層に対してどのように緑を配置しても、上の方のレベルでは庭にアクセスできない。それでは外構が借景のような感じになってしまうので、テラスを張り出して、さらにそのテラスに行くための階段をつくろうということになりました」反時計回りに階段が地上の1層目につくられた書斎の前のテラスを経て最上層へのテラスへと至る。外構部分の緑とスチールがプライバシーを守るバッファ的な役割も担っている。階段がぐるりと円弧を描いて最上層のテラスへと至る。地上1層目につくられたテラスから最上層のテラスの方向を見る。最上層に設けられた寝室とテラス。このテラスは夫のマサシさんのお気に入りの場所。マサシさんは「緑に水をあげたりなどの手間はかかありますが、気持ちのいい生活の場がそういうものをぜんぶ押しのけている」と話す。自由な空間スチールの骨組みと緑が無造作に混在しているように見える前庭を横切って内部に入ると、こちらもまた庭に劣らぬおおらかな自由さのようなものが横溢した空間が現れる。この自由さの印象は、表層部分をきれいに仕上げてソフィスティケートされた空気感をつくり上げるのではなく、その真逆を行くような、素材の即物的ともいえる扱い方や一見無頓着そうにみえる素材の混在のありようなどから受けたのだが、紗子さんが設計しながら考えていたのは次のようなことだったという。「あまり計画的にきれいにゴールを決めてしまうよりも、生活の中で必要だと思ったことや欲求にたいしてぱっと動けるような設計のアイデアを考えて積み上げていくほうが面白いし、永続的に使っていける家にもなるのではないかというイメージがありました。またある意味、即物的にやっていくほうが、住みながら住まいと住んでいる人が対話しているような部分も生まれるし、建築自体も変わっていって、住んでいる人もまたそれにかかわることができるのではないかと」室内に“外部”が入ってくるような感覚をつくり出すべく、主寝室の壁に外壁と同じガルバリウム鋼板を使用した。ダイニングとキッチンを見る。天井は骨組みだけでなく配線なども表に出して視覚的にわかるようにしている。外を見ながら料理ができるキッチン。この配置は家族皆で料理ができるようにするためのものでもあった。即物的なあり方とモノの混在即物的ともいえる扱いには「モノとモノがどう組み合わさってつくられているのかがわかるにほうがいい」という紗子さんの考え方も反映している。「建物の骨組みがつねに見えているほうが、何によって囲われていて何によって守られているのかが体感できて特に子どもにとってはいいのではないか」。この考えは2011年の震災の体験も踏まえてのものだという。「震災の時に見えないものに対する恐怖みたいなものを強く感じて、自分を支えているものがいったいなんなのか、どこからきているのかがわからない現代の生活に対して、もうちょっと可視化していけないかと」一見無頓着な素材の混在については「基本的に外も中もモノがなるべくバラバラに混在しつつ一個に成り立っているような状態をつくりたかった」と話す。たとえば階段の手すりが左右同じ素材だと、一個にまとまりすぎてボックスのように確固とした存在になってしまう。そう見えないように、なるべくモノがただそこに集まってきて、結果的に階段になっているくらいの存在感であってほしいという思いがあったという。左は高さ4mあるスチールの開き戸を開けた状態。今夏の朝と夜はだいたいこのように開けていたという。「朝と夜、25度くらいに下がった時にこのドアを開けると家の暖気がぜんぶ逃げていってすごく涼しかった」(紗子さん)という。リビングを見下ろす。階段の手すりにスチールパイプを使ったのには「なるべく外の風景とつながるように」との思いもあった。即物的にモノとモノがただ組み合わさって出来上がっている状態をつくるべく現場に通って直接職人さんと話し合ったという。ドアの前に斜材設計に関して夫のマサシさんからのリクエストはほぼゼロだったというが、マサシさんは「ドアの前に木材が斜めに入ると聞いて、そこは“ホントに?”と思った」という。しかし「実際住んでみると些細な問題で、ドアの前に木の斜材が入っていても生活にはなんの支障もない」と話す。。さらにこの家では「場所の区別がないかもしれない」とも。「場所がすべてひとつながりになっているような感じで、かつ個室が互い違いに置かれているので、家全体に家族の気配が下から上まで感じられるようになっている」このように語るマサシさんのお気に入りは最上層の寝室前に設けられたテラスだ。「あのテラスで椅子に座ってお茶飲んだりとか、ヨガマットを敷いて本を読んだりして」適度に外のざわめきを感じながら過ごすのがいいという。リビングでくつろぐ山田さん夫妻と息子さん。奥の書斎前に座っているのは紗子さんのお母様。山田邸は2世帯住宅だが、もともと一緒に暮らしていたため、「2世帯」であることは設計時には特にテーマとはならなかったという。リビングの奥から見る。玄関から見上げるとダイナミックな風景が目に入る。リビング方向を見る。左は開き戸を開けた状態。開けることで中を外へとぐっと誘導するような空間の質が生まれる。玄関部分を見下ろす。半地下につくられた紗子さんの事務所。手前は設計途中につくられたこの家の模型。事務所側から玄関と紗子さんのお父様の寝室を見る。原始の生活?「人が自由になれるきっかけみたいなものが家の中にあるだけでいい」とも住宅設計の理想を語る紗子さんの好きな場所は地上の1層目につくられたリビング。「設計中からたぶんここがいちばん気に入るだろうと思っていたんですが、その通りになりました。ダイニングは木のいちばん上のような場所にいてパーンと外に開け放たれた感覚がありますが、リビングのほうは少し森の中にいるような空気感で、適度な暗さもあって居心地がいいですね」ソフィスティケートされた空間を追求しがちな現代住居とは反対方向を向いているように思える山田邸での生活は「原始の、自然の中での暮らしの感覚に近いのかもしれない」とふと思い至ったが、この家の自由さのようなものをはらんだ居心地の良さからそのように思えたのかもしれない。紗子さんお気に入りのリビングスペース。2、3年後に緑のボリュームが増えるとさらに森の中にいるような空気感が増すだろう。山田邸設計山田紗子建築設計事務所所在地東京都世田谷区構造木造規模地上2階+地下1階延床面積138.5㎡
2019年11月13日革とモノづくりの祭典「浅草エーラウンド 2019秋」が、2019年10月18日(金)から20日(日)まで、東京の浅草・奥浅草エリアで開催される。革とモノづくりの街“奥浅草”を楽しむイベント「奥渋谷」や「奥代官山」など主要駅から少し離れたエリアが人気を博しているが、「奥浅草」も注目を集めているエリアの1つ。観光地・浅草の奥座敷であり、明治維新以降およそ150年の間、日本の皮革産業の中心地であり続ける街だ。「浅草エーラウンド」は、そんな奥浅草の魅力を、革靴工場や革卸問屋などの専門店、街の飲食店、雑貨店などを巡ることで体感できるイベント。2013年の初開催以来11回目となる今回は、約100店舗の専門店・飲食店が参加し、今なお革靴の生産出荷額日本一を誇る奥浅草エリアの魅力を伝える。見どころ1:革小物から下町グルメまで「エーラウンド・マーケット」イベントのメインとなるのは、「エーラウンド・マーケット」と「マテリアル・ギャラリー」の2つの特設会場。隅田川を臨む山谷堀広場に29組のブースが出店する「エーラウンド・マーケット」では、革小物や革靴の販売などを行う。もんじゃコロッケやメンチバーガー、タピオカドリンク、浅草橋産クラフトビールなどの下町グルメが味わえるのも魅力的。映画『ハイヒール〜こだわりが生んだおとぎ話』『ゴーストニューヨークの幻』を野外鑑賞したり、地元の学生によるバンド演奏やダンスを楽しむこともできる。見どころ2:プロ仕様の革素材を吟味「マテリアル・ギャラリー」浅草駅近くの隅田公園リバーサイドギャラリーに設置する「マテリアル・ギャラリー」には、革・資材問屋12社など計24店舗が集結。厳選した革素材を中心に、革製品や道具を展示販売する。通常は小売りを行っていないエリアの問屋や工房も出店するため、プロ仕様の素材をじっくり吟味することができる。