「障害年金と聞くと、どんな人が受給の対象だとイメージしますか?難病や交通事故に遭って、重い障害を負った……というくらいの状態じゃなければもらえないと思われがち。ですが、さまざまな身近な病気も対象となるのです」こう話すのは『障害年金の手続きから社会復帰まで』(秀和システム)などの著書もある、特定社会保険労務士の漆原香奈恵さんだ。漆原さんのもとへは受給希望者からの新規相談が舞い込む。「最近多いのは精神疾患の方です。うつ病や、双極性障害、統合失調症をはじめ、大人の発達障害などさまざな精神疾患が該当します」(漆原さん・以下同)そのほか、婦人科系の疾患やがん、糖尿病や透析、弱視など多くの疾患が対象となるといっていい。闘病が初診日から1年半以上続き、仕事を辞めたり休みがちになるなど、日常生活に支障があるなら、障害年金受給の対象となる可能性がある。「最近では手術困難な子宮筋腫で受給が決定した方もいらっしゃいました。長く付き合っていく可能性のある疾患であれば受給資格に該当し、働いていてももらえる可能性が。ソーシャルワーカーさんや家族に勧められるなどで存在を知り、手続きを思い立つこともあるようです」もらえる金額は次のとおり。■年金・手当金の年額(令和4年度)【1級】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)×1.25+[配偶者加給年金]〈障害基礎年金〉:97万2250円(77万7800円×1.25+子の加算)【2級】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)+[配偶者加給年金]〈障害基礎年金〉: 77万7800円+子の加算【3級】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)最低保証58万3400円【障害手当金一時金として受給】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)×2116万6800円に満たないときは116万6800円※報酬比例の年金額は、年金加入の被保険者期間が300月未満の場合、300月にみなして計算します障害の程度により1・2・3級・障害手当金とあり、2級以上に該当すれば、老齢年金と同様に、障害年金も2階建てに。国民年金加入者や20歳未満の方は障害基礎年金が受け取れて、厚生年金や共済年金に加入していれば障害厚生年金も受給できる。「国民年金加入の場合は、年度により金額は異なりますが、約80万円(令和4年度は77万7800円)。1級に認定されればここに25%上乗せされ97万2250円となります。さらにお子さんがいると人数に応じて金額が加算され、2級以上の障害厚生年金受給者の方は配偶者の加給年金もあります」子どもがいる場合の加算額は、年額で、2人目までなら1人につき22万3800円、3人目以降は1人7万4600円だ。配偶者の加給年金は22万3800円となる。■受給することをためらわないで!申請するうえで気をつけたいことは主に3つ。まずは保険料を一定期間納付していることだ。「いざというとき障害年金を申請しても未納があるともらえなくなってしまうこともあるので、滞納のないように気をつけましょう」2つ目は、その病気によって日常生活に支障があるか否か。「日常生活に支障があるというのはどの程度なのか、基準があります。誰かの介助が必要な状態でなくとも、労働に制限があったり、日常生活をすることに困難があった場合は該当する可能性が」3つ目は、初診日を特定する必要があることだ。「意外とこちらがハードルに感じることも。今から初診日までかなり遡る場合、初診日に通院していた病院が廃業していたり、主治医の先生が退職していることもあるからです」たとえばうつ病などで長患いとなり、よい医師がいると聞いては転院を重ねるうちに、初診日が曖昧になってしまうのだという。しかしあの手この手で、初診日を特定できることは多いため諦めることはない、と漆原さんは説明する。「当時の診察券やお薬手帳、障害者手帳などで特定・証明することができれば申請可能。受給に結びついたケースも多くあります」ちなみに10年前から通院している場合でも遡れるのは5年まで。それでももらえる金額は大きい。「障害基礎年金の場合は約400万円、障害厚生年金であれば700万円程度一括で(5年分)支給されたケースも。このくらいの金額は平均的で、受給資格を得られたなら、かなりまとまった額が保証されます。『経済的な不安から焦って無理をすることなく治療に専念できる』といって安心する方も多いです」申請をするには、まず8種類ある診断書のなかから自分が該当するものを選択することから。