12月4日(現地時間)、第85回ニューヨーク映画批評家協会賞が発表された。栄誉ある作品賞には、マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』が選出。同作は12月3日にナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の作品賞にも選ばれ、アカデミー賞に向けて幸先の良いスタートを切った。昨年、同賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』も、『アイリッシュマン』と同じくNetflix作品だった。Netflix作品として、初めてのアカデミー作品賞の受賞に期待が寄せられたが、結果はノミネートされるものの受賞ならず。今年、『アイリッシュマン』で悲願の受賞となるかに注目が集まっている。スコセッシ監督にとって、ニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞を受賞するのは2回目。前回は1990年製作の『グッドフェローズ』で受賞した。ニューヨーク映画批評家協会賞の授賞式は、来年1月7日に開催される。■主な受賞リスト作品賞『アイリッシュマン』監督賞ジョシュ&ベニー・サフディ『Uncut Gems』(原題)主演男優賞アントニオ・バンデラス『Pain and Glory』(原題)主演女優賞ルピタ・ニョンゴ『アス』助演男優賞ジョー・ペシ『アイリッシュマン』助演女優賞ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』&『Little Women』(原題)脚本賞『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クエンティン・タランティーノアニメ賞『失くした体』(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始
2019年12月05日マーティン・スコセッシ監督の最新作となるNetflix映画『アイリッシュマン』が、11月27日(水)より全世界同時配信。第57回ニューヨーク映画祭のオープニング作品として初お披露目された本作では、スコセッシ監督が劇中衣装への思い入れも明らかになった。上映時間209分というスコセッシ監督渾身の超大作は、全米トラック運転組合のリーダー、ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)の失踪、殺人に関与した容疑をかけられた実在の凄腕ヒットマン、フランク・“The Irishman”・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)の半生を描いていく。言わずと知れたレジェンドで、本作でも第23回ハリウッド映画賞で助演男優賞を受賞したアル・パチーノは、意外にも初タッグとなるスコセッシ監督について「マーティンは、偉大な男であり、偉大な人間であり、共に分かち合い、共に働く、素晴らしい人です。バランス感覚に優れた疑う余地が無い監督で、彼の判断力は信頼でき、確信と自由を与えてくれます」と称賛を惜しまない。そんなスコセッシ監督と『ヒューゴの不思議な発明』『アビエイター』などで長年組んできたコスチュームデザイナーであるサンディ・パウエルは、「マーティンは、私がこれまで一緒に働いた中で最も視覚的な監督です。特に服が大好きで、服に興味があり、衣装選びのプロセスを理解しています」と、衣装において視覚的にも観客を楽しませるスコセッシ監督の手腕を絶賛する。さらに半世紀を描く本作では、「ロバート、アル、ジョー(・ペシ)は、数十年に渡る役を演じているので、膨大な数の衣装替えをしています。ロバートだけでも100回以上、衣装替えしました」と明かし、各年代に合わせて、撮影している1日の中でも何度も衣装を替えたという。また、スコセッシ監督の思い入れは衣装だけでなく、「マーティンは、ロケ撮影に非常にこだわりを持っています。ドキュドラマの撮影ではないことを彼は承知していますが、全て可能な限り本物を使いたいと考えていました」とロケーションマネージャーのキップ・マイヤーズは明かす。続けて「この映画は非常に大きな物語で、フラッシュバックの中にさらにフラッシュバックがあって、ストーリーは数十年に渡っています。結局、160近くの場所を見つける必要がありました。この映画は常に挑戦でしたね」と手ごわい仕事だったという。衣装やロケ撮影に加えて、プロダクションデザイナーのボブ・ショウは「マーティンは、真正性へのこだわりがあるため、空調の通気口に溜まったほこりにも層を作り、まるで何年もの間、そこで空気を吸い込んでいるかのようにするなど細部までこだわりました」と、プロダクションデザインについてもスコセッシ監督の希望に応えるため、細部まで努力を惜しまなかったことを明かしている。本作は、アカデミー賞3部門を受賞したNetflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』同様、今後の映画賞レースを席巻すると注目を集めている。Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』は11月27日(水)よりNetflixにて全世界同時配信開始。アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始
2019年11月25日現在劇場公開中、配信ももうすぐ始まる巨匠マーティン・スコセッシ監督によるNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』。この度、男たちの壮絶な半世紀に迫る予告編が公開された。ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシという豪華オスカー俳優が共演する『アイリッシュマン』は、アメリカ裏社会の闇と事件の真相が浮き彫りになっていくスコセッシ監督渾身の超大作。その完成度の高さから評論家、メディアが大絶賛し、話題に。公開された予告編では、ロバート演じるシーランの回想視点で描かれており、銃、大量の金、爆発などが登場していることが確認できる。そして、スコセッシ監督が「物語は1949年から2000年にかけて描かれ、継続的に時間を行き来するんだ。冒頭に、82才の男性が結婚式に向かうロードトリップについて話をしている1975年のシーンから始まって、その後、50年代、60年代、70年代に遡り、また現在に戻るんだよ」と語っている通り、半世紀に渡る男たちの物語が描かれているようだ。さらに、スコセッシ監督はシーランについて「何度も死にそうになった経験の後、何のために生きるのか分からない世界に戻ることになる。そこで家族のために頑張らなくてはないはずなのだが、彼には教育もなければチャンスもなく、人生がうまくいく兆しがなかった。その時、彼は、“彼を必要とする人々”と思いがけず出会うことになるんだ」とこれまでの背景を語る。そんなシーラン役のロバートは「台本読みをした時にとても高揚したんだ。私は人間味がある話が好きなんだよ。この物語は、思っていたよりもとても人間味があるんだ」と作品の印象を明かしている。Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』はアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開中。11月27日(水)よりNetflixにて全世界同時配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始
2019年11月20日マーティン・スコセッシ監督の最新作『アイリッシュマン』がいよいよ27日(水)からNetflixで独占配信される。本作はスコセッシ監督が朋友ともいうべき俳優たちーーロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシらを迎えて完成させた209分の超大作で、本日15日からは一部の劇場でも公開される。本作の舞台は第2次世界大戦後のアメリカ。主人公のフランク・“アイリッシュマン”・シーランは実在のヒットマンで、伝説的な裏社会のボスに仕えて暗躍してきた。彼は全米トラック運転組合のリーダー失踪事件の容疑がかけられるが、その真相は?戦後の混乱期に暴力でのしあがり、壮絶な場面をくぐり抜けてきた男たちの生き様が描かれる。スコセッシ監督は長いキャリアを誇る巨匠監督で、これまでにもさまざまな名作を発表してきたが、キャリアを通じて同じモチーフや主題を繰り返し角度を変えて描いてきた。自身のホームタウンでもある大都市ニューヨークの暴力と孤独に満ちた生活、幼少期から学んできた神学にまつわる問題、そして敬愛するクラシック映画へのオマージュ……どの作品も重厚で衝撃的。中には評価が分かれる作品もあるが、映画ファンなら絶対に押さえておきたい作品が並ぶ。監督は長年に渡って遠藤周作の小説『沈黙』を映画化することを模索し続けてきたが、2016年に『沈黙 -サイレンス-』がついに完成。生涯をかけて追ってきた神学や信仰の問題を最大規模で描き切ったスコセッシが、自身のキャリアのもうひとつの主題“社会と暴力”を最大規模で描くべく、こちらも長年に渡って追い続けてきた企画が『アイリッシュマン』だ。そこで本作には『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』など多数の作品でタッグを組んできたデ・ニーロ、ペシ、『ミーン・ストリート』『タクシードライバー』など初期作から出演しているハーヴェイ・カイテル、そして『ゴッドファーザー』ではデ・ニーロと“父子”を演じ、共演も多い名優パチーノら豪華キャストが集結。撮影監督のロドリゴ・プリエトをはじめ、編集のセルマ・スクーンメイカー、プロダクション・デザイナーのボブ・ショウ、キャスティング・ディレクターのエレン・ルイスら“スコセッシ組”も勢揃いし、撮影は35ミリフィルム、VFXはILMが担当。スコセッシ・シンジケートが総力戦で挑む作品になった。本作はすでに世界各国の映画祭で高評価を集めており、本年度の映画賞レースでもタイトルが挙がることになりそうだ。Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』11月27日(水)独占配信開始本日からアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて劇場公開
