資生堂ギャラリーは、昨年永眠したグラフィックデザイナー兼アートディレクターの中村真の没後初となる回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」を開催している。6月29日まで。本展では、資生堂のイラスト広告を写真広告へと転換させた中村の創作プロセスを、自宅に遺されていた記録写真や校正刷りポスターなどの未公開資料を交えながら展示。モデルに山口小夜子を起用した香水の広告など、数々のポスターも紹介する。デザイン評論家の柏木博、グラフィックデザイナーの佐藤卓と松永真を迎えてのトークショーも6月22日の14時より資生堂銀座ビル3階の花椿ホールにて実施(申し込み制)。中村は1926年岩手生まれ。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後し、49年に資生堂に入社。写真を用いた写真表現で頭角を表し、50年代半ばから80年代まで多くの広告を製作した。資生堂の宣伝部政策室長から顧問までを務め、国際グラフィック連盟などで幅広く活動し、93年に紫綬褒章受章。2013年6月永眠。【イベント情報】「中村誠の資生堂 美人を創る」展会場:資生堂ギャラリー住所:東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル地下1階会期:6月3日から6月29日時間:11:00から19:00(日曜日は18:00まで)休館日:月曜日入場無料
2014年06月10日戦前のイラスト広告を写真へ資生堂ギャラリー(東京都中央区)で昨年永眠した中村誠氏の回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」が開催される。中村誠氏は資生堂の広告を数多く手がけてきたグラフィックデザイナーでアートディレクター。1949年に資生堂に入社してから戦前の資生堂のイラスト広告を写真広告へ転換させた人物として知られている。ただ単にイラストから写真へ変えただけでなく、その仕事内容は実に繊細なもの。中村氏は生前「計数に表現することのできない表情とか、雰囲気、空気感を大切にしてきた」と語っていた。資生堂が確立していた独自のイラスト広告の伝統を受け継ぎながら、製版の工夫、大胆なトリミングといった手法により広告を進化させていった。(画像はプレスリリースより)「一業、一社、一生、一広告」中村氏が築いたスタイルは他の人ではできなかったということは、こんなエピソードからうかがえる。「一業、一社、一生、一広告」、これは中村氏が企業デザイナーとして掲げていたモットー。「企業のアイデンティティーをビジュアライズするのがアートディレクターの仕事」と語っており、生涯、企業イメージの創出に力を注いだ。そんな実直な意識のもと生み出された広告だからこそ、見る人に深い印象を与えるものになったのだろう。中村氏の広告は国内だけでなく海外でも賞を得るなど世界的に高く評価されている。回顧展は2014年6月3日(火)~6月29日(日)11:00-19:00 (日曜のみ11:00-18:00) 開催される。【参考】・株式会社資生堂 プレスリリース(PRTIME)
2014年05月30日沖縄・宜野湾市で開催中の「第6回沖縄国際映画祭」。3月21日(金・祝)にビーチにてレッドカーペット・イベントが行われ、よしもと芸人を始め、小西真奈美、水沢アリー、「NMB48」などが登場し53,000人の観客を沸かせた。「Laugh & Peace」をテーマとして、これまで5回にわたり行われてきた「沖縄国際映画祭」。6回目となる今年は「島ぜんぶでお~きなこと!」を新たな合言葉に、開催場所を全島に広げ、レッドカーペットも2日間にわたって行われる。1日目は冷たい風が吹く中でのレッドカーペット・イベントとなったが、開始前からすでに観客の熱気が。まずは毎年恒例の沖縄舞踊のエイサーでスタート。最初に登場したのはオープニングの司会を務める今田耕司とアナウンサーの木佐彩子。それに続き、芸人や俳優がと登場するなかペールカラーのミニ丈のワンピースで美脚を披露する水沢さんは菊地亜美と一緒に「嬉しい! 超楽しい!」と興奮気味。続いて「パンサー」の3人が登場すると、観客から黄色い大歓声が!先日発表された今年の「よしもと男前ランキング」で2位についた「パンサー」向井慧は「レッドカーペットでこんなにたくさんの人たちの前で歩くことができて、感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔で応えた。そして品川ヒロシ監督作『サンブンノイチ』に出演する哀川翔は、貫録たっぷりに登場。報道陣につかまりなかなか前に進めない哀川さんに、品川さんは「翔さん早く!」と声をかける一幕も。さらに「NMB48」のメンバーが登場し、会場の盛り上がりはMAXに。小笠原茉由は「サイコーです!」とコメントし、手を振る沿道のファンのもとに駆け寄って声掛けするなどファン・サービスもたっぷりだった。終盤に近づくと、豪華俳優陣が続々と登場。鉄拳のパラパラ漫画を実写映画化した『振り子』からはブラックスーツでクラシックにまとめた中村獅童やホワイトのロングドレスに身を包んだ小西真奈美らがレッドカーペットを歩いた。その後、『円卓』に出演の芦田愛菜が行定勲監督と一緒に登場。この日は白とピンクのノースリーブのワンピースでヘッドアクセサリーを着けドレスアップ!「かわいいー!」との沿道の声に、「ちょっと緊張してます」と語りながら「ノースリーブなので少し寒いです」と話した。最後は、ベン・スティラーの監督作『LIFE!』の日本語吹き替え版を担当した「ナインティナイン」の岡村隆史。「ふと横を見たら、この寒さで芦田愛菜ちゃんがブルブル震えてました。さすがに『毛布毛布!』って言いましたよ」と話し、ファンと交流しながら歩いた。23日(日)には沖縄・那覇国際通りにてレッドカーペットが行われる。(text:cinemacafe.net)
2014年03月22日今年で6回目を迎える「沖縄国際映画祭」の発表記者会見が2月19日(水)、吉本興業の東京本部にて行われ、ガレッジセール、鉄拳、ロバート山本、「NMB48」の山本彩、渡辺美優紀、山田菜々、10代アイドルグループ「Rev.from DVL」らが来場した。「Laugh & Peace」をコンセプトに2009年に誕生し、東日本大震災の折にも中止されることなく開催されてきた沖縄国際映画祭。今年は「島ぜんぶで、お~きなこと!」をテーマに、宜野湾市にとどまらず全県を巻き込んで様々なイベントを開催。昨年まで初日のみ行われていたレッドカーペットイベントも、2日間に分けて、メイン会場の沖縄コンベンションセンターに加え、那覇市の国際通りでも実施される。また、若き才能の発掘などを目的に、この秋に実施される予定の「第1回京都国際映画祭」とも連動していくことも発表された。沖縄出身ということで、すっかり同映画祭の“ホスト”となっているガレッジセールのゴリさんは「1回目のときは“沖縄国際映画祭”と言っても地元の人も『はぁ?』という感じだったけど、6回目ともなると春になると来るという感じで沖縄の人の誰に聞いても知ってます」と嬉しそうに地元での浸透ぶりを明かす。自身が監督を務めた『ロクな人生』が上映される。コザという名で知られる沖縄市が舞台となっているが「基地問題を抱えていて、だからこそいろんなアーティストが生まれた街です。ディープなところを含むコメディになってます!」と自信をのぞかせていた。泣けるパラパラ漫画で世界的な活躍を見せる鉄拳だが、そのパラパラ漫画が中村獅童、小西真奈美らが出演して実写映画化され「FURIKO-振り子-」として上映される。本人は「何も聞かされてなかったので…(苦笑)」とよしもとの裏事情(?)を漏らし、司会の藤井隆らを慌てさせていたが「どういう感じになってるのかいまからワクワクしています」と期待を口にした。NMB48の3人は学園シチュエーションコメディとして人気のTV番組「げいにん!」の映画化第2弾作品に出演。前作の続編ということで山本さんは「笑いと涙のシーンが増えてます。漫才しながらもそこに演技が加わって難しかったです」と述懐。渡辺さんは昨年、一昨年とステージイベントが雨に見舞われたことに触れ「ファンのみなさんが盛り上げてくださるんですが、今年は私たちが太陽を呼びたいです!」と力強く語っていた。「Rev.from DVL」は10代の少女たちからなる福岡の地元アイドル。中でも現役中学生の橋本環奈は昨年、イベントでの写真がネットを中心に広まり「かわいすぎるアイドル」「1000年に一人のアイドル」と注目を浴び、人気急上昇中。当人は「1000年に一人のアイドル」という言葉に「全然、そんなことないです(笑)」と照れくさそう。グループとして沖縄は初上陸となるが「温かいんだろうなと想像してます。海で遊んでみたりもしたい!」と語り、ほかのメンバーから「まだ寒いから!」とツッコまれていた。かわいすぎるアイドルを前に、大人たちもメロメロ。“毛深すぎるアイドル”を自称するゴリさんは、印象を尋ねられ、橋本さんの方を見ると「いま、初めて目を合わせましたが、42にして心拍数が上がってます!かわいいですね(笑)」と声を弾ませていた。「第6回沖縄国際映画祭」は3月20日(木)から3月24日(月)まで開催。(黒豆直樹(cinema名義))
