さまざまな色と仕掛けにあふれた「三鷹天命反転住宅」三鷹市から八王子方面に向かう幹線道路沿いにある、集合住宅の「三鷹天命反転住宅」。目に飛び込む鮮やかな色の造りは住宅とは思えず、まるでテーマパークのよう。カラフルで立体感のある室内は真ん中にキッチン、それを囲むように球体やキューブ型の部屋が配置されています。「身体を中心に設計した家」というコンセプトどおり、さまざまな仕掛けによって身体の感覚が呼び起こされるようになっています。「死なない家」を目指した住宅は、新しい価値観を持つ家に死なないための家づくりという考えのもと、2005年に誕生した「三鷹天命反転住宅」。ふたりが「死」という天命を反転させる家を目指したのは、荒川氏の幼少期の体験が元になっており、環境を変えることで死なない世界を実現できるのでは、と考えたため。「天命反転」の実践者として、ヘレン・ケラーを住宅のモデルにしています。住む人それぞれが自由に暮らしながら身体感覚を鍛えるという、新しい価値観を持つ住宅です。部屋やお風呂に扉がない!? 生活スタイルが変わる家屋内の各部屋には、ドアがありません。これにより、実際に住んでいる方からは「外に出る機会が増えた」「喧嘩が減った」と、生活スタイルや同居者との関係性が変わったというエピソードも。個室がないから生活しにくいという考え方を超え、この空間に感覚を呼び起こされながら自分らしく暮らせることが大きな魅力です。他にも、大人と子供の土踏まずに合わせて床に作られた大小の凹凸や、場所によって見え方が変わる天井の勾配など、さまざまな仕掛けを体験できます。「三鷹天命反転住宅」ではショートステイが楽しめる!「三鷹天命反転住宅」では、ショートステイプログラム(69,200円~)を体験できます。テーマ別に2つの部屋が用意され、最低3泊4日から利用可能。家族や恋人、友人と一緒に利用できます。真ん中に位置するキッチンとカウンターを囲んで、ホームパーティーをするのもおすすめ。一般的な家のパーティーとは違う楽しみを、みんなで味わえるはずです。「三鷹天命反転住宅」の見学会に行ってみよう!「三鷹天命反転住宅」は、2005年の完成以来多くの海外メディアでも取り上げられています。そんな住宅の建築や室内を見学したい人向けに見学会が行われており、ワークショップ型の見学会から学芸担当者の解説付き見学会まで、そのコースもさまざまです。見学は定員制ですが、別日程での団体見学も可能。事前予約が必要なので、コースの詳細や日程については公式HPで確認しましょう。人が暮らして完成する「三鷹天命反転住宅」建物を設計した荒川修作とマドリン・ギンズが「人が住んで初めて完成する」と言うとおり、「三鷹天命反転住宅」はただの建築アートではありません。実際にその空間で生活することで、ふたりが目指した「死なないための家」の本質や魅力に気付くことができます。現在、2部屋においてショートステイプログラムなどを利用し、この住宅でしかできない生活を体験できます。眠っている身体の感覚を呼び起こしてみませんか?三鷹天命反転住宅は、JR中央線の武蔵境駅南口より「境91 狛江駅(調布駅経由)」に乗車し、「大沢」の停留所で下車、バス停よりバスの進行方向に向かって歩き、天文台北交差点に出ると、右前にカラフルな建物が見えてきます。ぜひ、三鷹の観光スポットと併せて足を運んでみてください。Reversible Destiny Lofts Mitaka – In Memory of Helen Keller, created in 2005 by Arakawa and Madeline Gins, © 2005 Estate of Madeline Gins.スポット情報スポット名:三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー住所:東京都東京都三鷹市大沢2丁目2-8電話番号:0422‐26‐4966
2017年07月27日株式会社ベツダイが運営する新築規格住宅ブランド「LIFELABEL」と、アメリカンライフスタイルを軸に洋服や雑貨、インテリアなどを提案してきたセレクトショップ「FREAK’SSTORE」がコラボレーション。業界初の新築規格住宅『FREAK’SHOUSE』を開発。全国のLIFELABEL取扱店にて、2017年6月27日より発売します。「つながる=セッション」を楽しめる家住宅ブランドとアパレルブランドがタッグを組んで、新築規格住宅を発売するのは業界初の試み。スローガンは「THEFUNLIFE」家族や仲間、自然と家の中のどんな場所にいてもゆるやかにつながれる空間です。その場で思わずセッションが始まってしまうような、豊かな時間を過ごせる家を目指しました。住み方、楽しみ方は自由自在。ちょっとした家フェスのような感覚を楽しんだり、ウッドデッキに腰をかけて庭でホームパーティーも楽しめます。木の質感を贅沢に使った内装で、自然とのつながりを演出。アメリカのローカルハウスをモチーフに平屋部分を大胆に配置したL字のプランニングが、庭を囲むように各居室に「ゆるやかなつながり」を生み出します。About FREAK’S HOUSE家族や仲間が集うコミュニケーションスペースとして使える、L字のウッドデッキで囲まれた庭。自然とバンドのセッションが生まれるような、ゆるやかで心地いい空間です。吹き抜けを作って上下階のつながりを開放感いっぱいに演出。キッチンはちいさなカフェのようなショップ感で、暮らしの中の楽しさを感じられるデザインです。大きな窓が設置され、庭とゆるやかにつながるリビング。板塀が家の中まで続き、屋内外の連続感を生み出します。本コラボプロジェクトでは、FREAK’SHOUSEにピッタリと合うオリジナル雑貨や家具、アートなども販売します。FREAK’SSTOREにて6/27より順次販売スタート。概要本体工事価格:1,980万円(税抜)庭を囲むようにL字型にデザインされたプラン。延床面積:116.45㎡(35.22坪)床面積:1F:74.36㎡/2F:42.09㎡Pop Up Shop Information千葉県木更津市にあるFREAK’SHOUSEの1棟目のモデルハウスが、7月中旬にPOPUPSHOPとして期間限定でオープンします。家そのものはもちろん、雑貨や家具までが買える特別なショップです。また、FREAK’SSTORE店舗でも、POPUPSHOPを展開します。7月1日にOPENする渋谷店のPOPUPSHOPからスタートし、ららぽーとEXPOCITY店、名古屋店、長野店にて、POPUPSHOPキャラバンを実施予定!その他にも、全国のフリークスストア店頭で、FREAK’SHOUSEやオリジナル家具・雑貨などを紹介するコーナーが登場します。※POPUPSHOPに関する詳細情報は、FREAK’SHOUSEコラボページを御覧ください。Product Name & Logo DesignアパレルブランドFREAK’SSTOREとLIFELABELのコラボレーションによって誕生した新築規格住宅、”FREAK’SHOUSE“。FREAKとは「熱狂的な生活者」という意味で、FREAK’SSTOREのブランド名にも使われています。"自分らしいライフスタイルを送りたい”と考えている“FREAK”のための、理想の住宅です。FREAK’S HOUSEコラボページ LABEL WEBサイト’S STORE サイト
2017年06月15日こんにちは。FPでライターのyossyです。家を購入するときには、一般的に住宅ローンを利用する人が多いものです。金利のタイプは、変動型か、全期間固定型か、はたまた固定期間選択型か。頭金はどれくらい入れるべきか。 どの金融機関を選ぶべきか……などなど、悩みはつきません。さまざまな住宅ローンの商品がありますが、皆さんは『預金連動型住宅ローン』 というのを聞いたことがあるでしょうか?今回は、預金連動型住宅ローンのメリット・デメリットをご紹介しましょう。●預金額に応じて利息がかかる額が変わる預金連動型住宅ローンというのは、簡単に言えば、“借入額から預金額を差し引いた額で利息額が計算される”という商品です。※具体的な商品内容は金融機関によって異なります。※差し引ける上限割合が決められている場合もあります。住宅ローンを利用する場合、“利息の額”はとても重要です。借入額が3,000万円だったとして、仮に1%の金利がずっと続いたとしましょう。35年間借りるとすると、実際に支払う総額は約3,557万円 。利息分が500万円以上になるわけです。・借入額(元本)が多い・返済期間が長い・金利が高いという条件によって、利息額は膨らんでいきます。繰り上げ返済をすればその分借入額が減るので、総返済額が減り、返済期間も短くなります(期間短縮型の場合)。だから頑張って繰り上げ返済する人が多いのですね。●【メリット】繰り上げ返済と似た効果&住宅ローン残高は減らない預金連動型住宅ローンの場合、預金額は減らないままで、繰り上げ返済に似た利息軽減効果 があります。※実際の繰り上げ返済のように、返済期間が短くなったり、(金利変動以外の理由で)毎月返済額が減ったりすることはありません。繰り上げ返済をすると、利息軽減効果がある一方、・手元の現金が減ってしまう(いざというときに困る危険性がある)・住宅ローンの借入額が減り、住宅ローン控除のメリットが減る(なくなる)こともあるというリスクがあります。でも、預金連動型住宅ローンの場合は、そういったデメリットは発生しません。住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、入居年や条件によって大きく内容が変わってきます。たとえば一般住宅で平成26年4月1日以降に入居した場合、年間で最大40万円、上限額までいかない場合、“年末残高×1%”が控除されます。納めた税金が返ってくる んですね。ただし、「返済期間が10年以上あること」などといった条件がありますし、借入額が4,000万円を切れば控除額は減っていきますので、繰り上げ返済をすることで逆に損をしてしまうこともある、というわけです。●【デメリット】まとまった預金額がなければ、損をすることもでは、デメリットについてもふれておきましょう。上記のメリットは、まとまった額の預金額があるからこそ得られるものです。預金連動型住宅ローンの場合、利息がかかる額は減りますが、金利そのものは通常の住宅ローンよりも一般的に高いです。預金額が少ない場合は逆に利息額が膨らんで、返済額が増える ということになってしまうのですね。----------いかがでしょうか。自分の返済プランや収支状況をふまえて、しっかりとシミュレーションしたいですね。実際の内容は商品ごとに異なりますので、詳しくは金融機関に問い合わせてみてください。【参考リンク】・住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除) | 国税庁()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年06月08日一人暮らしをするとき、部屋探しは重要なポイントになります。特に初めて一人で部屋を探すときは要領もわからず、手間取ってしまうこともあるでしょう。どの物件に住むかによって、その後の生活の快適度が違います。ここでは一人暮らしのための部屋探しのコツやかかる費用などをご紹介します■一人暮らしの部屋探しにかかる費用と相場物件を探す際に、最も気になるのは費用面という方も多いでしょう。家賃のみを気にする方も多いですが、一人暮らしには家賃以外にも発生する費用があるため、こうしたものの相場も知っておくとよいでしょう。以下に一人暮らしの物件を借りる際にかかる費用と、その相場を挙げてみました。【家賃】物件を借りる際には、家賃を支払う必要があります。家賃は基本的に前払いです。そのため不動産会社で賃貸契約を結ぶときには、日割り計算で求められた当月分の家賃と、その翌月分の家賃を先に支払う必要があります。初期費用を抑えたい場合には、入居日を月初めにすることで、初月の家賃分を支払うだけで済みます。家賃は地域によって差があり、また駅や商業施設の近くなど、利便性の高い場所は高くなる傾向があります。例えば港区のワンルームの相場がおよそ130,000円なのに対し、中野区のワンルームの相場はおよそ70,000円と倍近くの差です。学校や会社へ通うときの利便性と、相場のバランスを考えながら選ぶとよいでしょう。不動産会社や物件によってはフリーレントといい、最初の数ヶ月分の家賃を無料にしてくれるキャンペーンを行っていることもあります。フリーレント期間終了後は、家賃が相場よりも高く設定されていることがあるため、注意が必要です。また「家賃は給料の何%くらいが最適なのか」と考える人もいるでしょう。基本的に家賃は月々の給料の4分の1から3分の1程度に抑えることが望ましいとされています。あまり家賃の高い物件に住んでしまうと、その分、生活費にあてられる金額が少なくなってしまい、苦しくなる可能性も考えられます。不動産会社によりますが、一般的に月給の3分の1以上の家賃の物件は入居審査に通らないこともあります。【管理費、共益費】管理費や共益費は、階段や廊下、エレベーターといった共有部分の管理やメンテナンスに使われるお金です。家賃に加えて毎月支払う必要があります。物件によって無料の場合もありますが、築年数が浅い物件や共用部分や共用施設充実している物件などは高くなります。相場としては家賃の5~10%といわれていますが、これに当てはまらない物件も多いため、一概に相場がいくらとはいえません。賃貸契約では家賃と別枠にされていますが、部屋を借りる費用として月々にかかることは変わらないため、物件探しの際には家賃と合わせて考えるとよいでしょう。【敷金】敷金は、借りていた部屋を退去する際にかかるクリーニング費用や修繕費用を前もって納めておくというものです。築年数やペットを飼える物件かどうかなどによって様々ですが、相場は家賃1ヶ月分です。敷金が無料の物件は、初期費用を抑えることができますが、退去時にクリーニング費用や修繕費用の支払いを求められることがあるため、注意が必要です。また一般的に敷金はクリーニング費用や修繕費用を差し引いて、余った金額を退去時に返してもらうことができます。【礼金】礼金は大家さんに部屋を貸してもらうことに対し、お礼として納めるものです。家賃1ヶ月分を支払うケースが多いですが、近年は礼金不要という物件も多くなっています。また一般的に不動産会社が仲介に入っている場合は、大家さんが不動産会社に手数料として支払う金額に礼金をあてます。そのため不動産会社への交渉次第で、礼金は無料にできることもあります。【仲介手数料】部屋探しは不動産会社に頼むことが一般的です。不動産会社はお客様に代わり、部屋探しや大家さんと結ぶ賃貸契約の仲介をしてくれます。そのため入居する部屋が決まり、賃貸契約を結んだときに、入居者は不動産会社に対して仲介手数料を支払うことになっています。相場は家賃の1ヶ月分です。不動産会社によっては、仲介手数料が相場よりも安いこともあります。その場合、礼金が多くなっていたり、家賃が相場よりも高くなっていたりすることもあるため、仲介手数料もしっかり相場を確認することが大切です。【賃貸保証料】賃貸保証料は保証人が保証会社の場合に必要になる費用です。基本的に部屋を借りるときには、保証人を立てなければならず、賃貸契約の内容によって保証人が決まります。保証会社とは、保証金を納める代わりに、万が一家賃の支払いが滞ったとき、代わりに保証会社が支払ってくれるというものです。以前は親族を保証人に立てて契約を結ぶことが一般的でしたが、近年では保証会社を利用する賃貸物件も増えてきています。保証会社を利用する物件が増えてきている理由は、大家さんが家賃を確実に受け取ることができる安心感があるためです。保証会社に保証人を頼む場合は、頭金として賃貸契約時に家賃0.5ヶ月分程度を支払い、その部屋の更新ごとに決められた金額を納めるシステムであることが多いです。契約期間によって金額は違いますが、家賃の30~70%が相場とされています。初期費用を抑えるためには、親族に保証人になってもらうことのできる物件を探すことをおすすめします。【火災保険料】住居には一般的に火災保険がかけられています。火災保険とは、自然災害や不慮の事故などで家や家財が壊れてしまった場合に保障される保険です。部屋を借りる際には、決められた火災保険へ加入することが義務付けられています。火災保険料は2年間ごとの更新で20,000円程度が相場です。万が一、借りている部屋の備品を壊してしまったり、水漏れなどがあったりした場合には、すぐに管理会社か大家さんに連絡をしてください。火災保険の適用範囲内のことであれば、すぐに対処してくれます。連絡を怠った場合には、自己責任として修繕費の請求をされることもあるため、注意しましょう。【鍵交換費用】賃貸契約マンションやアパートは、前に部屋を借りていた人がいる場合、鍵交換費用を入居時に支払って、新しい鍵に変えてもらうことが可能です。以前と同じ鍵のままだと不安という人は、取り替えてもらうとよいでしょう。ティンプルキーかオートロックかなどの条件によって金額は変わりますが、相場としては20,000円前後であることが多いです。初期費用として鍵交換費用がかかるのはもったいないと思い、入居後に鍵屋さんで勝手に鍵を変えてしまうのは契約違反です。鍵も大家さんの大事な備品であるため、鍵を変える際には必ず大家さんの許可を取ってからにしましょう。賃貸物件に指定された鍵に交換する場合、自分で業者を探す方が高くつくことがあります。入居時に大家さんや管理会社が提携して、安く鍵交換をしてくれる業者に頼むことが結果的に節約に繋がるでしょう。■一人暮らしの部屋探しに考慮すべき条件とポイントとは?一人暮らしのための部屋を探すときには、どのような点に注意したらよいのでしょうか。人によって、最低限これだけは譲れないという条件があるかと思います。ここでは一人暮らしの物件を探す際に気をつけたいポイントをご紹介します。【チェックポイント1】部屋の広さ一人暮らしをするにあたって部屋の広さは重要なポイントです。置くものの量にもよりますが、生活部分の広さはある程度必要でしょう。物件によって「○畳」か「専有面積◯平方メートル」で表記されていることがあります。専有面積は生活部分のみの広さになりますが、「◯畳」で表記されているものは、トイレやお風呂場などの広さも含まれています。部屋の間取りは「1K」「1R」などのように表記されます。「1K」とは部屋が1つで、ドアで仕切られてキッチンがある部屋のことをいいます。「1R」は1つの部屋にキッチンなどが集約されている部屋を指します。数字が「2」になると部屋数が2つということです。また間取りの他にロフトがついている場合もあります。ロフトは、間取りや専有面積内に記載されている場合と別に記載されている場合があります。このように、広さの表記だけではわかりにくい部分もあるため、実際に内見に行って、自分の目で広さを確認することが大切です。【チェックポイント2】窓の向き部屋の向きとは、窓がある向きを指します。窓が南向きにあれば、日中、部屋に陽の光がたくさん入ってくるため、カビが発生しにくく、冬場も暖かく感じられるでしょう。窓が北向きの場合は、部屋にあまり陽の光が入ってこないです。角部屋が好まれる理由として、窓が2方向にあり、より多くの採光を望める点があります。【チェックポイント3】セキュリティは万全か一人暮らしの場合、自分が外出している時間は、部屋に誰もいない状態になります。たとえ部屋にいたとしても、事件や事故に巻き込まれたときに、助けを求められる人が近くにいません。特に女性で一人暮らしを始める方は気をつけたいポイントです。防犯を考えるときには、部屋のある階数と鍵が重要になります。まず階数ですが、1階は空き巣などの被害に遭いやすいことは想像できると思います。しかし2階以上だからといって油断もできません。よじ登れるものや飛び移れる場所がないか、侵入できる経路が死角になっていないかなどを調べましょう。それから鍵ですが、鍵はたとえオートロックの物件でも確実に安全とはいえません。オートロックは暗証番号があれば誰でも開けられますし、前の鍵を使って開錠が可能なため、簡単に部屋を空けられてしまいます。防犯を考えるなら、オートロックよりは二重鍵の物件を選んだ方がいいでしょう。【チェックポイント4】駅からの距離駅から歩いてどのくらいかかるかもチェック項目に加えておきましょう。毎日の出勤時間のことを考えても、駅から近いことは心の余裕にも繋がるはずです。しかし駅に近いほど、周囲の音がうるさかったり、夜遅くまで明るかったりといったデメリットも考えられます。駅に近い物件でも線路沿いではなく、線路から少し離れる方向の物件を選ぶだけでも騒音を感じにくくなるでしょう。物件情報に記載されている駅からの距離は、1分に80メートル進むことを想定しています。実際には信号の多さや坂道などで、それよりもかかることも考えられるため、内見の際に歩いてみるのもよいでしょう。【チェックポイント5】お風呂とトイレは別なのか一人暮らし用の物件だと、お風呂とトイレが一緒になっていることもあります。お風呂とトイレが一緒でも気にならない場合は問題ないですが、衛生面からも気になるという場合には、しっかり確認しておきましょう。「バスタブとトイレが壁で区切られていないのがユニットバス」と思っている方も多いのですが、ユニットバスとは周りの壁や天井、床が一体化されているものをいいます。そのためユニットバスと書かれていても、お風呂とトイレは別という物件もあります。「バス・トイレ別」の表記を参考にするとよいでしょう。【チェックポイント6】マンションかアパートか賃貸物件は階数や構造の違いから、マンションかアパートに分けられます。一軒家を賃貸している場合もありますが、一人暮らしで借りることは少ないでしょう。マンションは3階以上の高さがある物件で、アパートは2階までとなっています。重要となるのは、構造の違いです。マンションは鉄骨で造られており、鉄骨に木の壁がある鉄骨造や、鉄骨をコンクリートの壁で強化している鉄筋コンクリート造があります。それに対し、アパートは基本的に木造です。軽量鉄骨造のアパートもありますが、木造よりも少し強くなる程度だと思った方がよいでしょう。このことからアパートに比べ、マンションの方が耐震性などの面からも強い造りになっていることがわかります。それに加え、マンションは防音性や耐火性にも優れています。近隣住民の生活音が気になる場合には、マンションを選択することをおすすめします。【チェックポイント7】築年数はどのくらいなのか築年数とは、その物件が建てられてからの年数をいいます。建てられてから年数が経ちすぎている物件は、地震などの際に倒壊してしまう可能性もあります。耐震が備わっている物件かどうかは1982年以前に建てられた物件か1982年以後に建てられた物件かで判断することができます。1981年は建物に新しい耐震基準が設けられた年で、それまでの建物よりも耐震基準が厳しくなっています。そのため1982年以降に建てられた物件であれば、地震の際に倒壊する危険性は少ないといえるでしょう。築年数が古くても、内装をリフォームしていて、新築同様の物件もあります。こうした物件は築年数の関係で新築物件よりも安い家賃で入居できることもあるため、築年数に惑わされず、内見に行って確認してみることをおすすめします。■まとめ一人暮らしは、大変に思うこともあるかと思います。しかし物件探しも事前に正しい知識を身につけ、下調べをしておくことで、負担が少なくなります。自分のこれからの生活をあれこれ考えながら、物件探しをしてみましょう。
2017年05月12日自分たちの理想の住宅を作りたいという方には、一から相談しながら作れる注文住宅が向いています。しかし住宅は人生で最も大きな買い物といっても過言ではありません。実際にどのくらいの値段がかかるのか、気になるところですよね。今回はそんな方向けに、注文住宅の費用感やローンの注意点などについて解説します。■注文住宅の費用の相場とは?「注文住宅には相場がない」とさえいわれます。これはフリーオーダーならではの特徴で、好きなだけこだわりを入れられるためです。営業担当者も顧客の要求がわからないうちは「ケースバイケースです」としかいえません。とはいえ、顧客は家づくりの専門家ではありません。「ケースバイケースです」といわれても「平均的にはどのくらいなのか」気になるところですよね。つまるところ知りたいのは「自分たちにとってベストなオーダーをした大多数の人たちの家は、どのくらいのお金がかかったのか」ということでしょう。【地域別・注文住宅に使っている費用】住宅金融支援機構が実施している調査「平成25年度フラット35利用者調査」によると、地域別の注文住宅費用は以下のようになっています。全国平均:(費用総額)32,450,000円(坪単価)362,000円首都圏:(費用総額)35,510,000円(坪単価)536,000円近畿圏:(費用総額)32,890,000円(坪単価)45,9000円東海圏:(費用総額)33,680,000円(坪単価)396,000円その他地域平均:(費用総額)30,320,000円(坪単価)281,000円抜きん出て高いのが東京都(費用総額38,930,000円、坪単価812,000円)です。敷地面積が狭いためと(全国平均のおよそ2分の1)、その一方で延べ床面積は全国平均とほぼ同等であることから、階数が増える傾向があるためと考えられます。さらに東京都は土地取得費用も全国一の高さで、2015年4月から2016年3月まで、土地の売買が行われた14件の平均取得費用は41,320,000円になります。最も低いのが鳥取県(費用総額26,490,000円、坪単価257,000円)です。東京都と比較すると、平均敷地面積は2.1倍、坪単価はおよそ3分の1です。最も坪単価が低いのは、愛媛県(費用総額28,720,000円、坪単価184,000円)でした。土地が広いのが特徴で、平均敷地面積は東京都と比較すると3.2倍、全国平均の1.74倍です。鳥取県と愛媛県では調査期間中に合わせて131件の事例がありましたが、土地の購入費用はすべて「ゼロ」つまり土地代がかかっていませんでした。【注文住宅の「値切り」は原則不可能!】建売住宅と違って、注文住宅は基本的に「値引き」はできません!もし見積もりを見て「高いかも…」と感じるのであれば「何を削るか」を考えます。大抵の場合、工数や材料費を落とすことになるでしょう。特注をやめて標準仕様の中から選択するか、建材や壁紙のグレードアップを諦めるといった方法もあります。具体例としては、以下のようなコストカット案が挙げられます。・玄関前の植栽や敷石の種類を変更する(50,000円~)・寝室の床材は節有にする(100,000円~)・壁面作り付けの収納を諦める(200,000円~)・廊下を天然無垢材からフローリング材にする(300,000円~)・お風呂を在来工法のフルオーダーからセミオーダーのシステムバスにする(500,000円~)変更前後のグレードによって、調整される価格は大きく変動します。しかし唯一確実にいえるのは「安くなるのには必ず明確な理由がある」ということ。価格を調整するときは、仕様と見積もりをよく読んで、理解した上で計画を進めましょう。ちなみに「なぜ建売住宅は値引きが可能か」というと、入居者が決まっていない完成済み物件はハウスメーカーの「在庫」になっているためです。企業は一刻も早く在庫を現金化して次の商売に投資したいと考えています。売れないまま古くなっていく物件は放っておくとどんどん価値が落ちてしまうため、ある程度値引きをしても手放したい商品というわけです。一方で注文住宅は極端な話、お金で揉めたら工事をストップすることさえありえます。職人はいつでも「よい仕事」としたいと考えているものですが、それは仕事に対して正当な評価と対価をくれる人に対しての話。技能に払うお金を渋るお客様にはシビアです。■住宅ローンは間に合わない!注文住宅のローンの流れとタイミングとは?注文住宅は契約から入居まで、数ヶ月から数年単位の時間がかかります。そこで気になってくるのが「住宅ローンのタイミング」つまり「いつお金が必要になり、その借り入れや返済の準備はいつから始めるべきか」という点です。