2019年11月15日映画『アイリッシュマン』が、2019年11月15日(金)よりアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて公開される。アメリカ裏社会、殺し屋がみた無法者の生き様舞台は、第2次大戦後のアメリカ裏社会。数多の名立たる悪人とつながりを持っていた、元軍人の暗殺者フランク・シーランの視点から、労働組合指導者ジミー・ホッファの今なお謎に包まれている失踪事件が物語られる。そこで描きだされるのは、巨大な組織犯罪、そして背後にうごめく権力争いや政権との繋がりだ。戦後アメリカの暗く縺れ合った歴史を、数十年におよぶスケールでひもとく。マーティン・ スコセッシが監督監督を務めるのは、『沈黙-サイレンス-』が日本でも反響を呼んだマーティン・ スコセッシだ。そしてキャストには、一連のスコセッシ作品への出演でも知られるロバート・デ・ニーロや、最近では『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にも出演したアカデミー賞俳優アル・ パチーノと、豪華な顔ぶれが揃う。さらに、ジョー・ペシやハーヴェイ・カイテルらも出演する。賞レースに参加!Netflixの配信から始まり、劇場公開を実現させた本作は、世界中の数々の賞レースにも参加。第77回ゴールデン・グローブ賞においては、受賞こそのがしたものの5部門にノミネート。また日本時間2月10日(月)に発表される第92回アカデミー賞においては、監督賞(マーティン・スコセッシ)、助演男優賞(アル・パチーノ、 ジョーペシ)、脚色賞、撮影賞など、 9部門にノミネートされている。詳細『アイリッシュマン』公開日:2019年11月15日(金)よりアップリンク渋谷・アップリンク吉祥寺ほかにて公開原題:The Irishman監督:マーティン・スコセッシ出演:ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル脚本:スティーブン・ザイリアン2019年 / 209分 / アメリカ / PG12
2019年11月10日ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシという豪華オスカー俳優が共演するNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』が、「Netflix」配信に先駆け、11月15日(金)より劇場公開されることが決定した。巨匠マーティン・スコセッシ監督が手掛ける本作は、第2次大戦後のアメリカ裏社会、ある殺し屋が見た無法者たちの生き様を描き出す物語。アメリカでは11月1日より劇場公開され、より賞レースに期待がかかっているが、今回日本でも配信に先駆けて、アップリンク渋谷・吉祥寺などで劇場公開が決定した。なお、ほかにもNetflix映画では、ティモシー・シャラメ主演『キング』が公開・配信中。アリシア・ヴィキャンデル主演『アースクエイクバード』などが先行公開されることも決定している。Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』は11月15日(金)よりアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。11月27日(水)よりNetflixにて全世界同時配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始
2019年11月07日《text:宇野維正》先日、マーティン・スコセッシがEmpire誌のインタビューでスーパーヒーロー映画全般について「あれは映画じゃない。正直言って、自分が一番近いと思うのはテーマパークだ。人間の感情や心理的な経験を別の人間に伝えるものではない」と批判して話題になった。その批判の内容自体は別に目新しいものではない。結局のところ、重要なのは「何を言うか」ではなく「誰が言うか」だ。早速、ジェームズ・ガン、サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・ダウニーJr.といった、これまでスーパーヒーロー映画に貢献してきた映画人たちがその批判にリアクションをした。もっとも、そのスコセッシの新作『アイリッシュマン』も、旧来の意味での「映画」として観客が劇場で観ることができる機会は限定されている。贅沢なセット美術、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシらの出演料、そして彼らを若返らせる(物語は彼らが30代の時代から描かれる)ためのVFXに費やされた1億7,500万ドル(約190億円)という製作費を出資したのはNetflixだ。スコセッシでさえも(あるいはスコセッシだからこそ)、もはや本当に作りたい映画を作れる場所は現在のハリウッドにはない。『ジョーカー』がこの時代に生み出された意味『ジョーカー』について語る際にふまえるべきなのは、本作がそのようにかつて「映画」と呼ばれていたアートフォームの足場そのものが大きく揺らいでいる2019年という時代に生み出された作品であるということだ。今年、映画興行のあらゆる記録を塗り替えることとなった『アベンジャーズ:エンドゲーム』の公開時には、それぞれのスーパーヒーローの出演時間を集計した表がソーシャルメディアで拡散されたが、ほぼすべてのシーンにジョーカー(=アーサー・フレック)が顔を出す『ジョーカー』ではストップウォッチを握る必要はない。ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスが本作で披露しているのは、典型的なメソッドアクト(役者がキャラクターになりきる演技法)で、キャラクター造形が役者の資質に寄りそっている近年のスーパーヒーロー映画とは真逆のやり方だ。トイレが近い人は、「旧来の映画」のように作品が約2時間で終わることに歓喜するだろう。『ジョーカー』には、過去の映画からの「オマージュ」と呼ぶのも憚られるような直接的な引用や影響が全編に放り込まれている。なかでも(他でもない)スコセッシの『タクシー・ドライバー』(1976年)と『キング・オブ・コメディ』(1983年)は作品の骨格そのものを形作っていて、両作品で主演を務めたデ・ニーロの本作での確信犯的起用法を含め、監督のトッド・フィリップスはスコセッシからの影響を作品にそっと忍ばせるようなそぶりさえ見せない。優れた映画は過去の映画のレファレンスから生み出されるというのは、(作り手も観客も含めた)映画好きにとって自明のことではあるが、作品の時代設定である1981年に使用されていたワーナーのオープニングロゴで始まる『ジョーカー』に関しては、それを一つ一つ指摘していくのがバカらしくなるほどすべてがあからさまにおこなわれていく。スコセッシ作品と並んで本作の精神的な支柱となっているのは、チャールズ・チャップリンの『モダン・タイムス』(1936年)だ。同作はドナルド・トランプ的な「政界に足を踏み入れる成功したビジネスマン」の象徴として描かれているトーマス・ウェインが主賓の上映会で、そのままスクリーンに映し出され、チャップリン自身が作曲した劇中歌「スマイル」は本作のテーマソング的な役割まで担っている。1981年に『モダン・タイムス』の上映会がこんなものものしくおこなわれているのも少々奇妙だが、客席を埋めた裕福で高齢な白人たちは、主人公が工場労働の単調さから「発狂して精神病院送り」になったり「デモの扇動者と間違えられて拘置所送り」になったりするこの作品を、手を叩いて笑いながら楽しんでいる。そもそもトーマス・ウェインは自身の市長選が控えているゴッサムシティに不穏な空気が充満しているにもかかわらず、何故か映画ばかり観ている。『モダン・タイムス』上映会の数日後、ピエロの仮面をつけた民衆による暴動が予告されていた夜に、彼はわざわざ妻と一人息子(ブルース・ウェイン)を連れて『ミッドナイトクロス』(1981年)と『ゾロ』(1981年)が上映中の劇場に足を運び、映画を観た後に街に放り出されることになる。