あの作品でお馴染み。イラストレーター「中村佑介」東京・表参道にて『謎解きはディナーのあとで』などの有名書籍のカバーでお馴染みのイラストレーター・中村佑介の作品を展示したカフェ「中村祐介ギャラリーカフェ」が2018年3月2日(金)~3月18日(日)まで「Cafe&Dining hanami」にて期間限定でオープンします。くつろぎながら数々の人気作品の世界を楽しんで店内には、中村佑介が過去に手掛けた作品の原画の数々が展示されます。小説『謎解きはディナーのあとで』や『夜は短し歩けよ乙女』などの有名書籍のカバーだけでなく、有名アーティストのCDジャケットやアニメのキャラクターデザインなど、多岐に渡る中村佑介の作品は、一度は目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。「中村佑介ギャラリーカフェ」では、そんな中村佑介の世界を、カフェでくつろぎながらゆっくりと楽しむことができます。ぜひ手に入れたい!中村佑介のイラストグッズ「中村佑介ギャラリー」では、販売が初となる「中村佑介オリジナルマスキングテープ」が販売されます。これはファンは逃さずに手に入れたいですね。他にも数多くの中村祐介グッズが取り揃えられています。ギャラリーカフェには特典がいっぱい!期間中、来店者全員に中村祐介のイラストが描かれた特製コースターがプレゼントされます。ドリンク1杯の注文につき、さらにもう1枚。特製コースターは全部で10種類です。そして、中村祐介プロデュースのVR作品「Birth YUSUKE NAKAMURA VR」を体験した人には、特製缶バッチがプレゼントされます。こちらは全9種類。その場で感想をツイッターに「#Birthを観た」を付けて投稿すると、さらにもう1個貰うことができますよ。「中村佑介ギャラリーカフェ」は、東京メトロ各線「表参道駅」のA1出口から徒歩3分のところにある「Cafe&Dining hanami」にて開催されます。イベント情報イベント名:中村佑介ギャラリーカフェ催行期間:2018年03月02日 〜 2018年03月18日住所:東京都渋谷区神宮前5-3-8 AF Lohas St.Bldg 1-2F(Cafe&Dining hanami)
2018年02月28日中村勘九郎、中村七之助兄弟らによる全国巡業公演が今年も開催される。「春暁特別公演2018」と銘打ち、3月中旬の埼玉を皮切りに全国12か所を巡るふたりに、話を聞いた。春暁特別公演2018 チケット情報普段、歌舞伎の舞台を生で観ることができない全国の人たちに、歌舞伎の楽しさを届けたい、と2005年より毎年開催、兄弟ふたりが中心になってのこの巡業は、「最初の頃は不安でした。が、継続は力なり。この公演を見て歌舞伎を好きになったという方が多く、やってきて良かったなと思います」と話す勘九郎。上演演目も、初めて歌舞伎を観る人も存分に楽しめるものをと工夫を重ねてきた。今回、勘九郎が演じる「浦島」は、かの昔話の主人公の後日談。「海から戻ってきた浦島が、竜宮城での思い出を踊りで見せます。その後玉手箱を開けたらどうなるか──、皆知っていることですが(笑)、これが意外と古風な早変わりで、楽しく観ていただけると思います」(勘九郎)。いっぽう、七之助が踊るのは華やかさに満ち満ちた「枕獅子」。「『鏡獅子』の元となったとても古風な踊りです。僕が演じるのは傾城で、その切ない女心を格式高い曲調で踊ります。『鏡獅子』よりもさらに華やかなところもあり、春にぴったりですね」(七之助)。中村屋門弟らによる「鶴亀」も、春にふさわしい、おめでたい雰囲気に溢れた舞踊だ。この巡業公演ならではのお楽しみ、「芸談」の時間も。「芝居のことも、プライベートのこともざっくばらんに話すトークショーです」と勘九郎。この時間はいつもスーツ姿での登場だが──「いまだに『おおーっ!』と声があがる。あれは絶対、『着物じゃない?スーツだ!』『普通の人だ!』ということでしょう(笑)。生で観る歌舞伎は初めてという人は?と聞くと、半分以上の方が手を上げられる。まだまだ、ですね」と七之助も言葉に力を込める。質疑応答のコーナーでは、「どんなニックネームで呼べばいいか」という斬新な質問も。「屋号以外で?じゃあ何か考えてください、と返すと、『カン』と『シチ』って(笑)──」と七之助。「そんな掛け合いもできるんです」と勘九郎も楽しげだ。都市によってシャイだったり積極的だったりとか客席の雰囲気は様々だが、客席との直接の交流が生まれるかけがえのない時間といえるだろう。2019年の大河ドラマ主演を控える勘九郎だが、これを逃すと勘九郎の生の舞台はしばらくお預けとなるだけに、兄弟揃っての公演は見逃せない。公演は3月17日(土)さいたま市文化センター 大ホールから4月5日(木)鎌倉芸術館 大ホールまで全12か所で開催、チケットは発売中。取材・文加藤智子
2018年01月30日2月の博多座は、中村勘九郎、中村七之助、尾上松也といった人気花形揃い踏みで「二月花形歌舞伎」を上演。昼の部は、幕末の鹿児島を舞台に運命に翻弄される若者を描いた『磯異人館』、早替りを交えながら七役を見事に演じ分ける様が魅力の『お染の七役』。夜の部は時代物の勇壮さと様式美が堪能できる『義経千本桜 渡海屋・大物浦』、一目惚れの恋をテーマにした三島由紀夫作の喜劇『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』といったバラエティに富んだ名作揃いだ。2月2日(金)の開幕を前に、中村勘九郎、中村七之助に話を聞いた。二月花形歌舞伎 チケット情報博多座は5年ぶりの出演となるふたり。勘九郎が「父(故・中村勘三郎)との思い出が多い劇場ですので、来たかったんですよ」と語る博多座での公演だけに、演目にもかなり気を配った。博多の友人が多い七之助はリサーチも入念に行なったとか。「わかりやすくて派手なものがいい、という声が多かったんです。表面的にわかりやすいだけではなく、情愛の深いものや、様々な感動がある演目ばかり。歌舞伎にもいろいろなジャンルがあるんだと思って頂けると思います」(七之助)父、祖父が演じてきた思い出深い演目『鰯賣~』は夜の部で上演。2014年の「中村勘三郎三回忌追善公演」で初めて兄弟でやり、今回は2回めとなる。「九州では父も祖父もやっていないので、九州初上陸の演目となります。三島由紀夫先生が六代目歌右衛門と私の祖父に当てて書いてくださった作品で、逆シンデレラストーリーの超ハッピーエンドな物語。残念ながら直接父から教わる機会はなかったのですが、大好きな作品だったので父が演じていた時の息づかいなどもしっかり覚えています。ふわっとした愛嬌や色気が漂うような空気感が出せれば」と勘九郎。そして七之助が七役を演じ分ける『お染の七役』は昼の部で上演される。「早替りはもちろん楽しんで頂きたいのですが、実は今回台本も少し変えようと思ってまして。お家騒動に至るまでの登場人物の思惑や背景をもう少し詳しく表現します。冒頭に関してはほとんど新作になってますね。新しくなった『お染の七役』は博多座が初上演。しかも今回は兄も早替りするんです。同じ演目でふたりの役者が同時に早替りするのはあまりないので、お楽しみに!」と七之助。「え?今、初めて聞きました(笑)」と驚く勘九郎に、「大丈夫、大丈夫(笑)」と七之助が笑顔で返すなど、兄弟ならではの率直なやりとりが微笑ましく、どんな舞台になるのか期待が高まる。同世代であり、子どもの頃からの仲である尾上松也が全演目に出演するのも話題。「気楽に楽しんで騒いで頂いて。あ、他のお客様にご迷惑にならない程度に(笑)。熱い博多の気質で、どんちゃん騒ぎながら観て頂けたら嬉しいです」(七之助)「今回出てくださる先輩方は皆さま寛容な方ばかりなので、騒いでもきっと許してくださると思います(笑)」(勘九郎)2月2日(金)から25日(日)まで博多座で上演。チケット発売中。
2018年01月17日笑福亭鶴瓶と「ViVi」モデル・emmaがMCを務め、ゲストの友人や関係者に徹底取材することでその素顔に迫っていくバラエティー「A-Studio」。1月12日の放送回ではゲストに「嵐」の松本潤が出演。ドラマ「99.9」新シーズンで共演している鶴瓶さんとトークを展開した。トークではジャニーズの“クン付け”文化などの話題からスタート。ジャニーズといえば先輩であっても「クン」付けで呼ぶ文化が有名だが、松本さんによれば近藤真彦は「マッチさん」で「少年隊」の3人も「東山さん」「錦織さん」「植草さん」と「サン」付け。「SMAP」の中居正広、木村拓哉からは「クン」付けになるという。その後話題は中村勘三郎、七之助親子とのエピソードへと展開。ジャニーズJr.時代同級生だった七之助さんに自分のコンサートのビデオを渡したことから親交が深まり、中村家に自由に出入りして地下の稽古場でダンスの練習をしたこともあったという。勘三郎さんが亡くなった際には訪問客へお茶やビールを出すなどの手伝いをしていたのだとか。これには「メンバーのこと勘三郎さんや七之助とのこと振付師の梨本くんとそのお仲間のことまで…たくさん素敵な貴重なお話を聞けてお腹いっぱい」「潤くんの人柄がよく分かる素敵な30分だった」などの声が。またトークでは“演出家”としての顔にも触れ、松本さんがライブの研究のためラスベガスやブロードウェイに出向き様々な舞台からインスピレーションを得たり、過去のジャニーズのライブ映像などからもヒントを探していること。さらにはライブについては隅々まで熟知し、衣装の糸や素材までこだわっていることなどを明かした。これには「衣装糸からこだわって考えてるなんて知らなかった」「潤くんのライブの話聞くたびに松本潤は本当にすごい人なんだなと。衣装の生地とか糸まで見るってそこまでこだわってるんだなって」などと、そのクリエイティブへのこだわりを絶賛するコメントが続々投稿されていた。最後には年末にジャニーさんの誕生会を企画し、100人近いジャニーズアイドルが集結したものの、肝心のジャニーさんが恥ずかしがって欠席、滝沢秀明がレシーバーで会を仕切っていたというエピソードも披露。SNS上では「そんな凄いとこに参加してみた~い」「そこに入りたかったー!!」などの声と共に、「タッキーがすごすぎる…」「やっぱりタッキーすごいわ」などの反応も多数見られた。今回のゲスト、松本さんと番組MCの鶴瓶さんが共演するドラマ「99.9-刑事専門弁護士- SEASON II」は1月14日(日)より毎週日曜日21時~TBSにて放送(初回25分拡大スペシャル)。(笠緒)