見どころ3:見学ツアーやワークショップその他、モノづくりの現場をガイド付きで巡る人気企画「浅草エーラウンド 公式まち歩きツアー」として、紳士靴メーカー「スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)の革靴ができるまで」ツアーや、デザイナーと行く「和菓子づくり体験」とモノづくりの街ツアーも実施。「革から選べるモカシン靴づくり」や「革のバッグづくり」といったワークショップも、イベント内各所で体験することができる。【詳細】革とモノづくりの祭典「浅草エーラウンド 2019秋」(Asakusa A-ROUND 2019Autumn)開催日時:2019年10月18日(金)・19日(土)・20日(日) 10:00〜18:00(最終日のみ17:00まで)※エーラウンド・マーケットの開催時間18日(金)12:00〜18:00・19日(土)10:00〜19:00・20日(日)10:00〜17:00開催場所:浅草・奥浅草エリア(台東区北部の隅田川西側、浅草国際通り〜言問通り〜明治通り一帯)(1)マテリアル・ギャラリー、インフォメーションデスク場所:隅田公園リバーサイドギャラリー(東京都台東区花川戸1-1)(2)エーラウンド・マーケット場所:山谷堀広場(東京都台東区浅草7-1-22 隅田公園内)(3)浅草ものづくり工房 ※施設公開を同時開催場所:東京都台東区橋場1-36-2 台東区産業研修センター内【問い合わせ先】エーラウンド実行委員会事務局TEL:03-3873-6564
2019年10月12日ペットたちのお散歩中の水分補給、みなさんはどのように行っていますか?今回は〔フライングタイガーコペンハーゲン〕で見つけた、かわいい《ペット用ウォーターボトル》をご紹介します。サッと使えてすぐに水分補給ができますよ♪カラビナつきで持ち運びも簡単《ペット用ウォーターボトル》●価格:300円(税別)●容量:250ml今回ご紹介するのはこちらの《ペット用ウォーターボトル》。淡くやさしい色味と、ダイヤ柄がオシャレでかわいいです♪店頭にはブルーの他にピンク色のものもありましたよ。ボトルにお水を入れ、キャップを締めたら準備完了!一緒にお散歩に出かけましょう♪カラビナがついているので、ベルトループやカバンなどに引っかけて持ち運びができます。こうしてぶら下げておけば、ボトルが傾いてお水がこぼれてしまう確率も下がりそうです。お水を飲むときは、まずこのようにボトルを立てます。このとき水が少しこぼれることがあるので注意してください。ボトルを立てたら、キャップを緩めます。すると、キャップの穴から水がトクトクと流れ出てきますよ。これでペットもお外ですぐに水分補給することができますね♪安定感はないので地面には置かず、飼い主さんがボトルをしっかり持っていてあげてください。お散歩中の水分補給もスマートに♪今回は〔フライングタイガー〕で手に入る《ペット用ウォーターボトル》をご紹介しました。オシャレで便利なウォーターボトルが300円(税別)とお手頃価格で手に入るので、気になった方はぜひ店頭でチェックしてみてくださいね♪【セリア】100円ショップで手に入る!ペットのことを考えたフードボウルと給水器がすごい
2019年09月05日家で過ごす時間がなんだか落ち着かない……と思っていませんか。『ミニマリストな暮らし方』(すばる舎)では、スッキリ快適に暮らしている人気インスタグラマーさんの暮らしを垣間見ることができます。ここでは、書籍の中から「家が大好き」という、むすびさん(@0omusubi2)のページをご紹介します。※この文章は、書籍『ミニマリストな暮らし方』(すばる舎)の内容から一部抜粋、編集したものです。家にいるのが一番好きと言えるお部屋づくりむすび(@Oomusubi2)さんは、旦那さんとお子さんの3人暮らし。2LDKのおうちに住んでいます。たくさんモノの溢れたお宅にお邪魔する機会があり「自分もいつかこうなってしまうのでは……?」と危機感を持ったのが、モノと向き合うきっかけになったのだそう。娘さんと家にいる時間が多いので、快適で安全な空間になるように床にはモノを置かないように心がけているそうです。むすびさんは家にいる時間が一番好きなのだとか。そんなむすびさんのお部屋づくりのコツを見ていきましょう!カラーボックスをうまく使うリビング横の洋室に置いたカラーボックスには、娘さんの洋服とむすびさんのバッグを収納。3、4年前は、自分の服やバッグで溢れ、パンパンの状態だったそう。定期的にモノを仕分けして、整理するようにしてからスッキリしたそうですよ。おもちゃは1軍と2軍に分けて子どものおもちゃは1軍と2軍に分けて、1軍はリビングのテレビ周辺に、2軍は寝室に収納。1軍はリビングのテレビ周辺に、2軍は寝室に収納。定期的に1軍と2軍を入れ替え。誕生日やクリスマス以外はおもちゃを買わず、代わりに牛乳パックやお菓子の箱で手作りしているそう!見えないところは出費を抑えた収納でマットレスは、使うとき以外は和室の押入れに収納。アイテムを白で揃えると、押し入れの中もスッキリ見えるのだとか。見えない収納に高いお金を使わず、クローゼット内に置く収納ボックスは、100均で買って出費をおさえているのだそうです。マットレスの干し方にも工夫天気の良い日に窓を開けて、マットを部屋の中でN字に立てかけて干しているそう。N字のマットを迷路みたいに倒さず通り抜ける遊びに、娘さんがはまっているのだとか!その様子を思い浮かべると、ほっこりしますね。家が大好きになるような暮らしを1歳になる娘さんがいるため、安全に考慮した上で、床にモノを置かない生活をしているむすびさん。読者の方にも同じような暮らしをしていたはずなのに、いつのまにかモノが増えてなんだか落ち着かない……と思っている方も多いのではないでしょうか。部屋作りに悩んでいる人は、ぜひ『ミニマリストな暮らし方』を手にとってみてください。きっと、暮らしのヒントが見つかりますよ。
2019年08月24日〔セリア〕でお買い物をしていると、ペットたちのお食事に使える気になるグッズを発見。ただかわいいだけでなく、しっかりペットのことを考えられたグッズが100円ショップで手に入るなんて、驚きですよね。さっそくチェックしていきましょう!ラクな姿勢で食べやすい《フードボウル10.3cm》●サイズ:直径15.7×高さ10.3cm●適応内寸サイズ:直径10.9×高さ3.8cmまずご紹介するのはこちらの《フードボウル10.3cm》。従来品は高さが6.3cmほどなのに対して、こちらの高さは10.3cm。高さがあるから、かがまずにラクな姿勢で食事ができるんです。ラクな姿勢で食べられることで、一気食いによる逆流や嘔吐を軽減できるんだとか。また、取っ手がついているので持ち運びも便利ですよ♪ペットにも飼い主にもうれしい工夫が施されていますね。自然な力で自動給水できる《ペット室内用自動給水器》●サイズ:17.5×27×6cmつづいてご紹介するのは《ペット室内用自動給水器》。市販のペットボトル(口径28mm)の空きボトルを使えば、自動で給水してくれるスグレモノなんです。使い方は簡単。まずペットボトルのキャップについているリングを外しておきます。本体を逆さにして、キャップをつけるようにひねって締めます。固くなるところがあるので、そこで止めましょう。水がこぼれないように表に返すと、ペットボトルの中に入っていた水がトクトクと流れ出てきました。そして流れた水がペットボトルの口の表面まで到達すると、自然と流れがストップ。あとは飲んだ分だけボトル内に残っている水が給水されていきます。ペットボトルは1.5Lまで対応と記載がありましたが、元気でよく走り回る子の場合はぶつかってペットボトルが倒れることもあるかもしれないので、少なめの量の方がいいかなと思いました。快適な食事をペットにも!今回は〔セリア〕で販売されている、ペットの食事に便利なグッズを2点ご紹介しました。100円ショップでこのように工夫を凝らした商品を手に入れられるのはうれしいですね。ちなみに、商品についているロゴはシールでついていたので、剥がすことも可能でしたよ。ペットを飼われている方はぜひチェックしてみてくださいね!