物語の設定を1981年にした二つの理由フィリップスは本作の設定を1981年にした理由を二つ明らかにしている。一つは、他のDC作品と完全に切り離すため。確かに、本作のジョーカーが「あのジョーカー」だとしたら(そこにも解釈の余地は残されているが)、現在進行中の各DC作品とは作品のテイストだけでなく時代的にもまったく辻褄が合わない。ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した直後には、他のDC作品との関わりだけでなく、本作の続編製作についてもまったく考えていないと念押ししている。つまり、マーベル作品に代表される現在のスーパーヒーロー映画の常套手段である「映画のユニバース化」だけでなく、現在のハリウッド大作の主流である「映画のシリーズ化」までをも完全に否定したところから生み出されたのが、今回の『ジョーカー』なのだ。もう一つの理由は、まさにスコセッシが言うところの「人間の感情や心理的な経験を別の人間に伝える」映画がまだ普通にハリウッドで作られていた、70年代後半から80年代初頭までのアメリカ映画への深い愛着だ。『ハングオーバー!』シリーズ、『デュー・デート』、『ウォー・ドッグス』のようなコメディ作品が並ぶフィリップスのフィルモグラフィーを見渡した時、その無防備なノスタルジーはいささか唐突なものにも思えるが、スーパーヒーロー映画という「口実」でもなければ、現在のハリウッドでこのような映画愛がダダ漏れの作品を実現するのは難しいということだろう。フィリップスは「ジョーカー」のキャラクターの映画化権を獲得するまで、ワーナーとの再三にわたるタフな交渉があったことも明かしているが、報じられている本作の製作費は5,500万ドル(約59億円)。3億ドル(約321億円)以上かかったとされている同じDC作品の『ジャスティス・リーグ』の5分の1以下ではあるものの、この企画が通ったこと自体が現在のハリウッドにおいては「快挙」であり「事件」だった。『ジョーカー』は未来を切り開く存在になるか?2020年以降、マーベル・シネマティック・ユニバースは映画とテレビシリーズの垣根を完全に超えて、ディズニーの新しいストリーミングサービスから新作を次々に発表していく。昨年のアルフォンソ・キュアロン『ROMA』に続く今年のスコセッシ『アイリッシュマン』の成功によって、映画というアートフォームにおいても、ハリウッドからストリーミングサービスへとその主戦場は確実に移行していくだろう。そんな時代に、フィリップスは『ジョーカー』を「あまりにも映画的モチーフが込められすぎた2時間の単独作品」として仕上げ、スーパーヒーロー映画を、ハリウッドを、ヨーロッパの歴史ある映画祭を、ハックしてみせた。『ジョーカー』のクライマックスでは「持たざる者」たちであるゴッサムシティの民衆が蜂起する様子が描かれているが、『ジョーカー』という作品はこれまでのような環境を失いかけている「旧来の映画」の蜂起でもあるのだ。『ジョーカー』自体の発展性はフィリップスやフェニックスをはじめとする本作の主要スタッフによって否定されているが、アカデミー賞も射程に収めたいま、ここから一体どんな火がつくかはわからない。『ジョーカー』が一回限りの暴動として終わるのか、この暴動の後の荒地から他の映画人たちが映画の未来を作っていくのか、固唾を飲んで見守っていきたい。(text:宇野維正)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月11日「マーベル作品は、映画ではない」とコメントし、物議を醸している巨匠マーティン・スコセッシ監督。マーベル作品を批判した一方で、ライバルのDCコミックスの作品については映画としての“素質”を見出していたようだ。スコセッシ監督は、現在大ヒット上映中でオスカーの呼び名も高い『ジョーカー』の初期企画段階では、プロデューサーの立場にあった。2017年、監督にトッド・フィリップスが起用されたときのことだ。いつの間にか、スコセッシ監督の名はプロデューサーのリストから消えていたが、「The Hollywood Reporter」によれば、そもそもフィリップス監督がこの作品にアプローチする前は、スコセッシ監督がメガホンを取りたいと希望していたという。この“うわさ”に対して、ワーナーはコメントを拒否し、スコセッシ監督の代理人は「『ジョーカー』を監督する意図はありませんでした。プロデュース業だけです」とコメントしている。スコセッシ監督は、何度もタッグを組んできたレオナルド・ディカプリオにジョーカー役を演じさせようとしたといううわさもあるが、フィリップス監督はジョーカー役にはホアキン・フェニックス以外を考えていなかったという。『ジョーカー』の製作から手を引いたスコセッシ監督は、Netflixオリジナル作品『アイリッシュマン』を監督した。『ジョーカー』と同じく、『アイリッシュマン』もオスカー獲得の可能性がささやかれている。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月10日今年10月28日(月)~11月5日(火)の10日間で開催される第32回東京国際映画祭。先日発表されたオープニング作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』に続き、GALAスクリーニング作品に成田凌主演&周防正行監督の最新作『カツベン!』、クロージング作品にマーティン・スコセッシ監督のNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』が決定。同映画祭の顔となる3本が出そろった。昨年から始まった、東京国際映画祭期間中のハイライトとして、観客および世界に注目してほしい作品をセレクトするGALAスクリーニングは名匠・周防監督の最新作『カツベン!』。いまからおよそ100年前の日本、“活動弁士”を夢見る一人の若き青年を主人公に、日本映画の未来を夢見た人々の群像を描いた物語。“声”にまつわる壮絶なオーディションを勝ち抜いた成田さんが映画初主演に挑戦、ヒロインは若手最注目の黒島結菜がつとめる。また、フィナーレを飾るクロージング作品は、ハリウッドの巨匠・マーティン・スコセッシ監督初のNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』。第2次大戦後のアメリカ裏社会を舞台にしたロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシといったオスカー俳優たちの超豪華共演作で、昨年の『ROMA/ローマ』のように各国の国際映画祭や映画賞レースを席巻するのでは?と早くも世界中で話題沸騰となっている。なお、「寅さん」シリーズ22年ぶりの新作にして第50作となる山田洋次監督『男はつらいよ お帰り 寅さん』が映画祭オープニング作品。「一人の俳優が演じた最も長い映画シリーズ」としてギネス世界記録を現在も保持している、まさに日本が世界に誇る映画シリーズが奇跡の帰郷を果たす。第32回東京国際映画祭は10月28日(月)~11月5日(火)、六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場にて開催。『カツベン!』は12月13日(金)より全国にて公開。Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』は11月27日(水)よりNetflixにて全世界同時配信開始。『男はつらいよ お帰り 寅さん』は12月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:男はつらいよ お帰り 寅さん 2019年12月27日より全国にて公開©2019松竹株式会社カツベン! 2019年12月13日より全国にて公開©2019「カツベン!」製作委員会
2019年09月06日アリシア・ヴィキャンデルが主役のララ・クロフトを演じた『トゥームレイダー ファースト・ミッション』の続編製作が決定した。2018年に公開された前作は、北米での興業成績がやや振るわなかったため、続編の製作が危ぶまれていた。「Digital Spy」によると、MGMとワーナー・ブラザースがすでに脚本家にエイミー・ジャンプを起用。エイミーは、マーティン・スコセッシが製作総指揮に名を連ねたイギリス映画『フリー・ファイア』の脚本で名を知らしめ、アリシアのお気に入りの脚本家だという。監督には『フリー・ファイア』の監督を務め、エイミーと脚本を共同執筆したベン・ウィートリーが決定している。エイミーとベンは『Kill List』(原題)、『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』でもタッグを組んでおり、映画製作におけるパートナーとして阿吽の呼吸を見せている。1作目が公開される前から、今後も「ララを演じていきたい」と語っていたアリシアは当然続投だろう。そのほかのキャストの出演についてはいまのところ明らかになっていない。撮影は2020年の早い時期に開始となり、2021年3月19日公開予定。(Hiromi Kaku)■関連作品:トゥームレイダー ファースト・ミッション 2018年3月21日より全国にて公開© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.