2018年01月13日グループとして、ソロとして、芸能界のトップで輝き続けた嵐。そんなメンバーに、今年の思い出、お気に入り、お正月の過ごし方からプライベートまでを聞きました!ホンネで答えてくれた30問30答の中から、10問10答を抜粋し紹介! ■松本潤(34) ――’17年、いちばん感動したことは? 「伊達公子さんに会ったことかなあ、引退されたばかりのころにテレビ番組で初対面がかなって。とても素敵な方でした」 ――’17年、キツかったことは? 「夏の暑さかなあ。ドラマの撮影でずっとスーツを着なきゃいけなかったのは大変でしたね」 ――最近ハマっているのは? 「舞台鑑賞。この間、(生田)斗真と菅田将暉くんの舞台『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を見たんです。小川絵梨子さんの演出でめちゃめちゃ面白かった」 ――1カ月のオフがあったら? 「海外に行きます」 ――忘れられない人は? 「蜷川幸雄さんや中村勘三郎さんの顔がすぐに浮かぶかなあ。今もなお忘れられない“表現者”ですね」 ――’17年、印象に残った人は? 「宇崎竜童さん。めちゃめちゃ素敵でした。物腰はやわらかくて、でもこだわりは感じられて」 ――今だから話せる紅白の裏話は? 「TOKIO兄さんたちと楽屋が隣になったときにひとつのテレビをみんなで見て。そういう時間も楽しかった」 ――1月1日の朝、何をする? 「ドラマの準備。年明け早々、がっつり撮影が入るので」 ――’17年の嵐を振り返って 「グループとしても、個人としても、たくさんいろんなことをやらせてもらったなあ。毎年アルバムを出して、ライブツアーをやらせていただいてと、それ自体、本当はすごいこと。充実した1年を過ごせたことを改めて感謝します」 ――ファンへのメッセージを 「これからもいい音楽を作って、いいライブをやって、いい作品と出合いたいと思います。素敵な思い出をひとつずつ蓄積していこうね!」
2017年12月27日歌舞伎界の次世代を担う中村勘九郎、中村七之助兄弟が、普段から交友のあるゲストの面々とトークを展開する番組「座・中村屋(仮)」が、2018年1月4日(木)にフジテレビ系にて放送されることが決定した。勘九郎さんと七之助さんが贈る、珠玉の新春トーク番組「座・中村屋(仮)」。ゲストと様々なことをざっくばらんに語り合う2人の表情は普段、なかなか見ることのできないもので、話す言葉のひとつひとつに、彼らの素顔が垣間見られる貴重な機会に。そして気になるゲストは、俳優・藤原竜也、女優・大竹しのぶ、そして、脚本家・俳優・監督など様々な顔を持つ宮藤官九郎の3人。勘九郎さんが藤原さんと、七之助さんは宮藤さんと対談。さらに、父親で故・中村勘三郎のかけがえのない友でもあり、まるで身内のような存在だという大竹さんと3人のトークを展開していく。■中村勘九郎×藤原竜也、出会いから演劇人としての熱い想いを語る勘九郎さんが藤原さんとの対談の場所に選んだお店は、中村屋にとっても大切な場所のひとつ。勘九郎さんと藤原さんは、2004年の大河ドラマで共演して以来、互いに信頼を寄せる仲。そんな2人対談では、出会いの頃のエピソードから、演劇人としての熱い想い、ともに師匠を失ったときの心情などを素直な言葉で語り合う。大河ドラマ出演時、20代前半だった2人。それから10年以上の時が経ち、いま、若き役者時代の“やんちゃ”な思い出を笑顔で競うように話す彼ら。時折、勘九郎さんが「新春特番ですから」とその場を仕切り直し、演技への向き合い方や、最近の歌舞伎界、演劇界を見て思うことなども語られる。■中村勘九郎×中村七之助×大竹しのぶ、「まるで中村家のリビング」プライベート感満載の対談にまた大竹さんとのトークでは、ホスト役の2人はやや緊張の面持ち。大竹さんは「ふたりが進行役なんて大丈夫?ちゃんとやってね」と軽くジャブを繰り出す。そして、勘九郎さんと七之助さんを本名から“雅ちゃん”“隆ちゃん”と呼び、2人の母親や、勘九郎さんの妻子を交えた中村家の日常のエピソードを披露。さらに、中村家がとても大切な存在にしている、ある生き物にまつわるエピソードも語られた。ここでは故・勘三郎さんを偲ぶ秘話が語られ、尽きない話の中で大竹さんは「まるで中村家のリビングで話しているみたい」と、プライベート感満載の濃密な対談になっている。■中村七之助×宮藤官九郎、亡き勘三郎さんについて語らう七之助さんと宮藤さんの対談では、中村家ひいきのお店に宮藤さんを招待して行われ、亡き勘三郎さんの話で大いに盛り上がった。息子から見て、いかに勘三郎さんが厳しい人だったのか、七之助さんが語る驚きのエピソードの数々に、宮藤さんも「そんな父親が待っている家に帰りたくない」と笑顔で思わず一言。また、七之助さんはこの場に“飛び道具”を用意。この“飛び道具”に宮藤さんは驚くやら、恥ずかしがるやら。笑いあふれるトークが展開される。■ホスト役勘九郎さん&七之助さんからコメント到着!中村勘九郎そもそも、僕らがホストの対談番組が放送できるなんて、と驚いています。大竹さんや竜也くん、さらに宮藤さんをお迎えして、普通のトーク番組ならカットされがちな話がオンエアされることでしょう(笑)皆さん、普段から親しくしているからこそ聞き出せる、魅力ある話ばかりです。反面、竜也くんとはただただお酒を飲むばかりでした。かなりマニアックな話もしたので、もしかしたら視聴者の皆様には不親切な番組かもしれませんがお許しください(笑)中村七之助僕たちもあまりトーク番組に慣れていないので、ゲストの皆さんと自分たちの間で通じていることをあまり説明せず話を進めてしまいました。視聴者の皆さまには、僕らの楽しい雰囲気をぜひ“感じて”いただきたいと思います(笑)テレビの前で兄弟そろって話をするのはそうないことですし、大竹さんからは父の恋愛観など初めて聞く話もあり、非常に良い機会となりました。兄と藤原さんの対談はかなりめちゃくちゃだったとか(笑)そのため、宮藤さんとは真面目なトークをお届けしたいと思います。「座・中村屋(仮)」は2018年1月4日(木)13時45分~東海テレビ・フジテレビ系全国ネットにて放送。(cinemacafe.net)
2017年11月28日アイドルグループ・嵐の松本潤が7日、主演映画『ナラタージュ』(10月7日公開)の初日舞台挨拶に、有村架純、坂口健太郎、大西礼芳、古舘佑太郎、行定勲監督とともに登場した。同作は、作家・島本理生による同名の恋愛小説を実写化。高校の時の演劇部顧問教師・葉山(松本)に想いをよせる泉(有村)は、卒業以来1年ぶりの再会に想いをつのらせ、葉山の方もまた泉に複雑な感情を抱える。松本は「今まで自分が表現してきた方法とは違う表現の仕方というのを、勉強させていただきまして」と同作について振り返る。「こういうやり方もあるんだというのを、広げてもらった作品になりました。行定監督に感謝しています」と気持ちを表した。また、松本にとって同作は「自分の恋愛の感覚じゃなくて、自分が生きてきたものを振り返るような時間だった」と語る。完成した作品を観て「もう会えない人のことをすごく考えた」と明かし、「それは中村勘三郎さんとか、蜷川幸雄さんとか」と故人の名を挙げた。そして「自分が人の人生の中でどれだけ記憶に残ることができるか、どれだけ何かを与えられるかということを、すごく考える時間になったんですよね。強烈に記憶に残る人について考えました」と思いを馳せた。舞台挨拶では、初日でスクリーン満員の大ヒットを記念して、作中で印象的に降る”雨”をイメージした雨水の鏡割りを実施。松本は「昨日の雨ですかね? こんなにかかりたくないの、なかなかないですね」と苦笑しながらも、樽の中の水を見て「透き通ってますね。きれいな雨水でした」と褒めていた。
2017年10月07日「七之助さんは小学校のときからモテモテ。同級生の女性が何人も『彼が初恋の相手だった』と漏らしていたほど。女性に困ったことがなかったと思います。それにどこか天然なところもあって、休日デートの際にスタイリストが用意したスーツを着て行ったこともありました。それがまた女心をくすぐるんですよね」(芸能関係者) これまで数多くの熱愛が報じられてきた“梨園きってのモテ男”中村七之助(34)。8月18日の昼下がり、逢いに行ったのは長い黒髪と切れ長の目が印象的な清楚系美女。東京・歌舞伎座での『八月納涼歌舞伎』に出演中だった七之助だが、午前中に行われた第一部を終えて第二部までのわずかな休憩時間を縫ってタクシーで彼女のもとへ駆けつけていた。 「この女性は14年8月に『FLASH』で交際を報じられたAさん。北川景子似の一般人で、七之助さんは彼女を連れて都内にある実家へ行っていました。母・好江さん(58)や兄・中村勘九郎さん(35)一家、伯母・波乃久里子さん(71)が住む“四世帯住宅”へ連れて帰っていたことから“家族公認”とも騒がれていました」(前出・芸能関係者) この日以外にも連日、密会を続けていた七之助。たとえ30分間でも逢いに行くほどで「今回ばかりは七之助も本気。年貢の納め時のようだ」と歌舞伎関係者の間で囁かれているという。だがモテすぎるゆえか、過去の恋愛はマイペース。いつも一歩引いたスタンスだった七之助。それが最近では、「七之助は変わった」と評価する人も多いのだ。 「父・中村勘三郎さん(57)が亡くなったのが12年12月、最近の七之助さんは以前にも増して歌舞伎へ精進するようになっています。大役も任されるようになり、すっかり風格も出てきています。また今年3月の俳優祭では市川海老蔵さん(39)の関連商品を取り扱う売店よりも、中村兄弟の売店のほうが長い列ができていました」(歌舞伎関係者) 父の死から5年目となる節目の年。七之助は前出の本誌インタビューで、勘三郎さんから伝えられた結婚条件について振り返っていた。 《「歌舞伎俳優だったら、どんな職業の女性でも、どんな国籍の女性でも、本気で愛したなら、結婚できなきゃだめだよ。だって俺たち、舞台ではそれこそ吉原の遊女や花魁と惚れたはれたって芝居してるんだから。結婚相手を選ぶときは、職業や国籍とか、そういうんじゃないんだよ」って》 愛を貫き通してこそ、歌舞伎俳優――。そんな父の言葉をかみしめているのだろう。また15年1月に中村獅童(44)が結婚したことにも、彼は意外なことを漏らしていた。 「獅童さんは猛アプローチの末、妻・沙織さんと結婚しました。また沙織さんも三歩下がって夫を支える“梨園妻の鏡”のような存在です。そんなふたりの結婚について、七之助さんが『あんな女性なら僕も結婚したい』と漏らしていたことがあったんです。『あの七之助がそんなことを言うなんて』と驚きを隠せませんでした」(別の歌舞伎関係者) そんな七之助の変化に応じるかのように、Aさんも“梨園妻としての準備”を進めていた。 「Aさんの交際発覚後も、七之助さんには“恋の噂”が絶えませんでした。それでも彼女は、彼を決して見放しませんでした。そして彼女は交際を始めて以降、彼の公演に足しげく駆けつけています。15年9月に行われた『赤坂大歌舞伎』の客席でも、真剣に見つめる彼女の姿がありました。奔放な自分を見捨てず、静かに支えてくれる。そんな彼女の3年間を見ているうちに、七之助さんもようやく覚悟を決めたようです」(前出・歌舞伎関係者) 七之助は結婚について、本誌で《僕は、前々から言ってますが、歌舞伎が好きな女性じゃないと結婚は難しいかな、と思ってます。僕ら、家も生活も歌舞伎にどっぷりですから》とも語っていた。梨園NO.1のモテ男が「男のケジメ」をつける日は、間もなくだ――。