【注文住宅のローンは完成後にしか借りられない】住宅ローンは住宅の抵当権を担保にして借り入れます。ローンが返済できない状態が続くと、抵当権が実行され、住宅が競売にかけられます。そして売却したお金で借金の返済をするという仕組み。いわゆる「借金のかたに家をとられる」という状況です。金融機関ではローンの申し込みをうけると担保があるかを確認し、それが審査に通って、初めてお金を貸し出してくれます。つまり住宅ローンは、完成済みの住宅がないと借り入れることができないということです。注文住宅の場合、住宅ローンの借り入れをうけられるのは、物件が完成し、引き渡しが終わったあとということになります。【資金は住宅完成前から必要】しかし注文住宅を建てるときは、契約や着工の時点である程度の金額を支払う必要があります。具体例として、よくあるパターンを紹介します。・土地契約時に、土地の手付金(10%)を支払う・建築契約時に、建物の手付金(10%)を支払う・土地の決済(土地代の90%を支払う)・住宅の着工時に20%の手付金を支払う・上棟の時点で建物金額の30%を支払う・引き渡しのときに残金精算(建物金額の50%やその他諸費用を支払う)例えば土地代10,000,000円、建物20,000,000円の注文住宅を購入する場合、住宅ローンを使った支払いができるのは、住宅が完成してローンの本審査を通ったあと、最後の「引き渡し」のときになります。しかし実際は住宅ローンを組む前に、土地代や建築の中間費用として20,000,000円の資金が必要になるのです。すべて自己資金で支払いができる人であれば問題ありません。しかしそこまで潤沢な余剰金を持っていない人にとっては、土地や住宅の購入が決まってから、実際に担保となる建物が完成して住宅ローンの融資をうけるまでの間に必要となる資金を、どこからか調達する必要が出てきます。そこでよく利用されるのが、住宅の担保なしで借り入れができる「つなぎ融資」です。【つなぎ融資とは】つなぎ融資とは住宅ローンで返済することを前提にした融資です。住宅の契約から実際の引き渡しの期間に限ってうけることができます。住宅ローンと違って担保が不要で、融資期間中に支払うのは利息分のみ。顧客にとっては多額の中間費用を貯めなくとも家を建てることを可能にする嬉しい仕組みです。【つなぎ融資を利用した住宅ローンの流れ】つなぎ融資を利用した場合、住宅ローンの流れは、以下のようになります。1、土地を決める(土地を購入する場合はローンを組んで購入)2、注文住宅を建てる業者を決め、契約を結ぶ3、相談しながら家の設計をする4、家の間取りや形、仕様が決まったら住宅ローンとつなぎ融資を申し込む(土地のローンと同じ金融会社)5、つなぎ融資で住宅完成前に必要なお金を支払う6、工事開始(工事中に請求される金額も、つなぎ融資で支払う)7、住宅が完成する8、完成した住宅を担保に住宅ローンの審査が行われる9、審査通過後、住宅ローン開始10、住宅ローンでつなぎ融資の返済をしていく(元金のみ)11、つなぎ融資を完済したら、残った住宅ローンの返済をする上記は土地がない場合の流れです。すでに持っている土地に住宅を建てる場合、土地の部分は省きます。【つなぎ融資の注意点】つなぎ融資は、住宅ローンよりも金利が高く設定されています。現在住宅ローンの金利は非常に低く、変動金利で0.6%、35年間の固定金利でも1%程度です(2017年4月時点)。一方でつなぎ融資の金利はおおむね3%前後です。上記の具体例であった20,000,000円を金利3%のつなぎ融資で調達し180日間借りると、精算のときには利息分がおよそ300,000円になります。なお同額の20,000,000円を金利1%、35年返済の住宅ローンで借り入れた場合、180日間で支払う金利はおよそ53,000円です。実際の計算方法はもう少し複雑で、単純に比較することはできません。しかしわずかな金利の違が大きな差になることはわかってもらえるでしょう。またつなぎ融資と住宅ローンは、基本的に同じ金融機関で申し込みます。そのためつなぎ融資を取り扱っている金融機関を選ばなければなりません。もし土地を購入する際にもローンが必要なら、土地のためのローンを借りるのも同じ金融機関である必要があります。さらにつなぎ融資は住宅ローンとは違うローンなので、申込事務手数料や印紙代は別にかかります。【つなぎ融資不要の住宅ローンもある】一部の金融機関が提携している金融商品に、住宅の完成前にローンを組めるものがあります。銀行と消費者の間を取り持つサービスで、銀行に対しては「住宅の完成を保証」し、消費者に対しては「住宅の完成前に金利の低い住宅ローンを利用する」ことを可能にしたものです。利用のための手数料がかかり、提携する銀行を探す必要がありますが、つなぎ融資による日割りの利息よりも安く済む場合が多く、一考の価値があります。また物件の完成前に分割して融資をうけられる「分割実行」が可能な住宅ローンも存在します。これは一部の金融機関が取り扱っているサービスで、住宅の完成前から住宅ローンの低金利が適用されます。審査基準は厳しく、提出資料も多いため消費者の負担は増えますが、分割実行によってつなぎ融資を不要にできれば、数十万円単位での節約が可能になります。■まとめ注文住宅は考えることも決めることも非常に多く、労力のかかる一大事業です。しかし自分にとって最高の家を建てられたときの感動と愛着は素晴らしいものになるでしょう。後悔や不満の残らない家づくりのために、注文住宅の特徴やお金について理解を深め、計画的に建築を進めましょう。
2017年05月12日マンションを購入すると、毎月ローンの支払いとは別に「マンション管理費」を支払う必要があります。「毎月かかる費用なら少しでも安い方が」と考えがちですが、住み心地のよい環境を長く維持するためにはとても大切な費用なため、安易に管理費が安いマンションを選んでしまうと後悔することも…。今回はマンション管理費の相場や知っておきたいマンション管理費事情について、分かりやすく解説していきます。■マンション管理費とは戸建てと異なり、マンションにはエレベーターやエントランスホールなど、いくつかの共用部分があります。この共用部分の管理にあてられる費用がマンション管理費です。例えばエレベーターの定期的な点検や日々のメンテナンス、階段やエントランスなどの清掃にかかるお金は、住人から毎月集めるマンション管理費から賄われます。また管理人が常駐していればその人件費、セキュリティ強化のために警備会社と提携していればその契約費も、マンション管理費から支払われます。さらにマンションにジムや病院、公園などが併設されている場合は、その運営費用も含まれます。【修繕積立金との違いは?】修繕積立金もマンション管理費と同じく、マンションに住む人が毎月支払う必要がある費用です。しかしマンション管理費が日々のメンテナンスに使われる費用であるのに対し、修繕積立金は、建物を住めるように保つための長期的なメンテナンスに使われる費用になります。例えば補修工事や防水工事、外壁の塗装工事などにあてられます。マンションが古くなれば古くなるほど修繕が必要な個所が増えたり、修繕の程度が大きくなったりするため、修繕積立金は多くの場合、入居当初よりも段階的に高くなっていきます。また大規模な修繕が必要になった場合、それまでの積立金で費用が賄えなければ、一時金として毎月の費用とは別に徴収されることもあります。【マンション管理費や修繕積立金はローンや資産価値にも関わる!】マンション管理費や修繕積立金は、住人の住みやすさや住み心地、安全性などを左右する、重要な費用です。しかし毎月出て行くお金でもあるため、ローンを組む場合は単純にマンションの購入価格だけでなく、マンション管理費や修繕積立金についても事前に考えておく必要があるでしょう。ただし「毎月の出費はできるだけ抑えたい」と、マンション管理費や修繕積立金が安いという理由だけで安易に物件を決めるのは、おすすめできません。毎日のメンテナンスや建物の修繕がきちんと行われているかどうかは、マンションの資産価値にも関わってくることです。マンション管理費や修繕積立金が安い代わりに管理が行き届いていないマンションであれば、いざ売却しようと思ったときに、評価が下がる可能性があります。マンションを購入する際は、マンション管理費や修繕積立金のこともよく調べ、長期的な視点で考えることがポイントです。■管理費が高い理由とは?マンション管理費の相場を知ろう!首都圏にあるマンション管理費の平均は、1平方メートルあたり206円です。分譲マンションの平均的な広さは70平方メートル前後だといわれているため、首都圏のマンション管理費の平均はだいたい月14,420円となります。しかしマンション管理費の相場といっても、どの管理会社が請け負っているか、共用施設が充実しているか、物件そのものの価値がどれほどか、といったことにより、マンションごとに金額には大きく差が出ます。そこで管理費が高くなるマンションのポイントを以下にまとめてみました。【ポイント1】ワンルームは管理費が高いワンルームタイプのマンション管理費は、比較的高い傾向にあります。マンルームの広さを10~20平方メートルだとすると、毎月の管理費は約4,360~8,720円です。この数字だけを見ると「相場よりも安い!」と考えがちですが、1平方メートルあたりの単価を考えると、ワンルームの場合は約436円です。相場より2倍ほども高くなっているのですね。マンションの規模が小さくなればそれだけ、目も行き届きやすく管理の手間もかからないように考えられるため、ワンルームだと単価が高くなる、というのはちょっと不思議な気がしますね。ちなみに1平方メートルあたりの単価がもっとも低いのは、60~80平方メートルほどのファミリータイプになります。【ポイント2】マンション単価が高いと管理費も高い一般的に1平方メートルあたりのマンション単価が高いほど、管理費も高くなる傾向にあります。つまり同じ広さのマンションでも、物件価格が30,000,000円のマンションと50,000,000円のマンションでは、50,000,000円のマンションの方が管理費も高くなるということです。これは単価が高いマンションの方が、共用スペースが整えられていたり、併設される施設が充実していたり、セキュリティがしっかりしていたりと、管理の手間がかかるためだと考えられます。【ポイント3】マンションの戸数が多いor少ないと管理費も高いマンションの戸数が多いと共用部分も増えるため、管理の手間がかかります。そのため、戸数が多いマンションは管理費も高い傾向があります。しかし実は戸数が少ないマンションでも管理費は高くなります。マンションの管理費は、各居住者から徴収する形で賄っています。戸数が少ないとはつまり、マンション全体の管理費を負担してくれる頭数が少ないということです。戸数が少なくてもマンションの規模が大きければ管理費はそれだけ多く必要ですし、エレベーターなどは戸数にかかわらず、なければ不便なため、必要設備のメンテナンスも必要です。マンションの管理に必要な全体の費用はそれほど変わらないのに、負担してくれる人が少なくなるため、一戸あたりの負担額が増えてしまうというわけです。ちなみにもっともマンション管理費が低くなるのは、100~200戸未満のマンションだといわれています。【ポイント4】高層マンションは管理費が高い高層マンションになればなるほど管理費も高くなる、という傾向もあります。一般的なマンションは5~20階建てが多く、このくらいのマンション管理費の単価は200円前後。一方で、20~40階建てのマンションになると約240~250円、40階建て以上になると、約280円になります。■管理組合からの抗議で安くなることも?マンション管理費を下げる方法マンション管理費は、居住環境を整えるため、また住んでいるマンションの安全を守るために必要なお金です。とはいえ、それほど管理に費用がかかっていないにもかかわらず、住人から不当に高額なお金を徴収している場合もあります。「マンション管理費が高すぎない?」と思ったとき、管理費を引き下げる手立てはあるのでしょうか?方法としてもっとも有効なのは、管理会社を変えることです。現在のマンションの管理業務は、ほとんどが管理会社に委託されています。マンションの住人から集められた管理費の多くは、この管理業者に支払われます。そのため、より管理費が安い管理会社に変更すれば、一戸あたりの負担額が減ります。ただしほかの住人にも関わることのため、自分の意思だけで管理会社を変えることはできません。必要なのは、以下3つのステップです。【ステップ1】自治会に積極的に入会し、協力者を集める同じマンションに住んでいる人の中に管理費を下げてほしいと思っている人がいないかリサーチし、協力者を募りましょう。このために、住んでいるマンションの自治会に入会することをおすすめします。自治会とは、マンションの居住者同士が友好を深めるためのコミュニティのことで、各地域にある町内会と同じような役割を果たします。活動が盛んな自治会では季節ごとにさまざまなイベントを開催しているところもあり、普段顔を合わせない人ともコミュニケーションを図るチャンスです。【ステップ2】総会や理事会に議題として上げる管理会社を変更するには、総会や理事会の決定が必要です。「管理費を下げるために管理会社を変更したい」という内容を議題として上げましょう。このとき、できるだけ多くの協力者がいた方が、話がスムーズに進みます。住人の中に建築関係に詳しい人や交渉が上手な人などがいれば、そういった人たちに相談してみるのもよいでしょう。ちなみに総会とは、管理組合の組合員が集まって、マンションの維持や管理について話し合う場です。一方理事会には、その中から選ばれた役員だけが参加します。マンションで住民が快適に暮らすため、どのマンションにもそこに住む人たちで構成される「管理組合」が存在します。マンションを購入すると、その時点で誰もが管理組合の組合員になります。【ステップ3】複数社の管理会社に見積もりを依頼する総会や理事会で住人の合意が取れたら、さまざまな管理会社から見積もりを取り、その中から条件に合った管理会社を選びます。管理会社を変更することを「リプレイス」といいますが、最近ではリプレイスのコンサルタント業者も増えており、専門業者に依頼することも可能です。また現在の管理会社がマンション管理費を引き下げてくれればわざわざ管理会社を変える必要はないため、現在の管理会社と値下げ交渉をする方法もあります。この場合も、管理組合でしっかりと話し合って意見をまとめておくことが、交渉を有利に進めるポイントです。またほかの管理会社から取った見積もりは、交渉時にも有効な材料になります。■管理費を滞納すると、最終的には差し押さえ処分も!マンションに住むことは、1棟の建物をみんなで所有していることと同じです。そのためマンション管理費は、自分を含めたそこに住む人たちが、心地よく生活できるために必ず必要になる、大切なものだといえます。しかし中には「共用スペースなんてほとんど使わないし…」などと考えて、管理費を支払わない人もいます。管理費を滞納したままでいると、期間に応じて以下のような対策が取れられます。【1ヶ月の滞納】1ヶ月程度の滞納であれば、見過ごされることもほとんどです。翌月に2ヶ月分をまとめて支払えば、問題になることはありません。【2~3ヶ月の滞納】マンション管理費の管理者から滞納の理由を問われます。口頭の場合もあれば、文書が届く場合もあります。【4~10ヶ月の滞納】管理者から返済の予定を記した「返済計画書」の提示を求められます。4~10ヶ月が経ってもなお管理費が支払われない場合は、期限を設けてその日までに未払い分の支払いを求める「督促状」が届きます。さらにこれにも応じなかった場合、最終的には「差し押さえ仮処分申請」という法的な措置が取れられます。差し押さえ仮処分申請とは、支払われなかったマンション管理費の回収を目的として、管理者から裁判所へ、財産の差し押さえの許可を求めるものです。申請が認められれば、管理者は裁判所の権限を用いて、管理費を滞納した人から給与・年金や不動産を取り立てることが可能になります。【マンション管理費を滞納してしまったときの対処法】マンション管理費を滞納してしまったとき、もっともしてはいけないことは、文書や問い合わせの電話などを無視することです。例え文書が届いたときや電話がかかってきたときには支払えない事情があったとしても、その事実を管理者に伝えなければ、悪質な住居者とみなされてしまいます。反対に事情をきちんと説明すれば、2~3ヶ月程度であれば支払いを待ってくれるケースも多くあるのです。また滞納を放置し続け問い合わせにも応じず、とうとう督促状がきてしまった、という場合は、期日までの支払いが難しくても、速やかに管理者へ連絡を取れってください。そのうえで、支払えるだけの金額だけでも期日までに納めるようにします。とにかくいくらかだけでも支払っておけば、管理者が未払い分の分割支払いなどの交渉に応じてくれる可能性が高くなるためです。法的手続きへと移行されてしまえば、財産の差し押さえを受け入れるか、未払い分のマンション管理費を一括で支払うかの手立てしかなくなってしまいます。どのような事情があるにせよ、管理費を滞納してしまったら、なるだけ早く管理者へ連絡するようにしましょう。■まとめいかがでしたか?前述のとおり、マンション管理費の相場はおよそ15,000円。これに修繕積立金とローンが加わると考えれば、毎月の出費はマンションにかかる費用だけでかなりの額になります。とはいえ、マンション管理費を支払わなければほかの住人にも迷惑をかけることになるため、滞納はもちろんNG。マンション購入後に生活費の資金繰りが厳しくなるといったことがないように、購入時にマンション管理費も考慮に入れてローンを組むことが大切です。
2017年05月12日マンションの購入を考えるとき、迷いがちなのが「新築か中古か」。本当は新築マンションがいいけれど、予算の都合上中古マンションも視野に入れて検討中…というケースが多いでしょう。しかし新築と中古の違いは「価格」だけではありません。設備環境や保証・制度など、さまざまな面において相違点があります。そこで今回は、新築と中古の違いを徹底的に比較してみました。それぞれの長所や短所を把握して、自分のスタイルにマッチする住まいの形を見極めましょう。■まず気になるのは費用!新築と中古でどう違う?マンション選びの際、やはり最終的な判断材料ともいるのが「費用」。マンションは物件そのものの価格がメインになりますが、購入時の諸費用の違いも事前に調べておきましょう。【違い1】物件価格の違い一般的に新築の方が中古よりも価格が高くなることはご存知でしょう。具体的な数字を挙げると、中古マンションは新築マンションの4割から5割程度の価格で売り出されています。もちろん一口に「中古」といっても築年数によってさまざま。物件の状態によって価格に開きがありますが、中古の方が新築に比べると費用を抑えられることは確かです。またエリアによっても新築と中古の物件価格に違いがあります。都市部の人気エリアでは新築と中古にさほど差はありませんが、郊外部では価格の開きが大きいです。新築にしても中古にしても郊外部の方が購入時のお得感はありますが、逆に売りに出す際は売却価格を低く設定する必要があります。現時点での価格だけに注目するのではなく、将来性も踏まえて総合的に判断するとよいでしょう。【違い2】諸費用の違いマンションを購入する際には、不動産の登録料や住宅ローン手数料など、物件に対してかかるお金以外にもさまざまな「諸費用」がかかります。そのうち新築にのみかかる費用、中古のみにかかる費用をそれぞれピックアップしてみました。まずは新築マンションに必要な諸費用です。・修繕積立金基金これは新築マンション特有の費用で、毎月支払う修繕積立金の負担を軽減するためのものです。住むエリアや物件の内容によって異なりますが、一般的には200,000~400,000円程度が相場となっています。・オプション費用新築マンションによっては、部屋のグレードをアップできたり、インテリアや設備を追加できたりする場合があります。モデルルームの内装や設備はこういったオプションを使った仕様になっていることがほとんどです。このオプション、つい金銭感覚が狂ってしまって、気がついたら数百万円プラスに…というケースも珍しくありません。高品質でデザイン性の高い内容に魅了されてしまいがちですが、予算と十分照らし合わせながら検討する必要があるでしょう。次に中古マンションに必要な諸費用を見てみましょう。・仲介手数料中古マンションの場合は、売り手(マンション所有者)と買い手の間に立って物件紹介やさまざまな手続きを行う仲介業者がいることが多いです。仲介業者を介してマンションを購入すると、仲介手数料が必要です。仲介手数料は「(物件価格×3%+60,000円)×1.08(消費税)」が相場で、例えば30,000,000円の中古マンションにかかる仲介手数料は1,036,800円です。不動産会社が売り主の場合は仲介手数料が発生しませんが、一般的にはこの程度かかると認識しておきましょう。・リフォーム費用リフォームをしていない中古マンションの場合は、リフォームを行ってから入居するスタイルが一般的です。かかる費用はリフォームの種類やグレードなどによって大きく異なります。例えばトイレの便器交換は50,000円~100,000円程度、浴室リフォームは800,000~2,000,000円程度、間取り変更や全設備交換など大がかりなリフォームになると3,000,000円程度が相場で、細部にもこだわる場合は10,000,000円以上になることも珍しくありません。金額の幅が大きくそれなりに予算もかかりますが、自分好みの設備や仕様に変更できるよさがあります。フルリフォームやフルリノベーションをしても、かかる費用は新築物件価格の3分の2程度で済むでしょう。こうして諸費用だけで比較してみると、新築マンションに比べて中古マンションは費用がかかることがわかります。物件価格だけを見て「中古の方が安い」と決めつけるのではなく、プラスされる諸費用のことも考慮するとよいでしょう。■新築マンションのメリット&デメリットこれまで費用面における違いを見てきましたが、費用面以外にもさまざまな違いがあり、新築・中古それぞれに良し悪しがあります。まずは新築マンションの長所と短所を見極めましょう。【メリット1】見た目が綺麗新築マンションの醍醐味といえば、何といっても見た目が綺麗なこと。誰も使っていないピカピカの内装や設備は、誰もが憧れます。建物内部だけでなく、外から見たときに見栄えがいいのも新築ならではのよさです。新しさを重視し、初めから中古マンションを視野に入れずに探す人も多いようです。【メリット2】最新設備を搭載している新築マンションには最新の設備が備わっており、住み心地は抜群です。個人の専有部分はもちろん、共用部分の設備も充実しているケースが多く、総合的に見て住宅の質が高いといえるでしょう。セキュリティシステムも中古マンションに比べてしっかりしているため、安全性が高い点も大きな魅力。特に小さい子供がいる家庭の場合は、安心して暮らせるかどうかを重視して新築を選びやすい傾向にあります。【メリット3】コミュニティに溶け込みやすい新築マンションの場合は、契約者全員がほぼ同時に入居を開始します。「顔見知りがいない」という同じ条件の下でスタートを切るため、コミュニティに参加しやすいといったメリットがあります。すでに形成されたコミュニティに入るときにありがちな、気後れやストレスを感じることがありません。コミュニティ自体に一体感が生まれやすいといわれます。【メリット4】税制面においてさまざまな優遇措置を受けられる新築マンションを購入すると住宅ローン控除や登録免許税、不動産取得税などの軽減措置を受けられます。中古マンションでは条件が多く、対象外になる制度もあります。税制面では新築の方が何かとお得と考えてよいでしょう。【メリット5】長期保証が付いている新築マンションの場合は、建物の構造部において最低でも10年間の保証を受けることができます。設備面においてもメーカー保証付きで、アフターサービス面も優遇されます。保証やアフターメンテナンスの満足度の高さで選ぶなら、断然新築マンションでしょう。【デメリット1】モデルルームとのギャップすでに完成している新築マンションなら実物を見学できますが、多くの場合は未完成でいわゆる「青田買い」となり、モデルルームを見学して検討することになります。この際注意しなければならないのが、実際の物件とモデルルームとのギャップです。展示されているモデルルームの間取りはグレードの高い住戸のものであるケースが多く、実際の予算に見合う住戸はもっと狭かったり、使いにくい間取りだったりすることがあります。またモデルルームの設備や仕様はオプションでグレードアップしているケースがほとんど。「モデルルームの内容が標準装備されている」と勘違いしてしまうことがないように注意しましょう。【デメリット2】立地条件のよいところを見つけにくい新築マンションは数が少なく、希望のエリアにない場合もあります。また駅近など利便性の高い立地にはすでにマンションが建っているため、中古に比べて立地条件が悪くなってしまうのは否めません。【デメリット3】資産価値の減り幅が大きい新築マンションの資産価値は、通常5年で大幅にダウンし、その後は緩やかに下降していきます。特に注目したいのが、購入してすぐに20~30%程度下落してしまうこと。実は新築マンションの物件価格には広告費や販売会社の利益が上乗せされているため、それを差し引いた額が本来の資産価値になるからです。一般的にいわれているのが、築15年以降は価格下落のペースが安定するということ。資産価値の急激な低下を懸念するのであれば、初めから築15年以降の中古マンションに限定して探すことをおすすめします。新築マンションは「新しくて綺麗なマンションに住みたい」「設備やサービスが充実しているところがよい」など、見た目や機能性のよさを求める方に適しています。また「長期保証が付いていてほしい」「税金の優遇措置はできるだけ利用したい」など、安心・安全を重視する場合にもおすすめです。■中古マンションのメリット・デメリットでは次に中古マンションのよい点と悪い点をご紹介します。前述した新築マンションと比べながら見ていくと、自分に適したマンションのスタイルが見えてきます。【メリット1】物件数が多く、選択肢が豊富中古マンションは豊富な物件が揃っています。そのため「なるべく一定のエリアで物件を探したい」という場合に最適です。たくさんの選択肢の中から探すことができるため、好みや条件に合った物件を見つけやすいこともメリットでしょう。また中古マンションは好立地に建っている傾向があり、駅近だったり周辺環境がよかったりと利便性の高さが魅力。新築でそういった物件を探してもなかなか見つからず、仮にあったとしても予算を大きくオーバーする可能性があります。限られた予算内で好立地な物件を探すなら、中古マンションが最適でしょう。【メリット2】実際の物件を見学できる中古マンションは必ず実物を確認できることが大きなメリットです。希望する物件に足を踏み入れて、間取りや広さはもちろん天井の高さ、窓の配置などを確認できます。また収納の大きさ、通風や採光、眺望などもはっきりとわかるため、住んだときのイメージを具体的に思い描くことができます。新築マンションの場合はモデルルームとのギャップが懸念されますが、中古マンションならそういった心配はありません。またそのマンションにどんな世帯が住んでいるのかを確認することもできます。「20~30代のファミリーが多い」「年配層が多い」などが事前にわかるため、住んでいる住民の層によって自分たちが馴染めそうかを判断できるでしょう。【メリット3】自分好みの空間が作れる新築の場合はすでに新しい設備や内装が備わっており、基本的には「万人に便利」な作りになっています。決められている内容は変更できないため、中には自分好みではないインテリアや壁紙が使われていたり、使わない設備が入っていたりすることも。それに対して中古マンションの場合は、自分に快適な空間作りが可能です。必要な箇所のみ自分好みにリフォームできますし、予算が許せば住まい全体を自分仕様に変更することもできます。物件価格が安い分、浮いた予算をリフォーム費用に回せることが魅力です。【メリット4】資産としての価値が下がりにくい前述したように、新築マンションの物件価格には広告宣伝費や不動産会社の利益が上乗せされているため、物件価格がそのまま資産の価値になるわけではありません。そのため仮に購入後すぐに売却したとしても、購入時の価格で売れることはほとんどなく、資産価値の下落も激しいです。しかし中古マンションの場合は売り手の希望と相場によって物件価格が決まるため、物件価格と資産価値がほぼ同じ。購入後の資産価値が下がりにくいため、購入後に大幅な値下げがされることもありません。【デメリット1】保証期間が短い中古マンションにおける主要構造部の保証期間は、売り主が個人の場合は2~3ヶ月程度。新築の保証期間10年に比べると、かなり短く設定されています。中には保証なしのケースもあるため、注意が必要です。購入後にこのままでは住めないような欠陥が見つかることのないように、事前にホームインスペクション(住宅診断)を利用するとよいでしょう。また「住宅瑕疵担保責任保険」や大手不動産会社の保証サービスを利用すれば、万が一のケース時に安心です。【デメリット2】共用部分を変えることができない個人の所有する「専有部分」であればリフォームやリノベーションを行うことができますが、エントランス・共用廊下・階段など他の住民と共同で利用する場所に関しては、個人で手を加えることができません。また専有部分と勘違いしてしまいがちなベランダ・窓のサッシ・玄関ドアも実は共用部分。勝手にデザインや仕様を変えることができないため、注意しましょう。【デメリット3】新築に比べて耐震性が低い築年数が浅めの中古マンションは耐震性に問題ないケースが多いですが、築年数が古い物件は要注意です。特に昭和56年(1981年)6月1日以前に建てられた物件は要注意です。こうしたマンションには新しい耐震基準に合っていないため、耐震面に不安があります。築年数を確認し、耐震性に不安がないかどうかをしっかり見極めましょう。また手入れがきちんと行われている中古マンションは、管理組合によってその都度補修・改修がされている証拠です。見た目から受ける印象や仲介業者からの情報をもとに、安全なマンションかどうかチェックすることが大切です。気になる場合は、耐震診断を依頼するとよいでしょう。中古マンションは「特定のエリア内で探したい」「とにかく立地条件のよいところがいい」など、エリアが限定されている場合や利便性を重視したい場合に適しているといえるでしょう。また住居のデザインや設備、仕様にこだわりが強い方にもおすすめです。■おわりにいかがでしたか?新築マンションと中古マンションはどちらにもよい点と悪い点があり、一概にどちらがベストとは言い切れません。選ぶ際に大切なのは「求める条件にマッチしているのはどちらか」ということです。住まいに何を求めるのかを明確にすれば、おのずと答えが見えてくるでしょう。