2019年08月18日リビングを外につくる中央線文化がいいと思って沿線で土地を探したという高橋さん。ゼネコンに勤務しながら“座二郎”というペンネームで漫画家としても活動している。高橋さんが「中央線の北側で西武線との間」で見つけたのは「安くて小さい土地」だった。「最初は既存の古家をリニューアルしようと思っていたんですが、容積率が6割くらいオーバーしていてローンが下りなかった。では新築しようとなったんですが、容積率・建ぺい率通りに建てるとあまりにも狭くなってしまう。それで、半分冗談でリビングを外にして“こんなふうにすればつくれるけど”って絵を描いたら、奥さんが乗り気になってしまって」コンパクトな敷地に立つ高橋邸。2階の窓を通して中を覗いてみない限り、内部のつくりはうかがいしれない。その案は中庭部分をリビングにして大きく取り、かつ豊かな空間にして、残りはなるべくコンパクトに収めるというものだった。「その一番最初の絵には、道路側に奥行きの浅い収納をつくってその中にテレビとかを収めている様がすでに描きこまれていました。リビングの機能はとにかくこの中庭側にぜんぶ収めるという考え方で、ピアノとかテレビや本棚といった、リビングをリビングたらしめるものはこの収納に入れていましたね。これでたぶんこの家は面白くなると思いました」2階から外部につくられたリビングを見る。左にダイニングキッチン。2階からリビングを見る。左手が道路側で、1階の左手奥の部分が玄関。外部にも収納がつくられている。玄関近くからリビングを見る。床は予算の関係で土間にしたができればタイルを敷きたかったという。1年を通してリビングとして使用するため床下暖房にすることにはこだわった。ダイニングキッチン側からリビングを見る。正面と右手に収納がつくられている。奥行きの浅い収納はガラス戸になっているためどこかウインドウディスプレイの趣も。この時代の暮らしの“標本”の陳列ケースのようにも見える。天井代わりに布をかけるこの中庭=リビングに立って見上げると白い布が天井代わりにかけられているが、これをたたんでしまえば空が直接目に入ってくる。この気持ち良さは格別のもので、天窓レベルでは味わえないインパクトがある。天井代わりに布を張るというこのアイデアは高橋さん一家がキャンプ好きであることも関係があるようだ。「家族でキャンプによく行くんですが、タープを張るのがすごく好きなんです。それで家でタープを張ったら面白いだろうなとずっと思っていました」。とても原始的・簡易なつくりで、日除けになりかつ風通しもあるという点が好きなのだとも。リビングから上を見上げると屋根がなく空を直接望むことができる。キャンプのタープのように日差しと雨を防ぐための布を梁の後ろに収納。屋根代わりの布を張るロープや金具などの道具は高橋さんが購入して据え付けた。屋根代わりの布を収納するとリビングの空気感が一変する。リビングにいながらにして空を直接眺められる気持ちの良さはキャンプで味わう戸外の気持ちの良さと通ずる。「これだけ開口が広く取れると戸外の気持ち良さを満喫できるので、この家ができてからキャンプに行く気が起きないんですよ。なぜわざわざそんな過酷な環境のところにまで出掛けて行かないといけないのかと(笑)」「外部につくられたリビング」ということでは暑さ、寒さが大丈夫なのか気になるところだが、「真冬は夜風が吹いたりするとちょっときついですが、陽が射している昼間は結構過ごしやすい」という。また「夏は上に布を張ってエアコンをかければリビングでもまったく暑くない」とのこと。リビングとダイニングキッチンが違和感なく連続・一体化しているが、片方が屋外でもう片方が屋内であることから他では味わえない不思議な感覚をおぼえる。階段からダイニングキッチンを見る。インテリアの色は奥さんのみのりさんが担当。徐々に高橋さん/座二郎の漫画の世界の色に近づいていったという。ダイニングキッチン(左)とリビング。浴室からリビング空間のほうを見る。漫画の世界と通ずる空間高橋さんが日頃の設計業務で扱う建物はRCと鉄骨ばかりで木造の経験がなかったため、この家の設計では学生時代からの友人で建築家の鈴木理考さんに相談に乗ってもらうことに。「木造については予算の組み方からまったくわからなかったので相談させてもらって、実施設計と確認申請をお願いしました」その鈴木さんが言うにはこの住宅自体が高橋さん/座二郎の漫画の世界に通ずるものがあるという。予算の都合で実現はできなかったが、初期案での中庭=リビングの周りを収納がめぐるつくりはまさしくモノが充満した座二郎の漫画の世界をほうふつとさせる。高橋さん自身も「モノがたくさん陳列されている感じがとても好きでそこにはけっこうこだわりましたね。色をたくさん使おうというのも決めていて、インテリアデザインをしている奥さんに色をたくさん使ってくれと頼みました」2階のコーナー部分は高橋さんがアクリル絵の具を使った作業の際に使う。収納部分にはライン照明が仕込まれていて、夜には奥の壁の色がボワーっと浮かび上がる。地下鉄の東西線をイメージしてつくった作品。タバコのハイライトの包み紙を使っている。高橋さんがつくった年賀状。2017年と2018年のもの。2018年のほうにはすでにこの家の初期のイメージが描かれている1畳程度の高橋さんの仕事部屋。中の棚は自分で製作した。ピンクの扉は紙をコラージュした上に色を塗っている。コンパクトな住宅ならではの工夫。トイレの扉を手前側まで引くと階段部分と仕切る間仕切りになる。扉の表側は黒く塗られた上に紙がコラージュされている。美しくデザインされた階段。鈴木さんの腕が振るわれた部分のひとつ。空は直接見えるが家具をガラスを通して見るという逆転現象が不思議な感覚を生んでいる。玄関近くの収納前につるされた緑。緑はこれから増やしていきたいという。非日常が家の中にこの家に住み始めてから5カ月ほど。屋根代わりの布を固定するロープや金具もいろいろ試して工夫をしているという。「ロープを止めておく道具はヨット用品です。ロープをぎゅっと押し込むとそれ以上引っ張っても動かないというもので、キャンプ用品と組み合わせて使っています」お子さんは最初屋根のない家には大反対だったが、今ではそれが嘘のように楽しみながら暮らしているようだ。「この家は子どもは楽しいところが一杯あるので。走っても楽しいし、なんでそんなに取り合うんだろうと思うくらいハンモックでよく遊んでいますね」。日差しが直接入り込む環境でのハンモックはまた楽しさ倍増だろう。奥さんは「外でくつろぐことは他の人にとっては非日常ですが、それが家の中でできるから楽しい」と話す。天気予報をいつも確認していないといけないし、布が帆のようにバタバタ揺れるから船のようでもあると話す高橋さん。「もう普通のマンションには暮らせないですね」と問いかけると笑いととともに「暮らせないですよ!」という返事が返ってきた。高橋邸設計鈴木理考建築都市事務所+座二郎所在地東京都杉並区構造木造規模地上2階延床面積57㎡
2019年08月14日ペットたちの“裏側の日常”をユーモラスに描いた『ペット』のシリーズ最新作『ペット2』。この度、様々な個性豊かな動物たちが登場する本作から、いつもはクールなツンデレネコ・クロエの本編映像がシネマカフェに到着した。「バナナマン」や沢城みゆき、中尾隆聖、宮野真守、梶裕貴ら前作からのキャストに加え、新たに内藤剛志、伊藤沙莉も加わり、ますます公開に期待がかかる本作。豪華キャストたちが超個性的な動物たちを演じているが、今回到着したのは、永作博美が声をあてる猫のクロエのシーンだ。愛するマックスから預かったおもちゃの“ミツバチ君”を猫屋敷にうっかり落としてしまい、クロエの元へ相談にきたギジェット(cv.沢城さん)。しかし、普段はクールで姉御肌なクロエが、頭にランプをかぶり「ギジェットベイベ~」と…なんだかいつもとは様子がおかしい。訳を聞くと、飼い主からマタタビをもらって気分が良くなり、少し酔っ払いすぎた模様。いくら話しかけても相手にならないクロエに「もう!」と呆れるギジェットや舌をペロッと出すクロエに、思わずキュンとしてしまうシーンとなっている。そんなツンデレ猫のクロエを演じた永作さんは「クロエだけは相変わらずマイペースで、どうしたらこんな風になれるんだろうと、私も教えて欲しいくらいです(笑)」とその魅力を語る。そしてこのあと、落ち着きを取り戻したクロエとギジェットが“ミツバチ君回収ミッション”に挑む!前作からさらにスケールアップしたペットたちの冒険物語が描かれる本作。まずはこのキュートな2匹のシーンを覗いてみて。『ペット2』は7月26日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ペット2 2019年7月26日より全国にて公開(C)Universal Studios.