2017年08月29日こんにちは、島本薫です。雨模様だった夏が終わり、本格的な暑さが訪れましたね。今回は、暑い夏を涼しく過ごす工夫のひとつ「納涼歌舞伎」と、初めての人におすすめしたい歌舞伎座の楽しみ方をお届けします。■歌舞伎座デビューにおすすめの「納涼歌舞伎」歌舞伎って、いろいろな意味で敷居が高い……?そうですね、難しくて堅苦しそうなイメージはあるし、教養がないとわからなそうだし、チケットもいいお値段らしい、と聞けば、何かのきっかけでもない限り足を運びにくいものでしょう。おまけに、上演時間が泣き所。昼の部は11時開演、夜の部は16時半開演とあれば、勤め人は気軽に観に行くことなど叶いません。ところが、8月の「納涼歌舞伎」だけは違うのです。暑い時期は、長い時間お芝居を観ているのもつらいだろう。ならいっそ、3部制にして上演時間を短くすれば、チケット代も安くできるし、夕方から仕事帰りの人も来られるのでは?――そんな歌舞伎役者たち(故十八世中村勘三郎、十世坂東三津五郎)のアイデアで、1990年から始まったのが「八月納涼歌舞伎」です。開演時間はそれぞれ11時、14時15分、18時半(第3部なら、平日でもぎりぎり駆けつけられるかも……?)。チケット代も、普段より1000~3000円安くなっています。演目も、夏だけに「ひんやり」する怪談話や「はっとする」謎解きものなどが多く、肩ひじはらずに楽しめるものが多いのです。今年2017年は、ミステリー仕立ての新作「歌舞伎座捕物帳」(なんと弥次さん喜多さんが歌舞伎座で“黒衣のアルバイト”をして江戸への旅費を稼ぎつつ、連続殺人事件を解く!)や、野田秀樹さんの代表作を歌舞伎に仕立て直した「野田版桜の森の満開の下」(演出も野田氏が担当)が上演されるなど、新しい試みも盛りだくさん。■ジャニーズに初音ミク、漫画にオペラに絵本に落語――歌舞伎の入り口は意外と広いお堅い伝統芸能かと思いきや、決して保守的なものばかりではないのが歌舞伎のすごさ。それもそのはず、歌舞伎という名の由来となった「傾く(かぶく)」には、「常識を逸脱する」という意味があり、今なお「やったことのないことをやる精神」が息づいているのです。例えば、“和と洋のコラボレーション”をテーマにフラメンコを取り入れたり、「美女と野獣」を歌舞伎化したり。このときフラメンコを踊って高い評価を受けたのは、タッキー&翼の今井翼さん。イスパニアの神父で、石川五右衛門の父親でもあるという、歌舞伎ならではの設定でした。2016年の納涼歌舞伎では、笑福亭鶴瓶さんの新作落語が歌舞伎になりましたし、野田秀樹さんの演出でオペラ「アイーダ」を翻案した「愛陀姫(あいだひめ)」が上演されたことも。ちなみにジャン・コクトーの映画『美女と野獣』の野獣の造形には、歌舞伎「鏡獅子」の獅子の精が影響していると言われています。取り入れるばかりではなく、影響を与えてもいるのが、歌舞伎のすごさですね。また、名作絵本『あらしのよるに』や人気漫画『ONE PIECE』も歌舞伎になり、大当たりを取りました。なお、スーパー歌舞伎II「ONE PIECE」は、今年の秋にバージョンアップして新橋演舞場に帰ってくるそうです。さらには歌舞伎とテクノロジーを融合した「超歌舞伎」なるものも誕生。ボーカロイドの人気キャラ「初音ミク」が役者と“共演”し、音響や立体映像を駆使するほか、ニコニコ生放送での中継時には観客も書き込みで舞台に参加できるという斬新な演出をしています。伝統的な試みの方も負けてはおらず、今年10月の歌舞伎座では、インドの叙事詩「マハーバーラタ」が新作上演されるとか。一方、新しいものに取り組みながら古典の規範を守り、次の世代に伝えていくのが歌舞伎の神髄といえるでしょう。海老蔵さんのご長男が最年少で宙乗りを務めたのは記憶に新しいところですが、子役のデビューを見守るのも楽しければ、お祝いムードいっぱいの襲名披露公演で口上を聞くのも楽しいもの。歌舞伎の入り口は意外と広いのです。■歌舞伎初心者がより楽しむための3つのポイント演目や出演者など、何か興味を惹かれるものに出会ったら、そのときこそ歌舞伎座探検の狙い目です。初めて歌舞伎を観にいく人は、この3点を押さえておけば、より楽しめると思いますよ。その1:「花道」が見える席を選ぼう歌舞伎座の座席には、1階から3階まで、1等席、2等席、3階A席、3階B席、桟敷(さじき)席といった細かい区別があります。できればここは奮発して、1等席か1階の2等席を選びたいもの。なぜなら、歌舞伎には、舞台下手から客席を横断するように続く「花道」という特別な舞台があるからです。残念ながら、2階席や3階席の後ろでは、この「花道」の演技が見えません。役者の声や観客のどよめきだけが聞こえるのはさみしいですし、めったにない観劇の機会であれば、すべてを堪能したくはありませんか?というわけで、ここは贅沢のしどころと思い、いい席で観ることをおすすめします。その2:「イヤホンガイド」を借りよう「難しくてワカラナイ」歌舞伎を面白くしてくれる縁の下の力持ちが、イヤホンガイドです。あらすじや物語の背景、音楽や衣装の説明などが、絶妙のタイミングで流れてくる優れもの。役者が登場すればすかさず名前を教えてくれ、舞台化粧にまぎれて目当ての役者を見逃すこともありません。そんなものを聞いていると、かえって舞台に集中できないのでは?――はじめはわたしもそう考えていましたが、使ってみて大正解。決して出過ぎず、それでいてツボを押さえた解説が、なんとも心地良く舞台を盛り上げてくれるのです。とくに初めて歌舞伎を観るなら、ぜひイヤホンガイドを。イヤホンガイドは、劇場や歌舞伎座の地下で借りられます。レンタル料は、700円プラス保証金1000円(こちらは機材の返却時に返金されます)。芝居の幕が上がる前にも舞台の見どころや役者さんのインタビューなどを聞けるので、借りたらすぐ耳にセットしておくといいですよ。その3:開場したら、すぐ劇場に入ろう当日は、開場と同時に劇場入りできるように余裕をもって出かけましょう!劇場のしつらえから着物で行き交う人の姿まで、歌舞伎座の中は楽しいものだらけ。いくら時間があっても足りません。まずは売店へ。クリアファイルやポストカードといった定番商品から、歌舞伎をかたどったおもしろ文房具やしゃれた一筆箋、ハローキティのコラボ商品、ザ・ギンザのあぶらとり紙、扇子に印鑑に根付といった和の小物など歌舞伎座ならではの品があふれていて、見ているだけでワクワクすること請け合いです。グッズにとどまらず、ここだけのお菓子もずらり。お煎餅に人形焼き、チョコにサブレにマカロンラスク、もちろん“歌舞伎揚げ”も忘れてはなりません。お茶や佃煮もならび、あの人にこの人に、自分にもと、お土産を選んでいるとあっという間に開演時間が来てしまいます。うかうかすると、全部の売店を回り切れないこともあるくらいですから、ぜひとも早めに劇場入りしたいところです。幕間には、食事も楽しめます。劇場内には食堂もあれば、いろいろな種類のお弁当や焼き立てのパン、スイーツも販売されています。近くのデパ地下でリッチなお弁当を買っておいて、座席で食べるのもいいですね。■気軽に歌舞伎を楽しむなら「一幕見席」、歌舞伎座ギャラリーや木挽町広場も楽しさ抜群できればゆっくり時間をとって、自分へのご褒美として楽しみたいのが歌舞伎。ですが、なかなかそうもいかなかったり、まずは少しばかり歌舞伎の世界を覗いてみたい人は、「一幕見席」で体験してみてはいかがでしょう。手ごろな値段で好きな幕だけを鑑賞できるのが、「一幕見席」のいいところ。こちらは一幕につき、ひとり1枚、当日券のみの扱いで、席はすべて4階の自由席(立見を含む)になります。雰囲気だけを味わうなら、歌舞伎座タワーで遊び倒すという手もあります。東銀座駅に直結した地下2階の木挽町(こびきちょう)広場では、歌舞伎グッズや歌舞伎スイーツが売られていて、お祭りのような賑わいぶり。エレベーターで5階に上がれば、実際に使用された衣装や小道具、セットの一部などが展示されたギャラリーがあります。地下とは違って落ち着いたムードのお土産処もあれば、お茶と海苔の老舗による日本茶カフェで、和のスイーツを楽しむこともできます。桜や石塔のある屋上庭園でほっと息をつくのもいいですね。「スタジオアリス歌舞伎写真館」で、歌舞伎の登場人物になりきって写真を撮るのも一興かも?銀座にお出かけの際は、歌舞伎座タワーに立ち寄ってみてくださいね。参考歌舞伎座歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」