2017年05月12日住まいは生活の基盤ともいえる大切なもの。一昔前までは結婚してマイホームを手に入れるスタイルが主流となっていましたが、近年は持ち家を持たず、生涯賃貸で暮らすという家庭も増えてきています。では賃貸と持ち家では、どちらがお得に住めるのでしょうか?それぞれの良い点と悪い点をしっかり比較して、賃貸にするか持ち家にするかの選択を慎重に行いたいですね。果たしてどちらがよりお得なのか、さまざまな視点からチェックしてみましょう。■賃貸のメリット&デメリット賃貸はトータル的に見て、持ち家よりも「高くつく」イメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?費用面はもちろん、生活面におけるメリットやデメリットも知っておきましょう。【メリット1】家の維持費を積み立てる必要や手間がない老朽化によって建物が傷み、改修工事が必要になった場合は、賃貸であればその費用は管理組合が負担します。通常賃貸の場合は毎月「管理費」を支払っており、そのお金が使われることになります。管理費さえきちんと払っていれば、修繕のための維持費を自ら積み立てておく必要はありません。またトイレが壊れたり、浴室の湯沸かし機能が作動しなくなったりなど、室内の設備に不具合が生じた場合には、管理組合が速やかに対応してくれます。持ち家の場合は業者を自分で探してコンタクトを取り、修理依頼をしなければならず、何かと面倒です。賃貸はそういった手間がなく、すべて任せられる点もメリットといえます。【メリット2】家の住み替えがしやすい住んでいる家に飽きたり、転勤で別の土地に移らなければならなくなったりすることもあるでしょう。そんなときでも賃貸なら、いつでも住み替えが可能です。もちろん住み替える場合はまた新たに敷金・礼金や仲介手数料、引っ越し費用がかかりますが、持ち家を売却して引っ越す手間や負担を考えると、賃貸の方がよりお手軽です。ご近所トラブルがあり、住んでいる物件にいづらくなった場合も、賃貸なら悩む前に住み替えを検討できるといった気軽さがあります。中には常に新しい物件を求めて幾度となく引っ越しを繰り返しているケースも多く見られます。同じ家に住み続けるよりも、常に変化を求めて生活することを望む方に賃貸は最適なのです。【メリット3】初期費用を抑えられる持ち家を手に入れるためには、購入時に多額の資金が必要となります。物件購入価格はローンを組んで毎月返済していくスタイルが主流ですが、その他の諸費用はローンに含めることができず、まとまった金額を貯金から下ろさなければなりません。しかし賃貸の場合は初期費用が少なくて済むため、貯金を大きく削る心配はないのです。では実際に賃貸と持ち家では、初期費用にどのくらいの差が出るのでしょうか?仮に60平方メートルの住居に入居するケースで比較してみましょう。持ち家として購入する場合、物件価格を30,000,000円とすると、そのうちの20%、つまり6,000,000円を頭金として支払う必要があります。そこに印紙税、住宅ローン借入手数料のほか、不動産会社が仲介に入っている場合には仲介手数料なども支払わなければなりません。これが物件価格の7%程度かかり、合わせて8,100,000円が初期費用としてかかる計算になります。一方、賃貸として借りる場合の賃料を130,000円とすると、この額に礼金と仲介手数料を足した家賃3ヵ月分、つまり390,000円程度が初期費用としてかかります。(通常敷金もかかりますが、退去時に戻ってくることを想定してあらかじめ外して考えています。)こうして比較してみると、初期費用に関しては賃貸の方が8,000,000円弱安くなることがわかります。なるべくリーズナブルに住まいを手に入れることを重視するなら、断然賃貸がおすすめです。【デメリット1】ずっと家賃を払い続ける必要がある賃貸の場合は、住み続ける以上は家賃を払い続けなければなりません。元気に働いている間は問題ないですが、定年後も同じように家賃や更新料、駐車場代を払う必要があります。年金収入のみでこれらの費用を支払い続けることはかなりの負担です。生涯ずっと賃貸に住み続けると決めたら、老後の支払い用に貯金をしておくなど計画的に配慮することが求められるでしょう。【デメリット2】防音性が低い物件が多い一般的な賃貸物件は構造や設備の強度が低く、壁が薄いといった特徴があります。そのため防音性が低く、上下や両隣の物音や話し声が気になりやすいです。もちろん自分の出す音や振動にも注意を払って生活する必要があります。それゆえにピアノなどの楽器はNG、ペットNGなどの制限を設けているケースがほとんど。また小さい子供がいる家庭の場合は、子供の泣き声や足音などで周囲に迷惑をかけてしまう可能性を考慮しなければなりません。防音性に関しては賃貸には期待できず、防音を重視するなら持ち家がおすすめといえるでしょう。【デメリット3】リフォームなど改築を自由にできないせっかくの自分の住まいですから、いろいろと手を加えて自分仕様の空間に生まれ変わらせたいですよね。しかし賃貸の場合は自分の所有物ではなく、あくまでも「借りている」わけですから、間取り変更などの改築はもちろん、壁に穴を開けるといった行為もNGです。もしも勝手に手を加えてしまった場合は、退去する際に多額の費用を支払って元に戻さなければならなくなる可能性も。賃貸であることを常に念頭に置き、入居時のままの状態をなるべくキープすることが求められます。■持ち家のメリット&デメリット続いては持ち家のメリットとデメリットをご紹介します。前述した賃貸のメリットとデメリットと比較しながらチェックしていきましょう。【メリット1】老後の住宅を確保できて安心持ち家ならではのメリットが、老後安心できること。住宅ローンの支払い中は大変ですが、支払いが終われば、老後は経済的な負担がほとんどありません。また「家」という大きな資産があることは大きな安心に繋がります。さらに資産があることで、子や孫に財産として残せるといったメリットもあります。特に一戸建ての場合はマンションに比べて資産価値が下がりにくいため、なるべく資産価値をキープして相続したい場合は、日頃からきちんと修繕しておくとよいでしょう。【メリット2】社会的信用を得やすい家を購入するとその家が担保となるため、社会的信用が高くなります。例えば急にまとまったお金が必要になってお金を借りたい場合も、持ち家に住んでいれば賃貸の場合よりもスムーズに借り入れ手続きを行えます。お金を借りる際以外にも、さまざまな契約時に有利です。【メリット3】リフォームできる家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、住まいの増改築ができる点も持ち家ならではの魅力。集合住宅の場合は管理規約が絶対条件のため自由度を制限されてしまいがちですが、一戸建ての場合は希望に添ったリフォームを実現できます。子供の成長に合わせて間取りを変更したり、バリアフリー仕様にしたり、持ち家ならより快適な住まいを目指すことができるでしょう。好みに合わせてアレンジできることで、より楽しく有意義に生活できます。【デメリット1】多額の初期費用が必要「持ち家を購入した方が月々の家賃負担が少なくて済む」とよく耳にしますよね。確かに一生涯賃貸に住む場合と持ち家とでは、ローン返済に終わりがある持ち家の方がお得といわれています。しかし持ち家購入時には非常に多額の資金が必要なため、大きなお金の準備が必要です。先述したように、物件価格の20%程度の頭金、そして7~8%程度の諸費用(印紙税やローン融資手数料など)を支払わなければなりません。ある程度貯蓄がなければ持ち家購入は難しく、賃貸のように気軽に手続きできるものではないといえるでしょう。【デメリット2】簡単に住み替えができない何らかの理由によって住み替えたい場合、持ち家だと賃貸のように気軽に行うことができません。どうしても住み替えを希望する場合はその持ち家を売却しなければならず、場合によっては当初よりはるかに資産価値が下がっていて、かなり損をしてしまうケースも想定できます。ただし期間限定の海外赴任などで再び戻ってくる場合は、その間持ち家を賃貸で貸して家賃収入を得るといった選択肢もあります。売却する負担を考えると、安易に手放さない方がよいでしょう。【デメリット3】維持費がかさむマンションの場合は毎月修繕積立金を支払う必要があり、共用部分の修繕の際にそのお金が使われます。一戸建ての場合は月々の維持費はかからないものの、修繕が必要になるときのために自己管理で貯金をしておかなければなりません。賃貸の場合は毎月支払う管理費の中に修繕のための資金が含まれており、その額は持ち家に比べてかなり良心的です。管理費の相場は家賃の5~10%程度といわれていて、家賃100,000円の物件の場合の管理費は5,000~10,000円程度。持ち家がマンションの場合は、管理費のほかに修繕積立金を支払わなければならず、この相場が20,000円程度ですから、賃貸の方が安く済むのは一目瞭然です。月々の負担が多くなるのは、持ち家の場合は避けられないといえるでしょう。■持ち家と賃貸、結局お得なのはどっち?これまで持ち家と賃貸のメリット・デメリットを見てきましたが、こうして比較してみると「どちらが損でどちらが得」と一概に判断できないことがわかります。費用面で考えると、一般的に毎月の家賃にかける費用は月収の25%以内が目安とされています。家賃が25%以内の賃貸物件であれば、多額の住宅ローンを抱える持ち家に比べて一見楽に感じるかもしれません。しかし問題は退職をし、年金収入のみの生活になったときです。家賃が年金収入の25%を超えてしまうと、一気に家計が圧迫され、それまでの生活水準を保つことができなくなります。場合によっては家賃すら払えず、家を失って途方に暮れてしまうケースも考えられるでしょう。もちろん貯蓄が潤っていればその心配はなく、老後は貯金を崩しながら賃貸に住み続けることも可能です。ただ持ち家なら初期費用はかさむものの、ローン完済後には賃貸のような生活苦に陥る心配がありません。つまり将来的な生活の安定を重視するなら、持ち家を選ぶ方がお得といえます。ここで1つ注意したいのが、持ち家のローン返済後にどれだけ住み続けるかにもよるということ。なぜならローンの完済によって経済的負担が一気に減るため、完済後にその家に長く住むほど持ち家の方がお得になっていくからです。ただしローンを完済する頃には建物の老朽化がかなり進んでいる頃で、場合によっては大規模な補修工事が必要になる場合も。そうなると多額の修繕費用がかかってしまい、ひとえに「長生きすれば持ち家の方が得」とも言い切れません。費用面で損得を判断するよりも「賃貸と持ち家のどちらがライフスタイルに合っているか」を重視して選ぶとよいでしょう。例えば転勤が多い方であれば、持ち家ではなく気軽に住み替えができる賃貸、老後はお金の心配をせずにのんびり生活したい方は、若いうちにたくさん働いてコツコツとローン返済をしていく持ち家…というように、自分や家族のスタイルにマッチするかどうかを考えましょう。最近では若いうちに持ち家を購入し、なるべく早いローン完済を目指すケースが多いようです。確かに将来的には楽ですが、家の良し悪しを分別できるようになるまでは賃貸暮らしをおすすめします。例えば方角による遮光性の違いや必要な設備環境など、実際に生活してみないとわからないことがたくさんあるからです。その分別ができずに勢いで持ち家を購入してしまうと、あとあと「リビングは別の方角がよかった」「この設備は必要なかった」と後悔することになりかねません。いずれ持ち家購入を考えている場合は、まずは賃貸生活によって住まいに求める条件を吟味し、その上で持ち家購入に踏み切るとよいでしょう。持ち家は一度購入したらそう簡単には住み替えることができません。慎重に物件選びを行いましょう。■おわりにいかがでしたか?家族構成やライフスタイルの変化に合わせて柔軟に住まいを変えたい場合は賃貸を、家族が一生住めて財産となる住まいを手に入れたい場合は持ち家を選ぶのがベストです。ただし一口に持ち家といっても価格や条件はさまざま。まずは一括見積もりを活用して、希望条件に合う物件をチェックしてみましょう。たくさんの物件に触れることで、どんな住まいが適しているかが自然と見えてくるはずです。
2017年05月12日「そろそろマイホームを手に入れたい…」そう考えたときに誰もが悩むのが「マンションにするか一戸建てにするか」という選択肢。どちらにも得をするポイントと損をするポイントがあるため、それらを踏まえた上で慎重に決めたいですよね。そこで今回は、マンションと一戸建ての魅力や懸念点を徹底的に比較してみました。生活面や費用面における違いをチェックし、自分のライフスタイルに合うのはどちらなのかしっかり見極めましょう。■マンションと一戸建ての10の違い大きな違いとしては、マンションは集合住宅、一戸建ては個人住宅という点です。ほかにもマンションと一戸建てにはさまざまな面で相違点があります。ここでは特に注目すべき10のポイントについてまとめてみました。【違い1】自由度一戸建ての場合は自分の持つ土地・建物ですから、基本的にリフォームやリノベーションなど自由に行うことができます。間取り変更を伴う大規模工事も可能なため、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて住まいの形を変えられることが一戸建てならではのメリットです。それに対してマンションの場合、リフォームできるのは基本的に専有部分のみです。また専有部分でも大きく間取りを変えることは構造上できないことも。管理規約に沿ってリフォームを行う必要があり、自由度は低いと言えるでしょう。【違い2】セキュリティ面セキュリティ面にも大きな違いがあります。まず一般的なマンションには共用部分に監視カメラが設置されていたり、オートロック設備が整っていたりと、防犯設備が充実しています。また管理人や警備員が巡回しているため、不審者が寄り付きにくい点も大きな特徴です。一方一戸建ての場合はマンションよりも防犯面が弱く、空き巣や放火といった被害が懸念されます。特に閑静な住宅街では人通りが少なく、発生件数が高まるようです。必然的に防犯対策を意識した住居が求められるでしょう。もちろん一戸建ての防犯設備を強化することはできますが、マンションと同じようなセキュリティ対策を行おうとすると、かなりの費用負担が発生します。限られた予算内で行うセキュリティ対策には限度があり、思うように対策しづらいのが現実です。【違い3】プライバシー面生活しているとどうしてもさまざまな音が発生してしまいますが、一戸建ては独立しているため、近隣への影響を必要以上に意識しなくてよいといったメリットがあります。また階下への振動や音などに配慮して生活する必要がなく、のびのびと生活できることも一戸建てならではの特徴です。しかしマンションの場合はそうはいきません。常に両隣や上下階への音や振動による影響を気にしながら生活する必要があり、プライバシー面では一戸建てに劣ると言えるでしょう。「集合住宅」であることを意識しない行動はトラブルのもとになるため、注意が必要です。【違い4】ご近所付き合いマンションは集合住宅ですが、必要以上に近所付き合いを気にしなくてよい点が大きなメリットです。実際に何十年と生活していても、同じ階にどんな人が住んでいるのかほとんど知らないといったケースもよく耳にします。これに対し一戸建ての場合は、近隣住民との連携が問われることが多いです。その1つがゴミ集積所の掃除当番でしょう。持ち回りで行わなければならないため、一定のご近所付き合いは避けられないと言えるでしょう。【違い5】立地条件マンションが建てられるのは、駅近などの利便性の高い場所が主です。そのためマンションを選ぶと通勤のしやすさや、周辺環境の充実といったメリットがあります。立地において不便を感じることは少ないでしょう。対して一戸建ての場合ですが、立地条件重視で一戸建てを探すとなると、かなり高額な予算を見積もらなければなりません。なぜなら立地条件のよいエリアは土地代が高いためです。高額予算覚悟で利便性の高いエリア内で探すか、利便性は諦めてなるべくリーズナブルなエリアで探すかのどちらかを選ぶ必要があります。集合住宅であるマンションの場合は、1戸あたりの土地代が安くて済むため、予算を抑えつつ立地条件のよい場所に住むことが可能です。【違い6】保温面や日照面、害虫面マンションはコンクリートでできているため、一戸建てに比べて断熱性・気密性に優れています。夏は涼しく冬は暖かい快適な生活を送れるでしょう。中層階・高層階と階が上がれば上がるほどに日当たりや眺望がよくなり、害虫による煩わしさも少なくなります。もちろん最近では断熱性や気密性に優れた一戸建てが多く出回っており、一昔前に比べると断熱性能がよくなってきています。しかしやはりマンションの断熱性の高さには及びません。また一戸建ての場合はやはり害虫による影響が多く、ゴキブリが発生しやすい、蚊が家の中に入ってきやすいといった害虫トラブルは多いと言えるでしょう。【違い7】庭付きかどうか一戸建ての醍醐味は庭のある生活を楽しめることです。季節の草花を植えたり、子供の遊び場を作ったり、アレンジ次第でオリジナルの庭作ができます。身近に自然と触れ合えるため、日々のストレス発散にも繋がるでしょう。マンションの各戸には庭がなく、自由に使える屋外の空間はベランダのみ。家庭菜園や植物の育成がしたい方は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。ただマンションによっては敷地内にガーデンスペースを設けているところもあります。自由に草花を植えるなど趣味を楽しむことはできないものの、気分転換に足を運んだり、子供の遊び場として使ったりすることは可能です。【違い8】車の利便性車をよく利用する場合に注目したいのが、車の利便性についてです。一戸建ての場合は敷地内に駐車場があり、玄関を出てすぐに車に乗ることができるため、荷物の出し入れをスムーズに行うことができます。一方でマンションの場合は駐車場が別棟であるケースが多く、世帯数の大きいマンションほど住居から駐車場までの距離が遠くなります。中には機械式の駐車場もあり、車の出し入れだけでも時間と手間がかかる場合も。雨の日や急いでいるときは、特に煩わしさを感じてしまうでしょう。【違い9】バリアフリー面バリアフリー面では、マンションに軍配が上がるでしょう。エレベーターのあるマンションであれば、自分の住む階までエレベーターで上がることができ、階段の上り下りを行う必要がありません。またフロア内は段差がほとんどなく車椅子でも移動しやすいため、高齢者や体の不自由な方にとって安心のつくりになっています。ただ最近ではバリアフリーを意識した戸建て住宅が増えてきています。段差のないフラットなフロアや室内エレベーター、手すりなどバリアフリー設備が充実している物件を選んだり、リフォームで住みやすく変えたりもできます。その分予算は必要ですが、バリアフリーを含むリフォームをすると税金が安くなる制度もあるため、うまく活用するよい対策になるでしょう。【違い10】資産価値の違い資産価値は一戸建ての方が断然優位です。一戸建ての場合、土地も建物も所有しているため、仮に年月が経って建物の資産価値が下がっても、土地の資産価値は下がりません。また建物は老朽化したら補修や建て替えなどで対応できるため、きちんと対処すれば安定した資産価値を保つことができます。一方マンションの場合は、建物の老朽化が進むと売却自体が難しくなり、建て替えも一戸建てのように自分の意志だけではできません。土地と建物は区分所有となっているため、建て替えるためには区分所有者の5分の4もの同意が必要となります。そのため一戸建てのように資産価値をキープすることが難しいと言えるでしょう。■マンションを購入する際のメリット&デメリットここからは、費用面におけるマンションのメリット・デメリットを見ていきましょう。【マンション購入のメリット】マンション購入時のメリットは、一戸建てに比べて物件の購入価格を抑えられることです。新築物件を同じ条件で比べた場合、マンションの方が購入時の価格は安い傾向にあります。また物件価格だけでなく購入時の「諸費用」もマンションの方が抑えられます。例えば30,000,000円の物件の場合、マンションと一戸建てとでは最低でも300,000円前後の差額が生まれる傾向にあります。では上記を具体的に見てみましょう。・一戸建ての場合水道加入負担金300,000円程度(物件価格に含まれるケースあり)火災保険料等400,000円程度(「つなぎ融資」を利用する場合の利息300,000円程度)・マンションの場合修繕積立基金300,000円程度火災保険料等100,000円程度つまりマンションの場合は一戸建てに比べて300,000~600,000円程度諸費用が安くなります。【マンション購入のデメリット】マンションは購入時の予算は抑えられるものの、購入後の月々の支出が定期的に発生することがデメリットとして挙げられます。具体的な支出としては「管理費」「駐車場代」「修繕積立金」の3つがあります。月々の支出として代表的なものが「管理費」です。これは月々10,000~40,000円程度かかります。さらに車を所有している場合は「駐車場代」が必要で、月々5,000~15,000円程度。共用部分の大規模修繕のために積み立てておく「修繕積立金」は月々10,000~20,000円程度と、毎月さまざまな費用を支払わなければなりません。さらに固定資産税についてもマンションの方が高くなる傾向にあります。その理由は、一戸建てに比べてマンションの方が物件価格に占める建物の割合が大きいからです。そして建物の構造上、マンションは固定資産税評価額が高くなることも大きく関係しています。仮に30,000,000円の物件でマンションの固定資産税評価額が120,000円程度、一戸建ての場合が80,000円程度だとすると、30年間で支払う固定資産税の総額がマンションの場合は3,600,000円程度、一戸建ての場合が2,400,000円程度となり、およそ1,200,000円もの差が生まれます。このように、マンションは購入後に何かと支出が多くなる点がデメリットと言えるでしょう。■一戸建てを購入する際のメリット&デメリットマンションと同じように、一戸建ての購入にも得をする点と損をする点があります。以下で詳しくご紹介しましょう。【一戸建て購入のメリット】一戸建ての費用面におけるメリットは、購入後の支出を抑えられることです。マンションで月々支払う必要がある、管理費や駐車場代は一切かかりません。もちろん修繕すべきタイミングで費用はかかりますが、自己管理で積み立てていけるため毎月の支出がかさむことはないのです。マンションと一戸建ての維持費を比較した調査によると、30年間で支払う維持費の総額は、マンションが9,400,000円程度、一戸建てが6,900,000円程度で、マンションの方が2,500,000円程度多くかかることがわかっています。駐車場代を含めるとおよそ10,000,000円弱の差となり、マンションの維持費の高さは一目瞭然です。また先述したように、固定資産税に関しても一戸建ては負担が少ない傾向があります。固定資産税は建物を所有している限り、毎年支払う義務があります。分納できるものの負担がかなり大きく家計を圧迫する恐れもあるため、負担が軽減される一戸建ては安心と言えるでしょう。【一戸建てのデメリット】一戸建ては購入時にマンションよりも大きな予算が必要であるというデメリットがあります。マンションは集合住宅でかかる土地代が少なくて済むため、一戸建てに比べると購入金額が安いです。しかし一戸建ての場合は土地代をまるごと負担する必要があるため、価格が高くなる傾向にあります。つまりマンションの場合は、購入時の価格は抑えられるもののじわじわと支出がかさんでいき、一戸建てでは購入時にお金がかかりますが、その後の負担は楽になるということです。貯蓄や今後の収入の目途、子供の進学時期などを総合的に考慮して、どちらがよいのか考える必要があるでしょう。■おわりにいかがでしたか?マンションと一戸建ては生活面・費用面においてそれぞれメリットとデメリットがあります。また物件によってもそれぞれ特徴が異なるため、マンションと一戸建て両方に魅力を感じている方は、無理に「こっち」と限定せずにさまざまな物件を調べてみましょう。おすすめは一括見積もりを利用した物件探し。条件に合った物件情報を1度にたくさん集められるだけでなく、親身に相談に乗ってくれる優良業者さんと繋がるきっかけになります。ぜひ一括見積もりを活用して、毎日快適に過ごせる住まいを探しましょう。