2019年07月21日築30年の団地で、あたたかな暮らし ご家族のお仕事の都合で、インド、中国などで暮らされてきたdongurinokoさん。去年、日本に戻ることになりご実家に近い場所で住まいを探した結果、この団地の1室が候補に。80㎡超の3LDKのお部屋です。「お年寄りがボランティアで見回りをされていたり、子どもたちにもよく声をかけてもらえたり、とてもあたたかい地域です。遊歩道が整備されていて、学校への道は信号もなく通えるんです。建物も、レトロな感じが味があって、気に入っています」 襖をはずし、隣の部屋とひとつづきにしているリビング・ダイニングはとても開放感があります。 本棚の前には大きなソファを置いて、家族団欒の空間に。 リビングで目をひくのは、このグリーンの収納棚。運ぶのが大変なので海外ではなるべく大きな買い物はしないように心がけていたそうですが、これだけはどうしても、と2年間悩んだ末に購入し、中国から持ち帰ったそう。とても印象的で、空間の要になっていますね。 ソファに座った時、目に入ってくるこの景色がお気に入り。植物もうまく配置して、心地よい空間を作っていらっしゃいます。 少しだけ手を加えて、暮らしやすさをつくる 築30年の団地、ちょっと現代の生活に合わない部分には少しだけ手を加えて、暮らしやすく工夫をされています。 実はソファのあるお部屋は、元和室。畳の上に、フロアタイルを敷いています。元々のフローリングより幅広の雰囲気の良いものを選びました。廊下やリビングも同じフロアタイルにしたことで、統一感がある空間になりました。 大きく印象的なフロアランプは、IKEAの照明のシェードを交換したもの。照明選びに迷っていた私、この方法には「なるほど」と膝を打ってしまいました。 こちらは、反対側にある畳のお部屋。夜は家族4人分の布団を敷いてみんなで寝ます。子どもたちは日本的な暮らし方ができることに大喜びだったそう。 キッチンはとても立派なものがついていましたが、インテリアにそぐわない黄色だったそう。マスキングテープを貼った上からシートを重ね、イメージに合う色に変更しました。 北欧の器が好きで、特に食卓では白の大皿をよく使います。 リビングの片隅には、彫金台。 ご自身のデザインされたアクセサリーを製作されています。 アートもたくさん飾られているdongurinokoさんのお部屋。こちらはハスの葉を使ってつくるワークショップで製作されたもの。 気持ちのよい空間を作るために心がけていることは、プラスチックやラベルのついたものなど、生活感のあるものは目に入らない場所にきっちりしまうこと。お部屋のあちこちには、インドや中国で手に入れた工芸品が飾られ、レトロな団地の雰囲気とうまくミックスされています。 グリーンとアジアのもの、和のものなどをうまく組み合わせて飾られているのがとても素敵でした。 こちらも、シェードだけ海外のものを利用したランプ。味があります。 団地のお部屋のレトロさも味わいに変えて、自分らしい空間を作ってらっしゃるdongurinokoさん。「本当に気に入ったもの」に囲まれた暮らしかたに、憧れを覚えてしまいました。 dongurinokoさんのInstagramアカウントはこちら出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。 おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2019年07月12日縁側のすぐ先には裏山の緑「天気のいい日は縁側に子どもたちが集まってきて遊んでいます」と話すのは老子邸の奥さん。お子さんは「東京のマンションに住んでいるときよりも格段に元気に家の中を走り回ったりするようになった」という。奥さんの話に出た縁側は、アプローチから玄関へと至る前に現れる。中庭を囲むコの字形をしたその縁側のすぐ先には裏山の緑が間近に見える。老子邸はとても戸外感覚が溢れるつくりなのだ。老子邸のエントランス。玄関はいったん靴を脱いでウッドデッキの上に上がると左手に現れる。家づくりの考え方が変わっていった子育てを考えて逗子に越そうと考えた夫妻がこの土地を選んだのは、敷地のすぐ裏にまで迫る山に加え、前方にも緑が豊かに見えるというのがポイントだったという。しかし、現在のような家のつくりはまったく想像もしていなかったものだった。最初は「単純にちょっとおしゃれな家がいい」「無垢の木を使いたい」と漠然と考えていたという。その夫妻の考え方が「“住んでいて面白い家がいい”とうふうに変わっていった」という。そのきっかけになったのが建築家の岸本さんとのやり取りだった。「子どもには隠れる場所が必要」「子どもが外から自由に出入りするぐらいがちょうどいい」等々、子どもに対する目線の重要性などの話も聞きながら徐々に夫妻の家づくりの考え方がシフトしていったという。エントランスからウッドデッキにまで至ると視線は中庭越しにそのまま裏山へと抜ける。家にいるのに外にいるような「岸本さんと話をしていてもはじめはどんな家ができるのか想像がつかなかったんですが、お任せしてお願いをしたら楽しめる家になるんじゃないかなと思いました」と老子さん。設計に際しては岸本さんが「東京からわざわざ逗子に越してきて家を建てるというわけですから、お2人の要望を聞く前からこちらで何をするべきかはすでに半分ぐらいは決まっていた」と話す。それほど家づくりにおいては敷地環境の比重が大きかったが、夫妻の思いが大きく反映したものがひとつあった。それは「家にいるのに外にいるような感じで暮らしたい」というものだった。「どういう家がいいかというよりも、どういう生活がしたいかを箇条書きでもいいのでくださいと岸本さんに言われて」(奥さん)出したリクエストが戸外感覚溢れるつくりへとつながったのだ。中庭側からエントランス方向を見る。真ん中のドアが開いた部分が玄関。その右手に水回り関係が並ぶ。1階のこちらのサイドには奥から寝室、納戸、将来の子ども部屋が並ぶ。外にある居間第1案からほとんど変わっていないという設計案は「面白いというのが第一印象」だったが、奥さんは「びっくりして、もちろん抵抗もありました」と話す。そこで岸本さんにたくさんの質問を投げかけた。「玄関はどこ?」に始まり、いろんな「?」が奥さんの頭の中で渦巻いたという。「でも何回も何回も話をして、岸本さんが具体的な情景を例に出しながら説明してくれて。それで模型を見ながら、ああこういうことなのかなあとだんだんがわかるようになって納得していきました」(奥さん)「ふつうは玄関で内と外がはっきりと区切られていますが、そこを少しぼかしてだんだん内側に入っていくようにする。そうした中間ゾーンをできるだけ豊かにしようとしました。コの字の両端の部分は縁側の風情ですが、真ん中の部分も縁側であり玄関であり、また外にある居間でもあるというように」(岸本さん)水回り前の縁側でくつろぐ老子さん一家。老子さんは「自然の移り変わりをとても身近に感じ取れるようになった」という。「お風呂に入りながら外を見たいというのはリクエストしました」(老子さん)。下見板張りは陰をつくって壁の表情を出すためと家の内側だが外部という「ひっくり返った世界」をつくるため。多様な場所をつくる子どもたちが走り回るのには開放的で自然との距離が近く感じられる空気感も大きく作用しているが、老子邸ではそれに加えて多様な場所がつくられているというのも見逃せない。「場の差異をどうやってつくっていくかが重要だ」という岸本さんは、この家では凝縮された延床面積の中に小さな空間をつくってバリエーションを多様化させているという。階段途中に机の置かれたスペースや2階のロフトがそれで、ともに入口にアーチを設け壁を濃紺で仕上げている。さらに2階に畳の空間をつくったのも「空間が変わる体験を無意識のうちに感じてもらうため」の建築的仕掛けである。子どもに対する目線も意識してつくられたこの家では、実際に子どもたちが楽しそうに走り回るだけでなくいろんな場所で遊ぶという。「畳の間で遊んだり、友だちが来るとベンチ伝いに歩いたりロフトに大集合して遊だりしています。