2017年08月27日歌舞伎俳優・坂東彌十郎さんの両国散歩も、いよいよ佳境。 まずは彌十郎さん、相撲にまつわる芝居のお話をしながら両国の町の象徴、両国国技館の前をぶらりぶらり。ついつい興が乗って、三波春夫の浪曲を一節、ご披露してくれちゃいます。さらに、名横綱たちの手形のレリーフにご自分の手のひらを合わせながら、交流のあった関取たちとの思い出話まで。 そして、歩き疲れた彌十郎さんがたどり着いたのは……彌十郎さんが子供の頃から気になっていたというお店。歌舞伎界でも大のグルメで知られる彌十郎さんが今回、セレクトしたのは来年で創業300年、両国で九代続く、“ジャパニーズ・ジビエ”の老舗「もゝんじや」です。「山くじら」とも呼ばれる猪肉料理が有名で、彌十郎さんも伝統の味噌仕立てのすき焼き「猪鍋」(4,000円/税別)を注文。臭みゼロ、脂の甘さが絶品の丹波産天然猪肉に、彌十郎さんも大満足です。 【もゝんじ】住所:東京都墨田区両国1-10-2TEL:03-3631-5596営業時間:17:00~21:00(火・木・土のみ、ランチタイム11:30~14:00も営業)定休日:毎日曜日 坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年、往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれる。祖父は十三代目守田勘彌。1973年5月、歌舞伎座 『奴道成寺』 の観念坊で初舞台。八代目坂東三津五郎、三代目市川猿之助のもとで芸を磨く。近年ではコクーン歌舞伎や平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多数。平成中村座の海外公演にも参加してきた。また、今年(2016年)5月には、ヨーロッパ(フランス、スイス、スペイン)で歌舞伎の自主公演を敢行。大好評を博した。長男は初代坂東新悟(26)。
2017年07月17日歌舞伎俳優・坂東彌十郎さんが今回、まず訪れたのは、歌舞伎界にも隠れファンが大勢いる、下町が誇るスイーツの名店「マリーズ(MARRYS)」です。彌十郎さん、店内のイートインコーナーに陣取って、まずは大好きな「シュークリーム(1個250円/税別)」をペロリ。さらに同店の看板商品「両国すふれ(1個210円/税別)」までいただいて大満足なご様子です。 続いて、彌十郎さんが向かったのが「吉良邸跡」。そう、忠臣蔵のクライマックスの舞台、歌舞伎とは切っても切れない場所です。実際にこの場所に足を運ぶのは初めて、という彌十郎さん。何やら新しい発見があったようです。 【マリーズ(MARRYS)】住所:東京都墨田区千歳1丁目6-5TEL:03-3846-7188営業時間:9:30~19:00定休日:火曜日、第3月曜日 【吉良邸跡(本所松坂町公園)】住所:東京都墨田区両国3-13-9 坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年、往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれる。祖父は十三代目守田勘彌。1973年5月、歌舞伎座 『奴道成寺』 の観念坊で初舞台。八代目坂東三津五郎、三代目市川猿之助のもとで芸を磨く。近年ではコクーン歌舞伎や平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多数。平成中村座の海外公演にも参加してきた。また、今年(2016年)5月には、ヨーロッパ(フランス、スイス、スペイン)で歌舞伎の自主公演を敢行。大好評を博した。長男は初代坂東新悟(26)。
2017年07月03日歌舞伎俳優・坂東彌十郎さんが今回、訪問したのは、いまからおよそ360年前の明暦3年(1657年)に開かれた浄土宗の寺院「回向院」です。 門をくぐって境内に足を踏み入れると、まず見えてくるのが、相撲の町・両国らしい「力塚」。じつは明治42年(1909年)に両国国技館が完成するまで、春秋2回の相撲興行の定場所はここ回向院の境内でした。この力塚は、昭和11年に相撲協会が歴代相撲年寄の慰霊のために建立。その後も新弟子たちが、力が授かるようにと祈願に訪れます。歌舞伎界いち背が高く、濡髪長五郎など力士を演じることも少なくない彌十郎さん。まずは力塚にお参りです。 そして、境内のさらに奥に足を踏み入れると……意外にも、ここ回向院も、歌舞伎とは縁の深いお寺だったのでした。 【諸宗山 回向院】住所:東京都墨田区両国2-8-10 TEL:03-3634-7776 坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年、往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれる。祖父は十三代目守田勘彌。1973年5月、歌舞伎座 『奴道成寺』 の観念坊で初舞台。八代目坂東三津五郎、三代目市川猿之助のもとで芸を磨く。近年ではコクーン歌舞伎や平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多数。平成中村座の海外公演にも参加してきた。また、今年(2016年)5月には、ヨーロッパ(フランス、スイス、スペイン)で歌舞伎の自主公演を敢行。大好評を博した。長男は初代坂東新悟(26)。
2017年06月19日6月2日福岡・博多座で「六月博多座大歌舞伎」が開幕。中村橋之助が八代目中村芝翫を襲名。同時に、長男の国生が四代目中村橋之助、二男の宗生が三代目中村福之助、三男の宜生が四代目中村歌之助を襲名という、歌舞伎界初となる親子4人同時襲名披露として大きな話題を呼んでいる。その初日、中村芝翫が博多座ロビーで鏡開きを行ない、公演に対する思いを語った。六月博多座大歌舞伎「昨年の東京・歌舞伎座、そして今年お正月の大阪松竹座に続き、大好きな博多座で親子4人揃って、襲名披露ができます事、本当に嬉しく思います。先輩方、後輩、素晴らしい役者さんたち。スタッフの皆様、劇場に足を運んでくださるお客様。そして今日も朝から裏で頑張ってくれている家内。そんな皆様の支えあってこそですね。本当に有り難いです」と笑顔で挨拶する芝翫。詰めかけたファンも「成駒屋!」「八代目!」と掛け声で答える。今回は昼夜それぞれ親子4人の共演演目(昼:「車引」、夜:「祝勢揃壽連獅子」)が上演となるが、特に「車引」は並々ならぬ思いがあるとか。「橋之助の梅王丸は吉右衛門の兄さま、福之助の桜丸は菊之助さん、そして歌之助の杉王丸は染五郎さんがそれぞれ教えてくださって。倅たちもそれぞれ、役者への思いというものが少しずつピントが合ってきたように思います。本当に歌舞伎界全てで支えてくださって有り難いですね。身に余る光栄でもあり、なんとか恩返ししなくてはと思っております」残念ながら、休演となった中村獅童も今回の博多座公演は非常に楽しみに思っていたようで「博多の皆様によろしく」と電話をもらったとか。「この芝翫という名前は個人の名前ではない。中村芝翫という会社の社長に就任したようなものですよね。そして、私は八代目芝翫を大きくして業績もあげなきゃいけないということ。そしてそれを倅の誰かにこっそりと渡してやりたいと思いますね(笑)」と語り、博多手一本で締めくくった。6月26日(月)まで上演。チケット発売中。
2017年06月02日5月18日に初期の肺腺がんであることを発表した中村獅童(44)。20日には会見を開き、がんと闘っていく決意を告白。「今月末に入院して来月頭に手術。10日ぐらいに退院できるのではないかと思う。できるだけ早く復帰したい」と復帰への意気込みを語っていた。 近年の獅童といえば、苦難の連続だった。08年10月に父・小川三喜雄さん(享年79)が胃がんで死去。12年12月には中村勘三郎さん(享年57)が食道がんで亡くなった。そして13年12月には母・陽子さん(享年73)までもが、心不全でこの世を去ったのだ。 そんな獅童を支えてきたのが、妻・沙織さん(33)だった。11年1月に婚約したが、相次ぐ不幸のため喪に服すことに。結婚は交際5年後の15年1月だった。獅童は昨年5月、本誌の対談に登場。陽子さんが亡くなる直前に沙織さんと同居していたことを明かしている。 《7カ月くらいは実家で3人で生活していたので、いろいろ教わっていますし、妻も母のことはよくわかっていますね。(中略)僕が悩んでいる様子もわかっていたでしょうけど、いつだって『あなたは大丈夫』と言ってました》(16年5月3日号) 陽子さんは挨拶周りの場に沙織さんを連れて行くなど、梨園妻としての心得を教えようとしていた。だがその手ほどきをすべて教わる前に、陽子さんは天国へ。それでも沙織さんは、その遺志を受け継いでいた。 「梨園で沙織さんほど評判の良いお嫁さんはいません。昨年の獅童さんは地方公演続きでしたが、沙織さんはいつもついて行って挨拶まわりに奔走していました。獅童さんもそんな彼女に感謝しているようで、地方公演中も『この後は妻と食事に行くんです』と笑顔で話していました」(梨園関係者) だが、無情にも夫の身体にはがんが見つかってしまった。さらに今回、実は2年前に脳動脈瘤という病気の手術もしていたことが判明している。2年前といえば、沙織さんと結婚したころ。なんと、獅童と沙織さんは結婚直後から立て続けに病魔と闘っていたのだ。 「今回のがんが発覚した後、彼女はすぐ親戚や歌舞伎関係者に電話で連絡していました。電話口の彼女は気丈にふるまっていて、こちらの励ましにもきちんとお礼を返してくれました。きっと不安でしょうに、そんな毅然とした対応をしてくれて……。思わず、こちらが泣いてしまいそうでした」(前出・梨園関係者) 獅童は母の葬儀で「中村獅童という役者は小川陽子が作ってくれたと思っています」と語った。そんな義母へ祈りを捧げ、沙織さんは「萬屋を絶やしてはいけない」と誓っている。 「獅童さんは自覚症状もなく元気だそうですが、内心では相次ぐ闘病に不安も感じているでしょう。沙織さんはそんな夫を付きっ切りで支えています。生前、陽子さんはとにかく孫の顔を見たがっていたと聞きました。陽子さんが獅童さんにしてくれたことを、今度は自分たちが子供にしてあげたい。その思いは今も夫妻の心に強くあります。だからこんなところで負けていられない。きっと今回の手術も乗り越えてくれるはずです」(梨園関係者)