2017年05月12日注文住宅で新築の家を建てることは、ほとんどの方にとって人生初の経験。最低でも3,000万円以上と大きな買い物になるわけですから、失敗のないようにしたいですよね。そこで参考にしたいのが、注文住宅購入経験者の失敗談。実際に建ててみて、住んでみて「もっとこうすればよかった」と後悔している声に耳を傾けると、成功へのポイントが見えてきます。そこで今回は、注文住宅のよくある失敗談をまとめてみました。後悔のない家づくりのために、気を付けるべきポイントをチェックしましょう。■あるある!注文住宅での失敗談実際に注文住宅を建てた方の体験談を集めてみると、特に多いのが「収納スペース」「広さ」「キッチン」「断熱性」「予算面」の5つの項目における失敗。それぞれどのような後悔ポイントがあるのか、1つ1つ見ていきましょう。【失敗談1】収納スペース使い勝手のよい収納は、快適な生活を送るために欠かせないポイント。収納で失敗してしまうとさまざまな障害が生まれるため、広さや数など慎重に検討する必要があります。まずありがちな例としては、大きすぎる収納。確かに収納スペースが広いと、たくさんものがしまえて便利です。しかし収納が大きければ大きいほど、ものは増える一方。つい「大きい収納があるから」と不必要なものまでも買い込んでしまうからです。逆に小さすぎる収納も扱いに困ってしまいます。足りなくなったら収納棚を買い足せばよいと作り付けの収納を少なくしてしまうと、棚ばかりが増え、部屋が狭くなってしまいます。家族の人数やしまうものの量に見合っているかどうかが重要と言えるでしょう。また、最近はパントリーやウォークインクローゼット、床下・屋根裏収納などがトレンドとなっていますが、実際暮らしてみると「必要なかった」「掃除が大変」という声も。流行に敏感になりすぎず、自分たちの生活に本当に必要な収納なのかどうかをしっかり見極める必要がありそうです。収納で失敗しないポイントは、必要な収納のサイズや数をじっくり検討すること、そして間取り図を見るだけではなく、実際の寸法をチェックして最終決定することです。「ここの収納にはこれだけのものが入る」と具体的にイメージしながら決めるようにしましょう。【失敗談2】広さ部屋の広さでの失敗談もよく耳にします。その多くが「リビングを広く取りすぎて、他の部分が窮屈になってしまった」というものです。確かに広々としたリビングは憧れですよね。「たくさん人を呼びたいからリビングスペースを大きく確保しよう」とリビング主体で間取りを考える方が多いようです。しかし実際はそれほど頻繁に大勢の人が来るわけでもなく、「こんなに広くする必要はなかった」と悔やむケースがたくさんあります。リビングを必要以上に広く取ってしまうと、それだけ廊下や玄関、収納、トイレといった他のスペースが削られてしまい、不便を感じる可能性があります。平面図を見ただけでは実際の広さをイメージしにくいため、担当者と相談しながら全体の利便性を意識した広さに調整しましょう。【失敗談3】キッチンキッチンは毎日家事を行う大事なスペース。失敗してしまうとそう簡単には変更がきかないため、不便なまま生活をしなければなりません。よくあるのが壁面スライド収納にして後悔するケース。一見すると非常にすっきりとしていてオシャレな印象ですが、何もかも出さないと使えないといった不便さがあり、実用的とは言えないでしょう。またキッチンの配置に関する失敗談も多いようです。動線重視でL字型キッチンを選んだものの、赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちの時期にゲートを取り付けられず「カウンターキッチンにしておけば」と悔やむ声がたくさん。これから子供を考えている場合は、子供の安全も配慮した上で配置を考えた方が良ささそうです。【失敗談4】断熱性注文住宅と聞くと、多くの人が思い描くのが「吹き抜け」。明るくて広く感じられる吹き抜けに憧れて、リビングを作るケースが多いようです。確かに吹き抜けにすると採光性が抜群で、明るく開放的な雰囲気。何より見た目がとてもオシャレで、家全体が洗練された印象になります。1階から2階、2階から1階へと声が届きやすいため、どこにいても家族の気配を感じることができて安心感が得られることも大きなメリットです。しかし懸念すべき点は断熱性。特に注意したいのが、冷暖房の効率の悪さです。冬にリビングの暖房をつけても暖かい空気が2階へどんどん逃げていき、夏は熱気がすべて2階に滞ってしまって2階が暑すぎるといった現象が起こります。「見た目の良さで吹き抜けにしたけど、光熱費もかかるし、よいことがない」と後悔する声が多いのは、これが理由です。ただし家全体の断熱性を高めたり、採冷暖房の配置を工夫したりすれば、吹き抜けを取り入れた快適な住まいの実現も可能です。また光や空気の循環を考慮した間取りを考えれば、断熱性の問題も改善されます。それには吹き抜けに精通した実績豊富な業者に依頼することが絶対条件。何を重視するかをしっかり考えながら、断熱性を意識した住み心地のよい家づくりをプランニングするとよいでしょう。【失敗談5】予算自分で何もかも決められる注文住宅だからこそ失敗しやすいのが、予算面。事前にある程度予算を決めていても、建築プランを考えているうちにあれもこれもとこだわりが増えていき、1つ1つに予算をかけすぎて失敗するケースが多く見られます。「せっかくの注文住宅だから」「一生に一度のことだから」とこだわりすぎてしまうと、あとあとのローン返済が大変。そうならないために、こだわりたい部分にはお金をかけ、逆に削れるところはなるべく削るというように、予算にメリハリをつけることが大切です。さらに住宅本体の建築費以外にもさまざまなお金がかかることを認識しておきましょう。つい建築費ばかりに目が行ってしまってギリギリの予算を組んでいたら、結果的に照明やカーテン費用、登記費用、火災保険費用、家具や家電の新調費用などがプラスでかかり、ローンの借入額を増やさなければならなくなったケースが多いようです。そういった建築以外の費用も念頭に置いて、予算を組みましょう。そして工事途中で何らかの変更が生じるケースを想定し、余裕を持って予算プランを立てることをおすすめします。■注文住宅は間取りが命!気を付けるべきポイントとは間取りはその家の住みやすさを決める重要なもの。だからこそ慎重に決めたいところですが、実は後悔する事例が最も多いようです。「生活のしやすさを考えたはずなのに、実際に暮らしてみたら暮らしにくい…」とならないために、間取りを組む際に気を付けたいポイントをチェックしておきましょう。【水回りの位置や採光性には慎重に】キッチン、バスルーム、トイレなどの水回りの位置は、配管の関係もあり1度決めたらそう簡単には動かすことができません。安易に決めず慎重に検討しましょう。また水回りは音が発生することも念頭に置き、寝室の近くは外すなど音への配慮も忘れずに行いましょう。採光性も間取りを決める上で大切な要素。方角を見て部屋の位置や窓の位置、大きさを決めましょう。採光性で失敗すると、寒すぎる、暑すぎるといったストレスと長年付き合っていかなければなりません。そうならないためには、部屋の用途を考慮してじっくり考えることが大切です。【生活動線を意識した間取りを】人が行き来する動きをイメージしながら間取りを考えると、生活しやすい住まいを実現できます。特に生活の主要スペースであるリビングをどこに配置し、そこからキッチンや洗面所、バスルームなどへ楽に移動するにはどのような間取りが理想的かを考えましょう。よくある失敗談としては、洗面所とバスルームを2階に配置してしまったため、1階で手を洗う際はキッチンの蛇口を使わなければならないケースです。また階段をリビング内に配置したため、子供の友達が来た時にリビングが丸見えで気になるという失敗談も耳にします。さらに2階から浴室に行くにはリビングを通る必要があるため、来客中にはお風呂に入れないケースも。住み心地の悪さは一生ついて回るため、動線を意識した暮らしやすい間取りを考える必要があります。対策としては間取りをある程度決めたら、その間取りで生活する場合の動線を頭の中でイメージしてみること。朝起きて洗面台に向かい、その後キッチンで朝食をつくってダイニングに運んで食べ、トイレに向かう…というように、実際どのような動きで生活するのかをシミュレーションしてみましょう。そうすることで生活のしやすさ、不便さがわかり、間取りでの後悔を未然に防げます。また家族の動線だけでなく、来客時のお客様の動線も意識してみましょう。特に来客が多い場合は、その動線が邪魔をしていつも通りの生活を送れず、不便を感じるケースが多く見られます。少し不便だけど我慢できる範囲内と思っても、実際生活してみるとその不便さがより大きく感じられるもの。気になるところはしっかり対処して、自分や家族が快適に過ごせるかどうかを優先しましょう。【未来のことも考慮して間取りを考える】「現時点の生活にマッチした間取りを考えてしまい、将来的に間取りのリフォームが必要になった」という失敗談もよく耳にします。中でも特に多いのが「家族が増えて部屋が足りなくなった、スペースが狭くなった」というもの。注文住宅建築時点では快適な間取りでも、子供が生まれたり親と同居したり、近い将来に家庭環境が大きく変わる可能性もあります。そうなった時に「子供部屋が狭い」「トイレが1つでは足りない」「洗面所が狭い」といった不満が出てくるでしょう。建築する時期のことだけを考えて間取りを決めるのではなく、近い未来のことも考えて決めることが失敗防止に繋がります。■建売住宅は間取りの失敗が少ない!?注文住宅と建売住宅の違いとはこうして見てみると、注文住宅は自由自在に間取りや仕様を決められる反面、実際の生活をしっかりイメージできずに失敗してしまうケースが多いことがわかります。一方で建売住宅の場合はそういった失敗談は少ないようです。そもそも建売住宅と注文住宅の違いとは何なのでしょうか?建売住宅は販売会社から土地と建物を一括で購入するタイプです。すでに建物が建築済みのケースと、プランのみ出来上がっていて建物はこれから建築するケースがあります。建物が未完成の場合でも、建築プランは確定しているため、プラン通りに施工が進められていきます。建売住宅の最大の特徴は間取りや仕様が決まっているため、実際の生活をイメージしやすいことです。実物が経っている場合は家の中を見学して生活動線や家具、家電の配置を思い描きながら購入を検討できます。また建物が未完成の場合でも、具体的な図面を見たり、同じタイプの間取りの物件を見学したり、事前にしっかりと生活のシミュレーションができることが大きな魅力です。そのため注文住宅でありがちな「イメージと違う」といった失敗はほとんどありません。ただ生活スタイルや好みは人それぞれです。自分や家族にマッチした住まいを実現できる注文住宅は、理想を実現できる喜びはもちろん、作り上げる工程から楽しめます。最近では実際に建てられる住宅を、立体画像でシミュレーションできるシステムがあります。これによって家の外観から中の様子までイメージできるようになってきました。このようなツールをうまく使えば、図面とのギャップを最小限に抑えることができ、失敗を未然に防ぐことができるでしょう。また信頼できる施工業者を見つけることで、過去の事例や経験談から「この間取りは生活しづらい」「リビングは採光性を考えてここに配置するべき」など、アドバイスを受けられます。同じ目線に立って親身に相談に乗ってくれる施工業者を見つけることが、成功へのカギとも言えるでしょう。■おわりにいかがでしたか?注文住宅を成功させるためには、実際の生活を具体的にイメージして建築プランを立てること、そして信頼できる業者を見つけることが大切です。一括見積もりを利用すれば、注文住宅の実績豊富な業者、アドバイスが得られやすい優良業者を見つけられます。ぜひ一括見積もりを利用して気になることや不安なことはプロに相談し、失敗のない快適な家づくりを目指しましょう。
2017年05月12日理想の住まいをゼロから作り上げる注文住宅、憧れですよね。しかしいざ注文住宅を建てたいと思っても、土地の購入方法やプランの進め方、ローンの組み方などわからないことがたくさんあります。そこで今回は、注文住宅購入の流れや注意点を徹底解説!スムーズに計画を進められるよう、事前にしっかりチェックしておきましょう。■注文住宅を購入する際の流れ【手順1】住みたい家のイメージをクリアにするまずは「どこでどんな暮らしがしたいのか」を明確化することからスタートします。以下のポイントを1つ1つ考えながら、住まいの具体的なイメージを膨らませていきましょう。・住みたいエリア「○○区」「○○市内」「○○線沿線」と大まかなエリアが決まったら、最寄り駅までの時間や通勤・通学時間、周辺施設の充実度などを考慮して、希望する立地をさらに特定しておきましょう。・広さ家族構成やライフスタイルを踏まえながら、建てたい家の広さを考えます。もしもイメージしづらい場合には、モデルルームや建売住宅を見学してみましょう。「○○平米だとこれくらいの広さ」と体感でき、生活に必要な広さや部屋数を決めるヒントです。また庭をどうするか、駐車スペースは何台分要るかなども忘れずに考慮し、最低限必要な土地の広さを算出しておきましょう。・外観や内装についてどのような外観や内装にしたいか、ある程度イメージしておくことも大切です。こだわりたいポイントがたくさんある場合は、ただ単に羅列するのではなく優先順位をつけておきましょう。また「夏は涼しくて冬は暖かいリビング」「キッチンは対面式に」など、条件はできるだけ具体的に書き出すことがポイントです。住みたい家のイメージを明確にすることで、この後の土地探しがとてもしやすくなります。家族でしっかり話し合い、希望条件をまとめておきましょう。【手順2】資金計画を立てる次に注文住宅を建てるための資金計画を練ります。現在の貯金額を考慮した上で、用意できる自己資金額や毎月返済可能な額を算出しましょう。すると必然的に、注文住宅にかけられるトータル金額(土地代+建物代)が見えてきます。また建築費用の他に必要となるコストにも気を配りましょう。電気やガスを使うための工事費、検査機関などに申請をするための費用、さらに新居へ引っ越しする際にもお金がかかります。家具・家電を新調する場合にはその購入費も必要です。こうした費用は引き渡しまでに準備しておく必要があるため、あらかじめ頭に入れながら資金計画を立てましょう。【手順3】土地と施工会社を探す住みたい家のイメージや予算のめどが立ったら、土地を探し始めます。住みたいエリアの不動産会社に相談し、希望条件をもとに適した土地物件を紹介してもらいましょう。同時に建築を依頼する施工会社を決めましょう。一般的には、ハウスメーカーや工務店、設計事務所に依頼をするのが主流です。ハウスメーカーは実績豊富で安心、工務店は地域密着型で融通が利きやすい、設計事務所は希望を最大限具現化できるといった特徴があります。希望する住まいを実現できるかどうかは施工会社次第といっても過言ではありません。積極的に住宅展示場や実際の施工物件に足を運び、納得して任せられるところを選びましょう。また土地探しと同時期に施工会社を探すことで、希望する建築が可能かどうかを見極めながら土地を選ぶことができます。土地を購入してから「この土地にこの建築は難しい」と却下されてしまうことがないよう、同時進行で探すことをおすすめします。【手順4】敷地調査と地盤調査その土地に希望通りの家が建てられるかを判断するために、敷地調査と地盤調査が行われます。これらの調査は、施工会社経由で依頼するのが一般的です。中には費用を負担してくれる施工会社もあります。・敷地調査敷地を測量し、正確な形状を把握する調査です。具体的には登記簿上の面積と合致しているか、道路や隣地との高低差はどのくらいか、水道・ガス・電気などの配管の有無などを確認します。またその敷地にかかる法的な規制(建ぺい率や容積率、高さ制限など)についても調べられます。この調査によって、建てる際に縛りがあるかどうかがわかります。・地盤調査地盤の性質を調べることで、安全に住まいを建築できるかどうかを確認できる調査です。結果によっては追加で地盤改良工事が必要になるケースも。安全な暮らしのためにしっかり確認しておきましょう。【手順5】土地の購入・契約土地の安全を確認できたら、いよいよ購入手続きです。契約のときには一般的に手付金として土地代金のおよそ10%を支払います。この手付金は契約後に買い手側の都合でキャンセルする場合は戻ってこないケースが多いため、注意しましょう。また土地を紹介してくれた不動産会社に支払う仲介手数料や、土地購入の申請手続きの際に必要な契約印紙代なども別途かかる場合があります。土地探しの段階から、契約時にかかる費用の目安を確認しておくと安心です。ちなみに、土地代金の残りの支払い方法は、ローン返済が主流。一般的に仲介してくれた不動産会社がリードして手続きを進めてくれます。【手順6】施工会社と具体的なプランニング間取りや各部屋の広さ、内装や外観の素材、設備のグレードなど、具体的な建物プランニングを進めていきます。納得のいくまでミーティングを重ねて決めるため、最低でも3ヶ月程度要すると認識しておきましょう。【手順7】建築請負契約を結ぶ建築する建物のプランが決まったら、請負契約を行います。「工事請負契約書」「工事請負契約締結書」「見積書」「設計図書」と呼ばれる4つの書類を1つ1つ確認し、同意の上署名します。かなりボリュームがあるため、事前に写しをもらっておき、わからない点をあらかじめ確認してクリアにしておくとスムーズです。建物建築費用も土地代金と同様にローンで返済するのが一般的。金融機関によっては土地と建物をセットでローンが組める場合もあります。その方が税金面でのメリットが大きいためおすすめです。【手順8】建築確認申請から着工いよいよ着工ですが、その前に行わなければならないのが建築確認申請。建物プランが建築基準法や条例などに適合しているかの確認を受けるために、書類を役所に提出します。申請内容に問題がなければ「確認済証」が発行され、晴れて着工開始です。■【土地購入前に必読】チェックしておきたい5つのこと不動産会社から紹介してもらう土地は安全であるケースが多いですが、中には問題のある厄介な土地が紛れている可能性も。気に入った土地が見つかったら、念のため土地の登記事項証明書を見せてもらい、どんな土地なのか詳しく確認しておくと安心です。その際チェックしておきたい5つのポイントをまとめてみました。【チェックポイント1】条件の悪い土地ではないか過去に地盤沈下が起こるなど地盤に問題がある土地の場合は、事前に地盤改良工事を行う必要があり、その分費用が上乗せされます。また隣接する土地との境界線をチェックし、隣家とのトラブルが起こりやすい形状ではないかどうか確認しておきましょう。【チェックポイント2】用途地域のチェック土地には「その土地が主にどういうもので利用するか」という設定されています。建物の種類や構造、高さなどに制限が設けられているため、その土地がどういう場所なのかは事前にチェックが必要です。用途地域によって周辺の環境にもかなりの差が出ます。例えば「第一種低層住居専用地域」に分類される土地は、一般的な住宅以外を建てることが難しいエリアで、住環境としては最適です。一方「準工業地域」に分類される土地は、住居を建てることは可能なものの、環境に悪影響を及ぼす恐れのない工場が住居と混在しているエリア。多少の音や臭いといった影響は否めず、閑静な住宅地を望む場合は適していないでしょう。【チェックポイント3】接道義務のチェック土地を購入する際には「建築予定となる土地が道路に面しているか」も重要です。建築基準法では建物を建てる土地は、道路に2m以上接している必要があると定められています。接する道路も4m以上の幅が必要です。昭和25年以前に建てられた建築物はこの条件を満たしていない場合が多いため、古い建物を取り壊して更地にし、新たに注文住宅を建てる場合には特に注意しましょう。【チェックポイント4】建築条件付きの土地物件かどうか土地によっては、不動産会社と工務店がコラボして販売しているケースもあり、これを「建築条件付き物件」といいます。つまり、建築業者が限定されてしまっており、自分で業者を選ぶことができません。トータルコストが割安になるといったメリットもありますが、どこでコストを抑えているのか不透明な部分や、自分で業者を選べない分こだわりを追求した家づくりがしにくいといったデメリットも。建築家選びから自分で行いたい場合は、こうした建築条件付き物件は不向きといえるでしょう。【チェックポイント5】占有者がいる土地ではないか購入したい土地に居座る占有者がいる場合は、建物建築後もトラブルに発展する可能性があります。不当な占有者がいる物件は避けた方がよいでしょう。このような条件を事前にきちんと確認し、各項目に納得した上で土地購入の申し込みを行いましょう。そして土地の売買価格、支払い方法、引き渡し時期などを不動産会社と相談し、契約を交わします。ここで大切なのは「その土地の価格相場をしっかり調査しておくこと」です。国土交通省が定める地域ごとの「地価公示価格」、さらには国道局長が定める道路ごとの「路線価」をチェックしましょう。どちらもインターネット上で簡単に調べることができます。その土地が属する地域の価格相場を把握しておくと、価格交渉をよりスムーズに行えます。場合によっては相場よりもかなり上乗せされた価格を提示されることもあるため、慎重に下調べを行いましょう。■住宅ローンを組む際の流れと注意点土地や建築プランの売買契約を行ったら手付金を支払い、残金は引き渡し時に決済します。一般的には住宅ローンに申し込みをし、残金の資金調達するケースがほとんど。事前審査で承認が下りていればスムーズにローン契約が進み、融資してもらうことができます。ただし注意しなければならないのが、住宅ローンが実行されるのは、一般的には建物の引き渡し時点であることです。注文住宅は土地代金を先に支払うケースが多く、土地と建物をセットでローンを組めないケースもあります。また建物の「施工費用」に関してはローンに含めることができず、通常は契約から引き渡しまでの間に一括、または数回に分けて支払う必要があります。このようにそれぞれの支払いのタイミングでお金を用意できない場合は「つなぎ融資」を検討しましょう。これは住宅ローン実行までの間につなぎで融資を受けられるサービスです。金融機関によって取り扱いが異なるため、必要な場合は事前にしっかり確認しておきましょう。【2つの住宅ローンのタイプ】住宅ローンについてもきちんと下調べをし、どのローンを選んで契約するか慎重に検討する必要があります。住宅ローンは主に「固定金利型」と「変動金利型」の2つです。それぞれの特徴を以下でチェックしましょう。・固定金利型借入から返済が終わるまで、金利がずっと変わらないタイプです。金融情勢によって金利が変わらないため、借入時に総返済額がいくらになるかを把握できます。そのため返済の計画を立てやすいことも大きなメリットです。低金利のときに借り入れを行えば、将来的に金利が上昇しても返済額は変わりません。逆に金利が高めの時期に契約してしまうと、低金利時代が訪れたときにその恩恵を受けられないといった懸念点もあります。借入から返済までずっと金利が変わらないものもあれば、固定金利の期間が限定されているタイプもあります。・変動金利型金利が途中で変わる可能性があるのが、変動金利型です。金利を半年ごとに見直し、そのときの経済状態によって金利が決まります。ただ仮に金利が上がったとしても、5年間は今までと同じ金額を返済します。6年目に返済額が見直されますが、基本的に前5年間の1.25倍以上の支払金額になることはありません。市場に合わせて金利が上がったり下がったりと不安定ではありますが、低金利のときはその恩恵を十分に受けられるといったメリットがあります。逆に金利が高いと返済額が増えるため、きちんと理解した上での契約が大切です。金融機関によって取り扱いに差があるため、どちらのタイプにするかを十分に考えた上で住宅ローン契約を行いましょう。自分たちのライフプランに合わせて選ぶのがおすすめですが、迷ってしまう場合は不動産会社や施工業者に相談してみるのもひとつの方法です。業者はたくさんの事例を見てきているため、「今契約するならこのタイプがおすすめ」と的確なアドバイスをもらうことができるでしょう。■おわりにいかがでしたか?注文住宅の購入を検討している場合は、こうした手順や段取りといった流れを把握しておくと、全体像が見えてスムーズに計画を進めることができます。事前に調べておくべきことを整理して、慎重に計画を進めていきましょう。
2017年05月12日警視庁の調べでは、平成27年度の住宅侵入窃盗被害は約46,000件でした。これは、1日あたり130件弱もの被害が発生している計算になります。被害にあった建物のうち最も多いのは一戸建て住宅であり、全体の41.6%を占めていました。では、狙われやすい家と狙われにくい家は何が違うのでしょうか?今回は最も被害件数の多い「一戸建て」に注目して、泥棒に狙われやすい家の特徴や防犯対策をご紹介します。■狙われやすい家の特徴とは?泥棒は高い確率で犯行前に住民や侵入経路などの下見をして、侵入しやすいかどうかを見極めています。では、泥棒に狙われやすい家とはどんな家でしょうか。まずはその特徴を知っておきましょう。【特徴その1】家の周りに高い塀や生け垣がある一見すると安全なようにも感じますが、高さのある塀や生け垣は見通しが悪く、泥棒にとっては身を隠すための恰好の目隠しとなる場合があります。生け垣の場合は見通しが良くなるよう剪定できますが、塀の場合は高さを変えることが難しいので、ライトや防犯カメラを設置すると良いでしょう。【特徴その2】ベランダの見通しが悪いベランダが2階にある場合でも、しゃがんで隠れることのできる高さの囲いがあれば人目を気にせずに侵入できるため、泥棒にとっては好都合です。ベランダの洗濯物にも身を隠すことができるので、洗濯物は長時間干したままにせず、できるだけ外からの見通しを良くしておきましょう。【特徴その3】隣家との間隔が狭い隣の家との間隔が狭いと、屋根や塀、植木などを伝って2階から侵入される場合もあります。2階だからと油断せずに、隣家と近い窓は忘れずに施錠しましょう。【特徴その4】足場になるものを置いている隣家との間隔が広くても、庭に脚立や足台などを置いていると足場として使われる場合があります。使わない脚立などは鍵のある倉庫や家の中に入れておくと安心です。【特徴その5】明かりが少なく、夜間は暗い明かりが無く暗い家は、泥棒にとって動きやすい環境であるといえます。表部分は明るくても、家の裏側に路地や駐車場がある場合はそこからの侵入も考えられるので、夜間に家の周囲をチェックしてライトの必要性を考えてみましょう。人が近付くと点灯する人感センサーライトなど、ホームセンターで比較的安く手に入るものもあるので、購入の際はライトの大きさや明るさなどを比べながら選んでください。【特徴その6】人目につきにくい場所にある人通りの少ない道沿いや奥まった路地に建っている場合など、人目に付かない場所は狙われやすい傾向にあります。見慣れない人がウロウロしていたり、庭先を覗きこむなどの怪しい動きを見せていたりする場合は、空き巣の下見に来ている場合もあるので警戒が必要です。また、日中と夜間では町並みの印象が変わる場合もあるので、日中に人通りがあるからといって安心しすぎないようにしましょう。【特徴その7】不在の時間がいつも決まっている生活パターンが決まっていて毎日同じ時間に留守にしている場合は、辺りを物色している泥棒に把握されてしまう可能性があります。タイマーを使って留守中にもテレビやライトが付くようにするなど、室内に人の気配を感じさせる工夫が効果的です。ここまで泥棒に狙われやすい家の特徴をご紹介しましたが、反対に泥棒に狙われにくい家の特徴としては、■見通しが良く死角が少ない■家の前や車庫に車がある■窓の位置が高く、数も少ない■警備会社のシールが貼ってある■人感センサーライトなど、夜間でも明かりがある上記などが挙げられます。ダミーの警備会社のシールを貼っている方もおられますが、ダミーだと明らかに分かる場合には、「警備会社の監視がない」という目印にもなってしまうので注意しましょう。■防犯対策は「玄関」から!玄関の防犯対策を知ろう侵入経路のうち、玄関からの侵入は全体の20%弱とされていますが、特殊な手口を使えば簡単に鍵を開けて侵入することができるので、玄関からの侵入を得意とする犯罪のプロがいるのも事実です。最も人の出入りのある場所なので、安全面には特にこだわりたいところでしょう。そこで次からは、玄関の防犯対策を見てみましょう。【対策その1】ワンドア・ツーロックにする1つのドアに2つ以上の鍵を付けることを「ワンドア・ツーロック」といいます。鍵を壊して侵入される場合が多いので、鍵を増やしておくのは防犯上とても重要だといえます。