大きくなったらさらに遊ぶ場所が増えていくんだろうなと」(奥さん)玄関を入ったところから見る。階段途中に作業のできる小スペースが設けられている。ダイニングのほうとは対照的に「ちょっとふわっとしたウエットな感じ」(岸本さん)の空間。家の中心に位置するキッチン。食事をつくる際にも裏山の緑が眼に入る。左右の空間とは天井の仕上げを変えている。このキッチンで家族間のコミュニケ―ションが以前よりも活発になったという。キッチンの奥にロフトが設けられている。キッチン前から見る。ダイニングの奥に畳のスペースがつくられている。キッチンからも豊かな緑を眺めることができる。エントランスの上部、キッチンの外側につくられたベランダ。この場所でバーベキューをすることも。ダイニングからベンチがぐるりとめぐりベランダ近くまで続く。壁・天井には土佐和紙が貼られている。逗子という土地を選んで東京から越してきた老子一家。8月にこの家での暮らしが1年を迎えるという。「もともと外が好きでよく外に出るんですが、越してきてからさらにすぐに外に出るようになりました」という老子さん。夜はエントランスの上部につくられたベランダに出てコーヒーをよく飲むという。「ほんとうに想像以上の家に住めて楽しいし、楽しんでいます」との言葉からは、「この地での家づくりは大成功だった」との思いがにじみ出ているように感じられた。縁側であり、また“外にある居間”でもあるような空間。正面ファサード。白壁の部分にはガルバリウム鋼板が張られている。老子(おいご)邸設計acaa所在地神奈川県逗子市構造木造規模地上2階延床面積180.99㎡
2019年07月10日賃貸ワンルームのお部屋づくりでよく聞く悩みが、「収納がない、足りない」という問題。26㎡の1Kのお部屋に暮らす Erin West さんのお部屋は、実は居室内にクローゼットがひとつもありません。それなのに、こんなに可愛らしいお部屋、どうやって実現しているの!? コツを伺ってきました。 「白」をベースに、自分らしい空間をつくる PR会社でお仕事をされている Erin West さん。このお部屋に暮らし始めたのは2年半ほど前。海外旅行が好きで、ついつい買ってきてしまう海外の雑貨が並び、エスニックな雰囲気のお部屋だったそう。「自分の好きな雰囲気とは違っていて。今年の2月くらいから、Instagramなどを見てやりたいな、と思ってカスタマイズを始めました」 一番お部屋の雰囲気を変えたのは、「床」。タイル模様のクッションシートを敷き、「白」をベースにしたお部屋に作り替えました。 壁に楽しく貼ってある写真やポストカードは、旅行に行った時のもの。海外のお土産のクッションカバーや布など、カラフルな雑貨も、全体を白に整えたことで、空間から浮かずに良いアクセントになっていますよね。 グレーの棚の表面も、白く塗って全体になじむように。これだけで、全然違います。 棚の上には、100円ショップで買ってきた大理石調のシートを貼って仕上げています。 なければつくる!収納スペース 「この部屋、クローゼットがないんですよ」とお聞きして、すごく驚いてしまいました。玄関横の小さな収納しかついていないんだそう。でも、お部屋を見渡しても大きな洋服ダンスのような家具はどこにもありません。どうやって収納スペースを作ってるの……? よく着る洋服は、オープンなハンガーラックにかけて。「ハンガーをゴールドに揃えたことで、だいぶ印象が変わりました」。確かに、大きめのハンガーラックですがお部屋の雰囲気に馴染んでいますよね。横に置いてあるスーツケースも、普段は収納スペースとして活用しています。 ハンガーには、S字フックでワイヤーネットをぶら下げて、ベルトやスカーフなどの小物はそこにかけています。いいアイディア。 そして、アイディア賞を贈りたくなったのがこちらの収納棚。 かごの中には洋服がきっちり畳んでしまわれています。これは、かなりの収納力がありそうですね! 「ただ畳んで入れるだけだとごちゃごちゃして見えてしまうので。IKEAの収納棚に、このかごがピッタリだ、ていうのを発見したんです」 ピッタリサイズのかごにしまうだけで、収納もインテリアとしておしゃれに見えてしまうのがすごい。上の段は、ニトリのバスケット(リングハンドルQ Lサイズ)、下の段のシンプルで使いやすそうなカゴは「スタックストーバケット」というフランスメーカーのMサイズのもの。早速真似したくなってしまいました。 「きちんと隠す」がおしゃれに見せるコツ ベッドは、引き出し付きのものを選んで、バッグなどを収納。とここまでは普通ですが… 「ベッドスカート」と呼ばれるカバーをかけて「きちんと隠す」ことで、驚くほど印象が変わります。 机の下の収納も、「きちんとかごにしまう」。 出しっぱなしになりがちな掃除機も、「アートフレームの後ろに隠す」。 見せたいものは、たくさん楽しく飾りつつ、見せたくないものは「きちんとしまって、きちんと隠す」。収納が少ないお部屋でもおしゃれに見せるコツは、そんなところにあるのかもしれません。 Erin West さんの Instagram アカウントはこちら出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2019年06月08日これからの日本のモノづくりのために『コトモノミチ at TOKYO』が、墨田区に誕生!セメントプロデュースデザインが、日本各地の技術を培ってきた町工場・職人の発展と継続の次のカタチを創出するための“新しいショップ” として、『コトモノミチat TOKYO 』 を2019年5月17日(金)に墨田区押上にグランドオープンした。セメントプロデュースデザインのスタッフが全国の町工場や工芸の職人たちと出会い、産地やモノづくりについて聞く中で、後継者不足や技術革新などの悩みや課題を抱えている現状を知ったそう。技術を結集し、モノづくりを行う中で1社単独では解決できないことも多く、今後は、工場同士の強固な関係と新たなモノづくりのカタチが問われていると感じ、町工場や工芸の職人達との悩みをデザインで改善出来ないか一緒に考えて一緒に作ったコト、モノを伝えていくミチを模索していく、そんな場所を作りを目指す。コンセプトは、「デザインと製造業のキチンとした関係作り」。職人と一緒に考える場として。一緒に考えたものをつくる場として。出来上がったコトやモノを伝える場として。モノづくりコミュニティを活性化するため、定期的に異業種交流会「Lobby」も実施し、職人がバーテンダーになり交流もできる「職人 BAR」も開催予定。これは楽しみです!!【PRODUCTS】取り扱い商品を一部ご紹介。パーティーで大活躍! 繰り返し使えるステンレス製フードピック▷ TREE PICKS(ツリーピックス)ステンレス製ピック 3,024円(税込) 原型職人が緻密な手彫りで挑戦したニット柄のカップ▷ Trace Face(トレースフェイス)Knit wear 2,160円(税込) 眼鏡産地で誕生しためがねのフォルムをしたみみかき▷ sabae mimikaki 鯖江みみかき( 耳かき) 4,212円(税込) [SHOP INFORMATION]コトモノミチ at TOKYO住所:東京都墨田区業平4-7-1 1FTel:03-6427-6648 (平日 12:00~20:00 / 土日祝 11:00~19:00)アクセス▷東京メトロ 半蔵門線・都営浅草線「押上駅」B1出口より徒歩2分HP STORE