2014年02月19日今年で7回目となる「TOKYO KIMONO WEEK 2013―きもの・和・日本橋―」が10月17日にスタートした。同日にオープニングセレモニーが開催され、TOKYO KIMONO WEEK実行委員長の桟敷正一朗氏、三井不動産日本橋街づくり推進部長の新原昇平氏に加え、初の連携企画を実施する三越日本橋本店長の中陽次氏と高島屋日本橋店店長の亀岡恒方氏が登壇した。「TOKYO KIMONO WEEK 2013」は、日本橋地区の約90店舗が参加する。歌舞伎俳優の市川海老蔵や中村獅童によるトークショーや恒例の日本橋での「きもの大集合写真」など多数の企画が29日まで予定されている。三越日本橋本店と高島屋日本橋店はイベントに合わせ同時期に着物催事「三越のきものフェスタ」と「高島屋きものウイークス~伝統と美の継承~」を開催し、両店連携のスタンプラリーも実施。三越では仕立て上がりの着物を中心とした次世代着物ショップ「華むすび」を10月23日にオープン。高島屋では23日から29日まで日本伝統の織物文化を紹介する「川島織物展」を予定している。初めて羽織袴に袖を通したという三越日本橋本店の中店長は、「三越は日本橋本町1丁目に第一号店を開いてから340年間呉服屋をやってきた。日本橋の両百貨店は今でも日本一の規模と情熱で呉服売り場を作っている。着物文化はもっと進化させ、成長させるべきもの。この秋も新しい着物の可能性を狙って売り場に手を入れ、着物を着る場を創造していきたい」と語った。高島屋日本橋店の亀岡店長は、「(着物文化の)イノベーションのためには、守って育てて継承していくことを決め、それ以外を変えていくべき。日本橋という土地、呉服、着物に携わるすべての方々の気持ちを大切にして、新しい店や会社を作っていきたい」と話し、スタンプラリーの景品として三越と共同でデザインした手ぬぐいを披露した。
2013年10月18日7回目となる「きもの」の新たな可能性や「和」が有する価値を再発見するイベント「「TOKYO KIMONO WEEK 2013―きもの・和・日本橋―」が東京・日本橋地区で開催される。会期は10月17日から29日まで。多数の企画を用意。10月27日には日本橋の橋上を通行止めにして集合写真を撮影する、恒例の「きもの大集合写真」を実施。一般参加可能で、昨年はおよそ200名が参加した。更に同日、コレド日本橋アネックス広場では、着物着用者を対象にプロのカメラマンが写真撮影を行う「きものフォトセッション」も開催。両イベントともに参加無料。また、今年初開催となる特別プログラムとして、23日には、日本橋にゆかりのある成田屋11代目・市川海老蔵を招き、トークショーや映像上映、華道家元・池坊によるデモンストレーションなどを行う「市川海老蔵特別プログラム・和の世界」を開催。24日には、「梨園に学ぶ和のおつきあい術」と題し、俳優・中村獅童の母である小川陽子があいさつ、贈りもの、手紙などの作法を講演会形式でレクチャーする。特別ゲストとして中村獅童も参加する予定。その他、染職史家・吉岡幸雄のドキュメンタリー映画「紫」の上演、東京きものの女王2014コンテスト、きものサローネ in 日本橋、スタンプラリーなども予定している。全イベントの詳細は公式サイトで確認できる。また、期間中に着物を着て日本橋地区の「きもの特典参加店舗」マークがある店を利用すると、てぬぐいプレゼントや食前酒サービス、会計オフサービスなど、様々な特典が受けられる。
2013年10月07日「梨園」とは歌舞伎の世界を表す言葉ですが、普通の人間にその中はどうなっているのかよく分かりません。この「梨園」で輝く歌舞伎役者さんについていろいろご紹介します。■歌舞伎役者の給料ってどこから出るの?歌舞伎役者の皆さんの給料はどこから出ているのでしょうか。例えば、芸能事務所に属して、一般のサラリーマンのように月給制や年俸制のような人を除けば、基本的には「自由業」です。ですから、仕事その都度のギャラを集積したものが収入になります。有名な役者さんであれば、舞台興行の出演代、諸手当、またお弟子さんたちからのお稽古代などが主な収入源。ほかにCM出演代、講演代金など副次収入も多いでしょう。どのくらいの金額になるかは不明ですが、手がかりはあります。2004年度分までは「高額納税者公示制度」というシステムがありました。今から9年前のデータになりますが……。市川海老蔵さん納税額:4,970万円推定の年収額:1億4,100万円松本幸四郎さん納税額:4,101万円推定の年収額:1億1,800万円坂東玉三郎さん納税額:2,848万円推定の年収額:8,400万円以上が「歌舞伎役者」におけるトップ3でした。■そもそも「屋号」って何!?歌舞伎役者には「屋号」がつきものです。舞台の役者に「成田屋っ!」とか「音羽屋っ!」とか声がかかります。あれがその役者の「屋号」です。そもそも「屋号」が付くようになったのは江戸時代までさかのぼります。そもそも歌舞伎役者は身分上は大変に低いものとされていました。芸事でいかに人気があっても社会的な地位はとても低いものだったのです。簡単にいえば「無職」とされていたわけです。江戸時代、無職の者は家を構えてはならないという慣習がありました。そのため歌舞伎役者は人気もあってお金があるのに、家も持てない状況でした。しかし社会的地位が向上するにつれ、役者の中から商売を始めて店を構える人が登場します(なにせ人気役者はお金を持っていたので)。「商売をしていますので家を出しますよ」という一種のカバーストーリーでもありました。そのうち、我も我もと誰もが商店を出すようになります。「スター」と「小商い」が切り離せないのは昔も今も同じです(笑)。やがて役者の間で、お互いの名前を呼ぶのに、役者名ではなくこの商店の名前を使うようになります。「音羽屋さんよぅ」なんて感じですね。これが一般に伝わって歌舞伎役者を呼ぶ際の「役者屋号」になりました。ただし、役者屋号がすべて商店の名前から採られているわけではありません。自分が信仰している寺社の名称から採ったものもありますし、由来が分からなくなってしまっているものなどもあって、さまざまなのです。ちなみに歌舞伎役者を名字や名跡で呼ぶのは失礼に当たります。屋号を使って「成田屋さんはどう思われますか?」などのように使います。■有名な役者屋号役者屋号で有名なものを挙げてみましょう。●成田屋(なりたや)歌舞伎役者の屋号は、そもそもこの「成田屋」から始まったといわれます。先日他界された市川團十郎さん、市川海老蔵さん、いわゆる「市川宗家」が成田屋です。●中村屋(なかむらや)先日、亡くなられた中村勘三郎(五代目中村勘九郎)さんの屋号です。江戸三座と呼ばれた歌舞伎座「中村座」が由来です。●澤瀉屋(おもだかや)俳優の香川照之さんが九代目「市川中車」(ちゅうしゃ)を名乗っていますが、澤瀉屋はこの市川家の屋号です。おもだかは薬草の名前です。初代市川猿之助の生家が薬屋で、おもだかを扱っていたのでそこから採ったとのこと。●高麗屋(こうらいや)松本幸四郎さん、市川染五郎さんはこの「高麗屋」。初代松本幸四郎さんが丁稚奉公をしていた商家から採ったそうです。●萬屋(よろずや)映画の大スターであった中村錦之助さんの小川家が独立して1971年にできた屋号。中村錦之助さんはこれで「萬屋錦之介」になったわけです。中村獅童さんはこの萬屋一門です。ほかにも、『鬼平犯科帳』の鬼平役で有名な中村吉右衛門さんの「播磨屋」(はりまや)、坂東玉三郎さんの「大和屋」などが有名です。ちなみに、歌舞伎の舞台でかかる掛け声は専門の人がやっています。間違っても自分もやってやろうと思わないようにしてください(笑)。■歌舞伎役者になる方法はあるのか?歌舞伎役者の家に生まれないと歌舞伎役者になれないのでしょうか。一応、道は二つあることになっています。●歌舞伎役者の下に弟子入りする●「伝統芸能伝承者養成所」へ入学する「弟子入り」の場合は、歌舞伎役者の下に師事して修業を積み、舞台に上がれるようチャンスをうかがうわけです。「伝統芸能伝承者養成所」は、独立行政法人「日本芸術文化振興会」が運営しています。歌舞伎俳優の研修生募集では「中学校卒業以上23歳までの男子」が対象です。研修生にうまくなれたら3年間さまざまな授業を受けます。研修後は舞台に立てるように指導してもらえるようです。このコースは1970年(昭和45年)に開催され、現在までに研修出身者90人が歌舞伎の舞台で活躍しているそうです。(高橋モータース@dcp)⇒独立行政法人「日本芸術文化振興会」の研修生に関するページ
2013年03月28日歌舞伎俳優の中村勘三郎さんの本葬が12月27日(木)、東京・築地本願寺にてしめやかに営まれ、生前の故人を偲んで関係者、一般弔問客合わせて1万2,000人が足を運んだ。勘三郎さんは今年7月に食道がんの手術を受け、その後、回復に向かっていたがウイルス性の肺炎を患い、その悪化に伴う急性呼吸窮迫症候群により12月5日(水)に57歳で亡くなった。10日と11日に近親者のみによる通夜と葬儀が自宅で行われたが、長男の勘九郎と二男の七之助の出演していた京都・南座での舞台が26日(水)に千秋楽を迎え、この日、本葬が行われる運びとなった。勘三郎さんの遺骨と位牌と共に喪主を務める勘九郎と七之助、妻の好江さんを乗せた車は自宅を出発。途中、勘三郎さんの積年の夢を実現させた「平成中村座」の舞台となった浅草、そして現在は改築中の歌舞伎座(東銀座)に立ち寄ったが、浅草では神輿を担ぎ、はっぴをまとった人々や一般のファンを含む700名が勘三郎さんをお出迎え。歌舞伎座前でも200名もの人々が詰めかけ「中村屋!」と威勢のよい掛け声が飛び交った。築地本願寺の祭壇の中央には「十八代目中村勘三郎を祝う会」にて写真家・篠山紀信によって撮影された手を合わせて優しい笑みを浮かべる故人の遺影が飾られ、その周りを菊やカーネーション、胡蝶蘭が彩った。弔辞に立った大竹しのぶは「まだ事実を受け入れることができず、途方に暮れています」と沈痛な思いを吐露。勘三郎さんが入院していた病院に足を運び、最期も見とったが「表情だけで、見得を切って看護婦さんたちに拍手をもらってました」と闘病中も周囲に明るさをもたらしていた勘三郎さんの様子を明かした。大竹さんはまた残された家族を気遣い「勘九郎、七之助、(勘九郎さんの長男の)七緒八くんの3人と(勘九郎さんの妻の前田)愛ちゃんを見守ってください。そして何より、愛してやまない好江ちゃんのそばにいて力を貸してください」と勘三郎さんに向かって呼びかけ、「大好きですよ、いまもこれからも。またね」と別れを告げた。同じく大竹さんらと最期を見とった劇作家の野田秀樹は「親友、盟友、戦友」とその存在の大きさを語り、自身が初めて手がけた歌舞伎「野田版 研辰の討たれ」の初日の思い出を懐かしそうに、寂しそうにふり返る。「安らかなんかに眠ってくれるな。この世のどこかをウロウロしてくれ。化けて出てきてくれ!」と涙ながらに友への思いを口にした。2人のほかに松竹の迫本淳一取締役社長、勘三郎さんとは同学年の幼なじみである坂東三津五郎、同じく歌舞伎役者の坂田藤十郎、片岡仁左衛門が弔辞を読んだが、いずれもその早すぎる死への無念を口にした。本葬には松本幸四郎、中村吉衛門、中村橋之助、中村獅童、尾上菊之助、市川海老蔵ら歌舞伎役者のほかにドラマや舞台、映画などで共演したり、プライベートで親交のあった多くの著名人が参列。阿部寛、東山紀之、香取慎吾、草なぎ剛、大野智、二宮和也、櫻井翔、奥田瑛二、宮藤官九郎、阿部サダヲ、宮沢りえ、深津絵里、王貞治(福岡ソフトバンクホークス球団取締役会長)、九重親方(元横綱・千代の富士)、江川卓、郷ひろみ、和田アキ子ら芸能界、スポーツ界から親交のあった人々が数多く訪れた。勘九郎さんは「こんなに愛されている人の子に生まれたことを誇りに思います」と気丈に語りつつも、参列者に向かい「どうか助けてください…」と頭を下げ、偉大なる父の喪失に際しての悲痛な胸の内を明かした。戒名は「演暢院釈明鏡大居士(えんちょういんしゃくみょうきょうだいこじ)」。弔辞の前に、勘三郎さんの初舞台である「昔噺桃太郎」(昭和34年/歌舞伎座)を始め、平成中村座の浅草やニューヨークでの公演、さらにはプライベートも交えた映像が流され、故人を偲んだ。(text:cinemacafe.net)