また、侵入手口として「ピッキング」と呼ばれる方法があります。ピッキングとは、細長い針金のようなものを鍵穴に差し込んで鍵を開ける方法であり、最近では鍵やドアそのものの防犯性が高まったことでピッキングによる侵入は減ってきているものの、未だ多くの被害が報告されています。このようなピッキング手口には、次のタイプの鍵が効果的です。いかがでしたか?泥棒に隙を見せないよう、日頃から家や周囲の防犯対策をしておくことが重要ですが、最も大切なのは住んでいる人の防犯意識です。「自分の家は大丈夫」と過信せず、泥棒の目線になって自宅を観察してみると今まで気付かなかった発見があるかもしれません。今回ご紹介した対策方法を参考に、「泥棒に狙われにくい家」を目指してください。■ディンプルシリンダー錠表面に小さなくぼみが多数あるタイプの鍵です。表面にある複雑なくぼみと、シリンダー内部のピンが噛みあって開錠する仕組みになっています。■マグネットシリンダー錠「電子キー」とも呼ばれ、鍵に埋め込まれた磁石とシリンダー内部の磁石が反応することで開錠する仕組みです。ピッキング手口に強いといわれていますが、長期間の使用により磁石の磁力が弱まるというデメリットがあるので、使用の際には定期的なメンテナンスが必要です。【対策その2】ドアのこじ開け防止グッズを活用するしっかりと施錠をしていても、鍵を壊したりドアをこじ開けたりして侵入される可能性もあります。そのような場合に備えて、以下ではホームセンターなどで手に入る防犯グッズをご紹介します。■サムターン回し防止カバーサムターン回しとは鍵の近くにドリルで穴を開けたり、ドアに付いている新聞受けやドアポケットの隙間に針金などを差し込み、室内側の鍵のつまみを回したりして開錠する手口です。そこでドアの内側の鍵部分に筒状のカバーを被せ、針金が触れるのを防ぎます。市販のカバーもありますが、ペットボトルの上部と底を切って筒状にし、鍵部分に被せてガムテープで固定するなどの方法で簡単に作ることもできます。■ガードプレートドアとドア枠の間の隙間を塞ぐためのプレートであり、隙間にバールを差し込んでドアをこじ開けるのを防ぎます。商品によって差がありますが、ドアの上部から下部までを覆うサイズが主流です。また、ガードプレートは上記でご紹介したサムターン回しも防ぐことができます。【対策その3】表札に家族全員の名前を出さない表札に家族全員分の名前が出ていると、それを元に家族構成だけでなく生活パターンなど様々な情報を読み取ることができるので、詐欺や個人情報の悪用など空き巣以外の被害に遭うリスクも高まります。そのため、表札には名字のみ出しておくのが良いでしょう。最近では漢字表記の情報を与えないという目的で、ローマ字の表札を選ぶ方も増えているようです。■侵入経路の多くは「窓」!窓の防犯対策を知ろうご自分の家のどこにどのような窓が付いているか、しっかりと把握できていますか?一戸建て住宅が遭う侵入被害では窓からの侵入が約60%と、侵入口の半数以上の割合を占めています。泥棒に狙われやすい窓としては、■足場の近くにある窓■トイレや浴室の高窓■道路や隣家から遠く、見通しが悪い窓■雨戸やシャッター、格子などがついていない窓■塀や植木で死角になっている窓■2階のベランダの窓上記などが挙げられます。侵入手口は窓ガラスを割る方法が全体の40%近くを占めており、ほかにも格子のネジやボルトを外して侵入したり、施錠忘れの窓から侵入したりするなどその手口は様々です。トイレや浴室、納戸などの高窓なら大丈夫だろうと施錠しない方も見られますが、これらの窓は道路や表から死角になっていることが多く、近くに足場となるものがあれば比較的簡単に侵入できるため狙われやすい窓であるといえます。外出時はもちろん、家の中に居る時でも長時間離れる場合は施錠しておくと安心です。それでは、以下で窓の防犯対策を見てみましょう。【対策その1】ワンドア・ツーロックにする玄関と同じく、1つの窓に対して2つ以上の鍵をつける「ワンドア・ツーロック」は防犯の基本です。後付けタイプの簡易ロックを取り扱っているホームセンターも多いので、用意しておくと安心です。【対策その2】カーテンを閉め切ったままにしないカーテンをいつも閉め切ったままにしていると、留守だと思われて泥棒に狙われる可能性があります。人の気配を感じさせるために時々カーテンを開けたり、目隠しになるレースカーテンなどを付けたりすると良いでしょう。また、カーテンは外からの光を反射して室内を見えにくくするミラータイプのものや、室内の光や影を外にもらしにくい遮光タイプのものが効果的です。【対策その3】窓の近くに足場になるものを置かない植木、脚立など、侵入時の足場になりそうなものは置かないようにしましょう。また、塀や電柱などが窓の近くにないか、今一度確認しておくも大切です。隣家の屋根の軒(のき)が近い場合も、屋根から飛び移って侵入される可能性があるので要注意です。【対策その4】防犯フィルム、格子などを利用する泥棒が犯行にかかる時間は、侵入から物色までわずか10分以内だといわれており、侵入時に時間がかかると犯行を諦める傾向にあります。侵入にかかる時間は3分程度なので、防犯フィルムや格子によってその時間を稼げれば、侵入を防げる可能性も高まります。■長期間の不在時は、特に念入りに防犯対策を!連休を利用した旅行や帰省など、長期間留守にする場合は特に念入りに防犯対策をしておきたいところです。出発前の施錠確認はもちろんですが、ほかにもできる対策は多く見られます。それでは、旅行中にしておきたい防犯対策を見てみましょう。【対策その1】プログラムタイマーを使う時間を設定しておけば留守中でも自動的にライトやテレビなど、電化製品のスイッチをオンにしてくれるプログラムタイマーを使うと、室内に人がいるように見えるので防犯になります。今までは決まった時間に作動するタイプが主流でしたが、最近は時間を固定せずランダムに設定できる商品も見られます。【対策その2】郵便物をポストにためないポストに新聞や郵便物がたまっていると、一目で不在だと分かってしまいます。留守中は新聞の配達を止めてもらったり、信頼できる家族や知人に郵便物を保管してもらったりするなど、ポストの中に郵便物をためないよう気をつけましょう。【対策その3】留守にする期間などをSNSに書き込まないSNSで旅行の行き先やスケジュールを公開すると、その情報がきっかけで留守中に侵入される場合があります。不在であると分かるような内容の投稿はしないことがベストですが、どうしても投稿したい場合にはロック付きの記事にしたり、特定の相手にしか表示されないよう設定したりするようにしましょう。また、旅行の行き先を書いていなくても、投稿した写真から居場所やおよその不在期間が想像できる場合もあるので、SNSに書き込む際は十分に気をつけましょう。【対策その4】家の周りを片付けておく脚立など侵入に使われそうなもののほか、ゴミなども片付けておきましょう。庭先など家の周りにゴミを置かないことで、侵入被害だけでなく留守中の放火や野鳥の被害なども防ぐことができます。植木が茂っている場合には、選定して見通しを良くしておくのも良いでしょう。【対策その5】留守番電話の応答メッセージにひと工夫留守番電話に「○○へ出かけています。○日に帰ります」などのメッセージを設定している方もおられますが、その期間は留守だということが明らかなのでとても危険です。応答メッセージには行き先や日程を録音しないようにしましょう。留守中にかかってきた電話は、携帯電話やスマートフォンに転送されるよう設定しておくと、外出先から応答ができるので便利です。【対策その6】洗濯物は取り込んでおくたとえ数日の旅行であっても洗濯物が干したままになっていると、侵入できそうな住宅を物色している泥棒に、留守だと悟られてしまう可能性があります。また、急な天候の変化のためにも洗濯物は取り込んでおくのが良いでしょう。■まとめいかがでしたか?泥棒に隙を見せないよう、日頃から家や周囲の防犯対策をしておくことが重要ですが、最も大切なのは住んでいる人の防犯意識です。「自分の家は大丈夫」と過信せず、泥棒の目線になって自宅を観察してみると今まで気付かなかった発見があるかもしれません。今回ご紹介した対策方法を参考に、「泥棒に狙われにくい家」を目指してください。
2017年03月27日「交渉して家賃を安くできた!」という話を聞いたことがありますよね。部屋探しをしているときには、つい不動産会社の提示する条件をすべて飲んでしまいがちですが、実はその必要はありません。情報収集をして積極的に家賃の値下げ交渉をしてみましょう。今回は賃貸物件の家賃交渉を成功させるコツをご紹介します。家賃、礼金……どの項目なら交渉できる?家賃交渉を行う前に、どの項目なら値下げ交渉できるか、逆にどの項目だと交渉が難しいかを知っておきましょう。【家賃】家賃は値下げ交渉が可能です。ただし、同じマンションやアパートを借りているほかの人の家賃との兼ね合いから、値下げできないこともあります。「ほとんど同じ条件なのに、どうしてこの人だけ家賃が安いのか」というクレームがつくもとになってしまうからです。そこで、家賃の値下げ交渉が難しい場合は、前家賃の値下げ交渉をするとよいでしょう。月の途中で入居する場合、その月の家賃は1か月分の家賃を日割り計算して算出します。たとえば家賃54,000円の物件に20日から入居する場合の家賃は以下のとおりです。54,000円÷30日=1,800円(1日分の家賃)1,800×10日=18,000円(その月の家賃)この前家賃18,000円分は、交渉によってフリーレントを狙えます。大家さんの負担も低めであることから、フリーレントについては対応してもらえることも多い傾向にあります。ぜひ試してみましょう。【敷金】敷金とは、退去する際のクリーニング代のもとになるお金です。退去時、部屋がきれいな状態であれば、最低限のクリーニング代を差し引いて、敷金の一部は戻ってきます。このように「預かり金」の性質を持つことから、敷金は値下げ交渉が難しいでしょう。【礼金】礼金は、交渉によって値下げが可能です。家賃は大家さんの毎月の収入源となるお金であり、大家さんとしてはできるだけ減らしてくない部分だといえます。一方礼金は入居の際1回だけ支払うお金ですから、妥協してもらうことも十分可能です。家賃の値下げができそうにない場合は礼金を交渉しましょう。【管理費(共益費)】廊下やエントランス、階段といった共用部分の清掃費・修繕費にあてられる管理費(共益費)は、場合によっては交渉できることがあります。ただし、共有部分の管理が管理会社に委託されている場合は、管理費はそのまま管理会社に受け渡されるため、交渉しても値下げしてもらえません。【駐車場代】駐車場代の交渉は難しいと考えてよいでしょう。特に都心などは自宅に近い駐車場の需要が高いため、値下げは難しいのが現状です。【仲介手数料】契約の際に不動産会社に支払う仲介手数料は、交渉が難しいと考えましょう。不動産会社の収入源であるため、特に死守したいと思われている部分です。もし仲介手数料を交渉して心証を悪くしてしまうと、不動産会社との関係が悪くなってしまう可能性があります。仲介手数料が家賃の半額などといった不動産会社もありますので、仲介手数料を安く抑えたい場合はそのような不動産会社を利用するとよいでしょう。【その他】金銭的な交渉が難しい場合は、リフォームなどの付加価値をつける交渉をするのも手です。たとえばエアコンをつける、キッチンを電気コンロからIHクッキングヒーターに変える、バランス釜をシャワーつきのお風呂にする、畳をフローリングにする、トイレを温水洗浄便座にする、などのリフォームが考えられます。築10年くらいの物件であれば、大家さん側がちょうどリフォームを考えるタイミングと重なりますので、狙ってみるとよいでしょう。家賃交渉のタイミングはいつがいい?家賃交渉は、契約の意思をはっきり決めたあと、申し込みの直前に行いましょう。「ぜひこのお部屋に決めたいと思うのですが、駅から遠いことが少しネックです。家賃をあと2,000円下げてもらえればこの部屋に決めたいと思うのですが、大家さんに交渉していただけませんでしょうか」のように交渉します。このとき、契約の意思がはっきりしていることと、値下げ額を明確に提示することがポイントです。そうすれば、不動産会社が大家さんに「このまま空室にしておくよりも、家賃を下げてこのお客さんに入居してもらったほうがいいのではないか」と交渉してくれます。なお値下げ額は、まず家賃の10%を目安に提案してみましょう。たとえば50,000円の物件であれば、45,000円くらいまで下げてもらえるよう言ってみてください。難しい場合はそれより値下げ額が少なくなってしまうこともありますが、非現実的な額ではないため、真剣に検討してくれるはずです。家賃交渉する前にしておきたい情報収集説得力のある家賃交渉をするためには、事前に情報収集をしておくことが大切です。以下で、集めておきたい情報をご紹介しましょう。【相場を知る】目当ての物件の周辺にあるほかの物件と比較して、その家賃が高いのか安いのかを把握しましょう。比較する際には、1平方メートル当たりの賃料を出す方法が有効です。その物件の賃料を、専有面積で割って算出します。たとえば家賃42,000円で専有面積が23平方メートルの物件であれば、平方メートル当たりの賃料は以下のとおりです。42,000円÷23平方メートル≒1,826円この1平方メートル当たり賃料を、周辺の複数の物件についてインターネットや情報誌を使って計算し、一覧表にしましょう。このとき、広さや間取り、築年数、向き、階数などの条件が、目当ての物件と近いものと比べるのがポイントです。もし希望の物件が相場より高ければ、値下げ交渉のベストな材料となるでしょう。【ブランドエリアを把握しておく】「住みたい街ランキング」のようなランキングで上位にいるようなエリアは需要が高く売り手市場であるため、家賃交渉の際には注意が必要です。ネガティブなポイントが多い物件でも、ブランドエリアにあることだけでメリットがあるとされていることが多く、家賃交渉が難しい可能性があります。たとえばランキング上位のブランドエリアには、関東であれば恵比寿、吉祥寺、横浜、自由が丘などがあります。家賃交渉をしようと思う場合は、目当ての物件がブランドエリアにかぶっていないかどうかを確認したほうがよいでしょう。【大家さんや管理会社を調べる】目当ての物件が「自社物件」または「管理物件」であるかも調べておくと便利です。自社物件とは、不動産会社が保有している物件、つまり不動産会社が「大家さん」である物件のことです。また管理物件は、不動産会社がそのアパートやマンションの管理を請け負っている物件のことを指します。これらの物件は、貸主や管理会社との距離が近いため、家賃交渉をしやすい点がメリットです。自社物件の場合は、物件の広告にある「取引態様」の欄をチェックしましょう「取引態様:貸主」と書いてあれば、その物件は自社物件です。管理物件の場合は、その建物に管理会社を表す看板があるため、それを見て確認できます。物件の住所がわからず実際に見て確かめられない場合は、不動産会社に行ったときの対応に注目してみてください。「この物件はありますか?」と尋ねたとき、すぐ返答があればその不動産会社が管理している物件である可能性が高いといえます。一方、他の不動産会社に電話などで問い合わせているようであれば、その不動産会社の管理物件である可能性は低いでしょう。【ネガティブなポイントをピックアップしておく】たとえば、駅から遠いといったことは下調べの段階からわかるネガティブポイントですが、このほか、内覧の際にわかったネガティブポイントについてもピックアップしておきましょう。たとえば日当たりや風通しはどうか、隣接した建物はどうか、設備の古さはどうか、などといったことをチェックします。具体的な交渉材料があったほうが交渉もスムーズに進みやすいため、家賃相場同様一覧表にしてみるのもよいでしょう。家賃交渉しやすい物件はある?新築物件やペット可の物件、デザイナーズ物件など付加価値がついた物件は、家賃交渉がしづらい傾向にあります。ではどのような物件であれば家賃交渉しやすいのでしょうか。以下で見ていきましょう。【築年数が古い】築年数の古い物件は内装や外装が劣化していたり、設備も最新のものでなかったりすることから、需要が低いのが一般的です。需要が低いということは、大家さんが「なんとか入居者に来てほしい」と思っているということですから、家賃の値下げに応じてくれる可能性があります。【長期間空いている部屋】長期間空き部屋になっている部屋については、家賃を収入源としている大家さんも入居者を切望しています。したがってこのような部屋も家賃交渉しやすいといえるでしょう。【駅から遠い】駅から遠いことは、値下げ交渉の材料になる物件のマイナスポイントのひとつです。家賃を安く抑えたいという人はあえて駅から遠い物件を選んでみるのも手でしょう。「家賃は安くしたいけれど駅から交通の便が悪いのはちょっと困る」という人は、バス停の近い物件を当たるのも有効な方法です。【1階】1階の物件のなかでも、特にベランダや窓が道路に面している部屋は、防犯上の理由から敬遠される傾向にあります。「敬遠されがち」ということは家賃交渉のチャンスです。【敷金・礼金が低めの部屋】敷金・礼金がゼロの物件はそれだけでもお得ですが、さらに家賃を下げられる可能性があります。これは大家さんが「とにかく早く入居者に来てもらいたい」と思って敷金・礼金を下げている可能性が高いためです。そのような大家さんに対しては、値下げ交渉もしやすいといえます。【自社物件・管理物件】先述したとおり、不動産会社の自社物件や管理物件は、値下げ交渉がしやすい傾向にあります。自社物件の場合は、「大家さん」である不動産会社との直接家賃の交渉ができる点がポイントです。また管理物件の場合も大家さんとの距離が近いため、交渉がしやすい傾向にあります。【その他ネガティブなポイントがある部屋】駅から遠い、1階であるということ以外にも、隣接した建物との距離が狭すぎる、設備が古い、日当たりが悪い、5階なのに階段しかない、洗濯機が屋外置き、といったネガティブなポイントがある物件は、値下げ交渉がしやすいといえます。完璧な物件というものはありませんので、注意深く物件をチェックしてどこかネガティブなポイントを見つけ、交渉の材料にするのもよいでしょう。家賃交渉しやすい時期は?家賃交渉はしやすい時期としづらい時期があります。まず繁忙期である2月、3月は避けましょう。「家賃が高くても入居者が来る」という売り手市場の時期は家賃交渉に向いていません。繁忙期が過ぎた4月~6月ごろから家賃交渉ができるようになってきます。繁忙期に空室が埋まらなかった大家さんや不動産会社が「このまま来年の繁忙期まで1年間空室になるかもしれない」と焦るためです。そのためこの時期は「なんとかして空室をなくそう」という思いから、大家さんも値下げ交渉に応じてくれやすくなっているといえるでしょう。また古い物件のリフォームもこの時期にあわせて行われることが多いようです。7月~8月の閑散期は、値下げ交渉にもっとも適しています。大家さんはなんとかして入居者に来てもらいたいと思っているため、場合によっては5,000円~10,000円の値下げも可能だといわれています。不動産会社も時間に余裕があるため、丁寧に対応してくれるでしょう。まとめ今回は、賃貸物件の家賃交渉のコツについてまとめてご紹介しました。家賃は毎月の出費ですから、できるだけ抑えたいものですよね。少し勇気がいるかもしれませんが、タイミングや交渉しやすい条件などを活かして、ぜひ家賃交渉にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
2017年03月27日一人暮らしの家賃はどの程度を目安にすればよいのでしょうか。これから一人暮らしを始めようとしている人はもちろん、すでに一人暮らしをしていて家計を見直したいと思っている人にとっても気になるところですよね。今回は、一人暮らしの家賃の目安について解説します。一人暮らしの平均家賃は?一人暮らしの平均家賃についてはさまざまな調査結果があります。以下で見てみましょう。【首都圏・関西・東海エリアにおける一人暮らしの平均家賃】調査によると、首都圏、関西および東海エリアに住む20代の一人暮らしの家賃は、平均で65,723円となっています。ただしこの数値には地域差があるのも実情です。首都圏の平均家賃は70,414円である一方、関西エリアの平均家賃は58,705円、東海は54,388円となっています。首都圏の平均家賃が高いのは、地価と比例した結果だといえるでしょう。したがって地価が低めであるほかの地域については、関西・東海エリアよりもさらに平均家賃が低めだと考えてもいいかもしれません。なお内訳を見てみると、一番割合が多かったのが60,000円台で28.7%、次いで50,000円台で26.3%、そして70,000円台が15.8%となっています。【学生の一人暮らしの平均家賃】社会人と学生でも家賃の平均は異なります。首都圏の学生に対して行った別の調査によると、新入生の平均家賃は56,551円となっています。社会人も含めた首都圏の平均家賃と比べると20,000円程度の開きがあるという結果です。【一人暮らしの部屋の間取りと広さ】家賃額を決める要因のひとつに、部屋の間取りと広さがあります。調査によると、首都圏・関西・東海エリアにおける一人暮らしの部屋の専有面積は、平均27.4平方メートルという結果です。エリア別に見ると、首都圏の平均は26.8平方メートルである一方、関西は29.3平方メートル、東海が28.0平方メートルという結果で、首都圏の一人暮らしのほうが部屋が狭い傾向にあるといえます。また間取りについては、50%以上が1Kという回答をしています。次いでワンルームが17.3%、1DKが11.2%です。以上を踏まえると、20代一人暮らしの部屋の平均像は、キッチン+7~8畳程度だといえるでしょう。【一人暮らしの間取りと家賃相場】ワンルームは、キッチンとリビングのあいだに仕切りがない間取りのことを指します。ワンルームの物件でも風呂とトイレが別だったり、収納が充実していたりする部屋もあるのが最近の特徴です。安い家賃でも幅広く選べるといえるでしょう。先述の調査でもっとも割合の高かった1Kは、キッチンとリビングのあいだに仕切りがあり、4.5畳未満のキッチンスペースがある間取りです。目安としては、専有面積が20平方メートル未満であればユニットバスでリビングは6畳前後、専有面積が20~25平方メートル未満であれば風呂・トイレ別でリビングが8畳程度、専有面積が25平方メートル以上であればさらにキッチンにも2畳ほどの広さが確保できる程度だと考えられます。1DKは、キッチンとリビングのあいだに仕切りがあり、4.5畳以上のダイニング・キッチンスペースがある間取りです。とはいえ、たとえば専有面積が25平方メートル程度だと、DK部分には小さなテーブルがギリギリ置けるくらいで、あまりダイニングという感じはしないかもしれません。一方で専有面積が40平方メートル以上ある1DKであれば、風呂・トイレなどの水回りとダイニングのあいだに仕切りがある物件もあり、余裕を持って食事や料理ができるでしょう。東京都におけるワンルーム、1K、1DKの間取りの家賃相場は、市部では46,000円~60,000円程度となっています。23区では幅があり、60,000円~120,000円程度です。大阪府におけるこれらの間取りの家賃相場は、最高が大阪市西区で68,000円、最低が河内長野市で34,500円程度です。地域によって差はありますが、東京ほどではないといえます。愛知県におけるこれらの間取りの家賃相場は、最高が名古屋市東区で64,000円、最低が瀬戸市で34,000円程度となっています。大阪よりもさらに家賃の地域差が小さい傾向にあるといえるでしょう。家賃上限は「手取り額の30%程度」が目安これから一人暮らしを始めようとする人は、どのくらいの家賃の部屋を選べばいいのでしょうか。以下で目安の算出方法について解説しましょう。【収入別、家賃上限の計算の仕方】一般的に、一人暮らしの家賃の目安は「月の手取り額の30%程度が上限」といわれています。たとえば月収が手取りで200,000円の場合、家賃上限は以下のように計算します。200,000円×0.3=60,000円つまり、家賃は50,000円台~60,000円であれば安心だといえるでしょう。このとき、社会保険料などを差し引いた手取り額で計算するのがポイントです。また管理費や共益費も含めて計算すると、負担感がよりはっきりわかります。なお首都圏・関西・東海エリアで20代の一人暮らしについて調査した結果によると、年収は2,000,000~3,000,000円未満が30.6%、3,000,000~4,000,000円未満が27.8%となっています。つまり月収に換算すると170,000円~330,000円程度です。平均家賃は先述のとおり65,723円ですから、65,723円÷0.3≒219,077円という計算になり、だいたい月収の30%の範囲内に収まっていることがわかります。ただし必ずしも30%が上限というようにはいかないこともあります。たとえば月収が120,000円の場合、家賃上限は以下のように計算します。120,000円×0.3=36,000円首都圏などで家賃が30,000円台の物件を探すのはなかなか大変でしょう。生活費との兼ね合いを考えながら、家賃を30%より高く見積もらなければなりません。上記の例の場合、単純に計算して、120,000円-36,000円=84,000円が生活費になります。この生活費をたとえば4,000円削れば、40,000円の部屋に住める計算になります。逆に生活費がもっとかかるといった場合には、家賃を30%よりも低く見積もる必要があるでしょう。以下は月収ごとの家賃の目安です。参考にしてみてください。・月収120,000~150,000円まで:家賃40,000~50,000円・月収150,000円~200,000円まで:家賃50,000~60,000円・月収200,000円~300,000円まで:家賃60,000~80,000円・月収300,000円以上:家賃80,000~100,000円【家賃が高いなと思ったら】すでに一人暮らしをしている人が、「月収の30%」以上の家賃を払っている場合は、少し高めの印象です。その場合は、家賃の低い部屋に引っ越すのもひとつの手でしょう。引っ越しには費用がかかりますが、長期間住むのであれば、引っ越したほうが節約になることもあります。また数千円程度家賃を下げたいと思うのであれば、家賃交渉をして家賃を下げてもらうことも可能です。交渉は契約更新時に行います。特に同じ建物内に空室が複数あるタイミングは、大家さんも「これ以上退居してほしくないな」と思っているため交渉のチャンスです。ただし契約更新時が2月~3月の繁忙期にあたる場合は、大家さんとあいだで仲介してくれる不動産会社があまり時間を割けないため、家賃交渉が難しい可能性があります。家賃交渉をする際は、」まずインターネットなどで、周囲にある似た条件のほかの物件と家賃を比較して、家賃交渉できる材料を集めましょう。そして「更新したいのだけれど、現在の家賃だとこのまま住み続けられるかどうかが厳しく、引っ越さなければならなくなります。近隣の似たような物件と同じくらいになるように、家賃を3,000円下げてくれたら、更新してまた2年住みますので、お願いできませんでしょうか」というように、更新の意思をはっきり伝えながら交渉するようにしてください。毎月の生活費はどれくらい?理想的な割合をチェックしよう総務省が実施している「家計調査」(2016年1月~3月)によると、34歳までの単身世帯における各生活費の男女平均は以下のとおりです。【食費】食費は月48,832円が平均となっています。食費には、コーヒーなどの嗜好品代、酒代や外食代も含まれる点に注意しましょう。【光熱費】光熱費の平均は6,405円です。内訳は、ガス代約2,000円、電気代約3,000円、水道代約1,300円となっています。なお水道代は2か月に1回の請求であることが一般的です。【家具・家事】日用品などの家事用消耗品にかかる費用は、月2,657円が平均です。【被服】服や靴などの購入にかかる費用平均は、月10,336となっています。【保健医療】保健医療費の月平均は5,769円です。病院での医療費のほか、ドラッグストアなどで買った薬の代金なども含まれます。【交通】交通費は月9,155円が平均です。【通信】通信費の月平均は7,414円となっています。携帯電話代、インターネット代のほか、NHK受信料が含まる点も覚えておくとよいでしょう。【娯楽】娯楽費の月平均は、22,504円となっています。本やCDを買うお金のほか、コンサートなどレジャーに使うお金が娯楽費に含まれます。なお旅行の際に使うお金も娯楽費です。【交際費】交際費は月14,268が平均です。会社の飲み会の参加費、友だちの結婚式のご祝儀などがこの交際費にあたります。【理想的な生活費の割合】以上を合計すると、生活費の合計は127,340円です。手取り200,000円で十分収まる額だといえますよね。上記の平均額を踏まえると、手取りが月200,000円だとした場合、理想的な生活費の割合は以下のようになります。・家賃60,000円(30%)・食費50,000円(25%)・光熱費6,000円(3%)・家具・家事2,000円(1%)・被服10,000円(5%)・保健医療6,000円(3%)・交通10,000円(5%)・通信8,000円(4%)・娯楽22,000円(11%)・交際費14,000円(7%)・その他12,000円(6%)「その他」は、急な出費に備えての貯金です。手元にお金が残っていても無駄遣いせず、計画的にお金を使うよう心がけるとよいでしょう。【生活費を抑えるには】家賃は高いと感じるけど、引っ越すわけにはいかない、という場合は、生活費を削る方法を考えましょう。食費は、外食や弁当、お惣菜をできるだけ減らし、自炊を増やすことで抑えられます。また自炊をする際にも、スーパーの安売りのタイミングを活かしたり、安い食材を選んだりして工夫しましょう。安い食材には、豆腐やもやし、卵、鶏むね肉、キャベツなどが挙げられます。光熱費はなかなか減らすのが難しい項目ですが、ちょっとした無駄遣いをなくすことで節約できます。たとえば電気代であれば、電源タップを使って待機電力を節約する、電気はこまめに消す、冷蔵庫は余裕を持って入れ、なるべく開け閉めしない、などの対策で節約してみましょう。ガス代の節約には、追い炊きをしない、鍋を沸かすときに底の水気をきちんと切るなどの対策が必要です。また水道代を節約したい場合は、風呂の水を洗濯に使うなどの工夫をしてみましょう。被服費はセール期間を上手に利用しましょう。また古着屋などのリサイクルショップを利用するのも有効な方法です。通信費が高いという場合には、携帯電話のプランやインターネットのプランを見直してみてはいかがでしょうか。インターネットであれば、速度がそれほど必要なければ、かなり安い値段のプランを選択できることもあります。またインターネット接続料金が家賃に含まれている物件もあるため、探してみてもいいかもしれません。携帯電話については、格安SIMを利用する人も増えてきています。検討してみてもよいでしょう。娯楽費はもっとも融通の利く項目です。過去数か月間の実績から平均の出費を計算し、そこから無理のない範囲で少しずつ節約してみてください。まとめ今回は、一人暮らしの家賃の平均や目安について、ほかの生活費との兼ね合いもあわせて解説しました。これから新生活を始める人は、部屋を決める際の参考にしてみてください。また一人暮らしをしている人も、これをきっかけに家計簿をつけるなどして、家計を見直してみてはいかがでしょうか。