2019年05月27日高齢になると不安になるのが、愛犬、愛猫の病気やケガではないでしょうか。高齢になったペットのためにペット保険に入っておこうかしらと思われる方も多いと思います。今回は高齢のペットにおすすめのペット保険をランキング形式でご紹介するとともに、そのペット保険の評価ポイントについてもわかりやすく説明していきたいと思います。高齢になるほどペット保険は必要?公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査2017年6月」以上の調査データから、犬猫ともに13歳以上となると、高齢(13歳以上)になるほど動物病院にかかる頻度と1つの病気での治療費が多くなることがわかります。高齢になるほど病気になって治療を受ける頻度は高くなり、合わせて治療費も増える可能性が高まるといえるのです。高齢の猫・犬におすすめのペット保険ランキングこうした高齢にともなうリスクに対してどのようなペット保険があるのでしょうか。ここからは高齢の猫・犬におすすめのペット保険をランキング形式で紹介していきましょう。ランキングの前提今回のランキングは犬と猫の2種類に分けて掲載しています。犬の代表例として高齢の中型犬、そして高齢の猫にわけてランキングにしました。また比較対象のペット保険は、ペット保険を紹介・比較する情報サイト(※)を調査して、総合的な観点から筆者独自の判断をもとにランキングを選定しています。(※)価格.com、ペット保険STATION、みんなのペット保険、ì保険ペット保険比較サイト高齢の犬のランキングそれでは最初のランキングは犬の代表例として中型犬をとりあげました。中型犬(18~20kg)、ミックス、年齢は10歳にかけるペット保険を比較しています。高齢の猫のランキングそれでは次に高齢の猫のランキングを紹介しましょう。保険の対象とした猫は、年齢は12歳にかけるペット保険を比較しました。高齢で加入できるペット保険犬と猫それぞれで高齢のペット保険についてランキングを紹介しました。犬猫ともに10歳以上の年齢となると、新規で加入できるペット保険の数が限られてきます。したがって、高齢期を既に迎えているペットがいるご家庭は、先ほど紹介したランキングを参考にしてご自身のペットに合ったペット保険を選んでいただければと思います。高齢犬・猫におすすめのペット保険まとめ高齢になったペットのためのペット保険について紹介をしてきました。調査データから分かる通り、高齢になるほど病気などで医療費がかかる割合は増加しますし、1回あたりの治療費も増大する可能性が高まります。高齢のペットのためのペット保険のランキングをご紹介しましたが、残念ながら高齢になることで加入できるペット保険の数は限られます。高齢の分保険料も割高になりますが、医療費が高額になるリスクの備えてとして、必要な補償を準備することを検討いただければと思います。ぜひランキングで紹介したペット保険を参考に、ご自身のペットに合うペット保険を選んでください。
2019年05月14日5匹の保護猫と暮らす、建築家でペットシッターのいしまるあきこさん。多頭飼いに特有の悩みに自らも直面し、試行錯誤の最中だといいます。そこで、いしまるさんに、猫と建築の豊富な知識から人と複数の猫がハッピーに暮らすコツを10個を教えてもらいました。■ 1. 多頭飼いは3匹までがオススメ猫はなわばり意識が非常に強く、基本的に多頭の状態はストレスを感じます。シェアハウスに他人同士が暮らしているようなイメージでしょうか。また、動物行動学では4匹以上になると1匹は仲間はずれが出ると考えられていますので、3匹までがベストといえそうです。写真/蔵プロダクション多頭飼育を始めるなら、きょうだい猫を迎えるのがオススメ。猫は一度に4~6匹程度産む動物で、きょうだい猫同士は大人になってからも仲良くいられる場合が多いです(ただし、全頭を避妊・去勢した場合)。きょうだい猫は保護猫団体やブリーダーさんから譲ってもらいましょう。先住猫がいる場合、さらに頭数を増やすことは安易に考えないでください。■ 2. 今は仲がよくても将来悪くなることも十分ありうる2匹からを「多頭」と考えましょう。写真/ねこのいえ設計室1匹だけならごはんを取られたりトイレを邪魔されたりする心配がないのですが、2匹以上になると猫同士の関係性が生まれます。すごく仲が良いのと、ほどほどに良いのと、どう見ても仲が悪いのとでは考え方を変える必要があります。また、今は仲がよくても悪くなる可能性があることは知っておいた方が良いことです。理由ははっきりしませんが、一緒に眠るほど仲が良かったのに、うちでも急に「しま」が「みけ」を襲うようになってしまいました。苦労して訓練して、1年ほどかけてようやく元の状態に近付いてきました。■ 3. 互いに距離を保てる空間を用意する仲がいい者同士はくっついていますが、基本は猫同士が距離を取り合えるスペースが必要です。広い家では居場所を平面的に確保できますが、面積が限られているなら上下方向も考えたほうがいいと思います。キャットタワーなど猫専用のものがなくても、収納が段々になっている程度でもオーケー。写真/蔵プロダクション猫が上に上がるのは周りを見渡して安心感を得るためです。しかし高いところが好きな猫ばかりではなく、広々したところが好きな猫もいます。隠れられる場所をつくりすぎると、隠れてばかりいる猫が出てくるのでほどほどに!■ 4. 行き止まりのない動線を確保するわが家は梁を伝って回遊ができるようにするなど、なるべく行き止まりがないように意識して猫の動線をつくりました。でも、キャットウォークを部屋全面に巡らしたりすると、夢中になりすぎて追いかけっこが止まらなくなり、手に負えなくなります。猫社会だけで完結してしまうと、人との共存関係も薄らぎます。猫同士の影響力はとても強く、一度野性のスイッチが入ると人に近寄らなくなってしまうこともあります。下の写真の例では、周回していたキャットウォークを壁の表と裏にまとめた結果、猫たちが落ち着きを取り戻せました。五反田・Tビル(デザイン:ねこのいえ設計室)五反田・Tビル(デザイン:ねこのいえ設計室)■ 5. 清潔を保ちやすい環境をつくる猫毛対策は、1年中必須。短毛種でも毎日猫毛が抜けますし、長毛種ではブラッシングの手伝いも必要です。猫の毛についた唾液が猫アレルギーの原因になるといわれているので、長く猫と暮らすためにこまめに掃除はしたいものです。家具の裏や、家具と家具の隙間に、猫の毛やホコリが入り込んでしまうので、わが家ではできるだけ床に家具を置かないようにしています。撮影/水谷綾子また家具がなければ掃除がラクですし、ロボット掃除機に任せることも可能です。「ねこだな」の棚板の上のホコリを払う程度なら負担を感じずにでき、毎日清潔な状態を保てます。撮影/水谷綾子■ 6. トイレでの鉢合わせは避けたほうがいい猫にとって理想のトイレの数は、1匹あたり1個+1個。写真/蔵プロダクション仲がよければ共有も可能ですが、排泄で縄張りの主張もする大切な場。環境が気に入らないと別のところにしてしまうこともあります。仲が悪いと待ち伏せをして排泄させないよう嫌がらせすることや、最も無防備になる排泄中に襲ったりすることもあります。わが家では建物の状況から、5匹で大きな浅型のプラケース2か所を共有しています。広さにゆとりをもたせ、何かあったときに逃げやすいよう「猫くぐり」を2か所に増やしました。■ 7. 本能に訴えるストレス発散方法もともと猫は狩りでつかまえた小動物を食べて暮らしてきました。それを活かして、私は猫用の羽根のおもちゃで「狩りごっこ」をしてからごはんの時間をとります。撮影/水谷綾子ネズミ・トリ・ヘビ・カエルなどの動きを真似て羽根を動かすと、猫たちは嬉々として追いかけます。性格や運動能力に合わせて難易度を変え、興味とやる気を引き出しましょう。また、猫は嗅覚がすぐれた動物です。窓から外を眺められるだけではなく、少しの時間でも窓を開けて外の匂いを嗅ぐことができると、刺激を得て日々の満足度が高まります。脱走防止柵などを設けつつ、うまく猫の好奇心を満たしてください。■ 8. ごはんと水は猫の個性に合わせて変える写真/蔵プロダクションごはんは5匹の好みや体質に合わせて変えています。決まった時間にあげ、30分程度で食べなかった分はさげます。くいしんぼうの子が食べ過ぎて肥満になり、食が細い子が痩せていくことを防ぐため多頭では必要な対応です。特に食が細くて困っている場合は、ドライフードのほかに、ウェットフードを温めて香りを強めたり、鶏肉をサッと湯通しして温めたものをあげると喜ぶ場合が多いです。猫の祖先は乾燥した地域で暮らし、捕まえた獲物の体液から水分を補給してきたため、水を積極的に飲む習慣があまりありません。