2019年09月05日9月に初来日する、ヨーロッパで今最も注目を集めるバレエカンパニー、「バレエ・アム・ライン」。芸術監督を務めるマーティン・シュレップァー氏に、『バレエ・アム・ライン』、また公演する『白鳥の湖』の魅力について聞いた。【チケット情報はこちら】2009年より同バレエ団の芸術監督を務めるシュレップァー氏。すでに名のあるバレエ団ではあったが、氏の改革以来、大きく飛躍してきた。氏が芸術監督となってから変わったことは「アーティスティックな状況の変化」と語る。「新しく5つのスタジオがある”バレエハウス”を作ったこと、そしてカンパニーの名前が変わりました。美徳の部分を変えたと言えるのではないでしょうか。純粋なダンスに目を向けたというのは、決してストーリー性があるバレエをしないとか、嫌いとかではなく、アーティスティックな観点からの変革を続けてきたことで、我々のカンパニーに対する外からの評判や印象が変わったのではないでしょうか」また『白鳥の湖』は日本でも良く知られる古典だが、今作は2018年の同バレエ団の新作。氏が制作する中で一番のインスピレーションとなったのは、小澤征爾のチャイコフスキーだという。「私個人として大型の古典的な作品を取り扱うことを長くテーマにしていたのですが、その準備に3、4年は必要だと思っていました。『白鳥の湖』と『眠れる森の美女』で迷っていたとき、小澤征爾のチャイコフスキー原典版の録音を聞き、倒れてしまうぐらいの衝撃を受け、それが最後の決め手になりました」と話す。また優雅な踊りをイメージするバレエとは違い、同バレエ団の『白鳥の湖』はスピーディな動きも特徴だ。「私のレッスンというのはとても独特ですが、常識外れではない。音楽的なダイナミックさに合わせてすばやく激しく動くことを求めています。私のカンパニーのダンサーは、体格も違うし年齢も国籍も多種多様。日本人では加藤優子さんという素晴らしいダンサーがいて、彼女は47歳ですが偉大なアーティストです。私の作品は身体への要求は高いと思いますが、振付はいつもハーモニー(調和)なものではなく、私自身ヨーロッパ人なのでレジスタント(抵抗性)も好きですし、舞台上でのフリクション(衝突)を大事に思います。舞台上ではハーモニーたっぷりな作品よりドラマがあるほうが面白いものになりますね」公演は9月20日(金)・21日(土)、東京・Bunkamura オーチャードホールにて、9月28日(土)兵庫・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールにて。
2019年09月04日巨匠マーティン・スコセッシ監督が手掛けるNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』の配信日が11月27日(水)に決定した。第57回ニューヨーク映画祭のオープニング作品、第63回ロンドン映画祭のクロージング作品に選出され、いま大注目の本作は、全米トラック運転組合のリーダー、ジミー・ホッファの失踪、殺人関与の容疑をかけられた実在の凄腕ヒットマン、フランク“The Irishman”・シーランの半生を描いた物語。フランク・シーランを、スコセッシ監督とは『カジノ』以来22年ぶりのタッグとなるロバート・デ・ニーロが演じるほか、ジミー・ホッファをアル・パチーノ、伝説的な裏社会のボス、ラッセル・バッファリーノをジョー・ペシと、豪華オスカー俳優3人の共演でも話題。アメリカでは「Netflix」配信開始日に先立ち、11月1日より劇場公開されることも決定。賞レースにより期待がかかる。また、冒頭のカットを監督と一緒に鑑賞したというスコセッシ監督と長年タッグを組んでいる編集者セルマ・スクーンメイカーは「観終わって、すぐに2人は顔を見合わせて、『ワォ!!』と感嘆の声を挙げたの!」と感想を明かしている。Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』は11月27日(水)よりNetflixにて全世界同時配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflixオリジナル】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflixオリジナル】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2019年08月28日ロバート・デ・ニーロとシャイア・ラブーフが、父子を演じることになった。作品は『After Exile』というタイトルのインディーズ映画。この父子はいずれも元犯罪者で、ラブーフのキャラクターは刑務所から出てきたばかり。彼は、強盗の途中に一般人を殺した罪で服役していた。彼の弟もまた悪い道にはまりつつあり、自分の人生を後悔している父は、ふたりの息子が自分と同じ人生を歩むことを止めようとしている。ほかにシャイリーン・ウッドリーも出演。監督はジョシュア・マイケル・スターンだ。撮影は10月にフィラデルフィアでスタートする。デ・ニーロの次回公開作は、マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』。ラブーフが脚本と助演を兼任した自伝的映画『Honey Boy』は、来月のトロント映画祭で上映される。文=猿渡由紀
2019年08月28日ジュリアン・ムーア、渡辺謙、加瀬亮の日米豪華キャストで、Amazonベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーに輝くベストセラー小説を映画化した『ベル・カント とらわれのアリア』が11月15日(金)に公開決定。ポスタービジュアルが到着した。1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件からヒントを得て、テロリストと人質の予期せぬ交流を描いた作家アン・パチェットの小説「ベル・カント」を、『アバウト・ア・ボーイ』でアカデミー賞脚色賞にノミネートされたポール・ワイツ監督により映画化。テロリストに占拠される南米某国の副大統領邸に居合わせた実業家のホソカワに、『ラスト サムライ』以降国際的に活躍し、ミュージカル「王様と私」でトニー賞にもノミネートされた渡辺謙。彼の通訳・ゲンに、マーティン・スコセッシ、ホン・サンスら名匠に愛される実力派俳優・加瀬亮。そして、『アリスのままで』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したハリウッドを代表する女優ジュリアン・ムーアは、ホソカワが大ファンであるオペラ歌手のロクサーヌ・コスに扮し、彼女の歌声を当代随一のソプラノ歌手と称えられるルネ・フレミングが吹き替える。ワイツ監督は、「私にとっての鍵は、脚本をジュリアン・ムーアに送り、彼女に私と一緒にこの映画を作りたいと思ってもらうことだった」とキャスティングについてコメント。さらに「渡辺謙には素晴らしいユーモアのセンスがあり、物腰に気品がある。この映画のほとんどで、彼から目が離せないだろう」と高く評価。ほかにも『ブリッジ・オブ・スパイ』のセバスチャン・コッホや『ヒトラーと戦った22日間』のクリストファー・ランバートらベテラン俳優が物語に深みをもたらす。今回併せて解禁となったポスタービジュアルには、オペラ歌手ロクサーヌ、実業家のホソカワ、さらに通訳ゲンが並び、「彼らの運命は、その女神のような歌声に託された―。」という印象的なコピーが配された。危機的状況の中、ロクサーヌの歌声がテロリストと人質たちにどんな影響を与えたのか。“力”ではなく、美しい芸術や温かな交流が人の心を救うことをそっと教えてくれる人間ドラマがついに日本に上陸する。『ベル・カント とらわれのアリア』は11月15日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年08月21日ロンドン映画祭のクロージング作品に、マーティン・スコセッシの『アイリッシュマン』が決まった。同作品は一足先に行われるニューヨーク映画祭の開幕作品に決まっており、世界プレミアはこちらだ。ロンドンは、インターナショナルプレミアとなる。出演はロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、アル・パチーノら。スコセッシが2008年から抱えてきたプロジェクトで、当初はパラマウントが世界配給する予定だったが、予算高騰を受けて2017年にNetflixが引き継いだ。北米でのNetflix配信は秋の予定。それに先立って、劇場限定公開が行われるものと見られている。ロンドン映画祭は10月2日(水)から13日(日)まで。文=猿渡由紀