2012年12月27日信州・まつもと大歌舞伎『天日坊(てんにちぼう)』が上演中の長野・松本市で、7月15日、中村勘九郎、中村七之助、中村獅童ら歌舞伎俳優と、演出の串田和美が市内から松本城まで人力車で練り歩く登城行列を行った。中村勘九郎チケット情報登城行列は「松本城市民ふれあい座」と題し、まつもと歌舞伎を盛り上げようと市民らが名乗りをあげ行われたイベント。この日、沿道には38,000人(主催発表)が集まり、市内の松本郵便局前から出発した俳優に、盛んに声援や拍手を送っていた。勘九郎らも市民からの熱烈な歓迎ぶりに満面の笑みを見せ、握手やサインにも気軽に応じていた。松本城本丸庭園内に設置された特設舞台前には5,000人の市民が詰めかけ、「おめでとう 六代目勘九郎襲名」のアドバルーンが上がると、壇上から勘九郎も「すごい」とびっくり。司会進行役の串田が「(六代目襲名後の)勘九郎さんではまつもと歌舞伎は初めてです」と紹介すると「串田さんに言われるまで気づきませんでした」と勘九郎はすっかり松本に馴染んだ様子で語った。七之助は「みなさまの温かさを身にしみて感じています。松本はみなさんが(自分達と)一緒に芝居をやっているという感じです、心からそう思っています」と挨拶。獅童は「歌ってもいいっすかー?」と会場を盛り上げるも「今日は止めときます」とトーンダウン。すかさず串田が「きっと千秋楽の舞台で歌うんだと思いますね」とフォローし笑いを誘っていた。信州・まつもと大歌舞伎は、2008年、2010年に続き今年で3回目。『天日坊』は、河竹黙阿弥が初期に書いたと言われる『五十三次天日坊』をもとに、人気脚本家の宮藤官九郎が渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾に書き下ろした脚本での上演となる。ぴあの取材に応じたまつもと市民芸術館・芸術監督も務める串田は「観客や観客のいる街が一緒になって作る演劇がはっきり見えるのがすごい」と話す。また出演俳優が若いことや、宮藤の脚本目当てで「若い人たちがものすごく増えた」そうだ。串田は「歌舞伎の力って、古典だとかそういうのを超えて血の中にある芸能とかお祭りのようなもの。見た事がない人でも、知らない人でも騒ぎたくなっちゃう、知識と関係なく、ある敷居をとった時に突然自分たちのものになる。庶民が江戸時代に作った文化なんだなとここに来るとはっきりします」と力を込めて語った。公演は長野・まつもと市民芸術館主ホールにて7月18日(水)まで開催。
2012年07月17日中村獅童と神奈川屈指の人気ラーメン店「麺やBar 渦」のコラボレーションで生まれたラーメン「湘南獅龍麺(しょうなんしりゅうめん)」が、7月21日限定でオープンする片瀬海岸・海の家で販売される。無類のラーメン好きである中村獅童にとって、湘南は幼い頃、叔父(故・萬屋錦之介)とラーメンを食べた思い出の場所。同ラーメンは、そこにある名店「麺やBar 渦」の全面協力によって開発された。ネーミングの由来は中村獅童の「獅」と湘南・江ノ島のシンボル「龍」を組み合わせたもの。スープははまぐりや鯵干しなど、湘南地産の海の食材をふんだんに使った「湘南醤油味」。中村獅童と「麺やBar 渦」大西氏がこだわった、シラス入りボールが乗った夏の海にぴったりの味だ。さらに、同日14時~16時にはイベントが行われる。開発者とのトークショーをはじめ、中村獅童本人が作るラーメンを1名限定で試食できるコーナーがあるという。試食はYahoo!チャリティーオークションで”本人からのラーメン試食権”を落札した人限定。オークション落札金額は、日本赤十字社を通じて、東日本大震災被災地へ寄付される。なお、営業時間は、第1部・11時~14時、第2部・16時~18時30分(ラストオーダーは18時)。イベント実施中は営業をしていない。また、ラーメンは具材が無くなり次第終了とのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月12日歌舞伎俳優の・中村勘九郎、中村七之助、中村獅童が出演する「渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾『天日坊(てんにちぼう)』」の公開稽古が6月14日、東京・渋谷Bunkamuraシアターコクーンで行われた。コクーン歌舞伎『天日坊』チケット情報本作は、河竹黙阿弥が1854年に書いた『天日坊』をもとに、人気脚本家の宮藤官九郎が新たに脚本を執筆。それを串田和美の演出・美術により、実に150年ぶりに現在の歌舞伎として上演するもの。物語はふとした野心から将軍・源頼朝の落胤になりすました法策=後の天日坊(勘九郎)を軸に展開。悪事を重ねながら鎌倉を目指す法策は、旅の途中で出会った盗賊・地雷太郎(獅童)とその妻・お六(七之助)から思いもよらぬ自分の運命を知ることになる。宮藤の書いたセリフには「マジかよ」などの現代語と黙阿弥の七五調が混在し、その状態をさらにセリフでつっこんだりと、飽きさせない工夫が随所にある。また黙阿弥お得意の因果話に加え、化け猫退治や東海道への旅など盛りだくさんの要素をわかりやすくまとめている。串田の美術は整ったものではなく、手作り感を生かしたようなセット。衣裳やかつらは今までの歌舞伎で見慣れたものとはひと味違うデザインで面白い。音楽は歌舞伎で使う下座音楽は使わず、全編トランペットとエレキギター、ベースを使用。トランペットの音色と法策の心情がシンクロするような場面もあり、従来の歌舞伎では見られない新しい演出効果になっていた。この日の稽古前には会見も行われ、勘九郎、七之助、獅童と串田が登壇。勘九郎は「父(勘三郎)が18年前にコクーン歌舞伎を始めた時は“勘九郎”でしたから、その名でここに立てることはプレッシャーもあり、誇りに思っています」と挨拶。弟の七之助も「うちの父が『面白い!出来てるじゃん』って言ってました」と父・勘三郎も驚いたことを明かした。これを受け串田も「稽古場でやけに笑う人がいるな~、誰だよ」と勘三郎が様子を見に来たときのエピソードを披露。また、獅童は「僕は盛り上げ役ですから」と謙遜しながらも「七之助さんと毎日一緒にご飯を食べて、恋愛や芝居の悩みを相談してます。人生ってのは楽しいですよ」と話し、場を和ませていた。東京公演は同所にて6月15日(金)から7月7日(土)まで上演される。その後、「信州・まつもと大歌舞伎『天日坊(てんにちぼう)』として長野・まつもと市民芸術館主ホールにて7月12日(木)から18日(水)まで開催。チケットはいずれも発売中。
2012年06月15日綾瀬はるかが主演する2013年度NHK大河ドラマ「八重の桜」のキャスト発表会見が5月30日(水)、東京・渋谷区のNHK放送センター敷地内で行われた。同志社大学を創立した新島襄の妻・八重(綾瀬さん)の生涯を描く物語。八重の出身地で東日本大震災の被災地となった福島県を舞台に、被災地の復興と活力ある日本への思いを込める。現在、最も注目を集める実力派俳優の西島秀俊が八重の兄・山本覚馬役に起用されたほか、長谷川博己が八重の夫・川崎尚之助役で大河ドラマに初出演する。「義に生きることを美徳とした男。卓越した先見性と困難に立ち向かうエネルギーを持った人物で、やりがいがあるし、魂を込めて演じたい」(西島さん)、「後々、八重と別れる設定で『なぜ別れたのか』というミステリーがある人物」(長谷川さん)とそれぞれに役柄の魅力を語った。また、剛力彩芽が八重の幼なじみである日向ユキ役で出演するが、こちらも大河は初。「大河に出るのが夢だった」と思わず涙ぐむ場面も。また、10月に出産を控える黒木メイサが、産後の女優復帰作として本作に出演し、八重のライバル・中野竹子を演じることも注目を集めそうだ。黒木さんにとっても初めての大河で、「人として生きる勇気と力を伝えたい」と“復帰作”への意気込みを明かした。同日、発表されたのは西島さん、長谷川さん、剛力さん、黒木さんに加えて、松重豊(八重の父・山本権八)、風吹ジュン(八重の母・山本佐久)、長谷川京子(覚馬の妻・山本うら)、工藤阿須加(八重の弟・山本三郎)、綾野剛(松平容保)、玉山鉄二(山川大蔵)、池内博之(梶原平馬)、斎藤工(神保修理)、稲盛いずみ(照姫)、中村獅童(佐川官兵衛)。福島県出身の西田敏行は藩祖以来の名門・西郷頼母を演じ「大河を通して、こんなにも美しく立派に時代を生き抜いた人がいると知っていただければ。きっと避難所や仮設住宅でドラマを見る人もいるはずなので、ぜひ矜持を取り戻すきっかけになれば」としみじみ語っていた。こうした豪華な共演者たちに囲まれて、時代を生き抜くヒロインを熱演する綾瀬さんは「緊張と期待で胸がいっぱいです。ぜひみなさんと力を合わせて支え合えれば。私自身も八重を通して、ブレない強さと他人への優しい気持ちを学ぶことができれば」と決意を新たにした。“日本のナイチンゲール”として、新時代の道しるべを照らす八重の奮闘を、個性豊かな実力派俳優が盛り立てる「八重の桜」。朝ドラ「ゲゲゲの女房」の山本むつみが脚本を手掛け、今年9月からクランクインを予定している。NHK大河ドラマ「八重の桜」は、2013年1月から全50回で放送予定。■関連作品:映画 ひみつのアッコちゃん 2012年9月1日より全国にて公開© 赤塚不二夫/2012「映画 ひみつのアッコちゃん」製作委員会新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月、全国にて公開■関連記事:桐谷美玲、綾野剛と遠距離カップル役で『新しい靴を買わなくちゃ』パリ撮影に挑戦!香川照之が“鏡の精”に!『ひみつのアッコちゃん』異色の実写キャスト発表中山美穂×向井理が年の差恋愛で魅せる!パリ撮影も順調に進行中“綾瀬はるか版”『ひみつのアッコちゃん』ポスター&特報が解禁!綾瀬はるか主演で「ひみつのアッコちゃん」映画化!初恋相手役に岡田将生