2017年03月27日住宅ローンは多くの人にとって初めてのローンです。審査に通るかが不安ですよね。なかなか通らずに苦戦している人もいるかもしれません。今回は住宅ローン審査について、基準や項目を中心に、審査に通りやすくするためのポイントも含めてご紹介します。■住宅ローン審査の基準・項目住宅ローン審査ではどのような基準や項目が見られているのでしょうか。国土交通省が行った「平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査」では、日本全国の金融機関を対象に、「融資を行う際に考慮する項目」について質問しています。以下は、同調査に対して回答のあった1,407の金融機関のうち、50%以上が「融資を行う際に考慮する」としている項目です。それぞれ解説していきましょう。【完済時年齢・借入時年齢】年齢に関する審査基準については、借入時の年齢が20歳以上65歳未満かつ完済時の年齢が80歳未満、というケースが一般的です。ただし、上記の基準を満たしていれば必ずしも容易に借入できるというわけではありません。たとえば50歳で、返済期間30年のローンを申し込もうとした場合、ほとんどの返済期間が定年後に当たることになり、審査に通りにくくなることが考えられます。返済期間を短くするなどして対処しなければならないこともあるため注意しましょう。【返済負担率・年収】収入に関する基準については、年収そのものよりも返済負担率を見られます。返済負担率とは、1年間の住宅ローン返済額を年収で割った数値のことです。返済負担率の数値が低いほうが返済の負担が軽いことを意味しますので、金融機関は「安心して貸し出せる」ということになります。具体的な返済負担率の基準としては、多くの場合、年収によって25~35%以内に定められています。たとえばある銀行では、年収2,500,000円未満の場合は返済負担率25%以下、年収2,500,000円以上4,000,000円未満の場合は返済負担率30%以下、年収4,000,000円以上の場合は返済負担率35%以下で貸出する、という基準が設けられています。収入が高いから安心、ということではなく、返済期間や借入額との関係もよく考慮してローンの組み立てを考えましょう。【勤続年数と雇用形態】就業状況については、安定して継続的に収入があることが証明できるかがポイントです。雇用形態については一般的に、会社員より公務員、自営業より会社員のほうが「安定している」とみなされる傾向にあります。派遣社員や契約社員は融資対象外とすることが多いようです。また会社のなかでも、中小企業より大企業に勤めているほうが、金融機関の安心度は高めです。勤続年数は長いほど審査に有利になります。基準としては、勤続年数1年以上としている金融機関が多くみられます。3年以上であればより安心でしょう。たとえば大企業に勤めていてもさまざまな会社を転々としている場合は、中小企業で長期間務めている場合よりも審査で不利になる可能性があります。なお自営業の場合も、事業継続年数3年以上が目安です。【健康状態】健康状態は、住宅ローン借入の際に条件となる団体信用生命保険(団信)の加入とかかわっています。団信とは、住宅ローンの返済中に、ローンの契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を支払う制度です。団信は生命保険であるため、健康状態が悪いと加入できないことがあります。たとえばがんや糖尿病、高血圧、肝炎である場合や、精神系の病気で通院している場合などは団信への加入が困難です。もし健康状態に不安のある場合は、引受条件緩和型の団信(ワイド団信)を取り扱っている金融機関を当たってみましょう。通常より金利は高くなりますが、病気を持っていても一定範囲内で加入できることがあります。さらに一部ですが、住宅ローンの借入に団信の加入が不要な金融機関もあります。このような金融機関の住宅ローンの場合は、連帯保証人が必要だったり、既存の生命保険でカバーする必要があったりします。なお夫婦で住宅ローンを組む場合は、健康状態の良好なほうの名義でローン審査を出す方法も有効です。【融資率】融資率とは、購入を予定している住宅の価格に対する借入金の割合です。融資率が少ないほうが頭金が多いということですから、審査では有利になります。融資率80%未満がひとつの目安になるでしょう。【カードローンなどの他の債務の状況や返済履歴】カードローンや自動車ローンなど他の借金がある場合は、審査で不利になる可能性があります。これは、先述した基準のひとつである返済負担率が、住宅ローンだけでなくほかの借入に対する返済額も合わせて計算されるためです。借入額が減らされてしまうこともあるため、他のローンはすべて返済してから住宅ローンを組むようにしましょう。またカードローンや自動車ローンなどで返済が滞った履歴があった場合も審査で不利になります。さらに各種ローンだけでなく、クレジットカードや公共料金、家賃、奨学金の支払い遅延・未払いの履歴もチェックされます。なおDVDやCDをレンタルした際の返却の遅延などについても履歴に残るため、小さなことでも注意が必要です。【国籍】多くの金融機関では、「日本国籍を持っていること」もしくは「日本の永住権を持っていること」が住宅ローン借入者の条件となっています。もし永住権を持っていなくても、日本人である配偶者が連帯保証人になれば、住宅ローンを借入れられることがあります。その場合、在留期間や日本での勤続年数などの条件が付加されることが一般的です。【金融機関の営業エリア】地方銀行の場合、その銀行の営業エリア内に居住していること、あるいは勤務地があることが住宅ローン審査の条件になることがあります。地方銀行でローンを組む場合は、居住地や勤務地が営業エリアに含まれている銀行を選びましょう。なお、全国展開の銀行に住宅ローンを申し込めばこの心配はありません。【連帯保証】住宅ローンの場合、基本的には連帯保証人は不要で、信用保証会社を利用することが一般的です。ただし、以下の場合は連帯保証人を求められることがありますので、万が一のときのために準備をしておきましょう。・夫婦などで収入合算をする場合・土地や建物が共有名義の場合(共有者が連帯債務者)・ペアローン、親子リレーローンなど複数の債務者形式となる場合・親名義の土地に住宅を建てる場合・自営業者の場合・審査の内容がよくない場合【担保評価】以上の借入者に関する条件のほか、購入する住宅の評価も住宅ローン借入の条件になります。これは、購入予定である不動産が住宅ローンの担保になるためです。住宅ローンを借入れた際、金融機関はその土地と建物に抵当権を設定します。それによって、万が一ローン借入者が支払いをできなくなっても、金融機関は貸出分を回収できる仕組みです。このため、その土地や建物を売ったときの価値、つまり担保評価が住宅ローン借入の条件として重要になります。担保評価額以上の借入を申し込んでしまうと、審査に通るのが困難になるでしょう。担保額は、築年数や土地・建物の面積、立地などによって決まります。たとえば中古物件の場合、築年数が20年以上になると、担保としてほとんど評価されなくなってしまうこともあります。また施工会社も担保評価にかかわることがあるため注意が必要です。大手住宅メーカーに施行を頼んだ場合と、無名の工務店などに施行を頼んだ場合では、前者のほうが審査で有利になる可能性があります。さらに権利状況や法規上の問題についても注意しておきましょう。住宅ローンの借入者が必ずしも物件の保有者と一致するとは限らないため、物件を購入した場合の名義が誰になるのかははっきりさせておく必要があります。また中古物件の場合は、現行の建築基準法や都市計画法の規制に抵触しないかどうかチェックしておきましょう。■住宅ローン審査にかかる日数は?住宅ローン審査にかかる日数は、事前審査に1日~1週間程度、本審査に3~10日程度であることが一般的です。ただし、先述した審査項目に照らし合わせて、金融機関側に疑問が出てきた場合は審査が長引くことがあります。その際には追加の書類を求められることもあるため心づもりをしておきましょう。追加提出を求められる書類には、国民健康保険の支払証明書や、預金通帳残高などがあります。もし審査項目に対して不安な要素がある場合は、引っかかりそうな項目に関する書類を事前に添付したり、説明書きをつけたりするとよいでしょう。なお審査が遅れているからといって審査に落ちるとは限りません。審査が長引いているのはむしろ審査が進んでいる証拠です。落ち着いて審査が終わるのを待ちましょう。■仮審査(事前審査)と本審査の違い仮審査(事前審査)は、購入予定の物件価格や工事請負金額が決まってきたタイミングで、銀行などの金融機関が行う審査のことをいいます。これに対して本審査とは、事前審査終了後に、信用保証会社がさらに詳細に行う審査のことです。事前審査を受けずに本審査、ということはできません。なお「仮」審査という名前はついていますが、仮審査もちゃんとした住宅ローン審査プロセスのひとつです。したがって、「どこの審査に受かるかわからないから、とにかくたくさんの銀行に申し込んでみよう」というのはよくありません。たとえばA銀行とB銀行に仮審査を申し込んだ場合、A銀行の住宅ローン審査に出したという履歴はB銀行で参照されます。すると、「この申請者はA銀行の審査に落ちたからうちのB銀行に審査を申し込んだのだろう。A銀行で落ちたということは何か問題があるに違いない」という印象を持たれてしまって、審査で不利になる可能性があります。仮審査を出すのは多くても3行程度にとどめておきましょう。■個人信用情報を取り寄せてみると安心自分の金融履歴に不安がある場合は、個人信用情報を取り寄せてみましょう。個人信用情報とは、クレジットやローンなどの申し込みや契約に関する情報のことです。個人信用情報をチェックすることで、住宅ローンの審査に出す前に、審査で不利になる可能性のある点をあぶり出しておけます。日本にはCIC、KSC、JICCの3つの個人信用情報センターがあります。機関によって収集情報に若干の差があることもあるため、すべての機関から信用情報を取り寄せることをおすすめします。もし信用情報履歴に問題があった場合、対処方法は2つあります。1つは、履歴が更新されるのを待つことです。信用情報は5年~10年に1度更新されます。たとえ信用に関する問題が履歴として残っていても、5年経てばその履歴は更新され、なかったことになります。住宅ローンを申し込む際には、履歴がクリアーな状態になるまで待つのもひとつの手です。2つ目の方法は、審査書類を提出する際に、「支払遅延、未払いなどになってしまった理由と、今後の予防方法」を説明する文書を添付することです。支払遅延や未払いなどが故意でない場合は、きちんと説明すれば事情をわかってもらえることもあります。説明文書があれば金融機関の心証も変わりますので、実践してみてはいかがでしょうか。なお個人信用情報はインターネット、郵送、窓口などで開示の申し込みができます。手数料は500円~1000円程度です。■まとめ今回は、住宅ローンの審査について審査項目や項目ごとのポイントを中心にご紹介しました。いかがでしたか。住宅ローンの借入を検討している場合は、今回ご紹介した内容を参考に、可能な限り通るよう対策を整えておいてください。また事前に個人信用情報を取り寄せ、審査に響く可能性のあるポイントを自覚しておくことも重要です。念願のマイホームを無事手に入れられるよう、住宅ローン審査に万全に備えてくださいね。
2017年03月16日住宅購入後にかかる費用は、おもに税金、保険、修繕費の3つに分かれます。税金は、固定資産税と都市計画税の納付が毎年1回必要です。保険は火災保険と地震保険について、それぞれ保険料がかかります。補償内容を吟味して保険商品を選びましょう。修繕費は5年~10年に1度、塗装やシロアリ防除などの対策が必要です。すべてを合算すると、30年間で13,000,000円程度維持費がかかる計算になります。積み立てを行うなどして意識的に資金繰りをしましょう。■住宅にかかる税金住宅購入後にかかる税金には、固定資産税と都市計画税があります。毎年市町村に納める必要のある税金です。【固定資産税】固定資産税は以下の計算式で算出します。税額=固定資産税評価額をもとにした課税標準×1.4%(標準税率)なお税率は1.4%を標準としていますが、市町村が独自に定める場合があるため、地域によって異なることに留意しておきましょう。固定資産税評価額とは、固定資産税の税額を決めるための基準のことです。市町村が3年に1回更新します。土地の固定資産評価額は一般的に、地価公示価格(国が定める土地の価格)の70%が目安です。建物の一般的な固定資産評価額は、新築時の価格から経過年数分を引いた額になります。ただし「住宅用地」、つまり住宅に使われている土地については課税標準が減額されます。住宅用地は家屋の床面積だけでなく、庭などの面積も含まれる点がポイントです。住宅用地と認められる限度は、家屋における床面積の10倍までの面積であることには注意しましょう。住宅用地に適用される課税標準は以下の通りです。■小規模宅地(住宅1戸当たり200平方メートルまで):課税標準の6分の1■一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートル超で床面積の10倍まで):課税標準の3分の1なお3年に一度の評価で固定資産評価額が大きく変わったとしても、「固定資産税が大幅に増えてしまった」ということがないよう、負担調整の措置が取られています。また負担調整は、地域によって課税標準の差が開くのを防ぐことも目的です。負担調整は、「(前年度課税標準)÷(新年度評価額に住宅用地における課税標準減額の特例を適用した金額)」の計算式で算出する「負担水準」を基準として行われます。負担水準が100%以上の場合、つまり新しい評価額によって算出された金額が前年度の課税標準額より低かった場合は、課税標準は新年度固定資産評価額に住宅用地における課税標準減額の特例を適用した額となります。一方負担水準が100%未満の場合、つまり前年度課税標準額より新しい評価額によって算出された金額のほうが高かった場合は、以下の計算式で課税標準額を定めます。■小規模宅地の場合:課税標準額=前年度の課税標準額+(新年度固定資産評価額÷6×5%)■一般住宅用地の場合:課税標準額=前年度の課税標準額+(新年度固定資産評価額÷3×5%)ただし、上記の計算式によって出された課税標準が、住宅用地特例によって減額される課税標準の100%を超える場合は100%相当額、20%を下回る場合は20%相当額が課税標準額になります。さらに新築家屋については、固定資産税が3年分(認定長期優良住宅の場合は5年分)減額されます。要件は、床面積が50平方メートル以上、280平方メートル以下であることです。減額される税額は、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額の2分の1です。【都市計画税】都市計画税は以下の計算式で算出されます。税額=固定資産税評価額をもとにした課税標準×0.3%なお税率は0.3%を上限に市町村が定めるため、地域によって異なります。住宅用地の都市計画税にかかる課税標準については、固定資産税の場合と同様に減額されます。適用される課税標準は以下の通りです。■小規模宅地(住宅1戸当たり200平方メートルまで):課税標準の3分の1■一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートル超で床面積の10倍まで):課税標準の3分の2また土地の負担調整についても、固定資産税の場合と同様に行われます。計算の際には留意しておくとよいでしょう。■住宅にかかる保険住宅購入後にかかるおもな保険には、火災保険と地震保険があります。【火災保険】ローンを組んだ場合は、多くの金融機関で加入が義務化されている保険です。火災保険が補償する事故には、火災だけでなく、落雷や風災、水害、水漏れ、盗難などがあります。保険によって補償する事故が異なるため、注意して見てみましょう。なお地震やそれに伴う津波による損壊などについては、火災保険では補償されません。火災保険の対象は、家屋などの「建物」と、建物のなかにある家具などの「動産」です。住宅そのものが損壊した場合だけでなく、家具や家電、什器などが壊れた場合も対象となる点は覚えておきましょう。保険料は、「建物の評価」「建物の構造区分と所在地」「補償内容」の3つの要素で決まります。建物の評価は、新築の場合は新築価額で行われます。また中古の場合は、新築時の新築価額をもとにした評価方法と、基準の1平方メートル単価にのべ床面積をかけて算出する評価方法で評価されます。建物の構造区分については、おもに鉄筋か木造かで判断されます。燃えにくい鉄筋のほうが保険料が安く、燃えやすい木造のほうが保険料が高いというのが基本です。地域については、火災の発生状況や被害状況を鑑み、都道府県によって異なる保険料が設定されています。たとえば住宅の密集している地域は延焼のリスクが高いとして保険料が上がる傾向にあります。とはいえ、都市部はすべて保険料が高いかというとそうではありません。都市部は消防署の数が多く、火災への対応力が高い点については評価されるためです。このように火災保険料の地域差について一概に法則性を示すのは困難ですが、仕組みについては以上のようなものであると理解しておきましょう。補償内容については上記の通りです。どのような事故まで補償するかによって保険料が変わります。唯一保険料を調整できる部分といえますので、予算や補償してほしい内容を吟味して選択するようにしましょう。【地震保険】地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、保険金における支払責任の一部を政府が再保険として引き受けている保険です。地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで契約することになります。火災保険とは違い、ローンを組んだ場合も加入は任意であることが一般的です。地震保険が補償する事故には、地震や噴火、津波などによって発生した火災、損壊、埋没、流失があります。この部分は通常の火災保険では補償されないため、補償を希望する場合は地震保険への加入が必要です。地震保険の対象は、居住用の建物と、その建物に収容されている家財です。火災保険と同様、家具や家電なども補償されることを覚えておくとよいでしょう。対象となる建物または家財が、全損、大半損、小半損、または一部損となったときに、それぞれの状況に応じた保険金が支払われます。保険料の額は、所在地と建物の構造によって決まります。建物の構造の区別については、火災保険の場合と同様、おもに木造か鉄筋かによって判断されます。なお地震保険料は、以下の4つの割引制度が適用されます。お住まいの住宅が適用されるか確認しておきましょう。■建築年割引対象の建物が昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合、10%割引されます。■耐震等級割引一定の耐震等級を満たしている場合、10~50%割引されます。■免震建築物割引対象の建物が「免震建築物」である場合、50%割引されます。■耐震診断割引建築基準法における耐震基準を満たす場合、10%割引されます。■住宅にかかる修繕費住宅の修繕では、おもに以下のものが必要です。【外壁塗装】見栄えをよくするためだけでなく、耐久性や防水性を高めるために行う必要があります。塗装をしないと外壁が劣化し、雨漏りなどの原因になります。また塗料によっては、断熱効果や遮熱効果のあるものもあるため、省エネのためにもよいでしょう。7~10年に1回が目安で、1回1,000,000円程度かかります。【屋根塗装】外見がよくなるだけでなく、防錆性、抗菌性が高まるなどのメリットがあります。外壁の場合と同様、塗装をせずに放っておくと雨漏りなどの原因になるため注意が必要です。スレート葺の場合、15~20年に1回が目安で、1回500,000円程度かかります。【軒先、軒裏塗装】軒天塗装と呼ぶこともあります。外壁塗装のオプションとなっていることが一般的です。風雨にさらされやすく劣化しやすい部分であるため注意しましょう。15~20年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。【樋、床下メンテナンス】カビや害虫、湿気によって劣化している部分を修繕し、家の耐久性を高めます。特にキッチンや風呂場、トイレの下は湿気がこもりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。15~20年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。【シロアリ防除】シロアリの被害を受けてしまうと、住宅が劣化してしまいます。それを防ぐため、土壌や木部を薬剤処理し、シロアリの除去や予防をすることが必要です。5年に1回が目安で、1回200,000円程度かかります。【クロス張替】煙草のヤニによる汚れやペットのひっかき傷、日焼けによる劣化などを修繕します。壁だけでなく、天井も張り替えることが一般的です。7~10年に1回が目安で、1回200,000円程度かかります。【サッシまわりコーキング】コーキングとは、気密性や防水性のために、壁などの隙間を目地材でふさぐことを指し、「シーリング」と呼ばれることもあります。サッシまわりのコーキングが劣化すると、雨が降った際に水が入ってくるなどしてしまうため、適度なタイミングでの修繕が不可欠です。7~10年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。■住宅の維持費はどのくらい?30年間でかかる費用を試算以下で、住宅を維持するために30年間でかかる費用を試算してみましょう。【税金】固定資産税、都市計画税を合わせて、年間100,000円~150,000円が目安です。30年間で3,000,000円~4,500,000円かかる計算になります。【保険】火災保険料、地震保険料あわせて、年間10,000~20,000円程度が目安です。30年間で300,000円~600,000円程度かかる計算になります。【修繕費】■外壁塗装1回1,000,000円を30年間で3回行うと考えると、3,000,000円かかる計算になります。■屋根塗装1回500,000円を30年間で2回行うと考えた場合、1,000,000円の計算です。■軒先、軒裏塗装1回300,000円を30年間で2回行うと計算すると600,000円になります。■樋、床下メンテナンス1回300,000円を30年間で2回行うと考えると、600,000円の計算です。■シロアリ防除1回200,000円を30年間で6回行うと考えた場合、1,200,000円の計算になります。■クロス張替1回200,000円を30年間で3回行うと考えると、600,000円の計算です。■サッシまわりコーキング1回300,000円を30年間に3回行うと考えると、900,000円の計算になります。以上を合計すると、修繕費だけで、30年間で7,900,000円程度かかる計算です。【税金、保険、修繕費の合計と資金繰りのアドバイス】税金、保険、修繕費を合計すると、30年間で12,000,000円~13,000,000円かかる計算になります。年額にすると単純計算で370,000円~430,000円程度です。税金は毎年1回必ず支払うものであることを考え、毎年その分を確保しておくようにしましょう。毎月積み立てておくと安心です。保険については、月払いや年払い、一括払いなど支払方法を選べることが一般的です。家計状況にあわせて支払方法を工夫するとよいでしょう。また地震保険は所得控除制度が適用されます。所得税が最高50,000円、住民税が最高25,000円を総所得金額から控除できるため、年末調整や確定申告の際には忘れずに申請しましょう。修繕費についても急な出費に備えるため、毎月10,000~20,000円程度積み立てておくことをおすすめします。また緊急性のない修繕の場合は、ボーナスのタイミングを有効に使って行うとよいでしょう。■まとめ今回は、住宅を購入したあとにかかる維持費について詳しく解説しました。いかがでしたか?税金、保険、修繕費と、マイホームを持つには意外とお金がかかることがわかりますよね。住宅を購入する際には、今回ご紹介した内容を参考に入念に資金計画を立て、しっかりと維持費にも備えましょう。