2019年08月06日ロバート・デ・ニーロ × アル・パチーノ × ジョー・ペシ、さらにマーティン・スコセッシ監督と映画史のレジェンドが集結したNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』。この度、11月配信開始が決定し、観る者を引き込む予告編が公開された。本作は、全米トラック運転組合リーダー、ジミー・ホッファの失踪、および殺人に関与した容疑をかけられた実在の凄腕ヒットマン、フランク・“The Irishman”・シーランの半生を描いた物語。第2次世界大戦後、混沌としたアメリカ裏社会で、ある殺し屋が見た無法者たちの壮絶な生き様が描かれる。全米トラック運転手組合「チームスター」のリーダー、ジミー・ホッファの不審な失踪と殺人事件。その容疑は、彼の右腕で友人であり、凄腕のヒットマンとして伝説的な裏社会のボス、ラッセル・ブファリーノに仕えていたフランク・シーランにかけられる。解禁された予告編映像でも、ホッファからシーランへの1本の電話から静かに始まり、彼らがアメリカ史上最も重大な未解決事件に関与していく様が、重厚で危険な緊張感と共に映し出されていく。監督は、巨匠マーティン・スコセッシ。フランク・シーランを演じるのは、スコセッシと『カジノ』(’95)以来22年ぶり、実に9回目のタッグを組むロバート・デ・ニーロ。近年はコメディ演技も話題となっていた映画界のレジェンドが、久々に“裏社会”に帰ってくる。そしてジミー・ホッファ役には、『ゴッド・ファーザー』での競演を思い起こさせるもうひとりのレジェンド、アル・パチーノ。さらにラッセル・バッファリーノは。『グッドフェローズ』『ホーム・アローン』の名優ジョー・ペシが演じるという、映画ファンが卒倒してしまいそうなオスカー俳優3名の超絶豪華共演が実現。先日、9月に開催される第57回ニューヨーク映画祭のオープニングでワールドプレミア上映を開催されることが発表され、早くもアカデミー賞3部門を受賞したNetflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』同様に、賞レースを席巻するのではないかと注目が集まっている。Netflix オリジナル映画『アイリッシュマン』は11月、Netflixにて全世界同時配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflixオリジナル】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflixオリジナル】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2019年08月01日トロント映画祭のオープニング作品が発表された。音楽ドキュメンタリーで、タイトルは『Once We Were Brothers: Robbie Robertson and The Band』だ。本作は、カナダのミュージシャン、ロビー・ロバートソンが2016年に出版したメモワールからインスピレーションを得て制作されたもの。カナダのドキュメンタリーが、この映画祭のオープニング作品に選ばれるのは初めてのことだ。ロバートソンは『レイジング・ブル』をはじめ、マーティン・スコセッシ映画の音楽監督を務めてもいることから、スコセッシもこの映画のエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねている。今作は、カナダではストリーミング配信される予定。昨年のオープニング作品『アウトロー・キング~スコットランドの英雄~』も、Netflixで配信される作品だった。今年のトロント映画祭は9月5日(木)から15日(日)まで。文=猿渡由紀
2019年07月19日映画『永遠に僕のもの』で主人公を演じスクリーンデビューを果たしたロレンソ・フェロが、緊急初来日し、東京・渋谷のTOWER RECORDS渋谷店にて実施された日本最速フッテージ上映会に登壇。「この映画は苦しかったけど、本当に努力したし、本物の愛をこめた映画です」「全部をオススメしたい」などと、トークショーでは本作について思い明かす場面もあった。本作は、アルゼンチン犯罪歴史の中で最も有名な連続殺人犯、妖しく輝く美少年の破滅を描く真実のクライム青春ムービー。アルゼンチンでは2018年No.1スーパーヒットを記録した話題作だ。そんな本作で主人公のカルリートスを演じているのが、今回来日を果たしたロレンソ。1998年11月9日生まれ、現在20歳のロレンソは、本作で映画デビューし、本国では歌手デビューもし、大きな話題になっている南米最注目俳優だ。ロレンソ・フェロはポケモン好き!?今回会場にはシックなジャケットを羽織り、颯爽と登壇し、会場を沸かせたロレンソ。優しく微笑み手を振りながら「皆さん、今日はお越しいただいてありがとうございます。日本に来れてすごく嬉しいです」と挨拶。初めての日本にロレンソは「すごく美しくて、進んでいて、未来にきたような感じ!」と目を輝かせ、「取材の合間にゲームセンターに行って、UFOキャッチャーで大好きなポケモンのミュウツーのぬいぐるみを取れたし、美味しい和牛とお寿司もいただきました」とすでに日本を満喫している様子。神尾楓珠がサプライズ登壇「すごく面白かった」また、ロレンソの来日を祝福するため、「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」にも出演したネクストブレイク俳優・神尾楓珠がサプライズ登壇。ロレンソと固い握手を交わし、大きな花束をプレゼント。本作をすでに鑑賞したという神尾さんは「日本とは芝居のやり方や構成の作り方が違うところも面白かったし、ロレンソの芝居には、カルリートスの“若さゆえのふてぶてしさ”や、“悪意の感じない無邪気さ”が上手に表現されていて、単純にカッコいいなって思いました」と感想を伝えた。そして、特に好きなシーンは“ダンスシーン”のようで、「冒頭と終わりにあるのですが、全く違って見えたんです。上手く言えないけど、彼のダンスからは諦めも希望も感じるし、物語の先の未来を想像させる余地があったので、すごく面白かった」と大絶賛。ダンスシーン秘話…そんな神尾さんからの称賛に、ロレンソはちらっとウィンクを交わし「カルリートスをあまり憎んで欲しくないと思っていたので、神尾さんが仰ってくれたこと、すごく嬉しいです!」と喜び、ダンスシーンについては「実は、お父さんが眠っている間に鏡の前でこっそり練習していたんです。撮影中も恥ずかしくて…、テイク1だけ、監督と2人にしてほしいとお願いました。あと、『ウィスキー1杯持ってきて!』って(笑)」と照れ笑いを浮かべながら撮影エピソードを明かす。続けて、「でも、色々ダンスを試しながらテイクを重ねているうちに人が増えていって…、最終的には20~30人くらいになっていました」と苦笑するロレンソに対し、神尾さんは「なんか…濡れ場の撮影みたいですね(笑)」と言うと、会場からは大きな笑いが起こった。さらに、神尾さんが「国籍が違う2人を描いた物語は面白いと思うので、ロードムービーのような作品でロレンソと共演したいです」と語ると、ロレンソも「ポケモンの映画に一緒に出るのはどうかな!?監督はマーティン・スコセッシにお願いして!(笑)」と提案も飛び出していた。『永遠に僕のもの』は8月16日(金)より渋谷シネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年06月28日2017年10月頃から交際が報じられていたクリス・マーティンとダコタ・ジョンソンが、破局を迎えた。「Daily Mail」紙などが報じた。破局の原因は、ダコタが家庭を持つ心の準備ができていなかったことだという。2人の友人は「クリスは、できるだけ早くもっと子どもが欲しいと思っていることをはっきりと口にしていました。しかし、ダコタはキャリアがとても順調で、出産はいまのところ全く考えていないことだったのです」と語っている。ダコタと家庭を築くために、約6億円でマリブにビーチハウスを購入したというクリス。ここ数か月、2人の間で何度も話し合いが行われたものの、「先月、自分たちの考えは全く反対の方向に進んでいることに気がつき、別れることになったようです」と友人は語る。2人はつい最近まで「まもなく婚約する」と言われていただけに、友人や関係者らは「すごく驚きました」とのこと。「ダコタもクリスもこのような結果になり、心を痛めています。2人はとても素敵なカップルでしたからね」。(Hiromi Kaku)