2012年05月30日臨場感のある演出や新しい趣向を取り入れ、毎回話題となっている「コクーン歌舞伎」。これまでも本火、本水、泥沼を使う演出や、椎名林檎の音楽、いとうせいこうのラップといった、従来の歌舞伎にはなかった要素が演劇的興奮を高め、多くの観客に支持されてきた。第13弾となる今年、河竹黙阿弥原作の『天日坊』を、人気脚本家・演出家の宮藤官九郎の脚本で上演する。『天日坊』は黙阿弥の初期の作品で、ふとした野心から将軍・源頼朝の落胤になりすました天日坊が、東海道を下る途中、出会った盗賊夫婦によって思いもよらぬ自分の素性を知ることになるという話。化け猫退治や盗賊たちの活躍も描かれ、当時の世相ともマッチし大当たりをとった舞台。幕末に初演されてから実に約150年ぶりの上演となる。4月27日、制作発表会見が行われ、出演の中村勘九郎、中村獅童、中村七之助と、演出・美術の串田和美、宮藤が登壇した。天日坊を演じる勘九郎は「初演からコクーン歌舞伎を支え、闘ってくれている串田監督、そして宮藤さんとご一緒出来るのは凄く嬉しいです。本当に賛否両論、大嵐の作品になると思いますが、それを楽しんでやりたいと思います」と挨拶。もうひとりの“カンクロウ”である宮藤は「今日は“カンクロウさん”と言われても、あっ俺じゃないなと思い、不思議な感じです」と場を和ませ、続けて「今回は150年位演じられていない歌舞伎が原作なので、これはいいなと。駄目だったら(原作の)黙阿弥のせいにできるなと(笑)。良いところは『そこ、僕変えたんです!』と言えるし」と相変わらずの宮藤節で笑いを誘った。コクーン歌舞伎に9年ぶりの参加となる獅童は「(今までは)現場で叱ってくれた勘三郎さんがいらっしゃいませんが、僕らの世代で引っ張って行かなくてはいけない。なんとしても面白くしたいと思います」と意気込みを語った。宮藤が初監督した映画『真夜中の弥次さん喜多さん』に出演経験のある七之助は「16歳で初めてコクーン歌舞伎に出させていただいた時に、手取り足取り教えてくださった串田さんと、映画でずっと一緒だった宮藤さん、ふたりの育ての親に囲まれてとても楽しみです」と話していた。「渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾『天日坊(てんにちぼう)』」は6月15日(金)から7月7日(土)東京・シアターコクーンにて開催。チケットは発売中。また、「信州・まつもと大歌舞伎『天日坊(てんにちぼう)』は7月12日(木)から18日(水)まで長野・まつもと市民芸術館主ホールにて上演される。チケットは5月5日(土・祝)より一般発売開始。
2012年05月01日東京・渋谷の劇場、シアターコクーンで1994年からほぼ毎年開催されている『コクーン歌舞伎』。第13弾となる今年は、幕末に初演されて以来、実に145年ぶりとなる河竹黙阿弥原作の『天日坊』を上演する。脚本は人気脚本家の宮藤官九郎が担当。襲名後、初の『コクーン歌舞伎』に出演する中村勘九郎が、4月某日、都内でインタビューに応えた。渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾「天日坊(てんにちぼう)」チケット情報物語はふとした野心から将軍頼朝の落胤になりすました法策(後に天日坊)を軸に展開する。悪事を重ねながら鎌倉を目指す旅の途中で、盗賊地雷太郎とその妻お六と出会い、思いもよらぬ自分の運命を知った法策。天下を狙い、若者たちが壮大な野望と純粋な希いを胸に疾駆する様を描いたもの。黙阿弥の処女作と言われている作品。勘九郎はタイトルロールの天日坊を演じる。宮藤の書いた脚本を読んだ勘九郎は「凄いですよ」と一言。「原作も面白いですけど、長いんでね。そこを宮藤さんが上手くまとめて、さらに宮藤さんの息吹満載になっています」。宮藤の脚本といえば、絶妙なセンスのセリフ回しも持ち味。「黙阿弥の精神や言葉のチョイス、勢いがプラスアルファされていて、かっこいいですよ、むちゃくちゃだけど(笑)。セリフも『マジかよ』とか出てきます。黙阿弥の魂を宮藤さんが『こういうことなんじゃねぇの?』って見せてくれた感じです」。勘九郎は勘太郎時代に宮藤が初めて歌舞伎の脚本を手がけた『大江戸りびんぐでっど』(2009年12月・歌舞伎座)にも出演しているが、『天日坊』は「もっとぶっ飛んでいる」そうだ。台本を読んだ父・勘三郎の「大変そうだね。大丈夫なの?」という感想を聞いて「うちの父が不安がるほどなのでこれは面白いぞ」と確信したそう。「賛否両論の嵐になると思います。でも僕は、これが歌舞伎かって問われても歌舞伎だって言いますよ。黙阿弥が生きていた時代はこれを“現代劇”として親しんでいた。七五調だって、日本人のリズムに合ったセリフをどうやったらかっこよくしゃべれるかを、黙阿弥も考えてこうなったんだと思います」。黙阿弥と宮藤は、生きている時代が違うだけで作家としての精神は同じ。だから固定観念に「囚われちゃいけない」と話す。とはいえ、演じる側にとってのハードルも高そうだ。「この台本をどう表現するか、感覚を研ぎ澄まして稽古をしないと」。『天日坊』のキャストは、勘九郎のほか、中村獅童、中村七之助ら次代の核となる若手歌舞伎俳優と、演出家で俳優の白井晃や大人計画の近藤公園といったジャンルを超えた個性豊かな俳優たちが揃う。観客の反応も気になるところだが、勘九郎は「喜んでいる顔や困惑している顔が見たい」と話す。「最近は何も考えずに観る人も多いと思います。考えなくてもいい芝居も多い。でも、悩んで観たほうが絶対面白いと思いますよ。よく判らなかったけど、何で涙が出るんだろうとか」。ふたりの“カンクロウ”がタッグを組み“みたことない歌舞伎”に挑戦する『コクーン歌舞伎』に期待したい。公演は6月15日(金)から7月7日(土)シアターコクーンで開催。チケットは4月22日(日)より発売開始。
2012年04月20日3月30日、新橋演舞場で開催される『四月花形歌舞伎』で、『仮名手本忠臣蔵』の通し上演を行うにあたり、出演俳優らが忠臣蔵にゆかりの深い東京・泉岳寺を訪れ、舞台の成功祈願を行った。『四月花形歌舞伎』チケット情報歌舞伎俳優の中村福助、市川染五郎、尾上松緑、市川亀治郎、尾上菊之助、中村獅童は、泉岳寺境内にある浅野内匠頭の墓前での成功祈願の後、四十七士の墓所にもお参りし、公演への思いを新たにしたようだ。参詣後行われた会見では、それぞれ役や公演への思いを語った。「若手の皆さんと忠臣蔵ができて幸せ。良いメンバーで良いチームが出来そうです。忠臣蔵という大きな芝居にみんなでぶつかっていきたい」(福助)。「(自分が演じる)由良之助は忠臣蔵の物語の要となる人物なので、大人の芝居をしたいです」(染五郎)。「目の前に与えられた課題を、自分の中で消化していきたいと思っています」(松緑)。「忠臣蔵は役者にとって基本となる芝居。先輩方の教えを忠実に守って、大切に演じていきたい」(亀治郎)。「日本人の心をとらえて離さない大切な演目なので、大事に務めたいです」(菊之助)。「大先輩が演じてきた大きな役で、それだけの歳になったのかと思う。先輩にご指導いただきたいです」(獅童)。『仮名手本忠臣蔵』は元禄14年(1701年)、江戸城松の廊下で、播州赤穂藩主の浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷に及び、浅野家は領地没収の上、お家断絶となった。しかし、国家老の大石内蔵助を含む47人の浪士たちが吉良邸に討ち入りし、主君の仇を討った赤穂事件を題材にした人気狂言のひとつ。歌舞伎での上演回数も多く、赤穂事件の47年後に上演されて以来、歴代の名優たちが父から子、子から孫へと伝承してきた本作。歌舞伎界の次代を担う若手花形俳優たちがどのような芸と技を見せるのか、注目したい。公演は4月1日(日)から25日(水)まで東京・新橋演舞場にて上演。チケットは発売中。尚、チケットぴあではおトクな特典付きチケットも販売している。【配役】中村福助:おかる市川染五郎:大星由良之(大石内蔵助)尾上松緑:高師直(吉良上野介)、寺岡平右衛門(寺坂吉右衛門)市川亀治郎:早野勘平(萱野三平)尾上菊之助:塩冶判官(浅野内匠頭)中村獅童:桃井若挟之助、斧定九郎※()は歴史上の人物で、それぞれの役のモデル