2017年03月01日地球温暖化を緩和させるためにさまざまなエコ活動が見られますが、その活動を住宅に応用したものが「省エネ住宅」です。しかし「実際に住人にはどのようなメリットがあるのかいまいちよくわからない」という方もいるのではないでしょうか。そこで今回は省エネ住宅について詳しくご紹介します。■省エネ住宅って?そもそも省エネ住宅とはどのような住宅なのでしょうか。簡単に言うと、消費エネルギーを極力抑えた家のこと。家庭では冷暖房や給湯器などさまざまなものにエネルギーを使っていて、日本で1年に発生する二酸化炭素は12億トンにものぼると言われています。そして、そのうちの1割が住宅から出ていると言われているのです。こうした点から、消費エネルギーの削減とともに二酸化炭素の排出量を減らすことが省エネ住宅の目的となっています。また、単純にエネルギー消費を抑えれば良いのではなく、省エネでありながら快適であるという点が省エネ住宅におけるポイントとなります。「快適な住宅」とは、真冬や真夏でも過ごしやすい家のこと。中でも、部屋の暖かさを逃さない「断熱」、外からの熱気を入れない「日射遮蔽」が快適さを決めるカギとなります。断熱と日射遮蔽の機能が高い家であれば、冷暖房に頼る必要がなくなり、自然と消費エネルギーの削減にもつながるためです。家の中ではさまざまなことにエネルギーを消費しますが、全体の30%を冷暖房が占めていると言われています。そのためこの部分を改善することで大幅な省エネも見込めるのです。■省エネ住宅で利用される自然エネルギー省エネ住宅において欠かせないのが「自然エネルギー」というもの。あまり聞きなれない言葉ですが、太陽光や風、水の力を活用したエネルギーのこと。これらを二酸化炭素の原因となる電気やガス、石油などのエネルギーの代わりに使うことで省エネにつながります。自然エネルギーは、主に「太陽熱」「風」「地熱」の3つが重宝されています。以下でそれぞれのエネルギーの活用法を見てみましょう。【太陽エネルギーの活用】太陽エネルギーは主に太陽光発電に活用されていて、屋根や庭に太陽光パネルを設置して電気に変換するという方法が採用されています。実際につくられた電気は家庭で使うことができるほか、余ったら電力会社に買い取ってもらうこともできます。また、太陽光とオール電化を併用すれば、節約にもつながるでしょう。つくられた太陽光熱は、冬と夏で異なる活用法が考えられます。例えば冬は、外気を専用のダクトで取り込んで屋根に設置したガラスで暖め、それを床下に送って放出することで家を暖めることができます。夜は外気の取り込みを中止して、床下に貯めた暖かい空気を放出すれば家中が暖かいまま夜を過ごすこともできるでしょう。一方、夏には暑い空気が家に溜まらないように屋外に熱気を放出することもできます。さらに、放出した空気や太陽熱を活用してお湯を沸かす仕組みにしておけば、お風呂や給湯などに活用することもできます。【地熱エネルギーの活用】地熱エネルギーとは、日本の豊かな地熱資源を活用したもの。地下5メートルの地中は一年中安定した温度を保っているため、太陽光発電や風力発電のように天気に左右されることがないという強みを持ったエネルギーです。地中熱の活用法にはいくつかありますが、ひとつめは「空気循環」、ふたつめは「熱伝導」です。空気循環には「クールチューブ方式」と「ヒートポンプ方式」があります。クールチューブ方式は建物の外から地中にかけて管を埋め、地中から建物内にもその管を通すというもの。夏に30度の外気を管に通すと、15度ほどの地中で冷やされます。そしてそれを屋内に持ち込んで室内を冷やすという仕組みです。しかしこの方法にはデメリットもあります。高温多湿な地中で冷やすため結露が生じカビが生えてしまうのです。そこで採用されるのが「ヒートポンプ方式」。管の中には外気ではなく気体の冷媒を通して熱を取り除くことで結露を防ぐことができるのです。また、熱伝導に利用する場合は「伝導型地中熱利用方法」というものが採用されています。床下システムというものを設置しておき、春から夏にかけて暖められた地中熱を冬まで持ち越します。そして冬になると床下に暖気を送り込み家を暖めるという仕組みです。そのほかにも、風車の回転を利用した風力エネルギーや、水の力を利用した水力エネルギーなどが挙げられます。■省エネ住宅の設計ポイント実際に省エネ住宅の建設を考える際に、どんなところに気をつけたら良いのでしょうか。住宅が省エネ住宅に該当するかどうかを判断するには「住宅の省エネルギー基準」というものが基準とされていて、一般的にはこれを満たすと省エネ住宅とみなされています。これは1980年に制定されて以来、法律の改正に合わせて強化されていて、2013年の改正時からは外皮性能と住宅全体で使用するエネルギー量の二面から住宅の省エネルギー性能が評価されるようになりました。また、この基準は日本全国を8地域に分け、エリアごとに基準値を定めています。さらに、省エネ基準を上回る基準として「住宅事業建築主の判断の基準」、「低炭素建築物の認定基準」というものもあります。これらの基準を満たすためには高度な設計が求められますが、以下のような点に気をつけておくと良いでしょう。【断熱】まず大切なのが断熱を意識することです。床、外壁、天井、屋根など外気に接している部分を断熱材で隙間なく包みましょう。室内から熱を逃さず温度を下げないことが大切です。もし断熱材に隙間があると熱が室外へと逃げてしまうだけでなく、逆に外から熱が侵入しやすくなってしまいます。すると室内の温度を一定に保つことが難しくなり、結果的に結露ができやすくなってしまうのです。特に大切なのが、窓など開口部の断熱。冬の暖房時に室外へ出てしまう熱の5割が開口部から、夏の冷房時に外から侵入する熱の7割が開口部からと言われていることからも、断熱のキーポイントであることが窺えます。二重窓にしたり複層ガラスの窓にしたりすることも効果的です。【遮熱】次に大切なのが遮熱です。断熱が進むと今度は熱を外に出すことが難しくなってしまうため、直射日光による熱が入り込むのを避ける必要があるのです。遮熱をすると冷暖房の効きが良くなるというメリットがあります。遮熱の具体的な方法には、窓の内外にブラインドや遮熱ガラス、ひさしなどを設置して太陽熱を遮断する方法が考えられます。ブラインドなどは、窓の内側より外側につける方が効果がぐんと上がります。【換気】そして換気も非常に重要です。絶えず空気が流れる環境をつくっておくことで部屋間の温度を一定に保つことができるようになり、快適性が向上するだけでなく結露予防にもなります。■省エネ住宅のメリット省エネ住宅にすると快適な住まいが手に入ることがわかりましたが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で見てみましょう。【コストが削減できる】まずは省エネが実現することによってコスト削減につながるという点がもっとも大きなメリットだと言えるでしょう。住宅の環境が整うことによって冷暖房に使う費用を削減することができます。さらに太陽光発電などでつくった電気を売ればお金をつくることも可能です。【家の中の寒暖差が少ない】前述の通り、省エネ住宅には断熱材が使われていて、家の中の温度差を少なくするように努めています。機密性にも優れているため、外の寒さや気温の変化に影響を受けることが少なくなります。家の中の部屋間の温度差も少なくなるので、高齢者やペット、赤ちゃんにとっても住みやすい住宅が実現します。【空気がきれい】省エネ住宅は気密性にも優れていますが、一方で空気が外へ出て行きにくくなり淀んでしまうというデメリットも考えられます。そこで現在の省エネ住宅では、室内の空気を効率よく換気するシステムを採用。計画的に空気を循環し、いつでも家の中の空気をきれいに保つことができるようになりました。【遮音性、耐久性が高い】気密性の高さゆえに、外からの騒音をシャットアウトするとともに、家の中で発生した音も外に漏れにくいつくりにもなっています。結果、遮音性の高さも兼ね備えた住宅になります。また、断熱性が高く結露を防いでくれるのも省エネ住宅のポイントのひとつ。そのため構造部に腐食が出ることもなく家自体の耐久性も向上します。【環境にやさしい】そして忘れてはならないのが、本来の目的である地球にやさしい家であるという点。自然エネルギーを駆使しているので、問題となっている二酸化炭素や有害物質の排出量を抑えることに成功し、人間だけでなく、環境にもやさしい住宅が実現します。■省エネ住宅のデメリット良いところだらけのように思える省エネ住宅ですが、デメリットもあるのでしょうか。実は使うエネルギーやつくりが通常とは異なっているために初期費用が高くなってしまうのです。例えばオール電化にする場合、自然エネルギーを使った設計にすることからも、一般的にガスの設備に比べると費用は高く設定されています。新築で省エネ住宅にする際はもちろん、リフォームで省エネ住宅を実現する場合でもコストは高くついてしまうでしょう。そのため、窓などの開口部だけに絞ってリフォームをするなど部分的なリフォームからはじめるという方も多く見られます。しかし、初期費用が高いからと言って省エネ住宅を諦める必要はありません。日本では省エネ住宅の普及に力を入れていることからも省エネ住宅に対する補助を拡大しています。実際に以下のような補助があるので、一度検討してみると良いでしょう。【エコキュート補助金】給湯に使用するエネルギーは、家庭で消費するエネルギー量の3分の1を占めていると言われています。そのためエコキュートは省エネ効果の高い給湯器として国から認定され、補助金の交付対象になっています。しかし、国の補助はすでに終了していて、全国一律の補助は存在していません。現在は自治体ごとに補助を行なっていて、補助金額も自治体によって異なります。また、自治体によっては補助を終了しているところもあるので注意が必要です。補助を希望する場合は、まず自治体が補助を行なっているかどうか確認しましょう。さらに補助は先着順となっているため、見つけたら早めに申し込んでおくと良いでしょう。【省エネリフォーム減税】また、省エネ機能が向上するリフォームを行う場合は税の控除が受けられます。例えばすべての窓に二重サッシやペアガラスを取り付けるなどの断熱リフォームと、天井裏に断熱材を設置するなどのリフォームを行った場合などが対象となります。減税には主に、「ローン型減税」、「投資型減税」、「固定資産税の減税」の3つがあり、状況に応じて併用することも可能です。ローン型減税の場合は5年以上の住宅ローンを借りて一定の省エネリフォームをした場合に利用することができ、一方の投資型減税の場合は住宅ローンの借り入れがなくても利用することができるもの。太陽光発電も設置する場合は控除額が増額されます。また、リフォーム完了の翌年にかかる固定資産税を3分の1減額することも可能となります。もし省エネリフォームを検討している場合は、これらを上手に使って賢く省エネ住宅をつくりましょう。■まとめいかがでしたか?省エネ住宅は環境にやさしいだけでなく人間にとっても快適で住みやすい家を実現してくれるものであることがわかりました。初期費用が高いというネックは補助金を活用しながら解決すれば、通常のリフォームと大差ない費用で行うことも可能です。家での時間をより心地よいものにするためにも一度検討してみるのも良いでしょう。
2017年03月01日新築住宅や中古住宅の購入、リフォームの際には、国の補助金を申請できます。申請者の収入や申請住宅の設備などについて要件があるため、細かくチェックしましょう。補助金額は30万円ほどのものから200万円を超えるものまで幅広くあります。なかでも近年は三世代同居に対応した住宅(二世帯住宅)への補助が厚くなっている傾向にあります。■新築住宅購入で利用できる補助金一覧新築住宅を購入する際に利用できる補助金には以下のものがあります。【すまい給付金】消費税率引き上げの負担を軽減するため、引き上げ後の税率が適用される住宅を購入する人を対象に現金を給付する制度です。平成26年4月から平成33年12月まで実施されます。不動産登記上の持分があれば配偶者でも給付金を受け取れる点、住宅ローン減税と併用可能な点がポイントです。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。一般的な要件のほかに、以下の独自の要件があります。1.収入が一定以下であること。・8%時:収入額の目安が510万円以下・10%時:収入額の目安が775万円以下2.住宅ローンを利用しない場合は、年齢が50才以上であること。さらに10%時には、収入額の目安が650万円以下であること。3.引き上げ後の消費税率が適用される住宅であること。4.床面積が50平方メートル以上の住宅であること。5.住宅ローンの利用がない場合は、フラット35Sの基準を満たす住宅であること。フラット35Sの基準は以下のいずれかに該当することです。1.耐震性に優れた住宅(耐震等級2以上の住宅または免震建築物)2.省エネルギー性に優れた住宅(一次エネルギー消費量等級4以上または断熱等性能等級4または省エネルギー対策等級4)3.バリアフリー性に優れた住宅(等級3)4.耐久性・可変性に優れた住宅(劣化対策等級3、維持管理対策等級2等)給付額は、住宅取得者の収入によって決まる給付基礎額と、不動産登記上の持分割合で、以下の計算式により決定します。給付額=給付基礎額×持分割合補助金額上限は、消費税率8%の場合最大30万円、10%の場合最大50万円です。手続き時期は入居後随時(入居後1年3カ月以内)です。【住宅ストック循環支援事業】エコ住宅への建て替えに対して補助金を申請できる事業です。建設業者や宅建業者が補助金を申請し、給付を受けます。業者が受け取った補助金は、住宅所有者に還元されます。要件は一般的な要件のほかに、以下のような独自の要件があります。1.耐震性のない住宅を除却すること。2.エコ住宅に建て替えること。補助金額は30万円~50万円です。手続き時期は補正予算成立後(10月頃)~同年度3月末日までです。【地域型住宅グリーン化事業】地域における木造住宅の生産体制を強化する目的で実施されている補助金事業です。三世代住宅(二世帯住宅)への対応に対して補助金が加算される点がポイントです。施行事業者などからなるグループが補助金を申請し、給付を受けます。補助金は住宅所有者に還元されます。以下のいずれかの要件を満たす必要があります。なお、いずれも木造建築が条件です。1.長寿命型(長期優良住宅の認定を受けたもの)2.高度省エネ型(認定低炭素住宅の認定を受けたもの)3.高度省エネ型(性能向上計画認定住宅の認定を受けたもの)4.高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅の認定を受けたもの)補助金額は以下のとおりです。1.長寿命型:100万円2.高度省エネ型(認定低炭素住宅):100万円3.高度省エネ型(性能向上計画認定住宅):100万円4.高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅):165万円さらに地域材を利用した場合は20万円を上限に補助金額が加算、三世代同居に対応した場合は30万円を上限に加算されます。手続き時期は4月~6月頃です。【ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業】住宅における年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロとなる住宅(ZEH)に対して出される補助金です。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。一般的な要件のほかに、以下のような独自の要件があります。1.ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」を満たしていること。《ZEHの定義》(1)住宅の外皮性能が地域区分ごとに定められた強化外皮基準以上であること。(2)設計一次エネルギー消費量が再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減されていること。(3)太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーシステムを導入すること。(4)設計一次エネルギー消費量が、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること。2.申請する住宅はSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録されたZEHビルダーが設計、建築または販売を行う住宅であること。3.導入する設備は本事業の要件を満たすものであること。4.要件を満たすエネルギー計測装置を導入すること。補助金額は以下のとおりです。1.交付要件を満たす住宅:125万円2.交付要件を満たし、寒冷地特別外皮強化仕様である住宅:150万円3.設計一次エネルギー消費量が、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上削減されている住宅:125万円さらに蓄電システムを導入する場合には、補助金額が以下のとおり加算されます。1.蓄電システムの補助金額:蓄電容量1kWh当たり5万円2.蓄電システムの補助金額上限:補助対象経費の3分1のまたは50万円のいずれか低い金額手続きは年度内に随時行えます。【民生用燃料電池導入支援事業】家庭用燃料電池システム「エネファーム」を住宅に導入する場合、その購入費用の一部を支援してもらえる補助金制度です。一般的な要件のほかに、以下のような独自の要件があります。1.申請者は燃料電池システムを購入し、実際に使用する人であること。2.設置予定の燃料電池システムが、「FCA(燃料電池普及促進協会)が指定した燃料電池システム(補助対象システム)」であること。3.「補助対象システム」を6年間以上継続して使用できること。4.他の国庫補助金と重複して補助を受けない(受けていない)こと。5.補助対象システムの設置などに関するFCAへの情報提供に同意できること。6.個人(個人事業主を除く)が申請する場合、排出削減事業への参加を表明できること。住宅所有者が直接申請し、給付を受けるタイプの補助金です。補助金額は、補助の対象となるエネファームの機器価格と工事費の合計価格(補助対象経費)の大きさによって以下のとおり変わります。1.合計価格が基準価格以下の場合固体高分子形(PEFC):15万円固体酸化物形(SOFC):19万円2.合計価格が基準価格を上回り、裾切価格以下の場合固体高分子形(PEFC):7万円固体酸化物形(SOFC):9万円さらに設置対象の燃料種別がLPガスの場合や、補助対象システムが寒冷地仕様の場合は、3万円ずつ補助金額が追加されます。基準価格は、固体高分子形(PEFC)は127万円、固体酸化物形(SOFC)は157万円です。また裾切価格は、固体高分子形(PEFC)は142万円、固体酸化物形(SOFC)は169万円と定められています。なお基準価格や裾切価格は、使用や燃料種別によって変動するため、詳細については個別に確認が必要です。手続きは年度内に随時行えます。【地方公共団体の補助金事業】国だけでなく、都道府県や市町村でも、さまざまな補助金事業が実施されています。お住まいの地域で受けられる補助金がないかチェックしてみましょう。■中古住宅購入で利用できる補助金一覧中古住宅を購入する際に利用できる補助金には以下のものがあります。【すまい給付金】すまい給付金は中古住宅の購入も対象になります。ただし給付の対象となる中古住宅は、売主が宅地建物取引業者である中古住宅(中古再販住宅)だけである点に注意が必要です。これは売主が個人の場合には、同給付金の根拠となる消費税が課税されないためです。おもな要件は新築住宅購入の場合と同様です。【住宅ストック循環支援事業】良質な既存住宅の流通を促進する目的から、中古住宅の購入の際にも同事業の補助金を申請できます。新築住宅を購入する場合とは要件が異なるため気をつけましょう。宅建業者やインスペクション事業者が補助金を申請し、給付を受けます。業者が受け取った補助金は、住宅所有者に還元されます。要件は以下のとおりです。1.若者(40歳未満)が既存住宅を購入すること。2.売買に際して、インスペクションを実施し、既存住宅売買瑕疵保険に加入すること。インスペクションとは、専門家が第三者的な立場から、住宅の劣化状況や欠陥の有無などをチェックすることを指します。補助金額は以下のとおりです。1.インスペクション5万円2.リフォーム工事内容に応じて定める額(定額)上限はインスペクションとエコリフォームの合計で50万円(耐震改修を行う場合は65万円)です。手続き時期は補正予算成立後(10月頃)~同年度3月末日までです。【地方公共団体の補助金事業】中古住宅を購入する場合も、都道府県や市町村の補助金が利用できることがあります。積極的に問い合わせてみましょう。■住宅リフォームで利用できる補助金一覧住宅リフォームで利用できる補助金には以下のものがあります。【住宅ストック循環支援事業】エコリフォームを行う場合は、同事業の申請が可能です。リフォーム会社が補助金を申請し、給付を受けます。リフォーム会社が受け取った補助金は、住宅所有者に還元されます。要件は以下のとおりです。1.エコリフォームを実施すること2.リフォーム後に耐震性が確保されること補助金額は、リフォーム工事内容に応じて定める額(定額)が支給されます。上限は30万円(耐震改修を行う場合は45万円)です。手続き時期は補正予算成立後(10月頃)~同年度3月末日までです。【地域型住宅グリーン化事業】新築住宅の購入だけでなく、リフォームを行う場合も要件を満たせば同事業の補助金を申請できます。補助金の受け取り方法や補助金額などは新築住宅購入の項目における「4.高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅)」と同様です。要件はゼロ・エネルギー住宅に認定された木造の住宅であることです。【ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業】新築住宅の購入だけでなく、リフォームの場合も同事業を利用できます。なお補助金額など要件以外の内容は新築住宅購入の場合と同様です。一般的な要件以外に、以下の独自の要件が定められています。1.既築住宅は住宅全体の断熱改修を含み、導入する設備は原則としてすべて新たに導入すること。【民生用燃料電池導入支援事業】リフォームでも同事業を利用できます。詳細は新築住宅購入の場合と同様です。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。【住宅省エネリノベーション促進事業】住宅の省エネ化を促進するための補助金事業です。一般的な要件のほかに、補助対象となる製品について以下のとおり独自の要件があります。1.住宅の省エネルギー改修(省エネリノベーション)に有効な高性能建材・設備としてSIIの定める要件を満たした製品であること。2.未使用品であること。補助金額は以下のとおりです。1.高性能建材(ガラス・窓・断熱材):補助対象費用の3分の1以内、上限150万円2.蓄電システム:5万円/kWh、上限額は補助対象費用3分の1または50万円のいずれか低い金額3.高効率給湯機:補助対象費用の3分の1以内、上限15万円手続きは年度内に随時行えます。【長期優良住宅化リフォーム推進事業】既存住宅の長寿命化を目的とした補助金事業です。三世代同居のためのリフォームは補助金がアップします。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。あるいはリフォーム会社が補助金を申請して給付を受け、その補助金を住宅所有者に還元することも可能です。要件は以下のとおりです。1.リフォーム工事前にインスペクションを行うとともに、工事後に維持保全計画を作成すること。2.下記性能項目のいずれかの性能向上に資するリフォーム工事または三世代同居改修工事を行うこと。劣化対策、耐震性、省エネルギー対策、維持管理・更新の容易性、高齢者等対策(共同住宅のみ)、可変性(共同住宅のみ)、三世代同居改修工事3.リフォーム工事後に少なくとも劣化対策と耐震性の基準を満たすこと。補助金額は、リフォーム工事に必要な費用の合計額の3分の1以内、上限は100万円が基本です。ただし三世代同居改修工事を実施する場合は150万円が上限となります。なお認定長期優良住宅とする場合はプラス100万円が上限になります。手続きは年度内に随時行えます。【市町村の補助金事業】住宅リフォームについても、都道府県や市町村の補助金を受けられる場合があります。ぜひ調べてみてください。■まとめいかがでしたか?補助金にはそれぞれに要件や特徴があることがわかったかと思います。住宅の購入やリフォームにはお金がかかりますが、補助金事業を賢く利用して、費用を抑えたいところですよね。住宅の購入やリフォームを検討する場合には、利用できる補助金がないかどうか、ぜひチェックしてみてください。
2017年02月24日代官山の穴場スポット! 「旧朝倉家住宅」で古き良き日本のロマンを渋谷区にあるとは思えないような癒しスポット「旧朝倉家住宅」。東京都渋谷区猿楽町に居を構える「旧朝倉家住宅」は、重要文化財にも指定されている歴史的建造物です。元渋谷区議会議長の朝倉虎治郎氏が1919年(大正8年)に建造した和洋折衷の邸宅は、緑豊かな庭園が、ほっとさせてくれる憩いの空間。現在、東京都に残っている数少ない関東大震災以前の和風住宅であり、大正ロマンの趣のある2階建ての建物内と回遊式庭園を見学することができるんです。しかも、観覧料はなんと100円。年間観覧料も500円と破格です。ショッピングの休憩がてら足を運んでみてください。由緒ある趣深い和の風景を眺めながら優雅なひと時をそんな美しく趣深い「旧朝倉家住宅」では、建物内の観覧だけでなく、定期的に開催されるお茶会にも参加することができます。崖線という地形を取り入れた由緒ある回遊式庭園は、春にはツツジ、秋にはモミジが煌びやかに色づき、季節によって異なる表情を楽しむことができます。移ろいゆく日本の四季を眺めながら、美味しいお茶を楽しんでみませんか? 都会の喧騒から離れ、絢爛華麗な日本庭園を眺めながら、優雅なひと時を過ごし、疲れた心を癒しましょう。約100年も続く古き良き和の恵みを心ゆくまで堪能してください。取材・文/西尾 宇宙スポット情報スポット名:旧朝倉家住宅住所:東京都渋谷区猿楽町29−20電話番号:03-3476-1021