2019年06月17日EXILE・AKIRA(37)が6月6日、“台湾一有名なモデル”として知られる林志玲(リン・チーリン、44)との結婚を発表した。公式ホームページで結婚を報告したAKIRAは、11年8月に上演した舞台「レッドクリフ~愛~」をキッカケに林と出会ったと報告。さらに「昨年から交際に至り、これまで2人の仲を深め、向き合ってきました」として、林についてこう語った。「志玲さんはいつも自分のことよりも家族や仲間を大切にし、それ以上に、自分の活動を通してファンの皆様やアジアの多くの方々を大切にし、沢山の愛情や勇気を届けている姿を近くで見てきて、その責任感の強さと、愛に溢れる人柄に心惹かれました」また「どんな時も、ありのままの僕を笑顔で受け入れてくれる大きな優しさに、感謝の気持ちと共に、志玲さんを心から幸せにしたいと真摯に思いました」と結婚に至った経緯を明かした。AKIRAは06年6月、EXILEにパフォーマーとして加入し多くの女性ファンを魅了してきた。音楽方面だけでなく俳優としても活躍し、09年の初主演映画「ちゃんと伝える」では第19回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。さらに11年に公開されたアンドリュー・ラウ監督(59)の映画「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」でアジア映画デビューを果たし、17年にはマーティン・スコセッシ監督(76)の映画「沈黙‐サイレンス‐」にも出演。同年2月にはアジア人初となる「ラルフローレン」のアンバサダーに就任した。いっぽう台湾出身の林はその美貌が話題を呼び、アジア全域で活躍。10年には木村拓哉(46)主演によるドラマ「月の恋人~Moon Lovers~」(フジテレビ系)に出演し、日本でも大きな話題を呼んだ。またジョン・ウー監督(72)による映画「レッドクリフ」シリーズにヒロインとして出演し、世界中の注目を集めることに。その活躍ぶりからInstagramのフォロワー数は70万人以上を誇る。そんな世紀のビッグカップルの結婚にネット上では祝福の声が続出。いっぽう、早くもAKIRAロスが広がりを見せている。《ビッグカップルすぎて最高~!!!!!、!!!!!!!!!!!!! それはそれとしてショック~!!!!!!!!!!》《妹がAKIRAの大ファンで めっちゃ ショック受け取ります》《AKIRAさんが結婚した!!!!??すごく美男美女…心の底から祝福したい…それはそれとして明日会社休みます》《AKIRA結婚をLINEで教えたら明日仕事休むかもって》結婚コメントを「エンタテインメントの世界で今以上に初心を忘れず、日頃から応援してくださっている皆様に恩返し出来ますよう精進していきたいと思っておりますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします」と結んだAKIRA。ともに世界を舞台に活躍する夫婦のこれからに注目が集まりそうだ。
2019年06月06日第71回カンヌ国際映画祭で見事、脚本賞を受賞したイタリア映画『幸福なラザロ』。本作に関わった現代イタリア映画界を語る上で欠かせない存在で、日本のファンからは「イタリアの安藤桃子&安藤サクラ」との声も上がる“ロルヴァケル姉妹”の魅力を徹底解剖する!本作の監督を務めたのは、前作『夏をゆく人々』(’14)がカンヌ映画祭グランプリに輝き、世界が注目したイタリアの新しい才能、アリーチェ・ロルヴァケル。待望の新作となった本作は、2018年カンヌ国際映画祭で上映されるやいなや「異彩を放つ傑作!」と話題を呼び、世界各国から配給権のオファーが殺到。北米公開時には巨匠マーティン・スコセッシが絶賛し、映画完成後にプロデューサーに名乗りを上げる異例のバックアップをするなど、世界の著名人をも動かしてきた。1981年生まれのアリーチェは、養蜂で生計を立てる一家の夏を描いた自伝的作品である前作『夏をゆく人々』が長編映画2本目にしてカンヌでグランプリを獲得。その翌年には、ファッションブランド「MIU MIU(ミュウミュウ)」のショートフィルムシリーズ「女性たちの物語」の第9弾として「De Djess」を発表、同ブランドのデザイナーであるミウッチャ・プラダがいま一番インスピレーションを受けている存在のひとりとしてアリーチェを挙げるなど、ほかの世界的アーティストに刺激を与えている。一方、物語の後半に登場し、主人公の青年ラザロ(アドリアーノ・タルディオーロ)と行動を共にすることになるアントニアを演じるのはアルバ・ロルヴァケル。ふたりはアリーチェが妹、アルバが2つ上の姉となる。主人公の少女の母親役を演じた『夏をゆく人々』に続いて『幸福なラザロ』と妹の監督作に続けて出演しているが、観客の視線を釘付けにさせてしまう圧倒的な存在感と変幻自在な演技力が持ち味。本作でも、都会の片隅で必死に生きながらラザロと再会し、日常や心に“揺らぎ”が生まれていく女性を好演する。昨年だけでも6作品に出演したアルバは、いまやイタリア映画界を代表する女優のひとりといっても過言ではない。日本では『幸福なラザロ』以外にも、『ザ・プレイス運命の交差点』(公開中)に神の存在を感じたいために妊娠を命じられる修道女という難しい役どころで出演しているほか、イタリア映画ファンにはお馴染みのGWの恒例行事「イタリア映画祭2019」では、自由奔放な母親を演じた『私の娘よ』、子育て、恋愛、仕事に奮闘するシングルマザーを演じた『ルチアの恩寵』と出演作が2本上映。映画祭のポスターにもその姿が登場しており、さながら“アルバ祭り”の勢いすら見せている。アリーチェは、姉・アルバについて「常に私の仕事にインスピレーションを与えてくれて、とても信頼している存在です」と語り、『夏をゆく人々』では4姉妹の長女を主人公に据えるにあたり、姉つまりアルバの視点で物語を捉えようとしていたことを公言している。この活躍著しい姉妹に対して、SNSでは「イタリアの安藤桃子&安藤サクラだ」と例える声も上がるほど。アルバとアリーチェの両方にインタビューをしたことのある翻訳家・ライターの岡本太郎氏は、「ふたりにはとても強い信頼感を感じさせます。顔は余り似ていませんが、ふたりの声を聞くとしゃべり方がそっくりなんです」と語り、性格面では女優のアルバには几帳面さを、監督のアリーチェには自由な知性を感じるという。アリーチェ監督作のカンヌ上映時には姉妹そろってレッドカーペットに登場してきたが、姉妹での来日はまだ実現していない。アルバも出演するアリーチェの次回作で、もしかしたら実現するのか、イタリア映画界を牽引する姉妹に引き続き注目していて。『幸福なラザロ』は4月19日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:幸福なラザロ 2019年4月19日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開©2018 tempesta srl ・ Amka Films Productions・ Ad Vitam Production ・ KNM ・ Pola Pandora RSI ・ Radiotelevisione svizzera・ Arte France Cinema ・ ZDF/ARTE
2019年04月18日ハリウッドでミュージカル映画の黄金期を築いた監督たちのひとり、スタンリー・ドーネンが亡くなった。享年94。第91回アカデミー授賞式の前日の23日(現地時間)、息子が「Chicago Tribune」に明らかにしたという。ブロードウェイ・ダンサー、振付師としてのバックグランドを生かし、数多くのミュージカル作品を手掛けたドーネン監督。代表作としては、ジーン・ケリー主演、彼と共同監督した『雨に唄えば』が知られる。また、オードリー・ヘプバーンを主演に迎えた『パリの恋人』、『シャレード』、『いつも2人で』も有名。監督人生の中でドーネン自身がオスカーにノミネートされたことはなかったものの、1998年の第70回アカデミー賞では功労賞を受賞。プレゼンターのマーティン・スコセッシ監督からオスカー像を受け取ると、BGMで流れ始めたアーヴィング・バーリンの「Cheek to Cheek」のメロディに合わせて「天国、天国にいるようだ。しゃべれないくらい心臓がドキドキしている」と歌い、タップも踏んでみせて大歓声を浴びた。ドーネン監督は生涯で5回の結婚・離婚を経験し、1999年から亡くなるまではコメディエンヌのエレイン・メイと生活をともにしていた。(Hiromi Kaku)