2012年03月30日第4回WOWOWシナリオ大賞の受賞作を映像化したドラマW『エンドロール~伝説の父~』が18日(日)にWOWOWで放映され る。そこで、本作で純朴な青年を演じ「今までに見たことのない自分が見られた」と語る中村獅童に話を聞いた。その他の写真本作は、余命いくばくもない親友・尾崎明生(萩原聖人)と20年ぶりの再会を果たした売れない映画監督の橋本雄司(中村)が、入院中の明生のたっての願いで、自ら脚本を書き、主演も務める映画の製作に挑む姿を描いた人間ドラマ。『川の底からこんにちは』『ハラがコレなんで』の石井裕也監督が手がけた初のテレビドラマで、20年前の恋の思い出や故郷への想いを抱えながら映画製作に挑む雄司を中心に、人と人が触れあい、想いを伝えていこうとする瞬間を描いていく。本作で中村が演じた雄司は、口数の少ない寡黙な男。それだけに中村は「説明セリフがまったくないので、自分の感情をストレートにぶつけていくしかない。変な計算をすることもなかったし、心の底から相手の言葉や状況を感じて演じないとセリフも出てこない。他の作品だと、役を作り込まないといけない場合もあるのですが、この役は“足していく”というよりも、自分の中の余計なものを“そぎ落としていく”作業が多かった」と振り返る。本作を演出した石井監督は、独特の人間描写と会話の妙で観客を心地よく翻弄する新鋭だ。「撮影現場の静かでゆったりした感じが、(『硫黄島からの手紙』のクリント・)イーストウッド監督の現場と通じるものがあって。役者の心情を第一に考えてくれるし、役者を見ていてくれる。それだけ信頼されると、こちらも役になりきるしかないんです」。そんな石井監督の下で、中村が演じた雄司はこれまで彼が演じた役柄とは印象の異なる役だ。「ここ数年の中でこの役は大きな出会いだし、またここから“新たな中村獅童”への道ができたらいいなと思います。もちろんこれまでどおり強い役や悪役も演じると思いますが、こういう純朴な男もどんどん演じていきたい。自分のイメージを守りたいとは思っていなくて、作品の人物になりきりたいという気持ちが強いんです。この作品で今まで見たことのない中村獅童が見られたし、まだまだ自分の内に秘めた感情もたくさん持っているつもりなので、これからも役柄を通して出していきたいですね」。「映像を見た知人から、『雄司が中村獅童に見えなかった』と言われたんですが、俳優にとって本当にうれしい言葉ですよね」と笑顔を見せる中村。これまで数々の役を演じてきた中村だが、『エンドロール~伝説の父~』では、長年、彼を見続けてきた観客も知らない、俳優・中村獅童の“新たな一面”が楽しめそうだ。第4回WOWOWシナリオ大賞受賞作ドラマW『エンドロール~伝説の父~』3月18日(日) 夜10:00WOWOWプライム3月25日(日) 午後4:15 ※再放送
2012年03月16日WOWOWのシナリオ大賞(第4回)で昨年、大賞を受賞した「エンドロール ~伝説の父~」が同局のドラマWにて映像化され3月18日(日)に放送されることが決定し、3月13日(火)に記者会見を開催。中村獅童に萩原聖人、子役の鈴木励和(れお)、そしてこの日の午前中に第二子の妊娠を発表したばかりの板谷由夏が出席した。20年ぶりに故郷に帰った売れない映画監督の雄司(獅童さん)が、余命わずかの親友・明生(萩原さん)に頼まれて街中を巻き込んで映画を撮影するさまを描く。獅童さんと励和くんからの「おめでとうございます」という祝福、夫婦を演じた萩原さんの「お体に気を付けて」という労わりの言葉に、板谷さんは「ありがとうございます」と少し照れくさそうな笑顔を浮かべた。新たな命を自らの中に宿したことでの変化を問われると「すでにうちには3歳になるやんちゃ坊主がいるので(笑)、“母”としての気持ちの変化はありませんが」と前置きした上で、「長男のときもそうだったんですが、新しい命を宿すと、不思議なことに同時に“死”というものについて考えるものです。それはもしかしたら芝居に影響を与えているかもしれませんね」と真剣なまなざしで語った。もしも明生のように余命を宣告されたらどうするか?という問いに獅童さんが、がんで亡くなった叔父の萬屋錦之介や父の存在に触れ「最後まで仕事をし続けたいというのが本心」と語れば、萩原さんも「毎回、そういう気持ちで仕事に臨んでます」と自らの覚悟を明かした。萩原さんはまた、今回初めてドラマの演出を務めた石井裕也監督(『川の底からこんにちは』)を絶賛。「自分だけでは出せないポテンシャルを引き出してくれた」と感謝の思いを語った。重いシーンの撮影を含みつつも現場の雰囲気は温かかったようで、励和くんも「クランクアップの日は寂しかったです」と告白。さらに萩原さんと板谷さんについて「本当のお父さん、お母さんだったらいいのにと思いました」と語ると2人は嬉しそうにニッコリ。さらに励和くんが獅童さんについて「TVでは話せないような裏話を暴露してくれて楽しかった」と語ると会場は笑いに包まれた。この会見に先立って、第5回WOWOWシナリオ大賞の授賞式が開催されたが、今年の大賞は“該当なし”という結果となった。審査委員長を務めた映画監督の崔洋一は、ちょうど1年前の東日本大震災を受けて「私たち一人一人の存在が同じ場所に立つという、ある意味で分かりやすくフェアな社会性を背負わざるを得なかった」とこの1年で日本人が置かれた社会状況を論じつつ、「この賞においてはそうした状況とは一線を画し、突き抜けていくということが書き手に求められている」と応募者に対し辛口のエールを贈った。「エンドロール~伝説の父~」はWOWOWにて3月18日(日)22:00より放送。第5回WOWOWシナリオ大賞受賞結果一覧■大賞該当作品なし■優秀賞「ハートに火をつけろ」(伊勢尚子)「父さんはムーンフェイス」(中西隆裕)「プラタナスの枯葉」(播磨弘規)「WOWOWシナリオ大賞」公式サイト
2012年03月13日大阪松竹座「二月花形歌舞伎」の製作発表が1月17日都内で行われ、出演者の市川染五郎、片岡愛之助、中村獅童が出席した。「二月花形歌舞伎」の公演情報次代の歌舞伎を担う人気花形役者による、古典の名作から新作歌舞伎まで、多彩な演目を揃える今回の舞台。3人は口々に本公演にかける意気込みを熱く語った。染五郎「今回の公演は四演目ございますが、全てに愛之助さん、獅童さんと共に出演いたします。昼の部はほぼ新作、夜の部は古典の名作、上演が途絶えていた作品と、かなりアグレッシブな作品の気がいたします。アグレッシブなエネルギーに乗っかりまして、それをパワーアップさせて、舞台上で暴れることが出来ればと思っています。『大當り伏見の富くじ』は、十年以上前からこの作品がやりたいと思っておりまして、それがやっと実現することにすごく興奮を覚えております。“歌舞伎でやったことのないことをやる、やったことのあるものはあえてやらない”ということを目標に徹底した喜劇を作りたいと思っています。2月は話題の舞台が多いですけれども、どこよりも目立つ公演を目指したいと思います」愛之助「一つ目の『慶安の狼』では野中小弥太というお役ですけども、獅童さん演じる丸橋忠弥とその時代を生き抜いていく二人の青春群像劇で、熱く演じたいと思います。『富くじ』では、傳七という侠客を、かっこよく演じたいと思います。そして夜の部の『すし屋』の権太は浅草で勤めさせて頂いて二度目でございますが、二度目というのは怖いものでございまして、うちの伯父の仁左衛門に手取り足取り教わりました。初心に返って勤めたいと思います。そして『研辰』は、初役の九市郎でございます。二月は染五郎さんが仰ったように、話題の舞台がたくさん開いておりますので負けないように、また外の寒さにも負けないように熱い舞台を繰り広げたいと思いますので、どうぞ千秋楽までよろしくお願いいたします」獅童「昼の部はまず、新国劇の作品であった丸橋忠弥を勤めさせて頂きます。『富くじ』は黒住平馬という役を勤めますが、どうやら禿げてる人で、カツラをかぶっている人という…途中でかつらがとれたり、とんでもない芝居になりそうです(笑)。大阪ですので、笑いにも厳しいですし、関西の芝居ですので、気をひきしめて劇場の皆様に楽しんでいただける芝居になれば、と思っています。『すし屋』では梶原平三をやらせて頂きますが、これは三度目でございます。『研辰』も皆で色々と相談しながら、野田版とは違った魅力の作品になればなと思います。こういった普段やらない演目ですとか、歴史上に残るといった公演で大役を勤めさせて頂くのは嬉しいことで、ゼロから作り上げていくということは大変な反面、喜びもありますし、わくわくする気持ちもあります。エネルギーと熱意と情熱とで、良い芝居を作りたいと思います」同世代の3人とあって、終始笑顔の絶えない会見。カメラマンの求めに応じ、照れながらもポーズを決め互いにツッコみあう様子に、3人の息の合った姿が垣間見えた。公演は2月2日(木)から26日(日)まで。
2012年01月20日2月より六代目中村勘九郎襲名披露興行を行う中村勘太郎が都内で取材会を行い、現在の心境を語った。襲名興行は2月に東京・新橋演舞場にて、3月に東京・浅草の平成中村座で上演後、主要都市を回る。新橋演舞場二月大歌舞伎<中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露>チケット情報「演舞場と中村座で襲名興行ができるのは、なんだか勘九郎らしいですね。父が19歳の時から夢見て建てた中村座で初の襲名ができる。うれしいですね」と勘太郎。父・勘三郎が勘九郎時代に築いてきた功績は数限りない。1994年よりほぼ毎年、若者の街渋谷で『コクーン歌舞伎』を上演。また、現代の作家に新作歌舞伎を創って欲しいという思いから、串田和美、野田秀樹、渡辺えり、宮藤官九郎などに演出や執筆を依頼し新たなファンを掘り起こした。2000年には中村座にゆかりある浅草に仮設劇場を建て、“平成中村座”として公演を行った。その後この一座は日本国内のみならず、世界各地で上演を行っている。そんな勘九郎の名を継ぐ重責については「とりあえず怖い」と話す。「やっぱり戦ってきた名前ですから。(中村座やコクーンでの上演は)歌舞伎を愛してもらいたい、色々な人に知ってもらいたいって。危機感をずっと持っていたんでしょうね。お客様が入ってくれなきゃ話にならないですし。ただ、新しいことをするとよく思わない人もいますよ。いいものをすることによって戦うというか。熱い魂を持って戦ってきた名前ですね」12月の中村座は勘太郎として最後の舞台出演になる。「今月はいい最後を迎える事ができるんじゃないかな。『積恋雪関扉』の関兵衛は今までの役者人生の中で一番苦心した役ですね。演じた者にしかわからない苦しみや疲れがあります。勘太郎という名前で関兵衛をやらせてもらい、偉大なる先輩方が愛した役で、同じ疲れを自分自身で体感でき、歌舞伎ってこういう楽しさもあるんだなと思いました」今年は震災はもちろん、長男の誕生、父の病気、祖父(七代目中村芝翫)の逝去と勘太郎にとっても大きな出来事が続いた。「すごい年になっちゃいましたね。(父の代役を務めた際)命を削ってでもやりますと言ってたら、本当にそれぐらい大変でした(笑)」2月興行では『土蜘』の僧智籌と、『河内山』松江出雲守、『春興鏡獅子』の弥生での出演が決定している。「『土蜘』は、今まで中村屋にあまり縁のなかった役ですが楽しいです。弥生は、祖父(七代目中村芝翫)と1対1でずっと稽古をやってました。父も祖父もすごく大事にしています。おじいちゃま(十七代目中村勘三郎)も。全員の血が入っているから大切にしなければと思いますね。3人とは体型が違うので、当時振り付けられた踊りをどうこの身長で踊るかですね」襲名興行まであと僅か。「今月の“勘太郎”最後をまずは楽しみたいです。襲名はお祭りですからね。お客様にも楽しんで頂いて、一緒に祝って欲しいです」。公演は2月2日(木)から26日(日)まで新橋演舞場で上演。その後、3月平成中村座、9月に大阪・松竹座、10月に名古屋・御園座、12月に京都・南座、2013年2月に博多・博多座で上演される。