2017年05月24日5月18日に初期の肺腺がんであることを発表した中村獅童(44)。20日には都内で会見を開き、あらためてがんと闘っていく決意を語った。治療に専念するため、出演予定だった6月の博多座や7月の歌舞伎座公演を休演する予定という獅童。「今月末に入院して来月頭に手術。10日ぐらいに退院できるのではないかと思う。できるだけ早く復帰したい」と復帰への意気込みを告白。そして、こう続けた。 「妻は『早い時期に見つかってよかった。一緒に闘っていく』と。今回も(早期発見できたのは)妻の助言があったから。1人だったら、気づかないままだった」 そこには、妻・沙織さん(33)への深い感謝が込められていた――。 近年の獅童は、苦難の連続だった。08年10月には父・小川三喜雄さん(享年79)が胃がんのため死去。12年12月には恩人の中村勘三郎さん(享年57)が食道がんに倒れ亡くなった。そして13年12月には、母・陽子さん(享年73)が心不全のためこの世を去った。 そんな獅童をそばで支え続けてきたのが、妻・沙織さんだった。10年に出会い、11年1月に婚約した2人。だが相次ぐ不幸のため喪に服し、結婚は延び延びに。晴れて夫婦になれたのは、交際5年を経た15年1月だった。 「梨園でも沙織さんほど評判の良いお嫁さんはいません。昨年の獅童さんは地方公演続きでしたが、沙織さんはいつもついて行って挨拶まわりをしていました。また沙織さんは陽子さんの仏前にお水とご飯を供えることを日課としています。そこで『今日も問題なく舞台が務められますように』とお祈りし、夫の無事を願い続けてきたそうです」(梨園関係者) だが無情にも夫の身体にがんが発覚。さらに発表当日、NEWSの小山慶一郎(33)が『news every』(日本テレビ系)で獅童のメールを紹介。小山が激励メッセージを送ったところ、「実は2年前に脳動脈瘤という病気の手術もしました」と返事が来たことを明かしている。2年前といえば、沙織さんと結婚したころ。結婚直後から立て続けに病魔と闘っていたのだ。 懸命に夫の回復を願う沙織さん。そんななか彼女は“ある場所”へと向かっていたという。 「実は獅童さんが脳動脈瘤の手術をする直前、沙織さんは陽子さんの墓前を訪れています。そこで『獅童さんを守ってあげてください』と語りかけ、一心不乱に手を合わせていたそうです。その祈りが通じたのか、獅童さんは無事復帰を果たしました。そして今回のがんが発覚した直後にも、沙織さんは陽子さんのお墓参りへ。そこで彼女は『今回もお義母さんがきっと見守ってくれているはず!』と覚悟を決めたそうです」(前出・梨園関係者) 強い思いを抱きながら、獅童と沙織さんは二人三脚で2度目の手術に挑もうとしている。
2017年05月24日歌舞伎俳優・坂東彌十郎さんと歌舞伎に所縁の町を歩く「楽・食・歌舞伎 彌十散歩」。今回、彌十郎さんは東京・隅田川の東岸、両国の町を歩きます。 両国国技館に代表されるように“相撲の町”という印象ばかりが強い両国ですが、どうしてどうして、歌舞伎にまつわるお寺や史跡、それにグルメスポットも少なくありません。まずは彌十郎さん、歌舞伎をはじめとした江戸の文化をいまに伝える「江戸東京博物館」に足を運びます。常設されている江戸歌舞伎最初の劇場、中村座の実寸大模型に彌十郎さん、目をキラキラと輝かせるのでした。 【江戸東京博物館】住所:東京都墨田区横網1-4-1TEL:03-3626-9974(代表)開館時間:9:30~17:30(土曜日は19:30まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:毎週月曜(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌日)、年末年始常設展観覧料:一般600円(480円)、大学生・専門学校生480円(380円)、高校生・中学生(都外)と65歳以上300円(240円)、中学生(都内在学または在住)と小学生以下は無料※()内は20名以上の団体料金 ※平成29年7月21日(金)から平成29年8月25日(金)の毎金曜日17:30~21:00(サマーナイト・ミュージアム割引)大学生・専門学校生、高校生・中学生(都外):無料/一般・65歳以上は2割引(要証明) ※平成29年10月から翌年3月まで改修工事により全館休館となりますので、あらかじめご了承ください。 坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年、往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれる。祖父は十三代目守田勘彌。1973年5月、歌舞伎座 『奴道成寺』 の観念坊で初舞台。八代目坂東三津五郎、三代目市川猿之助のもとで芸を磨く。近年ではコクーン歌舞伎や平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多数。平成中村座の海外公演にも参加してきた。また、今年(2016年)5月には、ヨーロッパ(フランス、スイス、スペイン)で歌舞伎の自主公演を敢行。大好評を博した。長男は初代坂東新悟(26)。
2017年05月22日人形町散歩を続ける坂東彌十郎さん。今回、グルメな彌十郎さんのアンテナがキャッチしたのは、路地裏の洋食店「そよいち」でした。じつはここ、「ビーフかつ」で名を馳せた、同じ人形町の老舗店の味を受け継ぐ人気店。彌十郎さんも、やっぱりその逸品・ビーフかつ(ライス付き1,800円・税込)を注文しました。彌十郎さんが「兄」と慕った名優も愛したというビーフかつ、さてさて、そのお味は……。 いよいよ人形町編も大詰め。最後の最後に彌十郎さんがたどり着いたのは、マンションの自転車置き場の奥という、ちょっと変わった場所に鎮座する、かわいらしいお社。その「???」な見た目とは裏腹に、すごいパワーが秘められていそう。というのも江戸時代、初代市川團十郎が日参し、名声を博したことからその名がついたというありがた~い神社なのです。彌十郎さんはここで、歌舞伎界のさらなる発展を祈念して人形町を後にするのでした。 【そよいち】住所:東京都中央区日本橋人形町1-9-6TEL:03-3666-9993営業時間:11:00~14:30/17:30~20:00定休日:日・月曜日 【出世稲荷神社】住所:東京都中央区日本橋堀留町1-6-11 坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年、往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれる。祖父は十三代目守田勘彌。1973年5月、歌舞伎座 『奴道成寺』 の観念坊で初舞台。八代目坂東三津五郎、三代目市川猿之助のもとで芸を磨く。近年ではコクーン歌舞伎や平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多数。平成中村座の海外公演にも参加してきた。また、今年(2016年)5月には、ヨーロッパ(フランス、スイス、スペイン)で歌舞伎の自主公演を敢行。大好評を博した。長男は初代坂東新悟(26)。
2017年05月08日今回、坂東彌十郎さんはお江戸の町をいったん離れ、讃岐路はこんぴらの町を歩きます。じつは彌十郎さん、4月23日まで「第三十三回四国こんぴら歌舞伎大芝居」に出演中なのです。 まずは彌十郎さん、自分が立つ舞台でもある「旧金毘羅大芝居(金丸座)」へ。江戸時代からいまに続く芝居小屋の内部の詳細を、そこに息づく風情を、ぜいたくにも出演俳優自らがご案内です。 続いては、こんぴら歌舞伎出演の際には欠かすことのできない金刀比羅宮参詣。息を切らして785段の石段を登りきり、御本宮へ手を合わせました。その後、また下界へ戻った彌十郎さん。今度は琴平の町をぶらぶら。そして、食い道楽の彌十郎さん、鼻を聞かせて門前町の美味しいお店に突入です。 カメラは上演が始まる前日、そして当日の彌十郎さんを追いました。俳優陣揃っての成功祈願、歌舞伎公演恒例の「おねり」ではパレードする人力車に乗った彌十郎さんの「自撮り」映像も。そしてカメラは、芝居が始まる直前、大勢の観客で賑わう芝居小屋前の熱気も捉えます。 【旧金毘羅大芝居(金丸座)】天保6年(1835年)に上棟された、現存する日本最古の芝居小屋で、国指定重要文化財。移築復元・大改修を経て1985年から始まったのが「四国こんぴら歌舞伎大芝居」。いまでは四国路に春を呼ぶ風物詩に。住所:香川県仲多度郡琴平町1241 【金刀比羅宮】象頭山中腹に鎮座。全国約600社の金比羅神社の総本宮で、古くから「こんぴらさん」と親しまれた。象頭山が瀬戸内海を航行する船の目印だったことから海上交通の守り神、さらに祈雨の農業神としても信仰を集める。住所:香川県仲多度郡琴平町892-1 【こんぴらうどん本店】良質な小麦、こんぴらの水、瀬戸内の塩を使い、うどん作りすべての工程を店内で行なう。人気はしょうゆうどん(510円)、ぶっかけうどん(520円・どちらも税込)など。「そば党の私ですが、やっぱり讃岐に来たらうどんですね。好きなのは、しょうゆうどんです」(彌十郎さん)住所:香川県仲多度郡琴平町810-3TEL:0877-73-5785営業時間:8時~17時定休日:無休 【ナカノヤ琴平】あのマツコデラックスも某番組で絶賛した、地元伝統の餅菓子「おいり」をまぶした「和三盆おいりソフト」(350円・税込)は絶品。「和三盆の上品な甘さに、軽い食感のおいりのマリアージュは秀逸です」(彌十郎さん)住所:香川県仲多度郡琴平町796TEL:0877-75-0001営業時間:8時30分~18時定休日:無休 坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年、往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれる。祖父は十三代目守田勘彌。1973年5月、歌舞伎座 『奴道成寺』 の観念坊で初舞台。八代目坂東三津五郎、三代目市川猿之助のもとで芸を磨く。近年ではコクーン歌舞伎や平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多数。平成中村座の海外公演にも参加してきた。また、今年(2016年)5月には、ヨーロッパ(フランス、スイス、スペイン)で歌舞伎の自主公演を敢行。大好評を博した。長男は初代坂東新悟(26)。