2019年02月25日2月24日(現地時間)に米ABC局で生放送される第91回アカデミー賞授賞式。映画芸術科学アカデミーの会長ジョン・ベイリーは先日、撮影賞、編集賞、短編映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4部門をCM中に発表し、受賞スピーチは後に録画したものを流すという計画をアカデミーメンバーへ伝えた。例年より放送時間を短縮するためだという。後に見られるとはいえ、生放送では「カットされる」という憂き目にあう4部門。ベイリーはそれでも「アカデミーはオスカーで(受賞カテゴリーの)24部門全ての業績を称える」ことを強調したが、メンバーやファンたちから多くの非難の声が上がった。「The Hollywood Reporter」によれば、先週、200人以上の撮影技師、マーティン・スコセッシやアルフォンソ・キュアロン含む75人の監督、ブラッドリー・クーパーやグレン・クローズら80人以上の俳優、その他プロデューサーや編集者らなどが連名でアカデミーに手紙を送付。アカデミーが行おうとしていることは、人生と情熱を捧げてきた4部門の人たちに対する侮辱であると指摘し、「いまからでも撤回するには遅くない」と計画の取りやめを迫った。その結果、アカデミーは「多くのフィードバックを受け」、再考したことを明らかに。「全ての部門の賞を編集なしに、これまでのフォーマット通りに生放送します。2月24日のオスカーを心待ちにしています」という。(Hiromi Kaku)
2019年02月18日ナイキ(NIKE)が、ロンドンを拠点に活躍するメンズウェアデザイナーのマーティン・ローズ(MARTINE ROSE)と初めてコラボレーション。トラック スーツ、フットボール ジャージ、新たにデザインされたシューズ「ナイキ エア モナーク」で構成されるカプセルコレクションを1月12日に発売する。ナイキ エア モナーク IV/MARTINE ROSE(税込2万7,000円)今回のコレクションは、ローズの他のデザインと同様に、歪んだプロポーションを駆使し、平凡に見えるものの中に非凡な要素を見出し「本当に優れたもの」に作り変える、という彼女のデザインの世界観を体現したものとなっている。トラック スーツとフットボール シャツは、バスケットボール選手基準のサイズ感をイメージし、イギリスのサブカルチャーの要素も含んだデザインとなっている。シューズは、「とてもアメリカらしいシューズ」とローズが語る「ナイキ エア モナーク」をベースに、シューズのフォームの一部がベースからはみ出したり、 かかと部分がソールより外に突き出るような特徴的なデザインに作り変えられた。「あえて、とてもアメリカらしいシューズのナイキ エア モナークをベースとして選び、トラック スーツのとてもイギリスらしいシルエットと組み合わせました」 とローズは語っている。近年、スポーツウェアのシルエットはあらゆるところで採用されており、ストリートだけではなく、パリのファッションショーでも登場するようになっている。ローズは、これは単なるトレンドではなく、感情的なつながりがあるからだと考え、次のように話す。「スポーツウェアは、長い間、イギリスやアメリカなどで若者のムーブメントに用いられてきました。このように、広く受け入れられることで、スポーツウェアは興味深い存在となりました。それに、自分のワードローブにある、あらゆるタイプの衣服と組みわせられるのです。私は人が衣服とどのように関わっているかにとても興味を持っています。その人がどのような人で、どのような人になりたいかがよく分かります。そこには感情的な何かがあるのです」。ナイキ x マーティン・ローズ コレクションは1月12日から、NIKE.COM/NIKELAB 、NIKE SNKRS、NIKELAB MA5、DSM GINZAで発売予定。
2019年01月10日ロバート・デ・ニーロが20年連れ添った妻のグレイス・ハイタワーとの離婚について、「E!News」に声明を発表した。「グレイスと私は、美しい2人の子どもをもうけました。私たちの関係は過渡期に入っています。難しいことでありますが、前向きなプロセスを踏んでいます」とデ・ニーロは語っている。「私はグレイスに対し、素晴らしい母親として敬意を払っています。私たちは子育てする親としての役割を今後も担っていくため、どうかプライバシーの尊重をお願いします」とメディアにプライバシーを求めた。2人は1997年に結婚し、翌年に息子のエリオットが誕生。1999年に結婚生活が破綻しかけ、デ・ニーロが離婚を申請するもエリオットの親権を巡ってグレイスと争うことに。しかし、結局離婚せず、2004年に再び結婚の誓いを行った。そのセレモニーにはメリル・ストリープやマーティン・スコセッシらセレブが出席。2人の再出発を祝った。2011年には代理母を通じて娘のヘレンが誕生し、デ・ニーロは当時68歳にして新たな子どもの父親となった。現在、2人は離婚に向けて別居中。今年の夏の終わり頃からデ・ニーロがグレイスを伴わずにイベントに出席することが増え、破局へのカウントダウンとみられていたという。(Hiromi Kaku)
2018年11月28日レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が、デヴィッド・グランのベストセラー小説「Killers of the Flower Moon」(原題)を映画化するにあたり、再びタッグを組むことになった。『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)、『アビエイター』(2004)、『ディパーテッド』(2006)、『シャッター アイランド』(2010)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)と、コンスタントに仕事を共にしてきた2人。今回挑むのはノンフィクション小説で、舞台は1920年代のアメリカ・オクラホマ州。地下資源が豊富にある土地で暮らすインディアンのオセージ族が次々と殺害され、FBIの前身だったBOIが捜査に乗り出すという物語だ。「The Wrap」によれば、スコセッシ監督は「この本を読んだとき、すぐに人々や撮影現場、演じている姿が見えてきたんだ。これは、映画にしなきゃと思ったよ。エリック・ロスと働けるのはうれしいね。レオナルド・ディカプリオと再び組めるのも。解決しきっていないアメリカの物語をスクリーン上で描くのが楽しみだ」と語っているという。製作は2016年に「Killers of the Flower Moon」の映画化権を獲得した「Imperative Entertainment」社。スコセッシ監督もプロデューサーを兼任する。脚本は『アリー/スター誕生』(共同脚本)、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のエリック・ロス。(Hiromi Kaku)
2018年10月25日主演に前田敦子、共演に高良健吾を迎え、ノーベル文学賞作家・川端康成の作品を原案にした“お葬式コメディ”が爆誕!映画『葬式の名人』が2019年に全国公開されることが決定した。■ストーリー大阪府茨木市にある簡素な木造アパートで、息子と2人で暮らしている28歳・渡辺雪子。ある日、彼女のもとに高校時代の同級生の訃報が届く。卒業から10年の時を経て、通夜に集まった同級生たちが体験したのは、これまでに見たことも聞いたこともない奇想天外なお通夜だった――。本作は、大阪を舞台に奇想天外な高校の同級生のお通夜を体験する人々を描く、笑って泣ける“お葬式コメディ”。主演を務めるのは、2018年も『のみとり侍』『食べる女』など出演作が相次ぐ女優・前田敦子。エッセイ本「前田敦子の映画手帖」を出版するなど、映画通として知られる前田さんが演じるのは、貧しいながらも、女手1つで小学生の息子を育てるシングルマザー。前田さんは初のママ役、さらに関西弁での演技に初挑戦する!そんな前田さん演じる雪子の同級生であり、共に奇想天外な通夜に翻弄される茨木高校の野球部顧問・豊川大輔を、今年は『万引き家族』に出演し、2015年『悼む人』『きみはいい子』で日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞、主演男優賞を受賞した実力派俳優・高良健吾が演じる。■映画評論家・樋口尚文2作目のメガホン!川端康成ゆかりの地でオールロケ映画評論家として知られる、樋口尚文監督の劇場用映画第2作目となる本作は、ノーベル文学賞作家・川端康成の「十六歳の日記」「師の棺を肩に」「少年」「バッタと鈴虫」「葬式の名人」「片腕」など多数の作品を原案に、川端の母校・大阪府立茨木高校の後輩で、日本チャップリン協会会長を務める脚本家・プロデューサーの大野裕之が脚本を執筆。川端が18歳まで過ごした大阪府茨木市の市制70周年記念事業の一環として、茨木市全面協力のもと、2018年8月、酷暑の中、茨木高校を中心に茨木市オールロケにて撮影された。