2011年12月22日歌舞伎俳優の中村勘太郎が、来年2月に六代目中村勘九郎襲名披露の成功を祈願して11月27日、東京・浅草寺でお練りを行った。父、中村勘三郎と弟の中村七之助らとともに雷門前を出発し、ゆっくりと本堂までお練りを開始。晴天となったこの日、人気役者を一目見ようと2万5千人が集まり、「中村屋!」と声がかかると笑顔で応えていた。新橋演舞場二月大歌舞伎<中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露>チケット情報勘太郎は「勘九郎という、父が46年間名乗っていた名前を継ぐプレッシャーはあります。みなさまからの笑顔とご声援を胸に、1年間しっかり務めたいと思います」と挨拶。また勘三郎は「勘九郎っていい名前ですけど大した事ありません。(自分が)勘三郎を継いだ時のほうがプレッシャーがありました。気楽にいい勘九郎にしてもらいたい」とエールを送った。勘九郎を名乗る実感がまだ湧かないという勘太郎だが、「謙虚な気持ちと向上心と、ハングリー精神を忘れないように務めたい」と話し、気持ちを引き締めていた。なお、勘太郎としての出演は今年12月の『平成中村座』(東京・浅草)が最後となる。襲名披露は、来年2月2日(木)から26日(日)まで東京・新橋演舞場にて興行を行い、その後、3月に平成中村座、9月に大阪・松竹座、10月に名古屋・御園座、12月に京都・南座、2013年2月に福岡・博多座と各地を回る。新橋演舞場のチケットは12月23日(金)より発売。
2011年11月28日新橋演舞場10月公演『芸術祭十月花形歌舞伎』の昼の部、『江戸ッ子繁昌記御存知一心太助』にて、中村獅童が叔父・萬屋錦之介の当り役、一心太助と徳川家光の二役に初挑戦する。同作品は、義理人情に厚く、粋な江戸ッ子、魚屋の一心太助が江戸の町で大活躍する物語。上演に先駆けて9月29日、“平成の太助”こと中村獅童が、ねじり鉢巻きに半纏姿で、活気溢れる築地の魚河岸を訪れ、魚屋「山治」で、店主に旬の魚の目利きについてアドバイスを受けた。獅童は「あんこうの口の色がピンク色になっていたんですけど、色が変わった頃が一番おいしいって言ってらっしゃいましたね」と店主に聞いた話をさっそく披露した。『芸術祭十月花形歌舞伎』チケット情報獅童は一心太助について、「叔父が最後に歌舞伎座でこの作品をやった時にも、僕は腰元の役で出させて頂いておりまして、今回太助をさせていただくのは、身の引き締まる思いですね。太助と家光の二役の演じ分けが、難しい所でもありますので、一生懸命やりたいと思います。今回の公演は、とても年の近い役者が多く揃っておりますので、活気のある舞台になるんじゃないでしょうか。女房の役が亀治郎さんなので、とても心強いです。今稽古中ですが、楽しくやってます」と意気込みを語った。また、錦之介を参考にした部分として「太助と家光、二役の演じ分けですかね。錦之助の叔父はそこがとても面白かったです。自分なりに工夫にしつつ、叔父の昔の舞台を参考にしている部分もあります」と新しいアイデアもあるようだ。獅童と錦之介は1989年の6月に歌舞伎座で共演しているが「とにかく、その当時ちょうど僕も高校生で、成長期で身長もすごく伸びた頃。声変わりしている頃の女形だったので、毎日毎日、背の高い自分が慣れない女形をやらせて頂いているということだけで、いっぱいいっぱいでしたね。普段から明るい人だったので、無邪気で、明るい太助をやりたいと思います」と当時を振り返りながら話していた。公演は同劇場にて10月26日(水)まで上演。チケットは発売中。
2011年10月03日室町時代の“剣聖”の姿を描くBS時代劇「塚原卜伝」の完成披露試写会が9月14日(水)、NHKにて行われ、上映後に堺雅人、栗山千明、脚本の山本むつみ、原作小説を手がけた津本陽による記者会見が行われた。津本さんの「塚原卜伝十二番勝負」(講談社刊)を原作に、諸国を巡り剣聖とまで称されつつも、その生涯は謎に満ちている塚原卜伝の青年期を中心に描く。堺さんは「1カット1カット、悩まなかったシーンはない」と試行錯誤を繰り返しながらの撮影を述懐。映像作品で本格的なチャンバラを披露するのは初めてとなるが「(卜伝が学んだ)鹿島の太刀は、神様に仕える人たちが伝えてきたもの。刀が動きたいように動く、刀がきれいな軌道を描くように体を動かすようにしました。そういう部分はのちの宮本武蔵や幕末の北辰一刀流といった剣とは違うのではないかと思います」と語った。堺さんの初登場シーンは卜伝の元服式で、役の設定では17歳。「チャンバラよりもある意味、ハードルが高かった…」とふり返った。栗山さんは卜伝の妹で巫女の真尋を演じているが、卜伝が武者修行に出てしまうためなかなか一緒のシーンがなかったそう。それでも「私の中では卜伝は堺さん!」と語り、「優しい兄を思い浮かべ、家族、鹿島、そして兄上を想う存在でいられれば」と笑顔を見せる。脚本の山本さんは「役者の一人一人がバシッとハマってる」と絶賛。津本さんも「日本の昔の武芸者の生き方を丁寧に捉えておられます」と満足そうに語っていた。堺さんは卜伝という人物について「室町時代という、神様が近くに感じられた時代。あえて自らを主張しないというところが魅力」と語り「一緒に悩みながら試行錯誤し過ごせた」と充実した表情を見せた。BS時代劇「塚原卜伝」は10月2日(日)よりBSプレミアムにて放送。■関連作品:日輪の遺産 2011年8月27日より全国にて公開© 2011『日輪の遺産』製作委員会ツレがうつになりまして。 2011年10月8日より公開© 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会■関連記事:堺雅人『日輪の遺産』初日に感無量も…ユースケにかき乱される!?堺雅人インタビュー終わりなき思い「結論を出さない決断も、人として崇高なこと」あなたならどうする?『ツレがうつになりまして。』プレス&ポスターを5名様プレゼント撮影現場の女子の人気No.1男優は中村獅童!失意の堺雅人「薄々感じてた」と苦笑堺雅人「こういう日本だからこそ心に響く」『日輪の遺産』に込められた思いを吐露
2011年09月14日浅田次郎のベストセラー小説を映画化した『日輪の遺産』が8月27日(土)、全国公開された。東京・角川シネマ新宿では主演の堺雅人をはじめ、共演した福士誠治、ユースケ・サンタマリア、森迫永依、メガホンをとった佐々部清監督が登壇し、初日舞台挨拶が行われた。堺さんは「僕自身、この作品を通してたくさんの抱えきれない遺産をいただいた気がします。物語が持つテーマや意味については、いまでも考え続ける日々」と感無量だ。一方、ユースケさんは「今日は300席の劇場に、なんと2,400人ものお客さんが来ていただいたそうで。続編ができるかは、みなさんの署名次第」と相変わらずの暴走トーク。しんみりムードの堺さんもすっかり心がかき乱された(!?)格好で、苦笑しきりだった。終戦を目前に控える中、マッカーサーから奪取した財宝200兆円を、戦後復興の礎とすべく隠匿することを命じられた日本軍の帝国陸軍の真柴少佐(堺さん)、小泉中尉(福士さん)、望月曹長(中村獅童)。そして何も知らずにその作戦に加担する少女20人(森迫さんら)の奮闘を描く。“遺産”にちなんで、登壇者は普段から大切にしているお宝を披露。堺さんはロケが行われた群馬県高崎市のだるまを、そして福士さんは佐々部監督からもらったというシャンパン、ユースケさんが劇中で使ったメガネ、森迫さんは小学生時代に友人からもらった寄せ書きを紹介した。シリアスな内容の本作だが、現場は和気あいあいだったとか。「スタッフさんが気を使ってくれて、女の子たちと僕らおっさんの待機場所を別々にしてくれたんですよ。僕らはもう本当にくだらない話ばっかりで…。ユースケさんの体調が悪いだとか(笑)」(堺さん)、「そうそう、下痢気味だとかね」(ユースケさん)。佐々部監督は本作を引っさげ、東日本大震災の被害が大きかった宮城県石巻市で試写会を行ったといい「この時期に、この映画を上映できたことが誇り。日本全体へのビタミン剤のようになれば。そしてご覧いただいた方々に、ちょっとでも東北への思いが芽生えてもらえると」と熱っぽく客席にアピールしていた。『日輪の遺産』は全国にて公開中。■関連作品:日輪の遺産 2011年8月27日より全国にて公開© 2011『日輪の遺産』製作委員会■関連記事:撮影現場の女子の人気No.1男優は中村獅童!失意の堺雅人「薄々感じてた」と苦笑堺雅人「こういう日本だからこそ心に響く」『日輪の遺産』に込められた思いを吐露復興のために命をかけた人々の熱き物語『日輪の遺産』試写会に10組20名様ご招待堺雅人、戦国の“剣聖”を演じ「鹿嶋が育てた祈りの剣を見てほしい」元ちとせ、3年ぶりのシングル堺雅人主演『日輪の遺産』のイメージソングに決定!