2017年04月17日人形町を散歩中の坂東彌十郎さん。不意に、歌舞伎とは切っても切れない大事な場所がここ、人形町にあることを思い出しました。それは「東京演劇かつら株式会社」。歌舞伎のかつらを専門に扱うかつら屋さんです。突然、訪問したにもかかわらず、偶然にも顔なじみの職人さんが、彌十郎さんの役の頭(かつら)を仕上げている真っ最中でした。 思いがけず歌舞伎の“舞台裏”を覗き見たあと、彌十郎さんは水天宮方面に足を伸ばしました。その先に彌十郎さんを待っていたのは江戸時代のレシピを再現した「人形町風鈴」なる魅惑の食べ物でした。 【江戸甘味處水天宮つくし】創業140年の老舗甘味店。平成13年、菩提寺の蔵から見つかったのが、現在の店主・鷺谷眞觀さんから遡ること5代前、「初代鷺谷米蔵」の秘伝帖(レシピ集)。明治34年の文献の中にしたためられていたのが「西洋風茶碗蒸し菓子」なる菓子のレシピだった。これを再現して作られたのが「人形町風鈴(プリンとルビをふってください)」。現在は持ち帰りのみ、4個入り1080円(税込)。今回、彌十郎さんは特別に店頭で「人形町風鈴餡蜜」を供していただきました。 住所:東京都中央区日本橋人形町2-1-12TEL:03-3664-7357営業時間:8:00~20:00定休日:不定休 坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年、往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれる。祖父は十三代目守田勘彌。1973年5月、歌舞伎座 『奴道成寺』 の観念坊で初舞台。八代目坂東三津五郎、三代目市川猿之助のもとで芸を磨く。近年ではコクーン歌舞伎や平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多数。平成中村座の海外公演にも参加してきた。また、今年(2016年)5月には、ヨーロッパ(フランス、スイス、スペイン)で歌舞伎の自主公演を敢行。大好評を博した。長男は初代坂東新悟(26)。
2017年04月03日3月21日、「五月花形歌舞伎」の取材会が行われた。これは大阪松竹座で5月に開催されるもので、市川猿之助、中村勘九郎、中村七之助の3人が2009年2月以来、じつに8年ぶりに大阪で共演するというもの。「五月花形歌舞伎」チケット情報取材会は、席に着くやいなや猿之助が手持ちのスマホで勘九郎を撮影するなど、終始和やかな雰囲気。かつて共演を重ねてきた「浅草歌舞伎」の思い出に話が及び、「楽しかった」と3人から笑顔がこぼれる。勘九郎が「『浅草歌舞伎』は1年の始まりでもあり、締めくくりでもあった」と話すと、七之助も「公演が終わって飲みに行くなんてことはほとんどなかった。でもお互いが舞台の上で理解しあい、熱気が生まれ充実していた」と懐かしんだ。当時は若手だった彼らも、8年という時を経て実力も人気もぐっと高まったタイミングで催される今回の公演。中村屋と澤瀉屋、それぞれの家が得意とする演目にお互いが出演するのがひとつの見どころだ。昼の部で上演される『金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)』は三代猿之助四十八撰の内のひとつで、宙乗りもあり、エンタテインメント性の高い演目。猿之助はこの公演中、5月16日(火)の公演で宙乗り1000回を達成することとなる。驚く勘九郎、七之助に「あっという間でしたね。それでもおじ(猿翁)の記録を更新するにはあと4000回やらないといけないですから」と淡々と話す猿之助。「最初は力んでいたが、年を重ねて無駄な力が抜けた」と道のりを振り返った。勘九郎、七之助はともに初役であり、「演じるのが楽しみ」と顔をほころばせる。夜の部で上演される『怪談乳房榎』は中村勘三郎が繰り返し工夫を重ねながら上演をしてきた演目。勘九郎、七之助も赤坂ACTシアターを始め数々の劇場で演じてきたが、松竹座での上演は初となる。今回磯貝浪江役を演じることとなる猿之助は、勘三郎との思い出として「『あなたは(観客に)魔法の粉を振りまくからね』と言ってくださったことがあった。それはいまも誇りです」と明かすと、勘九郎が「猿之助さんの芝居を観た父が僕に電話をしてきて、『俺に似てる!』と褒めていた」と笑わせた。若い頃に同じ舞台で共演を重ねた3人が、それぞれに経験を重ねて再びあいまみえる。その成長と息の合った演技に期待したい。公演は、5月2日(火)から26日(金)まで大阪松竹座にて上演。チケットの一般発売は4月5日(水)10:00より。一般発売に先駆け、チケットぴあでは、4月4日(火)23:59までインターネット先行先着(プリセール)を実施中。取材・文:釣木文恵
2017年03月31日4月にTBS赤坂ACTシアターで上演される「赤坂大歌舞伎」。2008年に始まり5回目となる今回、初めての新作歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生(ゆめまぼろしかこいぞうしあかめのてんせい)』を上演する。その作・演出をつとめるのは、中村勘九郎・中村七之助と同世代の劇作家である蓬莱竜太。赤坂大歌舞伎 チケット情報今作を「演劇界をひっくるめての事件になれば」と熱く語る勘九郎に話を聞いた。「前々から蓬莱さんに書いて欲しいと話していたのですが、4月に赤坂大歌舞伎をやることになって『じゃあここでできるじゃん!』って」と、待ちに待ったタッグであることが笑顔から滲み出る勘九郎。蓬莱といえば小劇場のイメージもあり、先日行われた製作発表会見でも「僕が普段やってる芝居は歌舞伎とは縁遠いというイメージを持っていまして。逆にそれがどう融合するか楽しみ」(蓬莱)と話していたが、勘九郎自身は「蓬莱さんは家族や日常を…日常の変な人たちを描くのがすごくうまい。(蓬莱が脚本を手掛けた)『まほろば』を観たときに絶対に(歌舞伎でも)書いて欲しいと思ったんです」。同世代の蓬莱とのタッグは、父である十八代目中村勘三郎の言葉も背景にある。「父が言っていたんですよ、『俺はしあわせだ。同世代で野田秀樹、渡辺えり、それに串田和美さんとか、いろんな人と巡り会って新しいものを生み出してきた。お前達も巡り会えたらいいね』って。だからこれは喜んでくれると思います。ただやっただけじゃ怒られますけども」。気が弱くイマイチな男・太郎(中村勘九郎)が、愛した歌(中村七之助)を幸せにするために転生を繰り返す物語。勘九郎は「あらすじを読んですぐ電話しましたね、『天才だ!』って(笑)。ミステリーであって、喜劇のようで、笑いながら深い闇に落とされるような話です」。会見では蓬莱が「パラレルワールドみたいなもので、人格がこんなに人生に影響していくんだっていうことが描かれています」と解説。恋模様については勘九郎が「さすが蓬莱さんというような台詞が散りばめられています。(愛する女性に)これを言ったらいけないよとか、これ絶対『帰る』って言い始めるよ…って言葉がね、あるんですよ(笑)。男性も女性も覚えのあるものが表現されると思います」と話し、どこか馴染みやすさを感じさせる。会見では七之助も「リアルな描写。これを歌舞伎にしてどうなるのかなというのが楽しみです」と感想を述べつつも、演者として「役者が一生懸命やらないとダメにしてしまう作品。がんばらないと」と気合いをみせた。公演は4月に東京・TBS赤坂ACTシアターにて。チケットぴあでは2月8日(水)午前11時まで抽選先行プレリザーブのエントリーを受付中。取材・文:中川實穗
2017年02月03日野田秀樹が故・十八代目中村勘三郎へのオマージュの意を込めて書いたNODA・MAP『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』が開幕。公演に先立って、17日に公開舞台稽古が行われた。NODA・MAP『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』チケット情報物語の時代は江戸。幕府から御法度とされている女カブキが、河原で上演されている。三、四代目出雲阿国座の看板踊り子、三、四代目出雲阿国(宮沢りえ)と、踊り子ヤワハダ(鈴木杏)が妖艶な踊りを見せるこの女カブキを、歌舞伎の『伊達の十役』ならぬ、“伊達の十役人”(中村扇雀)は様々に役を変えながら取り締まろうとする。阿国の弟、淋しがり屋サルワカ(妻夫木聡)ら男たちが踊り子達にすり替わり難を逃れるが、サルワカは一座の座長、万歳三唱太夫(池谷のぶえ)の逆鱗にふれ、一座に紛れ込んだ、腑分けもの(野田秀樹)、戯けもの(佐藤隆太)ら、さらには阿国までが、一座を追い出されそうになってしまう。そこで弟の窮地を救い、一座に残るべく、阿国は座長に嘆願し、出雲阿国座の再興の夢を託して、サルワカに女カブキの「筋」となる台本を書かせる。しかし、大衆をあっと言わせる「筋」など書くことができないサルワカの前に、売れない幽霊小説家(古田新太)が現れ、サルワカの台本に手を加え、その「筋」が、座長に気に入られて、新作「足跡姫」が上演されることに……。舞台には、花道やスッポン、下座音楽や大向こうなど、歌舞伎の趣向がたっぷり。その中に野田流のテンポの良い言葉遊びが混じり、さらに、幕府への謀反を企てた由井正雪、歌舞伎の創始者である出雲の阿国ら、実在の人物の名が虚構と溶け合って、重層的な世界を作っていく。そこには、芸術への情熱や、冒険心、反骨精神などが溢れている。これらは全て、十八代目勘三郎が目指したもの、あるいは、勘三郎という存在に人々が求め託したものだ。つまり、彼は直接的には登場しないが、舞台のそこここにその面影が、足跡がある。観客は、ひたむきな阿国を鮮やかに演じる宮沢、無邪気なサルワカを瑞々しく演じる妻夫木、コミカルな演技と共に能風の所作や殺陣でも魅せる古田、出演者中唯一の歌舞伎俳優である扇雀ら俳優達の生き生きとした演技に引き込まれ、やがて、野田の舞台芸術への強い想いを目の当たりにするだろう。人は皆、辛い現実を前にした時、これは虚構であってほしいと願う。一方で舞台人は常に、虚構を現実であるかのように演じたいと願う。野田は戦友の死を通して、今回の『足跡姫』に、先人の肉体が滅びても残った者が連綿と継いでいく芸能や精神と、一回毎に終わってはまた始まる舞台そのものを重ねた。野田が舞台を通して描く、死と再生という無限の物語は、観た後も私達の胸にどこまでも響き続ける。まるで足跡のように。取材・文:高橋彩子