ドライフードだけだと水分が足りなくなるので、通り道に水を複数箇所置きたくさん飲むよう工夫しましょう。■ 9. 温熱環境の快適さも大事猫は快適なところに集まります。床が温かくてやわらかなところをつくると、自然に集まってきます。新築や改築をするなら、床暖房を入れるのがオススメです。写真/蔵プロダクション猫によって好みの室温があるので、家の中に多少は温度差があったほうが、自分なりの居心地のよい場所を探して過ごすことができます。長時間留守になる場合は、停電で空調が止まることも想定して対策をしましょう。夏は1か所だけでも窓が開けられるようにしておくなど、涼しい場所を確保してください。冬は寝床に湯たんぽを置いておくと安心です。■ 10. 猫にも人にもやさしい素材を選ぶ撮影/水谷綾子わが家の壁・天井に塗った土佐漆喰は水に強く消臭・調湿効果があり、固くて爪を研がないのでオススメです。フローリングは、長毛の猫は足裏の毛で滑りやすく、抜けた毛も舞いやすいため、部分的にカーペットを敷くといいでしょう。その場合、爪が引っかかりにくいカットパイルを選んでください。私は、猫専用の商品はあまり置かないようにしています。わが家のインテリアに合わないからです。猫は匂いと音で状況を判断するので、派手な色や形は猫にとっては重要ではありません。科学的な香料は猫もアレルギーを起こすことがあるので要注意です。■ まとめ猫を家の中だけで飼う人が増えたのは最近のこと。人も猫も付き合い方を探っている状況です。猫がどんな動物なのか、習性を理解してお互い暮らしやすい環境をつくりましょう。工務店や建築士、インテリアデザイナーなどの専門家に依頼するときは、猫と暮らし、自分で世話をしている人を選ぶのがベストです。写真/蔵プロダクションいしまるあきこさん一級建築士・ペットシッター。5匹の猫と暮らしながら、猫との幸せな住まいを探求中。主宰する「ねこのいえ設計室」では、猫向け住まいの設計や飼い主と行う猫向けDIYも。猫向け賃貸「ねこのいえ」シリーズを企画・運営し、猫シッターとして人や猫からの信頼も厚い。
2019年05月13日家族の一員として大切にされているワンちゃん。そうしたワンちゃんが病気になる場合などに備えた犬のペット保険について耳にされることがあると思います。こうした犬のペット保険とはどのような内容で、本当に必要なのでしょうか。今回は犬のペット保険の必要性と、おすすめペット保険の人気ランキングをわかりやすく紹介していきたいと思います。ペット保険とはまず最初に犬のペット保険の概要について説明をしていきましょう。普通の保険は人やモノを対象としてかけるものですが、犬のペット保険は犬が病気やケガをした場合に必要となる治療費などの経済的負担を軽減するために加入するものです。犬のペット保険に加入しておくと、一定の条件はありますが給付金を受け取ることができ、基本的な保障内容は以下の通りです。犬が入院した時の保障犬が通院した時の保障犬が手術した時の保障その他の保障(火葬費用、車椅子費用、賠償責任費用など)なお、猫のペット保険については別の記事で詳細にご説明しているのでご関心ある方はご覧ください。犬のペット保険は必要?犬のペット保険は本当に必要なのでしょうか。保険に加入して保障をしてもらうためには、毎月(または毎年)保険料を支払わなければなりません。保険料を支払うくらいなら、貯蓄から取り崩して支払えばいいと思われるのも自然なことです。ここでは犬のペット保険の必要性について説明をしていきたいと思います。1つの病気での治療費の最大金額公益社団法人日本獣医師会の調査(※)によると、1つの病気での治療費の最大金額は下表の通りとなっています。年齢が高くなるとともに治療費の最大金額は上昇していますが、6才まででも平均4.8万円と、1つの病気で相応の治療費がかかっていることがわかります。上記の調査データから判断すると、あくまでも平均で治療費が5万円程度であることを考えると、実際の治療費はそれ以上となる場合も想定されます。急な出費としての備えということで考えると、犬のペット保険に加入をする価値はあるといえるでしょう。犬のペット保険に加入した場合のメリット犬のペット保険に加入した場合のメリットは何でしょうか。それは、高額な治療費になったときに経済的な負担が少なくなる、ということです。犬のペット保険に加入していないと、全額治療費を負担しなければならないため、無意識で動物病院に連れて行くことを躊躇してしまう、ということがあるかもしれません。あるいは実際に動物病院に連れて行ったとしても、治療費が気になって充分な治療方法を選択してあげられない、ということが発生するかもしれません。逆に犬のペット保険に加入していただいていればこうした不安点はなく、安心して速やかに適切な治療を受けさせてやることができるようになるのです。犬のペット保険に加入した場合のデメリット保険料負担今度はペット保険に加入した場合のデメリットを整理しておきましょう。一番のデメリットは、保険料を支払い続けるという保険料負担です。一度も病気やケガで給付金を受け取らなかったとした場合、ペット保険には掛け捨てだったということになります。治療費の全額が保障される保険はほとんどない保険料の次に保障の観点からデメリットを確認していきましょう。まず治療費の全額が保障されるというペット保険はほとんどありません。治療費の50%~80%という割合で給付金が支払われるというものがほとんどです。また、給付金を受け取る回数や金額に制限がついているものがありますので注意してください。「免責」というものが設定されている保険もあり次に犬のペット保険についてですが、もらえる給付金から差し引かれる「免責」というものが設定されているペット保険もあります。一番多いのは15,000円は免責で自己負担としてくださいね、というような免責金額の設定です。犬のペット保険おすすめ人気ランキングそれではここから犬のペット保険の人気ランキングをもとに犬のペット保険を具体的に紹介していきたいと思います。どんな基準で選んだか犬のペット保険の人気ランキングですが、様々な条件での比較が可能です。今回は、犬の飼育頭数が一番多いチワワ(※)の4歳を保障するペット保険で比較を行ないました。(※)参考:一般社団法人ペットフード協会「平成30年全国犬猫飼育実態調査」比較対象としたペット保険ですが、ペット保険を紹介・比較する情報サイト(※)の人気ランキングを調査して、筆者独自の判断をもとに、充実した保障であることを重視した1位~3位、また【低価格】ということを最優先にした1位~3位という2つのランキングを選定しています。(※)価格.com、ペット保険STATION、みんなのペット保険、ì保険ペット保険比較サイト、ペット保険byわんちゃんホンポ【充実保障】犬のペット保険人気ランキング(1位〜3位まで)まず最初に保障が充実しているという点を重視して総合的な観点からのランキング1位~3位のペット保険を以下の通り一覧表にしました。最後の欄には筆者のコメントも記載していますので参考にしていただければと思います。【低価格別】犬のペット保険人気ランキング(1位~3位まで)続いて、保険料が低価格であることを最優先したランキングとして1位から3位までのペット保険を紹介します。こちらも一覧表にまとめましたのでご確認ください。犬のペット保険まとめ犬のペット保険の必要性について確認をしてきました。ちょっとしたケガであれば治療費負担は問題ないと思いますが、高額な治療費となる場合に備えて犬のペット保険の必要性はあるといえます。免責といわれる保障されない範囲はあるので加入時には注意が必要ですが、ペット保険に加入しておくことで安心して治療に専念することができます。充実した保障を重視したランキングと、低価格を追求したランキングのペット保険を参考にして、ご自身の大切なワンちゃんのためのペット保険を選んでください。