2011年08月29日松田翔太主演の『ハードロマンチッカー』の“傷だらけ”のポスター画像が解禁。金髪で血まみれの松田さんの衝撃的な姿が明らかになった。グ・スーヨン監督が自ら書き上げた青春小説を映画化。暴力とセックスとクスリがあふれる下関のディープタウンを舞台に、ケンカに明け暮れる若者たちの無軌道な青春を鮮やかに描き出す。松田さんが演じるのは、ディープタウン育ちで高校中退のフリーター・グー。誰ともつるまずにこの街で生きてきたが、後輩が起こした事件をきっかけに暴力の連鎖に巻き込まれていくことに…。昨年公開された主演作『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』でも息が詰まるような現実から抜け出そうともがく若者を好演した松田さん。今年は本作のほかに『スマグラーおまえの未来を運べ』にも出演し、さらに来年公開の『アフロ田中』では巨大なアフロのかつらを装着して話題を呼んだが、本作では渋みのきいた金髪をオールバックにして、強がりと暴力を寄る辺に青春を駆け抜ける主人公を熱演している。今回、解禁となったポスターでは、その自慢のオールバックが乱れ、顔は傷だらけ、片目は腫れてほとんどふさがった状態で鏡を見つめる痛々しい姿が…。まさにこの映画の本質をそのまま伝えるようなポスターに仕上がっており、これが映画館に貼り出されれば大きな話題を呼びそうだ。共演陣には永山絢斗、柄本時生、遠藤要、渡部豪太、川野直輝、金子ノブアキ、落合モトキ、遠藤雄弥、石垣佑磨など才能ある若手俳優から、淡路恵子、白竜、真木蔵人、渡辺大、芦名星、真木よう子、中村獅童、渡部篤郎といった実力派の大人たちまで豪華かつ渋い面々が顔を揃えている。暴力の連鎖の中で傷だらけの松田さんが行き着く先は――?『ハードロマンチッカー』は11月26日(土)より全国にて公開。■関連作品:ハードロマンチッカー 2011年11月26日より全国にて公開© 2011「ハードロマンチッカー」製作委員会
2011年08月25日今年9月、東京・新橋演舞場『秀山祭九月大歌舞伎』興行で、三代目中村又五郎、四代目中村歌昇をそれぞれ襲名する歌舞伎俳優の中村歌昇と長男の中村種太郎が、中村吉右衛門、中村歌六らとともに8月22日、東京・浅草寺で「お練り」を行った。チケット情報鳴物の山車と木遣り(きやり)に先導され、雷門を盛大に出発。1万人の人で賑わう仲見世を経て、「播磨屋!」、「又播磨!」などの掛け声が飛び交う中、本堂に向かい成功を祈願した。朝から激しく降っていた雨も「お練り」が始まるとすっかり止み、天さえも味方につけているかのよう。なお、浅草寺での「お練り」は2005年1月の中村勘三郎以来6年7か月ぶり。三代目又五郎を襲名する中村歌昇は、「本日は本当にありがとうございます。お天気の悪い中、木遣りの方々、お囃子のあやめ連の方々、浅草の芸子の皆様、ありがとうございます。皆様のご声援に応えるべく、この道一層の精進をいたし、ひとかどの役者になることが、皆様へのご恩返しだと思っております」とコメント。また、四代目歌昇を襲名する中村種太郎は「このようにお練りをさせていただくことは、色々な方々のお力があってのことだと思っております。感謝の気持ちを持って、一所懸命舞台を勤めることが一番の恩返しだと思ってております」と抱負を語った。播磨屋一門の長である中村吉右衛門は「本日はお足元の悪いなか、かくも賑々しくお運びいただき誠にありがとうございます。皆様方のお力によって、舞台で力を発揮できることと思います。ぜひとも又五郎、歌昇をどうぞ宜しくお願いいたします」と締めた。公演は同劇場にて9月1日(木)から25日(日)まで上演。チケットは発売中。
2011年08月23日『鉄道員』、『地下鉄に乗って』などでも知られる浅田次郎が1993年に発表した同名小説を映画化。『日輪の遺産』では、終戦間近の日本を舞台に、「日本軍がマッカーサーから奪取した財宝を隠匿せよ」との密命を負った軍人3人と、事情を知らないまま任務を手伝う女学生たちの思い、そして運命が描かれる。この極秘任務の指揮を執る近衛師団の少佐、真柴司郎を演じた堺雅人は、物語に触れたときの感想を「何かに突き動かされるように書いた疾走感や熱を原作の中に感じ、それを演じる上でも大事にしないといけないなと思いました」と語る一方、「僕自身、実はまだ物語を消化し切れていない部分もあるんです」と吐露。果たして、堺さんの言葉の真意とは…?“軍人らしさ”よりも自分の意思を反映「僕の場合、面白さを感じて役を演じるというよりは、演じるうちに面白さを見出していったり、誰かに言われて役の面白さに気づくことが多いんです」という堺さん。敗戦が濃厚になった日本の戦後復興のため、財宝を隠匿する任務を命じられる真柴も、彼にとっては「演じるうちに面白さを見出していった」役だったようだ。「真柴という役は、他の登場人物たちに比べてさほど鮮明なカラーが出ていないんです。いろいろな人たちの間でうごめき、影響を受けて迷ったり、戸惑ったりする役。分かりやすい決断をしないし、ちょっと歯切れの悪いところがあるんですよね。だから、演じていてフラストレーションが溜まることもありましたし、他の役の役者さんたちが羨ましいなあって(笑)。でも、裏返して言えば、彼には判断を保留する強さがあるし、分かりやすい回答に逃げない。そういった部分に成熟した大人の魅力を感じましたし、かくありたいなと思いました」。敗戦を受けて状況が混沌とする中、軍人として生き、命じられるがまま任務を遂行してきた真柴のアイデンティティーにも混乱が生じる。「この作品では、軍人っぽく見せようという試行錯誤を全くせず、『もし僕がこの場にいたらどうするだろう?』と考えながら演じていました。結果、新しい戦争映画になっているかもしれないですね」と語る堺さん自身、己の価値を考えさせられたり、命令を前に苦悶した経験はあるのだろうか。「自分の価値という点で言えば、大学の演劇研究会での経験が大きいですね。そこでは“あなたは俳優としては全く無価値である”というところから始まりましたから。実際、演技者として何の技術もない状態では、舞台を真っ直ぐに歩くことさえ難しいし、人に観られながらリラックスすることなんて無理。余計な自意識を粉々に打ち砕いてもらったという意味では、非常に有難い経験でしたね」。また、真柴のように“命令”を“拒否できないもの”として捉えることも。「“拒否できない命令”とまではいかないですけど、作品を作るというのも、ある意味そういうことですよね。予算の抑制にしろ、朝まで撮影し続ける場合にしろ、しなくてはならないことが生じる。自分の望みや考えが100%通ることはないですし、もし通るとしたら、それは逆につまらなくて寂しいことなんじゃないかなと思います」。女学生に向けた監督の意地悪な演出法にショック!ところで、撮影現場には女学生に扮した元気のいい若手女優たちが。任務の指揮官である真柴と彼女たちの間には1本の境界線が見えるが、実際の堺さんと彼女たちの関係は…?「一度全員でご飯を食べに行ったんですが、肌の露出の多さに驚きましたね。“うわ!まるで水着じゃないか!”って。劇中ではもんぺ姿なのに、夏ということもあって…。まあ、生き生きしていたので良かったです(笑)。現場での僕は何だか職員室の先生みたいでしたね。役柄的にもちょっと距離のある役でしたし、真柴という役を演じる1つ前に、俳優・堺雅人という役を彼女たちの前で演じていた気もします」。映画の中盤には、真柴、小泉中尉(福士誠治)、望月曹長(中村獅童)の軍人3人に向かって、女学生たちが笑顔で敬礼するシーンも。実は、この印象深いシーンでは「自分が一番好きな人に向かって敬礼しなさい」との演出がなされたのだという。「それ、作品が出来上がってから聞いてショックでしたね…。そんな意地悪な演出だったなんて!(笑)こちらを均等に見ているものと思い込んでいましたから、もし仮に僕を見てくれていた子がいたとしても、申し訳ないことに全然気づかなかったです。最初に言ってくれていたら気づいたかもしれないけど…、いや、最初に言われていたら“そんな演出はやめてくれ”って言いますけどね。誰が見ているか密かにチェック?真柴はそんなことしません!」少女たちとの微笑ましい撮影秘話から一転、一言では語れない、観る者に様々な思いをもたらすラストへと物語は進んでいく。役者として、『日輪の遺産』の世界を生きた堺さんの思いはこうだ。「僕自身、実はまだ物語を消化し切れていない部分もあるんです。ラストの展開にちょっと釈然としないものを感じ、心に引っかかっていたりもする。演じていくうちに解消されるモヤモヤなのかなと思ったんですが、演じ終えてもすっきりしないし、完成したものを観てもすっきりしない。ある時期までは、消化しきれないことに対して悩んだりもしました。でも、3.11という大きな出来事を経験してからは、分かりやすい結論に落とし込んで終わる作品と、常に割り切れない思いを抱えながら、物語が心のどこかに棘のように刺さっている作品の両方があっていいんじゃないかなという気がしてきたんです。その割り切れなさも含めて、まだ自分の中で『日輪の遺産』という作品は終わっていないんだろうなと思いますね。それって、自分の中では戦争を終わらせないという決断をした真柴と少し似ている感じもするんですよ。結論を出さない決断もありなんだな、それも人として崇高なことなんだなって」。「まだ考え中」と困ったように微笑みながら、考え続けることを決断した堺さん。チクチクと疼く棘の痛みも、映画の素敵な“遺産”なのだ。(photo:Yoshio Kumagai/text:Hikaru Watanabe)■関連作品:日輪の遺産 2011年8月27日より全国にて公開© 2011『日輪の遺産』製作委員会■関連記事:撮影現場の女子の人気No.1男優は中村獅童!失意の堺雅人「薄々感じてた」と苦笑堺雅人「こういう日本だからこそ心に響く」『日輪の遺産』に込められた思いを吐露復興のために命をかけた人々の熱き物語『日輪の遺産』試写会に10組20名様ご招待堺雅人、戦国の“剣聖”を演じ「鹿嶋が育てた祈りの剣を見てほしい」元ちとせ、3年ぶりのシングル堺雅人主演『日輪の遺産』のイメージソングに決定!