2017年02月24日こんにちは、FPライターのyossyです。家を購入する際、多くの人は住宅ローンを利用するかと思います。でも、住宅ローンの種類について理解している人は、意外と少ないものです。『フラット35』って何?銀行のローンと何が違うの?といった疑問を抱えている人も多いでしょう。ここでは、住宅ローンの種類について解説します。●(1)銀行ローン最もメジャーなのが銀行で借りる住宅ローンでしょう。各銀行がそれぞれの特色をもって商品を展開しているので、金利や諸費用、繰り上げ返済のしやすさなど、条件にバリエーションがあります 。物件を購入する不動産会社と提携しているローンがあることも。手続きがスムーズになったり、金利がお得になったりするケースもあるため、まずは提携ローンについて確認しておくといいですね。金利のタイプは、主に次の3種類があります。・変動金利型(半年ごとに適用金利が見直され、5年ごとに返済額が見直される)・固定期間選択型(一定期間金利が固定され、その後は原則変動金利に)・全期間固定型(完済するまで金利が一定に保たれる)なお、『団体信用生命保険』(返済途中で死亡、もしくは高度障害になった場合、残高を保険会社に支払ってもらえる)への加入は必須となっています。自分にとってベストな選択肢を選びたいと思う人は、バリエーションの多い銀行ローンの情報を集めて検討してみるといいでしょう。●(2)フラット35住宅金融支援機構と民間金融機関とが連携して融資を行うのが、『フラット35』です。基本的に商品は全国共通ですが、金利や手数料、手続き等の条件は、取り扱う金融機関によって変わります。・金利は全期間固定型のみ・保証料・保証人が不要・繰り上げ返済手数料無料・団体信用生命保険は任意加入といった特徴があります。団体信用生命保険への加入が必須だと、場合によっては病気等の理由で加入ができないこともあるでしょう。フラット35は団体信用生命保険への加入が任意なので、銀行ローンよりもより幅広い人に向けて門戸が開かれている といえるでしょう。●(3)財形住宅融資財形貯蓄制度を1年以上利用しており、残高が50万円以上ある人は、財形住宅融資を利用できる場合もあります。たとえば、・満70歳未満である・勤務先から住宅に関する援助を受けられるなどの条件を満たす必要があるため、検討している人はよくご確認を。返済しているあいだ、5年ごとに適用金利が見直されます(5年固定金利制)。一定の条件を満たした場合、子どもがいる世帯は当初5年の金利が年0.2%引き下げられる優遇制度 があります(平成30年3月の申し込みまで)。他の住宅ローンと併用できる、といったメリットも。----------住宅ローンの仕組みは何かと複雑ですが、大きな額を借り入れるケースが多いからこそ、ベストな選択をしたいですね。ぜひ参考にしてみてください。【参考リンク】・住宅・マイホーム購入におけるローンの種類 | SUUMO ()・いまさら聞けない住宅ローンの種類 | ミサワ分譲ナビ()・【フラット35】とは | 長期固定金利住宅ローン【フラット35】()・財形住宅融資 | 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2017年02月08日2017年4月8日(土)~6月25日(日)の期間中、日本の建築美に迫る展覧会「日本、家の列島フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン」が、パナソニック 汐留ミュージアムにて開催されます。世界的にみてもトップレベルと評される日本の建築。フランス人写真家と建築家たちによるキュレーションで、その美しさや新しい建築の楽しみ方を発見しましょう。世界をめぐる展覧会。日本だけの特別の展示もこの展覧会は、2014年5月からフランス、スイス、ベルギー、オランダの各都市を巡回した展覧会の帰国展です。世界の人々を魅了した日本の近現代の住宅建築にスポットをあてて紹介しています。会場は「昨日の家」「東京の家」「今の家」の3部で構成されており、それぞれ多数の写真と映像、図面、建築と施工主とのインタビューなどが紹介されています。また今回の帰国展では、ヨーロッパでの巡回展にはなかった模型とスケッチも加えられていますよ。日本を愛するフランス人がみる、日本の建築企画実現の中心となったのは、4人のフランス人。写真家のジェレミ・ステラ、建築家のヴェロニック・ウルスとファビアン・モデュイ、日本在住30年で建築設計事務所「みかんぐみ」の共同代表であるマニュエル・テルディッツらによるものです。日本通の彼らの独自の視点で約70件の住宅作品が展示されます。建築に興味がある方はぜひ足を運んでみてくださいね!イベント概要名称:日本、家の列島フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン会期:2017年4月8日(土)~6月25日(日)入館料:一般800円/65歳以上700円/大学生600円/中・高校生200円/小学生以下無料※20名以上の団体は100円割引※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能※5月18日(木)国際博物館の日は、すべての方が無料開館時間:午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで)休館日:水曜日(ただし5月3日は開館)会場:パナソニック 汐留ミュージアム東京都港区東新橋1-5-1パナソニック 東京汐留ビル4階問い合わせ:03-5777-8600公式HP:
2017年01月24日●連載の目次は こちら から●住宅ローンのマッピングが頭に入って、金利の大枠についても把握した。そうなると、残すは「住宅ローンの返済期間を、どう決めるか?」という問題だ。引き続き、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さんに、お話を伺った。■住宅ローンは60歳~65歳で完済が理想多くの住宅ローンの最長返済期間は35年で設定されている。しかし、仮に40歳で住宅を購入し35年返済を選ぶと、完済は75歳。ローンの残りを一括返済するために退職金を使ってしまうと、最悪の場合、その後は年金だけで生活することにもなりかねない「住宅ローンの返済は、定年を迎える60歳~65歳くらいまでに終わらせる計画を立てるのが理想です」(浅井さん)■返済期間の設定で違ってくる返済総額返済期間を長くすれば月々の返済額が減るので、さしあたっての生活は楽。けれども、返済期間を短くできれば、下記のごとく返済総額は少なくなる。 ■金利上昇リスク軽減の効果もまた、下図の「変動金利型」や「固定金利選択型」のローンの場合は、返済期間が短いほど、将来的な金利上昇リスクを抑えることができる。■「とりあえず35年で」はNG!「今の生活を大切にしたいから、長期間で返済にする」「リスクを軽減したいから、ちょっと返済は頑張ってみる」など、人によって選択は違ってくるだろう。「35年借りられるなら、とりあえずそれで」というのではなく、返済期間は自分のライフサイクルや価値観を反映しながら、選びたいものだ。次回は、「フラット35」の賢い利用方法について、住宅ローンのプロに聞いてみよう。
2016年08月16日●連載の目次は こちら から●住宅ローンを上手に借りようと思ったら、金利についての知識は不可欠! でも、「金利一覧表」を見ただけで、頭がフリーズしてしまう人も多いのでは? 住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さんに、金利の「勘どころ」を教えていただいた。■金利を理解するための「3つのステップ」「金利」の理解は、住宅ローンの最難関とも言える。けれども、有利な住宅ローンを借りるためには最低限の知識を持っておいてほしいので、次の3つのステップで説明していこう。1.「固定金利」と「変動金利」2.「基準金利」と「優遇金利」3.将来の金利優遇 ■ファーストステップ:「固定金利」と「変動金利」住宅ローンの金利は、「固定金利」と「変動金利」の2つのタイプに大別される。どちらを選ぶかで将来的な損得が違うので、最初のポイントだ。■セカンドステップ:「基準金利と「優遇金利」セカンドステップは、「基準金利」と「優遇金利」だ。例を見ながら、それぞれに説明していこう。<基準金利>その金融機関が貸し出しをする際のベースとなる金利。店頭金利とも言い、かつては、どの金融機関もこの金利で貸し出しをしていた。<優遇金利>現在、住宅ローンのメインとなっている金利。住宅ローンの貸出競争が激化している今、多くの金融機関が優遇金利での貸し出しとなっている。ただし、ひとくちに優遇金利と言っても、「誰にでも適用されるハードルの低い優遇金利」から、「ハードルが高いかわりに金利が最も低い最優遇金利」まで、優遇幅に段階が設けられているのが一般的。優遇金利のポイントは、「優遇金利の適用条件」と、どれくらい金利を優遇してくれるのか? という「優遇の度合い」をきちんと調べてみることだ。 ■サードステップ:「将来の金利優遇」(11年目以降)さて最後のひと踏ん張り、3つめのステップは、「将来の金利優遇」の確認だ。これは、下記の図の「固定金利選択型(★印)」を選択している人に関係がある話。この金利タイプでは、返済当初の一定期間だけ金利が固定される。たとえば、「10年固定」の場合は、「金利を当初10年間だけ固定しますよ」という意味だ。そして、「10年固定」を例に取ると、11年目以降は変動金利型を選ぶか、あるいは再び10年や5年などの金利を固定にする「特約」をつけるかを、選ぶことができる。<将来の金利優遇>(11年目以降)ここで大切なのが、将来の金利優遇だ。(1)返済が終わるまでずっと同じ金利優遇を適用してくれるタイプ(2)当初の金利優遇は大きいが、将来(「10年固定」では11年目以降)は少なくなるタイプの2つに分けられるからだ。たとえば、例に出した三菱東京UFJ銀行の場合、仮に11年目以降は再び「10年固定」を選び、そのときの「基準金利」が今と同じ3.0%であった場合、そこから<11年目以降>の金利優遇である「▲1.6%」を差し引いた、1.4%(=3.0% −1.6%)が、11年目以降に適用される住宅ローン金利となる。なかには、将来の金利優遇が1%くらいしかなかったり、変動金利に移行した場合はまったくなかったり…という金融機関もあるので注意したい。固定金利選択型ローンは当初の金利だけで比べずに、「将来の金利優遇」も確認しておくことがポイントだ。 ■10年前に家を買った私のリアルな実感これから住宅ローンを組もうという人は、「10年後のことなんて、イメージすらできない」と思うだろう。実際、私がそうだった。けれども10年前(私が家を買った当時)、5歳だった長男は、今や私立高校生。私学の学費と予備校代、部活の費用などがかかる。ともに2歳だった双子は中学受験生で、塾代が大変だ。このように、ただいま、わが家は教育費負担が山場を迎えている(涙)。マイホーム適齢期の10年後は、教育費負担が最も重い時期。そんな時期、住宅ローンの金利がガクンと高くなったら、本当に悲劇だ。だからこそ、「固定金利選択型」を選ぶ人は、優遇期間終了後の金利条件もしっかりチェックしておいてほしい。次回は、住宅ローンの返済期間について取り上げる。
2016年08月15日●連載の目次は こちら から●本特集のタイトルは、「住宅ローンの基礎知識特集」。出だし3本はトピック的な話を扱ったが、「そもそも、わが家の場合、住宅ローンはどこで借りられるの?」というベーシックな話も知りたいところだ。今回はそうした話題について、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さんにお話を伺った。■住宅ローンを扱っている金融機関の特徴を知ろう住宅ローンを扱っている金融機関は数あれど、そもそも審査に通らなければ住宅ローンは借りることができない。まずは予備知識として、金融機関の大まかな特徴を知っておこう。つまり、大別すると、住宅ローンは「民間の住宅ローン」と「フラット35」(住宅金融支援機構と民間金融機関とのコラボレーション・タイプのローン)とに分けられる。 ■民間住宅ローンを借りられる人は、どんな人?民間住宅ローンの主な貸し出し口は、銀行。ひとくちに「銀行」といっても、その性質には違いがある。細かい違いをチェックしてみよう。■「フラット35」「フラット50」を借りられる人は、どんな人?「フラット35」の主軸である住宅金融支援機構は、資本金は全額政府が出資している国の機関だ。「日本のインフラとして、住宅を整える」という使命を持つ「フラット35」は、民間の住宅ローンよりも、住宅そのもの、つまり「物件」に対しての要件が厳しい。ちなみに私は、中古の一軒家を購入した際、物件要件がクリアできずに「フラット35」を借りることができなかった。ただし、その分、「人」に対して基準は緩やかという特徴がある。住宅ローンを貸し出してくれる金融機関のマッピングは、これで大まかにわかっただろう。次回は、住宅ローンの難所、「金利」についてです。
2016年08月14日●連載の目次は こちら から●2016年の夏は、住宅ローンを組むのならチャンス! でも、家を買うなら、最初に必ず把握しておいてほしいことがある。それは、「自分は、いくらの住宅ローンだったら、払い続けられるのか?」ということ。「住宅購入で失敗しないための最大の秘訣は、借入金額の設定です」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。詳しく話を伺おう。■払える金額以上の金額を、借りられてしまう現実今回、最も伝えたいことは、「借りられる金額」と、「払い続けられる金額」は違うということだ。この部分は、本当に声を大にして言いたい。通常、住宅ローンを借りる際は「年収の○%」という感じで、年収に対して借りることができる限度額が決まる。たとえば、理想の物件に出会ったとする。「ちょっと頑張れば、ローンは何とか払えそう」と思った。そんなときこそ、「本当に大丈夫? 35年間、『ちょっと頑張る』を続けられるの?」と、自問自答してみてほしいのだ。最近では、住居費(住宅ローン+維持コスト)が年収の半分を占めてしまう借入ケースもあると言われている。たとえば、手取りが30万円なら、住居費が15万円を占めるというわけだ。残り15万円ですべての生活を賄っていけるだろうか? こんなふうに、具体的な金額に落とし込んで考えてみてほしい。そうしないと、「返済し続けられないローン」を組んでしまうということが起こり得る。 ■「現在の家計」をもとに「借りられる額」を算出そこで、現在の家計から、年間で無理なく支払っていける額を算出してみよう。まずはそれを算出するために、ザックリとしたイメージとして、この公式を頭に入れよう。■(1)まずは、「購入後の住居費の上限」を把握するでは、無理なく払える住宅ローン金額は、どうやったら割り出せるのだろう? 最初のステップとして、「購入後の住居費の上限」を確認することが必要だ。ここでは、「家賃9万円で、年間の貯蓄から30万円を減らせる場合」で計算してみる。まず、毎月の家賃を12倍して、年間の家賃総額を出す。これに、「やりくり可能な金額」をプラス。やりくり可能な金額とは、いわゆる「ちょっと頑張る、でも無理はしない」額のこと。目安としては、年収の5%以内が無難だ。最後に、住宅ローンを組むことで税金が毎年戻ってくる「住宅ローン控除額」も足す。住宅ローン控除は最大で「借入金額×1%」(ただし、支払っている年間の所得税+住民税の一部が上限だ)。■(2)「住宅維持コスト」を差し引く上記の例では、年間170万円が購入後の住居費の上限だ。しかし、これがすべて住宅ローンの返済額に充当できるわけではない。マイホームの取得後は、固定資産税などの税金もかかるし、マンションなら管理費や修繕積立金の負担も重い。「フラット35」という住宅ローンを借りる場合は、団体信用生命保険の特約料も毎年かかってくる。下の表は、「フラット35」を借りて新築マンションを購入する場合の一例だが、合計すると年間のコストは40万円にも上ることがわかるだろう。 ■(3)無理なく支払える住宅ローンの金額は、上記の「(1)−(2)」最後に、(1)で計算した「購入後の住居費の上限」から、(2)の「住宅維持コスト」を差し引けば、「無理なく支払える住宅ローンの金額」が把握できる。この例では年間130万円(170万円−40万円)だ。返済期間によっても変わってくるが、返済額がこの程度に収まる範囲で、借入金額を設定することが大切だ。■「ローン借入額」は、本気を出して考えるべきこと!家を買うには物件価格のほかに、登録免許税など「取得するための諸費用」もかかる。また、引越しをするのだから、エアコンや家具、カーテンといった「家具・家電・新調インテリア」類の出費も0円という訳にはいかないだろう。だからといって、ローンの借入額限界まで借りてしまうと、それこそ「住宅ローン返済に追われる人生」になりかねない。 どうか、覚えておいて欲しい。「住宅ローン借入額の設定は、本気を出す価値がある、大切な問題だ」ということを。ここが、読者の皆さんに伝わったのなら、本特集の意義はあったと思えるほどだ。そのためには、本を読んでみたり(今回取材した浅井さんの著書『図解わかる 住宅ローン』」(新星出版社)は本当におすすめだ)、信頼のおけるファイナンシャルプランナーに試算してもらったりしてもよいだろう。ところで、住宅ローンの負担感は、夫婦でローンを組むことで軽減できる。次回は、最近増えている「共働き夫婦」の住宅ローンについて考えてみよう。
2016年08月12日「住宅ローンの取材なら、いい時期に来ましたね」と話すのは、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。2016年の夏は、住宅ローンを借りるのであればチャンスだと言う。初めてマイホームを買う人はもちろん、借り換えをする人も、この機会にぜひ住宅ローンについて考えてみては?■35年の固定金利が1%で借りられる時代に浅井さんの著者『図解わかる住宅ローン』(新星出版社)は、普通の人でも手にとりやすい内容ながら、クオリティの高さから「(お金のプロである)ファイナンシャルプランナーが資料として使っている」と言われるほど。そんな「プロが頼る、住宅ローンのプロ」である浅井さんはこう言う。「住宅ローンは『最後の借り換えブーム』と言われて久しいですが、日銀のマイナス金利で、2016年8月に再度、下がりました。今なら全期間、固定金利1%でも借りられますよ」全期間1%!? それはスゴイ!!■1%の金利なら、利息はかなり少なくて済むしかし、なかにはピンと来ない人もいるだろう。「そもそも、全期間1%で借りられることが、そんなにすごいことなの?」と疑問に思う人がいるかもしれない。住宅ローンに初めて接する人ならば、なおさらだ。そこで、少し私の体験をお話ししよう。「家は、生涯でいちばん大きな買い物」とよく言われている(ちなみに2番目に大きな買い物は、生命保険)。ひと昔前なら、「3,500万円の物件を買ったのであれば、総支払額は倍(7,000万円)くらい」と言われていた。その原因となるのが、「金利」だ。私が家を買った10年前(2006年頃)の住宅ローンの金利はおよそ3%。たとえば35年返済で3,000万円を借りた場合、下記の通り、11.5万円の返済額のうち、当初は3分の2近く(約7万5,000円)の利息を支払っていたのだ(涙)。もし、金利が1%なら、同じ金額を借りたとしても、利息は2万5,000円。返済額も少なくなる一方で、元本部分への充当額は増えてくれる。 ■10年固定金利で借りるなら、どこの銀行がおすすめ?では、どこの金融機関で住宅ローンを借りるのがよいのだろうか?「三菱東京UFJ銀行が、勝負をかけてきましたね。10年固定で金利0.5%です。11年目以降も、そのときの基準金利から1.6%引いてもらえます」(浅井さん)■長期間の固定金利なら…「長期間の固定金利が希望ならば、ソニー銀行に注目です。20年超の返済期間はすべて0.954%。ソニー銀行は手数料が安く、保証料も不要ですので、0.954%は実質金利です。この夏、最も魅力的な住宅ローンと言えるでしょう」(浅井さん)ただし、ソニー銀行は、自己資金が10%未満の場合や、借り換えで利用する場合は、金利が若干高くなる(+0.05%)。また、ローン実行までに通常は1ヶ月半ほど時間がかかるため、新規で物件を取得する場合は、そこがネックとなるだろう。けれども、借り換えであれば時間的な問題はない。「昨年、一昨年借りた人でも、これだけ金利が下がっているのですから、固定金利型を中心に、借り換え効果がある人は、たくさんいると思います」(浅井さん)■金利が0.3%~0.5%下がるなら、借り換え効果が出る可能性も!一般的には、現在と借り換え後のローンの金利差が1%以上あれば借り換え効果が期待できると言われている。しかし、ローンがまだたくさん残っていて、残りの返済期間も長い場合は「0.3%~0.5%」の金利差でも十分なメリットが期待できるだろう。●「0.3%~0.5%」の金利差でも借り換え効果が出る住宅ローンの目安1.ローンの残高が2,000万円程度以上ある2.残りの返済期間が20年以上あるこれよりもローン残高が少なく、返済期間が短い場合は、もう少し金利差がほしいが、それでも借り換え効果が出る人は多いだろう。この記事を読んで「これだけ金利が低いなら、マイホームの購入を検当してみようかな?」と、少しでも思った人は次回の記事もぜひ読んでほしい。次回は、「住宅購入で失敗しないための最大の秘訣」です。
2016年08月11日建物を居住用のみに使用している場合、住宅物件となります。戸建てやマンション、共同住宅の場合でも、居住用のみであれば、住宅物件となります。また、一つの建物内に、店舗や事務所などがある場合は、店舗併用住宅となり、一般物件となります。住宅物件と一般物件とでは、保険料は異なります。よって、火災保険の契約期間中に事業を始められたり、事業をやめられた場合には、火災保険の変更が必要になります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年05月25日はじめに住宅金融支援機構(以下、「機構」といいます)の「フラット35」や、各金融機関などの住宅ローンを利用する場合、火災保険への加入を促されます。フラット35の場合、火災保険への加入は必須です。また、金融機関も火災保険への加入を必要とするのが一般的です。以下、住宅ローンと火災保険についてみていきます。なぜ、火災保険への加入が必要か住宅ローンを組んで家を購入した場合、金融機関や機構は、ローン完済までの担保として、建物や土地に抵当権を設定します。もし、火災で建物が焼失した場合、建物の価値はゼロになってしまいます。そのため、金融機関は、債権の保全を図るために、住宅ローン申込者に対して火災保険の契約を求めます。一方、住宅ローン申込者にとっても、火災で建物が焼失しても住宅ローンの債務は残るため、そのリスクに備えられる火災保険への加入は必要といえます。住宅ローン向け火災保険フラット35など機構の住宅ローンを利用する場合は、火災保険(任意の火災保険または法律の規定による火災共済)に加入しなければなりません。以前は、機構の融資を利用する方のみが加入できる「特約火災保険」がありましたが、2016年3月31日をもって新規受付を終了しています。フラット35を申し込むにあたって必要とされる火災保険の補償対象は「建物」のみですが、建物に火災保険を掛けただけでは「家財」の損害は補償されませんので、家財の補償を得るためには、別途家財を補償対象とする火災保険にも加入しておく必要があります。金融機関の場合は、個々の金融機関で住宅ローン利用者専用の火災保険を用意しています。住宅ローン利用者専用の火災保険では、多くの場合、「家財」についてもセットで補償を付けることができます。保険料については、団体割引が適用されるため、一般の火災保険に比べてお手頃に設定されています。また、住宅ローンを利用するからといって、必ずしもその金融機関が用意した火災保険に加入しなければならないということはなく、一般の火災保険への加入も選択できます。火災保険の加入期間は火災保険への加入が必須の住宅ローンの場合、住宅ローン返済中に火災保険が満期になったときは、継続の手続きをするか、新しい火災保険に加入する必要があります。以前は、35年ローンを組んだ場合でも、1回の保険加入でローン完済までの期間をカバーすることも可能でしたが、2015年10月以降、長期契約の見直しが行われ、火災保険の契約期間(保険期間)が最長10年までになりました。そのため、住宅ローン完済までに火災保険が満期になったときには、継続の手続きをするか、新しい火災保険に加入する必要があります。機構のフラット35を利用した場合は、住宅ローン完済まで火災保険の契約を継続しないと、金銭消費貸借契約に違反することとなり、ローン残高(融資金残高)を一括して支払わなければならなくなりますので、注意が必要です。他の金融機関の住宅ローンを利用する場合も、上記のような契約条項がないか確認しておきましょう。なお、住宅ローン完済後も、火災などのリスクに備えるために火災保険への加入は必要です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年05月24日はじめに火災保険は、建物の用途により火災の危険度が異なることから、建物を「住宅のみ」に使用している(住宅物件)と、「住居と店舗を併用している住宅」(併用物件)や、「事務所」「病院」「旅館」などに使用している建物(一般物件)に分け、それぞれに対応する保険商品が用意されています。以下、住宅物件を対象とした火災保険についてみていきます。住宅火災保険住宅物件対象の火災保険は、保険の対象を「建物のみ」、「家財のみ」、「建物と家財」の3つのパターンから選択して契約することができます。ただし、「建物のみ」の契約ですと、家電製品や家具の損害は補償されません。持ち家の場合は「建物と家財」、賃貸住宅の場合は「家財のみ」を選択するのが一般的です。また、住宅物件対象の火災保険は、住宅に関するさまざまなリスクに幅広く備える「住宅総合保険」と、基本的な補償にしぼった「住宅火災保険」に大別されますが、現在は各損害保険会社からさまざまなタイプの火災保険が販売されていますので、加入の際は商品名だけで判断せず、補償の内容をよく確認するようにしましょう。住宅総合保険の補償内容住宅総合保険の主な補償内容は、以下の7つになります。住宅火災保険の多くは、このうち1と2を補償する保険になりますので、その分保険料を抑えることができます。火災、落雷、ガス爆発などの破裂・爆発風災・雹(ひょう)災・雪災漏水などによる水濡れ盗難台風や集中豪雨などによる水災建物外部からの物体(自動車など)の飛来・落下・衝突騒じょうなどによる暴行・破壊また、保険会社のプランによっては、1のみを基本補償として、2以降の補償を選択できるようにしているものもあります。戸建やマンションなど建物の構造や、建物の所在地(高台や低地、川の近くにあるなど)の違いなどによって備えるべきリスクが異なります。必要に応じて2以降の補償の選択を検討してみましょう。「家財のみ」の場合の補償内容「家財のみ」を対象とした火災保険の場合も、上記と同様の補償内容になります。基本補償にしぼるか、3以降の補償も必要なのかを検討して加入するプランを決めましょう。また、賃貸住宅に住んでいる方向けに「賃貸住居者専用の火災保険」を用意している保険会社もあります。この商品の特徴は、家財の損害に対する補償にプラスして、「借家人賠償責任補償保険(補償特約)」がセットされている点です。一般的に賃貸物件の場合、建物を対象とした保険は家主が加入していますが、借家人が失火などにより建物に損害を与えた場合、家主に対する法律上の損害賠償責任が発生します。それに備える補償が借家人賠償責任補償保険(補償特約)です。まとめ以上、住宅物件を対象とした火災保険についてみてきました。近年は台風以外の風災・雹(ひょう)災・雪災による支払保険金の増加などの理由により、火災保険の保険料は上昇傾向にあります。前述のように、建物の所在地や、建物の構造などを考慮して、必要な補償を選択することで保険料の節約を考えましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年05月24日じぶん銀行は4月5日、KDDIとの提携による「au 住宅ローン」の提供を開始した。通信と住宅ローンのセット割は日本初となる。○毎月500円を最大5年間キャッシュバックじぶん銀行は、2015年12月1日に住宅ローンのサービスを開始。「がん」と診断されると住宅ローンの残高が半分となる「がん50%保障団信(団体信用生命保険)」などを提供している。このたび同行が提供を開始した「au 住宅ローン」は、KDDIと提携販売する住宅ローン。特徴は日本初となる"通信と住宅ローンのセット割"で、「au 住宅ローンセット割」特典として、毎月500円を最大5年間、「au WALLETプリペイドカード」へキャッシュバックする。対象者は、じぶん銀行の住宅ローンとauのスマートフォンやケータイをセットで利用している顧客。なお、住宅ローンの金利は、4月1日より変動金利型を年0.568%から年0.497%に引き下げている。提携先のKDDIは今後、じぶん銀行を所属銀行とする銀行代理業として、同社各種ウェブサイト、アプリ、メールなどのチャネルを通じて、auを利用している顧客に「au 住宅ローン」を紹介していくとのこと。
2016年04月06日