2019年05月07日最近のペットブームによって、動物と暮らす人が本当に増えてきましたね。「住まいの設計」でも、“ペットのいる家”の実例特集は大変人気があります。しかし、ペットを飼うには苦労も付きものですね。皆さんはペットと暮らしていて、どのような苦労があるのでしょうか?そこで、「日刊Sumai」の読者に、その現状について聞いてみました。■ Q1 あなたはどんなペットを飼っていますか?最近は猫を飼っている人のほうが多いといわれていますが、「日刊Sumai」の読者は犬を飼っている方が40%以上でトップでした。Anurak / PIXTA(ピクスタ)また、ウサギやハムスターなどの小動物を飼っている人も少数ながらいました。gonbe / PIXTA(ピクスタ)そのほかに多かったのが、グッピーなどの熱帯魚や金魚、メダカを飼っている方。kokano / PIXTA(ピクスタ)金魚鉢のような小さなモノから本格的な水槽で飼っている方など、飼い方はさまざま。なかには庭に水槽を置いてメダカを飼っているという方もいました。■ Q2 ペットを飼うきっかけはなんでしたか?「以前、祖母が猫を飼っていた」「自分が子どもの頃犬を飼っていた」「妻が実家でウサギを飼っていたから」など、もともと飼っていたのでペットが家にいることが当たり前と思い、新居に入ったタイミングで飼い始めたという方が多かったようです。skrb88 / PIXTA(ピクスタ)それ以上に多かったのが「子どもが欲しがったから」という方。なかには、ペットと暮らすことが子どもの成長に役立つと思って買い始めたという方もいました。ほかに多い回答としては「野良猫がそのままいついた」「保護猫を譲り受けた」「殺処分にされてしまう保護猫がかわいそうで」なども。はやけん / PIXTA(ピクスタ)また「近所のペットショップでずっと売れ残っている犬がかわいそうで」という変わり種の回答もありました。■ Q3 ペット飼っていて困ったことはなんですか?やはり「床が家具を傷つけてしまうこと」「どこにでも排泄をしてしまうこと」が圧倒的に多かったです。てつ / PIXTA(ピクスタ)それ以外は個別のケースがたくさんあるようで、その他の回答が多くなっていました。具体的には「ウチの猫はすぐに外に出てケンカをしてくる。しかも必ずケガをしてくるから困る」「保護犬のせいか臆病で、散歩に出るとおびえる」「ウチの犬はあまり運動をしたがらないので、どんどん太って困る」とさまざまでした。やはりペットの数だけ悩みがある!?■ Q4 ペットの困りごと対策法を教えてください。Q3で上位の回答になった「床や家具を傷つけてしまう」「どこにでも排泄をしてしまう」に関しては、さまざまな対策を取っているようでした。床や家具対策は、保護シートを付けること、猫用の爪とぎの場所をつくったというのが、いちばん多い回答でした。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ちなみに爪とぎの場所は家具から遠ざけることが大事だそう。排泄問題は、「こまめに掃除するしかない!」という半ば諦めの回答が目立ちました。ほかには「何度も注意して言ってきかせる」というものも。こちらは犬にしか通用しないかも!?餌の好き嫌いについては、毎回ペットが食べるように促すしかないという意見が多かったようです。やはりペットを飼うには根気が必要なようですね。■ Q5 ペットのための設備で欲しいものはありますか?1位は「空気清浄機」、2位は「消臭クロス」と、どちらも臭い対策のアイテムが上位にランクイン。y_seki / PIXTA(ピクスタ)「室内飼いなので、部屋が臭ってしまうから」「お客さんが来たときに、ペット臭いと思われないために」という意見が目立ちました。「消臭クロス」も同様の理由が多く、なかには「臭いがキツいので、空気清浄機と消臭クロスとダブルで使っている」という人も。次に多かったのが「ペットドア」。こちらは猫を飼っている人からの回答が多く寄せられました。「階段が危ないから」「臆病な猫なので、お客さんが来たらすぐに逃げられるように」「いたって普通の家なので、猫が楽しんで移動できるかと思って」と、さまざまな理由があった。ほかに「いちいちドアを開けにいくのが面倒」という理由も。よっし / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?ペットはそれぞれ性格が違うので、飼うときにはさまざまな注意が必要です。こちらの記事を参考してくれたら、嬉しいです。住まいの設計2019年2月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「猫だってハッピーにしてほしい!猫と一緒に暮らすための家」 【第二特集】「自分らしいインテリアと暮らしています」
2019年05月06日いつかは私も……と憧れる、ペットとの暮らし。賃貸だとなかなか難しいイメージがありますが、最近は「ペット共生型」のマンションも増えてきています。実際にペットを飼うとき、気をつけたいことをまとめました。 「ペット相談」のお部屋は、ルールに注意 「ペット相談」のお部屋は、オーナーさんが動物好きだから、借り手がつかずやむなくペットOKに、など経緯は様々。住んでいるのも、すべてペットを飼っている人ではないので、周囲への配慮や、飼うときのルールも細かく決まっていることが多いです。「相談」とあるように、ペットの種類によって飼えるかどうかも確認が必要です。「ペット相談」だからなんでも大丈夫だろうとは考えず、お部屋探しの段階で、飼っているペットの種類や頭数をはじめにお知らせくださるとスムーズですよ。 新築の物件や、リノベーションしたてでペットも相談可能というお部屋は、オーナーさんの理解がある場合が多いです(このお部屋はこちら) 「新築・ペット可」の部屋を検索 安心して住むなら選びたい「ペット共生型」マンション 「ペット共生型」マンションは、ペットと住むことを前提に作られている建物。オーナーさんも、住んでいる方もペット飼育に理解があり、住みやすい物件です。足洗い場や、ペット用の入り口など、配慮された設備があることもポイント。ペットも飼い主さんも安心して暮らせる、まさに共生型のお部屋なんです。 猫ちゃんが楽しく暮らせる、「キャットウォーク」つきのお部屋、なんていうのも最近は増えてきました(このお部屋はこちら) 「キャットウォーク」の部屋を検索 初期費用、原状回復費が高くなります。長く暮らせる部屋を探しましょう ペット飼育の場合は「敷金1ヶ月~2ヶ月プラス」などの条件がついていることがよくあります。ペットを飼っていると、住んでいる本人はあまり気にならなくても、次の入居者さんが気になる傷や匂いはどうしても防げないですよね。原状回復費として、「クロス張替・カーペット張替・畳替え・ペット用脱臭・消毒・クリーニング」など、追加で費用を払う項目はどうしても増えます。これを減らすために、ペットに我慢を強いるというのは可哀想。ペットを飼う覚悟を決めたなら、将来を見越してなるべく長く住める部屋を探すことが、無駄なお金を減らすためにも、ペットのためにもよいでしょう。 スペースに余裕を持ったお部屋を選ぶのも大切かも(このインテリア実例はこちら) 「リノベーション・ペット可」の部屋を検索 「ペット可」でも、周囲への配慮は忘れずに 「この物件はペット可だから」といって、何をしてもいいわけではありません。ルールで細かく決まっていることもあります。たとえば、こんなことには最低限注意しましょう。 ・ペットの鳴き声など、騒音に配慮すること・共有スペースでは動物が苦手な人にも配慮して行動すること・ベランダやテラスでグルーミングをしないこと(ベランダは基本的に洗濯物を干す場所なので、毛が飛び散って衣類についてしまうことがあります)・バスルームなどで毛がつまらないように注意すること・契約時のペット以外のペットを飼育しないこと ルールを守って、相棒との楽しい暮らしを! (このインテリア実例はこちら) 「ペットと暮らすインテリア」実例をみる 出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。 おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2019年04月27日