2017年01月24日2016年12月28日発売の『週刊文春』が、人気アイドルグループ『嵐』のメンバー・松本潤さん(33)の二股交際を報じています。女優・井上真央さん(29)との交際が噂されていた松本さんですが、今回の報道では、 セクシー女優の葵つかささん(26)と4年にわたって交際していたとされ、二股交際をしていたということです。2人の出会いは故・中村勘三郎さんのお通夜だったということですが、現在まで破局したりヨリを戻したりしながら関係を続けてきたとのこと。これを受け、文春に直撃取材された松本さんは、『その人がわかんないんで』『事務所を通してください』と回答しています。また、同じく取材された井上さんも、何も答えられないと謝罪するだけだったということです。結婚も近いと思われていた2人のあいだに降って湧いた二股報道に、大きな反響が集まっています。●二股報道で松潤のイメージが急落?二股交際が報じられた松本さんに対しネット上では、『これが本当だったらマジで幻滅するんだけど。信じたくない』『よりによってアイドルがセクシー女優と浮気www軽蔑するわー』『お通夜で出会ったセクシー女優にアプローチするとか神経疑う』『これはヒドい!もうアイドルやっていけないでしょ?』『プロ意識なさすぎ。井上真央がかわいそう。見損なった』『そもそも井上真央と付き合ってたのも本当かわからないんだし、不倫じゃないから別にいいと思う』『彼女を裏切って二股なんて…。松潤は一途なイメージだったんだけどな…』『どっちが本命なんだろう?まぁ、どっちにしてもイメージダウンは避けられないよね』『相手の女性を「知りません」ってダサすぎ(笑)。一気に冷めた』『真央ちゃん色気で負けちゃったのかな〜』『今年の文春スゴすぎる。続報楽しみにしてます!』など、イメージが覆されたと悲しむ声が多く聞かれました。また、葵つかささんのTwitterアカウントでは、双方のファンが言い争いをするなど大荒れの様相を見せています。はたして、松本さんが最後に選ぶのはどの女性なのでしょうか。●文/ぶるーす(芸能ライター)
2016年12月28日ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで12月8日、中村橋之助改め八代目中村芝翫、中村国生改め四代目中村橋之助、中村宗生改め三代目中村福之助、中村宜生改め四代目中村歌之助が、歌舞伎界“史上初”となる“親子4名同時襲名”を行い、パークで公演中の15周年記念パレード「ユニバーサル・RE-BOOOOOOOORN(リ・ボーン)・パレード」を「襲名披露リ・ボーン・パレード」と代え、一家で“やり過ぎ”お練りを披露した。中村芝翫さん、橋之助さん、福之助さん、歌之助さんの4名が「襲名披露リ・ボーン・パレード」を先導する、ユニバーサル・グローブを掲げたフロートの上で手をふると、パークのゲストから次々と歓声が。メイン・ストリートでは中村芝翫さんの妻で三兄弟の母である三田寛子さんがパレードを見守り、「今日はいちギャラリーとして参加したけど、ゲストと一緒に心が一つとなってお祝いできたことが本当にありがたいです」とコメントした。一方、中村芝翫さんは、「パレードに乗車して涙がこぼれそう。USJのように我々の歌舞伎も日本から世界に届けたい。日本の伝統芸能である“歌舞伎”、世界最高のエンターテイメントを提供し続けてきたユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ともにこれからも素晴らしいエンターテイメントを日本から世界へ発信していきましょう」と、抱負を口にした。また、「襲名披露リ・ボーン・パレード」を終えた中村芝翫さん一家は、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」エリアにて、今年新たに登場した「ワンド・マジック」を体験。家族全員で「ロコモーター!」と呪文を唱えて杖をふると、「魔法のクリスマス・ツリー」のオーナメントが次々と踊り出して、魔法界のクリスマスを満喫した。■ユニバーサル・スタジオ・ジャパン×大阪松竹座中村橋之助改め八代目中村芝翫国生改め四代目中村橋之助、宗生改め三代目中村福之助、宜生改め四代目中村歌之助「襲名披露リ・ボーン・パレード」2016年12月8日(木)1日限りで開催写真提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(C)&(R) Universal Studios. All rights reserved.(text:cinemacafe.net)
2016年12月13日出自もタイプも違うものの、俳優として同じ方向を向く魅力的なふたりの初共演が、遂に実現する。しかもそれぞれが強い想いを持つNODA・MAPで。野田秀樹が公私共に深い親交を結んだ親友・十八代目中村勘三郎丈へのオマージュとして歌舞伎を題材にする新作『足跡姫~時代錯誤(ときあやまって)冬(ふゆの)幽霊(ゆうれい)~』で、待望のタッグを組む妻夫木聡と古田新太に話を聞いた。NODA・MAP第21回公演『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊~ チケット情報妻夫木「野田さんが書く物語を全部理解することは僕には不可能なんですけど、圧倒的な説得力があるじゃないですか。舞台でしかできないことを次々と見せてくれて、気が付くと大きな渦に巻き込まれている。古田さんが出演されていた『ザ・キャラクター』(2010年)なんて、ほんと興奮して、お茶くみでもいいから参加したかったって思いましたもん(笑)」古田「夢の遊眠社時代と比べると、最近の野田さんの作品はテーマがわかりやすくなっていると思う。それでも一筋縄では行かないけどね。オイラは問題提起がはっきりし過ぎた作品は、やっても観ても“恥ずっ!”となるから(笑)、笑いで混ぜ返して、ちょっとわかりにくくしたいんだよね。ブッキーやミリエ(宮沢りえ)みたいに直接テーマを背負う人は、そこを邁進しなきゃいけないだろうけど」妻夫木「いや、僕も背負い過ぎないようにしているかもしれません。特に前回の『エッグ』は、背景に第二次大戦や731部隊があったので、そこを意識すると知らず知らずのうちにテーマを匂わせてしまう。でも古田さんがおっしゃったように、そういうのはないほうがいいんですよね。だってそれは、ストーリーを全部知っている役者の気持ちであって、その日に初めて観るお客さんにはまったく関係ない。初演、再演(2012年、2015年)とやらせていただいて、再演の時はいい意味で何も考えずに臨めました」古田「そうだね。せっかく野田さんのレトリックで、すぐにはわからない内容になっていても、役者のテンションとかで背景が見えてしまうのは楽しくない。複雑な話を複雑なまま見せるためには、俳優は刹那刹那を、お客さんに喜んでもらう方向に行ったほうがいいと思うんだ」話題に上った宮沢りえ、歌舞伎界から中村扇雀ら、華やかさと実力、緊張感と遊び心を兼ね備えた他の出演者も楽しみだ。古田「ブッキーとミリエに突っ走っていただければ、あとはどうとでもなるのが今回のメンバーなんで。……あ、ひとり、野田秀樹さんという役者がなー。あの人、後先考えずに無茶するところがあるから、そこは注意しつつ、頑張ってもらいましょう(笑)」とんでもなく長い時間と大きな空間を生身の俳優が立ち上げるこの作品に、ひとりでも多くの人が手を伸ばしてほしい。公演は1月18日(水)から3月12日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。チケットの一般発売は12月10日(土)午前10時より。取材・文:徳永京子
2016年12月06日主演・市川海老蔵、演出・三池崇史による六本木歌舞伎の第2弾としてリリー・フランキーの脚本で「座頭市」を新解釈で上演することが決定。11月28日(月)に記者会見が行われ、海老蔵さん、三池監督、そして共演の寺島しのぶが出席した。第1弾では宮藤官九郎の脚本で「地球投五郎宇宙荒事」が上演されたが、今回は勝新太郎のTVシリーズや映画のイメージが強い盲目の按摩師にして最強の剣士である「座頭市」を歌舞伎にすることに。海老蔵さんは、前作の「地球投五郎」のアイディアが「勘三郎兄さん」と慕ってきた故・十八代目中村勘三郎から「お前は地球を投げるくらいの荒事をしないとダメだ」と叱咤された思い出に端を発することを明かし「今回もまた、勘三郎兄さん(が発端)なんですが、以前、勝さんと勘三郎兄さん、あるお笑い芸人さんが飲んでて、そのお笑い芸人さんが『俺は“座頭二”をやりたい』と言い、勘三郎兄さんが『じゃあ俺は“座頭三”をやりたい!』と言った」という思い出から、前回、共演した中村獅童に「次は『座頭市をやったら?』と言われた」とのこと。海老蔵さんと言えば、その“目力”が魅力だが、盲目の座頭市を演じるとなると、その目力を封印することになる。海老蔵さんは、坂東玉三郎から言われたという「声がつぶれたら、声が出ないなりの芝居をしたら、また新しい世界が見えてくる」という言葉を紹介し「これまで目をつぶって芝居したことはないけど、それを封印して芝居したら何が出てくるのか?僕も発見はあると思うし、第三者が見て何か言ってもらえるものがあると思う」と新たな挑戦への意気込み、新境地の開拓への期待を口にした。寺島さんとの共演は、映像では大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」以来、舞台に至っては新派の特別公演以来、22年ぶり。海老蔵さんは、寺島さんについて「子どもの頃からお世話になってて、お姉さんのよう」と語り、さらに以前の共演では「ソファでキスするシーンがあったんですが、前の日にニンニクを食べ過ぎて、ものすごく怒られたのを覚えています(苦笑)」と寺島さんも「覚えていない(笑)!」という思い出を明かし、笑いを誘っていた。三池監督は、映画、そして前回の公演と続く海老蔵さんとのタッグについて「一度、ガッツリやると、半年くらいは拒絶反応が出るんだけど、その後、『海老蔵がほしい!』という飢餓感が出てくる(笑)。酒やたばこ、ドラッグのような、そういう類の人」と、抗しがたい魅力を力説。今回の「座頭市」がどんな物語になるかは「いずれ、リリーさんから情報が…」と語るなど、監督自身もまだまだはっきりと語れるような全体像を描き切ってはいないようだが「リリーさんは『色っぽいものにしたい』と言ってて、悲恋の物語になると思います。アクションを見せるのがテーマではない」と従来の「座頭市」シリーズとは一線を画す作品になるとの展望を明かした。報道陣からは、闘病中の妻・小林麻央に関する質問も飛んだが、海老蔵さんは、娘さんと麻央さんと3人で海老蔵さんの服を買いに外出したことを明かし「でも結局、散歩して帰りました」と家族でのほのぼのとしたエピソードを明かす。麻央さんは、自身のブログで、今後の治療に関して夫婦で真剣に話し合いをしたこと、また、その際に娘さんが麻央さんの耳元で「パパに何も言わないで。