監督:樋口尚文「女優としての前田敦子さんに心酔していました」私はかねて女優としての前田敦子さんに心酔していましたが、いつか前田さんでマーティン・スコセッシ『アリスの恋』のようなカッコいいシングルマザーが描けたら、というかなわぬ夢を持っていました。その「まさか」が今回の『葬式の名人』で実現、前田さんは初の関西弁も味方につけて、初のママ役をもの凄い集中力で演じきってくれました。これ以上はない相手役の高良健吾さんの繊細で緻密な演技も必見です。しかもなんと世界的文豪の川端康成の小説を原案とした、コメディありラブストーリーありファンタジーありの“世にもフシギなお通夜”に、観客の皆さんにも笑って泣いて「参列」していただきたいです。プロデューサー&脚本:大野裕之「情愛あふれる熱演に何度も泣かされ…」コメディを書いたはずが、前田敦子さんの情愛あふれる熱演に何度も泣かされ、高良健吾さんの色っぽくて真っ直ぐな演技に震えました。樋口尚文監督はじめ名匠スタッフ陣のおかげで、大切な同級生のお通夜を通して、生きることの大切さをユーモラスに描く作品ができました。それにしても、川端康成の母校である大阪府立茨木高校でのロケは、映画の達人たちによる楽しいお祭りのようでした。(実は、茨木高校は私の母校でもあるので、本当に感無量なんです!)皆様もこの熱いお祭りに、奇妙で感動的な“同窓会”に、ぜひおいでください!『葬式の名人』は2019年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年10月22日女優の前田敦子が、映画『葬式の名人』(2019年公開)の主演を務めることが22日、わかった。高良健吾が共演する。同作は、映画評論家として知られる、樋口尚文監督の劇場用映画第2作目。ノーベル文学賞受賞作家・川端康成の作品(「十六歳の日記」「師の棺を肩に」「少年」「バッタと鈴虫」「葬式の名人」「片腕」等他多数)を原案に、川端の母校・大阪府立茨木高校の後輩で、脚本家・プロデューサーの大野裕之が脚本を執筆した。突然訪れた高校時代の同級生の訃報に、卒業から10年の時を経て、通夜に集まった面々が体験する奇想天外なお通夜を描く。前田は、息子と2人で暮らしている28歳のシングルマザー・渡辺雪子を演じる。15日に第1子を妊娠中であることを発表したが、ママ役、さらに関西弁での演技に初挑戦する。また高良は、雪子の同級生であり、共に奇想天外な通夜に翻弄される、茨木高校の野球部顧問・豊川大輔役。川端康成が18歳まで過ごした大阪府茨木市の市制70周年記念事業の一環として、市の全面協力のもと、オールロケにて8月に撮影された。○樋口尚文監督 コメント私はかねて女優としての前田敦子さんに心酔していましたが、いつか前田さんでマーティン・スコセッシ『アリスの恋』のようなカッコいいシングルマザーが描けたら、というかなわぬ夢を持っていました。その「まさか」が今回の『葬式の名人』で実現、前田さんは初の関西弁も味方につけて、初のママ役をもの凄い集中力で演じきってくれました。これ以上はない相手役の高良健吾さんの繊細で緻密な演技も必見です。しかもなんと世界的文豪の川端康成の小説を原案とした、コメディありラブストーリーありファンタジーありの〈世にもフシギなお通夜〉に、観客の皆さんにも笑って泣いて「参列」していただきたいです。○大野裕之プロデューサー コメントコメディを書いたはずが、前田敦子さんの情愛あふれる熱演に何度も泣かされ、高良健吾さんの色っぽくて真っ直ぐな演技に震えました。樋口尚文監督はじめ名匠スタッフ陣のおかげで、大切な同級生のお通夜を通して、生きることの大切さをユーモラスに描く作品ができました。それにしても、川端康成の母校である大阪府立茨木高校でのロケは、映画の達人たちによる楽しいお祭りのようでした。(実は、茨木高校は私の母校でもあるので、本当に感無量なんです!)皆様もこの熱いお祭りに、奇妙で感動的な<同窓会>に、ぜひおいでください!
2018年10月22日“ハリー・ポッターの原点”ともいわれるジョン・ベレアーズ著書を映画化する『ルイスと不思議の時計』から、魔女のツィマーマンを演じているケイト・ブランシェットの姿を捉えた写真がシネマカフェに到着した。■大御所女優と肩を並べる実力をもつケイト・ブランシェット本作でジョナサンの屋敷の隣に住む一流魔女、ツィマーマンを演じるのは、『オーシャンズ8』で男女問わず惚れ惚れするような佇まいを見せてくれたケイト・ブランシェット。彼女は、監督のイーライ・ロスが「『世界で最も優れた女優は?』と質問されたら、「人々は『ケイト・ブランシェット、メリル・ストリープ、ジュディ・デンチ』と答えるはずだ」と、大御所女優と肩を並べるほどの評価を得ている。94年に映画女優としてのキャリアをスタートさせたケイトは98年公開『エリザベス』で主演を務めると、アカデミー賞主演女優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞主演女優賞ほか、多くの賞を受賞した。その後も『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで大きなインパクトを残し、マーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』ではアカデミー賞助演女優賞を獲得。さらにはウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』で、一癖も二癖もある悲劇的な主人公を演じ、アカデミー賞主演女優賞を受賞した。また、女性同士の恋を描いた『キャロル』では、共演のルーニー・マーラをリードする役柄で、こちらでも大きな注目を浴びた。■新たな役柄に挑み続ける姿にくぎ付け!演技派女優としての地位を確かなものとしたケイトだが、近年は『マイティー・ソー バトルロイヤル』などの大作での演技にも挑んでいる。特殊メイクを施した強烈なビジュアルをもつ「死の女神ヘラ」を演じた際は、マーベルシリーズのファンのみならず、多くの映画ファンを驚かせている。ケイトについてロス監督は「彼女は、『シンデレラ』に出てくる意地悪な継母のような雰囲気があるクラシックな役柄を演じるのを楽しんでいたように感じたよ。非常に思慮深くて、丁寧で繊細で、この素晴らしい役柄を創り出すことを楽しんでくれたね」とふり返っている。3児の母親でもあるケイトは「これは最高の家族映画よ。本当に怖いの。親として映画館で子供の手を握って『これからジェットコースター級の面白さを体験するわよ』なんて言えるのはまさに喜びだわ」と喜びを隠せない様子で、「この作品は洗練されていて、ダークで、切なくて、可笑しくて、驚きがいっぱいの一大アドベンチャーよ。それにちゃんと原作の良さもそのままなのよ」と、本作がファミリー映画に最適なテーマとユーモアが詰まった作品だと語ってくれた。世界を代表する女優でありながら常に新たな挑戦を続ける彼女の姿をぜひスクリーンで確かめてほしい。『ルイスと不思議の時計』は10月12日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ルイスと不思議の時計 2018年10月12日より全国にて公開Ⓒ2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO.,LLC
2018年10月08日ウィル・スミスとマーティン・ローレンスが黒人刑事コンビを演じた『バッド・ボーイズ』シリーズの最新作が、来年の早い時期に製作開始となる。「Variety」誌が報じた。シリーズ第3弾となる『Bad Boys For Life』(原題)は、これまでに何度も製作開始時期が報じられては延期を繰り返してきた。今回は、ソニーがクリス・ブレムナー(『ベストマン-シャイな花婿と壮大なる悪夢の2週間-』の共同プロデューサー)の脚本にGOサインを出し、ついに製作の開始が決定したようだ。監督はベルギー出身のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーコンビが起用された。2人は『ビバリーヒルズ・コップ』の4作目のメガホンもとることが報じられている。15年ぶりのシリーズ最新作となる『Bad Boys For Life』の内容については明らかになっていないが、配給会社のコロンビア・ピクチャーズの社長サンフォード・パニッチは、「15年も経って新しい『バッドボーイズ』を作るなら、レベルアップした最高の作品にしなきゃならないですね」と意気込みを語った。また、監督コンビについても、「素晴らしいコンビですよ。彼らは(マイケル・ベイが監督した)最初の2作品も気に入っていますが、変化を取り入れることを恐れていません」と“新たな風”に期待するコメントも。『Bad Boys For Life』は2020年1月に全米公開予定。(Hiromi Kaku)
2018年10月02日