2011年08月23日映画『日輪の遺産』のジャパン・プレミアが終戦記念日の8月15日(月)、物語の舞台のモデルとなった東京・稲城市にほど近い、ワーナー・マイカル・シネマズ 新百合ヶ丘で開催。主演の堺雅人に共演の森迫永依、佐々部清監督、そして原作者の浅田次郎がレッドカーペットに登場し、舞台挨拶を行った。マッカーサーから奪取した財宝を、戦後復興の礎とすべく隠匿することを命じられた日本軍の少佐と何も知らずにその作戦に加担する無垢な少女たちの姿を描き出す本作。この財宝を隠す場所として選ばれたのが、武蔵小玉市の火薬工場だが、モデルとなったのが稲城市にある旧弾薬工場で米軍の保養地となっている場所。浅田さんが稲城市に在住していたころ、柵越しにこの地を見て、アイディアを思いついたという。堺さんは軍人役だが、従来のステレオタイプの軍人とはひと味違った、人間味あふれる役柄を作り上げた。これについて「どなたかが演じた軍人を形だけ真似るのでは面白くない。共演者のお芝居を受けながら、この作品だからこその軍人を演じました」とふり返る。女学生を演じた森迫さんは、同年代の女優との現場で「みんな仲が良くて、相談しながらの現場だった」と明かす。女子たちの間では、堺さんや中村獅童、福士誠治にユースケサンタマリアなど、共演の男優陣の中で「誰が好みか?」を話し合ったこともあったそう。森迫さんによると、一番人気は「無口でクールでカッコいい」という理由で獅童さん!これには、隣りの堺さんもがっくり。「現場で何となく、そうだろうと薄々感じてました。これを肴に今日、福士くんと電話で話します」と力のない笑みを浮かべていた。戦後に生まれながら、戦争をテーマにした作品を世に送り出している浅田さんだが、66回目の敗戦記念日を迎え「昭和30年代に僕が物心ついたころには、戦争の面影はなく、いまと変わらない感じで生活していました。そのわずかな期間で復興した日本人とは?と考えて、そういう時代に生まれた私が、次の世代に伝えていくというのは必要な仕事だろう、と思って書いています」と胸の内を明かした。監督は、つい先ごろ、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市を訪れ、50人ほどを無料で招待して本作の上映を行ったという。被災地を歩いたという監督。「この作品は5年ほどかけて作りましたが、いま、こうして送り届けられるということに意義があると思っています」と力強く語った・堺さんは「他人事ではなく、地続きで歴史を捉えなくてはいけない」という浅田さんの言葉を挙げ「8月15日が私たちにとって重要なように、3月11日も重要な日になるでしょう。一人一人に思いをはせることが必要なのでは」と呼びかけた。『日輪の遺産』は8月27日(土)より全国にて公開。■関連作品:日輪の遺産 2011年8月27日より全国にて公開© 2011『日輪の遺産』製作委員会■関連記事:堺雅人「こういう日本だからこそ心に響く」『日輪の遺産』に込められた思いを吐露復興のために命をかけた人々の熱き物語『日輪の遺産』試写会に10組20名様ご招待堺雅人、戦国の“剣聖”を演じ「鹿嶋が育てた祈りの剣を見てほしい」元ちとせ、3年ぶりのシングル堺雅人主演『日輪の遺産』のイメージソングに決定!堺雅人「見通しの悪いいま、できることをしたい」『日輪の遺産』会見で決意語る
2011年08月15日浅田次郎のベストセラー小説を映画化した『日輪の遺産』の完成披露試写会が8日に都内で行なわれ、主演の堺雅人、福士誠治、ユースケ・サンタマリア、森迫永依、松本花奈ら出演者と、佐々部清監督、本作のイメージソングを手がけた元ちとせが登場。本作で重要な役どころを務める17人の女生徒たちもかけつけた。その他の写真映画『日輪の遺産』は、終戦間近の日本を舞台に、帝国陸軍がマッカーサーから奪取した900億円(時価200兆円)の財宝を秘匿する密命を受けた軍人3人(堺、福士、中村獅童)と20人の少女たちの日本復興への想いを描く。堺は自身の役について「今までのルールがすべて崩れ、新しいルールが定まっていない見通しの悪い時代に、手探りで自分の考え方や生き方をその場でつくっていった懐の深い大人の魅力を持った人物」と語り、佐々部監督は「悲劇ではなく、日本人が立ち上がる姿を現代の我々が受け止めるような映画にする、それが浅田先生が原作に込められた思いだと思った」とコメント。監督から「現場で暴走しないか注意していました」とジョークを飛ばされたユースケは「最近はシリアスでクールな役が多いんです! 男っていうのは人生の中で一度や二度、愛する者や自分の大事な人のために命をかける瞬間がある」と熱く語るも、「こうやって一生懸命に応えても、フザけたよう取られてしまう。自分のパブリックイメージがうらめしい!」と嘆き、客席からは笑いが起こっていた。最後に佐々部監督は「おそらく昭和20年8月から66年経った今こそ、がんばらなきゃいけない日本にとって、栄養剤になる作品」と述べ、堺は「こういう日本だからこそ、みなさんの心に響いてくるような要素をたくさん持っている映画です」と語りかけた。『日輪の遺産』8月27日(土)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2011年08月09日7月31日、東京・新橋演舞場で行われる『八月花形歌舞伎』の第二部で上演される、新作歌舞伎『東雲烏恋真似琴(あけがらすこいのまねごと)』の舞台成功祈願のため、歌舞伎俳優の中村福助、中村橋之助、中村獅童、中村勘太郎ら人気俳優と、劇作家・演出家のG2が亀戸天神社を訪れた。チケット情報G2は、橋之助主演舞台『魔界転生』(2006年)と『憑神』(2007年)で脚本と演出を手掛けた縁から、今回初めて歌舞伎を作・演出することになった。『東雲烏恋真似琴』は、橋之助演じる堅物の御家人・新左衛門が、ひょんなことから花魁の小夜と結婚することになるが、彼女は別れた元恋人に殺されてしまう。その死を認めたくない新左衛門はある日小夜そっくりの人形を手に入れると、人形を本物の小夜と思い込み一緒に暮らし始める。そのうち小夜が生きているという噂が広まり……というストーリー。祈願後、会見に応じた橋之助は「G2さんとは前に歌舞伎以外で2作やらせていただきましたが、淡い気持ちでいつか歌舞伎を一緒にと思っていました。気心知れたみんなと良い作品を作っていきたい」と意気込みを語った。小夜を演じる福助は「橋之助さんの妄想で人形が動くという話を聞いてホラー映画を勉強していたら、G2さんがホラーは嫌いだそうで、非常に淡い作品になってます。観終わった後キュンという気持ちになると思います」と作品の見どころをアピール。また、獅童は「人形職人の役をやらせていただいています。毎日とってもキュンとしてます」、勘太郎は「(出演陣を見て)悪人顔が揃ってますが、悪人は一切出てきません」とそれぞれの思いを語った。なお、第一部では女郎と役者のはかない愛を描く『花魁草』を福助と獅童で、『櫓のお七』では七之助が八百屋お七を演じる。勘太郎が4役早替わりを勤める第三部『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』なども話題。公演は8月6日(土)より27日(土)まで。チケットは発売中。
2011年08月01日公開中の映画『忍たま乱太郎』主演の加藤清史郎が、劇中で母親役を演じた檀れいが及川光博と入籍したことを受けてお祝いのメッセージを発表!“母ちゃん”の新たな門出を祝福した。清史郎くんが発表したコメントは以下の通り。映画の中でのぼくの母ちゃんが結婚したと聞いてビックリしました。しかもぼくが初めてセリフを言ったドラマで一緒だった及川さんがだんなさんと聞いて2倍ビックリです!!本当におめでとうございます!!檀さんは昨夜、自身の公式サイトにて、及川さんと連名で7月27日(水)に入籍したことを報告。2009年のドラマ「相棒」(テレビ朝日)のスペシャル版で、大学時代の恋人という関係で共演したことがきっかけで交際がスタートした。及川さんの公式サイトでは「互いに人生の半分ほどを生きて、いよいよ後半戦に突入…そんなタイミングでのめぐり逢いに、運命的な引力を感じました。やがてそれはゆっくりと確信に変わっていき、“結婚”という選択肢を意識せざるを得なくなりました。二人で慎重に考え、話しあって辿り着いた結論です」と結婚に至るまでの思いを明かしている。先日公開した映画『忍たま乱太郎』に、檀さんは主人公・乱太郎(清史郎くん)の“母ちゃん”役で出演。中村獅童演じる乱太郎の父と共に、貧しいながらも温かい家庭を築き、乱太郎に深い愛情を注ぐ母親を演じている。また、清史郎くんと及川さんは、直接の共演シーンはないものの宮藤官九郎脚本のドラマ「ぼくの魔法使い」(日本テレビ)にそれぞれ出演しており、その後も及川さんが主要キャストのひとりを演じた「マンハッタンラブストーリー」(TBS)に清史郎くんも出演するなどしていた。『忍たま乱太郎』は公開中。■関連作品:忍たま乱太郎 2011年7月23日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 実写版「忍たま乱太郎」製作委員会■関連記事:『ハリポタ』V2でシリーズ1,000億超えか?全米ではあのアメコミ映画が1位になでしこJAPAN安藤梢の祝福に、加藤清史郎「金メダル獲りたい」宣言加藤清史郎インタビュー『忍たま』で夢が叶った!大人顔負けのちびっこ忍者参上三池監督が語る『忍たま』見どころは松方×平幹二朗の特殊メイクガチバトル!忍たまたちが大暴れ!『忍たま乱太郎』試写会に10組20名様をご招待
2011年07月28日