パパはママのこと愛してるんだから」とささやいたというエピソードを明かしているが、海老蔵さんは娘さんの気遣いについて「大人なんですよ。僕よりも年上な感じ」と笑みを浮かべて語っていた。六本木歌舞伎は2017年2月4日(土)から20日(月)まで東京・EXシアター六本木にて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年11月28日2010年、野田秀樹 作・演出・出演の舞台『表に出ろいっ!』のオーディションで見出され、故中村勘三郎との三人芝居で世に出て以来、舞台と映像の両方で大活躍中の黒木華の最新舞台が決定した。倉持裕が江戸川乱歩の短編8作から、新たに戯曲を編み上げる『お勢登場』がそれだ。舞台『お勢登場』チケット情報読書好きを公言する黒木の乱歩体験は中学生の頃。「明智小五郎が活躍する“少年探偵団”シリーズなど子ども向けの作品を飛ばし、いきなり『人間椅子』や『芋虫』などを読んでしまったんです。恐ろしくて、でもどこか色っぽい妖しげな乱歩の世界にいきなり触れるという、強烈な出会い方をしてしまいました。『お勢登場』を読んだのは今回のお話をいただいてから。彼女は乱歩の短編一作にしか登場しない女ですが、倉持さんは『押絵と旅する男』を軸に、8つの物語をお勢が旅するように巧みに紡がれているんです。読み進むうちに、本当にお勢が全ての事柄に関わっているような気がしてきてゾクゾクしました。“倉持マジック”ですよね」。今回が初手合わせとなる倉持の作品では、劇作・演出を手掛けた『窓』(2010年)を観ており、「登場人物同士の関係性がとても緻密で、笑って話していたはずのふたりから不意に、思いも寄らぬ暗い感情がこぼれて来るような瞬間が描かれている。観ているうちにどんどん前のめりに引き込まれて、観劇後は“いつかご一緒できたら”と思っていました」と言う。続けて「今日伺ったのですが、乱歩はもともと、お勢を明智探偵のライバルにしようと思っていたそうなんです。確かに彼女は頭が良く、具体的な描写はありませんが、きっと姿も美しいのでしょう。どことなく振る舞いに品もあり、そのうえミステリアス。何より、私たち普通の人間には想像できないような価値観を持ち、社会的には悪、犯罪と呼ばれるような行為を冷静に、しっかりと計算しながら遂行していくところが、乱歩作品の登場人物ならではの魅力を放っているんですよね」と語る彼女の瞳までがどこか妖しい光を放ち、既に劇世界に入り込んでいるかに見える。「戯曲に『私、退屈なの』というセリフがあって、それが私は大好きなんです。そんな風に世の中も自分もどこか遠くから見ているようなお勢の視点は、演じる私にとってもとても興味深いもの。早く実際に演じてみたくてたまりません。と、言えば言うほど、自分で自分のハードルを上げることになってしまいますが」と笑うが、既に準備は万端の様子。乱歩と倉持、ふたりの作家が惚れ込むヒロインに、新たな息吹が吹き込まれるに違いない。『お勢登場』は2017年2月10日(金)から26日(日)まで東京・シアタートラムで上演。他に福岡、大阪でも公演あり。なおチケットぴあでは東京公演の先行販売を11月29日(火) 午前11時よりインターネットで発売する。取材・文:尾上そら
2016年11月28日「自分が演劇を本当に志したいと思うきっかけになったのが野田さんの作品なので、どこか“ホーム”に帰るような感覚があります。帰るからには、成長した姿を見せなくてはというプレッシャーもありますし、今までNODA・MAPを見てくださった方たちが見たことのない、新しい私として表現したいですね」NODA・MAP第21回公演 『足跡姫』チケット情報約3年ぶりにNODA・MAPに参加する心境を、そう話す宮沢りえ。2004年の『透明人間の蒸気』以来、自身にとって7作目の野田秀樹作品『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』(あしあとひめ ときあやまってふゆのゆうれい)に、初共演となる妻夫木聡ら充実のキャストで挑む。「稽古場でアイディアを提供し合ったり、挑発し合えることが、すごく楽しみです。自分が出した音に響いてくれる人がいて、その反応がまた私に響いてくる。そうやってお互いが鳴らし合う鐘が、より高いところへ行くガソリンになる。妻夫木さんは、その鐘にいちばん大切な“誠実さ”が溢れている人。ハッとするような瞬間が、積み重なっていくといいなと思っています」絶大な信頼を寄せる古田新太との共演も心強い。二心同体の役を演じた『MIWA』をはじめ、「なぜかカップリングされることが多いんです」と笑顔を見せる。「古田さんは、大きな視野で周りを客観的に見る目をちゃんと持ちながらも、挑戦することを恐れない人。頼もしいし、負けていられない気持ちになります。トランポリンを使った今回のチラシの撮影でも、先に撮り終えた古田さんと妻夫木さんがとても上手だったと聞いたら俄然、闘争心が湧いてきて。お陰でたくさん跳んで、筋肉痛になりました(笑)」江戸時代が舞台になる本作品。野田によると、“残ることのない、肉体を使う芸術”をモチーフに、生前深い親交があり、歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』などをともに生み出した故・中村勘三郎へのオマージュを書き下ろすという。「野田さんがそれを照れたりせず潔く表明されたことに、まず驚きましたし、感動しました。こういう具体的な言葉を発表するのは、とてもエネルギーの要ること。野田さんの新しい挑戦に対する意気込みを感じます」「心と体をストレッチして」そんな野田の思いに応えたいという宮沢。「1+1=2にならないのが野田さんの作品で、肉体から湧き出るとても創造的な表現が常に求められます。1+1=100になっても、0になっても、それに対してピタッと吸着できる自分でありたいし、できれば時折、野田さんのイメージをいい意味で壊せるくらいでありたい。“そんな見せ方もあるんだ!”と驚く野田さんの顔が見られるように、脳みそを柔軟にして稽古に臨もうと思います」公演は1月18日(水)から東京芸術劇場 プレイハウスにて。チケットの一般発売は12月10日(土)午前10時より。なお、チケットぴあでは11月3日(木)午前11時まで無料会員向けインターネット抽選先行「プレリザーブ」を受付。取材・文/岡﨑 香
2016年11月02日映画『真田十勇士』のヒット御礼舞台挨拶が10月5日(水)、都内で開催され、中村勘九郎、加藤雅也、堤幸彦監督が登壇。主人公・猿飛佐助にちなんで、日光猿軍団が祝福に駆け付けた。好評を得た舞台版に続き、ほぼ同じキャストで映画化された本作。あの真田幸村が実は、ヘタレだったという設定で、彼を本物の勇士にすべく猿飛佐助をはじめとする面々が奮闘するさまを壮大に描き出す。既に公開から2週間がたったが、家族や周囲の反応について聞かれ、勘九郎さんは「子どもたちは特に真田十勇士のファンで、舞台版では佐助は一刀流なんですが、映画では二刀流で、家でも二刀流で“ごっこ”で遊んでます」と明かす。加藤さんは「外国人の友達から『なんで(英語の)字幕版がないんだ?』とよく言われます」と明かし、海外における日本の忍者・忍術人気の高さをうかがわせた。2014年に舞台の初演があり、映画、そして舞台の再演と数年にわたり、文字通り苦楽を共にしてきたが、勘九郎さんは加藤さんについて「初めてお会いしたときは、こういう感じで(笑)、私服も黒が多くてめちゃくちゃカッコいいけど、近寄りがたさもあって怖い人かと思ったんですが、実は…こんなに天然な人はいない(笑)!あて書きかと思うくらい“幸村さま”ですよ」と証言する。これに対し、加藤さんは「役作りですよ(笑)。普段から一生懸命役作りを…」と天然な部分はあくまでも本作に合わせたものだと強調!しかし、勘九郎さんのすごさについて語る際に「舞台で、僕が何をしてもフォローしてくれるので、僕は適当に言ってればいいので…」と“テキトー”発言でその天然ぶりをポロリと垣間見せていた。勘九郎さんは、本作にちなんで、自身にとってのヒーローの存在を聞かれると「いつも言っていますが父ですね」と亡き父・中村勘三郎を挙げ「背中を見て、父のようになりたいとずっと思ってきた」と語り、本作について「喜んでくれると思います」とうなずいていた。この日は、申年、そして猿飛佐助にちなんで日光猿軍団のサルたちが、劇中の佐助や幸村の衣装で登場。ステージ上で、華麗なパフォーマンスを見せ会場をわかせた。『真田十勇士』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月05日野田秀樹作・演出のNODA・MAP第21回公演 『足跡姫 ~時代錯誤冬幽霊~』(あしあとひめ ときあやまってふゆのゆうれい)が1月18日(水)より東京・東京芸術劇場で上演されることが決定した。【チケット情報はこちら】出演は宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太、佐藤隆太、鈴木杏、池谷のぶえ、中村扇雀、野田秀樹。同作の舞台は江戸。さらに作品は中村勘三郎へのオマージュであることが発表されている。野田は、「彼(勘三郎)から最後の病床で“俺が治ったら、この姿(医療器具でがんじがらめの彼の姿)を舞台にしてよ”と言われた。それを彼の遺言とも思ってないし、彼は冗談半分のつもりだったように思うのだけれども、ずっと気になっていた」とコメント。さらに「彼の葬式の時に坂東三津五郎が弔辞で語ったコトバ、“肉体の芸術ってつらいね、死んだら何にも残らないんだものな”が、私の脳裏に残り続けています。その三津五郎も、後を追うように他界してしまいました。あれから「肉体を使う芸術、残ることのない形態の芸術」について、いつか書いてみたいと思い続けていました」と製作に至った経緯を明かした。「本来はオマージュなんていうのは、“しゃらくせえや”と思う方なんですが、こうして臆面もなく「勘三郎へのオマージュ」と書くことで、自分へのプレッシャーにもなるし、勘三郎の名前と思いが、少しでも長く人の心に残っていくための、私の本など微力だとは思いながらも、書かないよりはいいな…と、そんなわけで『足跡姫』です」とコメントを寄せている。NODA・MAP第21回公演 『足跡姫 ~時代錯誤冬幽霊~』は1月18日(水)から3月12日(日)まで、東京・東京芸術劇場で上演。チケットの一般発売は12月10日(土)より。
2016年08月25日