書面による審査のため記載項目が多く、添付書類も年金請求書・受診状況等証明書・医師の診断書・本人の申立書など多岐にわたるが、丁寧に進めれば自分で作成・申請することは十分可能だ。「診断書は年金事務所などで受け取ることができ、日本年金機構のホームページからダウンロードも可能。ただし、対象にならないケースもありますし、迷われたら年金事務所や専門家に相談し、申請しましょう」障害年金を申請することに抵抗感がある人もいるかもしれないが、漆原さんは、社会的なデメリットはほとんどないと話す。「もらっていることを会社やお子さんの学校に申告する義務はありません。病気やけがは誰にでも起こりうるもの。無理なく生活するうえで、障害年金は安定と安心を得られる大切な保障です」
2022年11月22日先日、漫画家の小田原ドラゴンさん(52)が「銀行口座から2千万円以上のお金が“サシオサエ”という名目で抜き取られました」と告白し話題に。国民年金保険料の滞納(以下、国民年金滞納)による年金事務所からの差押さえだったという。「国民年金滞納による差押さえ(強制徴収)は、ここ10年ほぼ右肩上がりに増えています。ただ、いきなり差押さえにはなりませんし、滞納者全員が強制徴収されるわけではありません。支払う能力があるのに、長期にわたって滞納している人が対象です」そう指摘するのは、債務問題に詳しいアディーレ法律事務所の谷崎翔弁護士。そもそも国民年金は、国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が被保険者(加入者)となる。現在、65歳までを納付対象にするという議論の真っ最中だ。国民年金の滞納分が差押さえになるまでの流れは、次のとおり。「滞納を続けると、まず電話や文書、戸別訪問などで『支払ってください』という『納付督励』があります。それでも支払いがないと、自主的な納付を促すための『最終催告状』が届きます」(谷崎さん、以下同)2019年は14万2871件の「最終催告状」が送られた(日本年金機構の資料より・以下同)。「これも無視すると『督促状』が届き、この支払い期限以降は、延滞金が発生します」滞納期間が長くなるほど、延滞金も高額になる。2019年に「督促状」が送られた数は8万9615件。「その後、『差押予告通知』が届き、最終的に『差押』(強制徴収)となります。差押さえ件数は2012年に6208件、2013年は1万476件と年々増え、2019年には2万件を超えました」冒頭の小田原ドラゴンさんは「20年近く未納で、数年前から“電話(納付督励)”があり、ある日を境に“封筒”が届くようになった」と語っている。「1千万円以上の年収があり、連絡がないと目をつけられやすい。必ずしも差し押さえられた口座に入っている全額が取られるわけではなく、滞納分以上の預金が口座に入金されている場合には、滞納分を差し引いたお金が口座に残ることになります」しかし、なぜ国民年金滞納者に対し、差押さえをするほど厳しくなっているのだろう。「かつての社会保険庁による、ずさんな年金記録問題を覚えていますか?この社会保険庁に代わる組織として、2010年に発足したのが日本年金機構です。毎年公開している『業務実績報告書』には一貫して『保険料の負担能力がありながら保険料を滞納している、ほかの被保険者の納付意欲にも影響を与えかねない滞納者に対しては、強制徴収による対応を行う』という旨の記載があります。年金保険料を納めている人の、滞納者への不公平感を排除し、年金行政に対する信頼を確保するべく、徴収体制を厳しくしているのでしょう」とはいえ、滞納者全員が差押さえの対象になるわけではない。「たとえば2014年は税金控除後の年収が400万円以上で13カ月以上滞納している人が対象でした。これが2018年には300万円以上で7カ月以上滞納となり、年々増えています。一昨年と昨年はコロナ禍のため、差押さえ自体を自粛したり、一時的に要件となる年収が上がりましたが、今後また、年収300万円以上に戻ると予想されます」差し押さえられるのは預貯金や給与などに限らないとも。「競売にかけるなど手続きが煩雑なため、私の知る限り個人の滞納に関して事例はないようですが、自宅などの不動産、自動車も差押さえの対象となりえます」そう話す谷崎さんのところには近年、国民年金滞納の相談に訪れる人が増えているという。その事例を見ていこう。■滞納を続けて1年……20万円超の請求が!【滞納分20万円超を支払うため、借金をした50代主婦】「コロナ禍で仕事を頑張ろうと、個人商店に勤務し、年収130万円を超えたことで、夫の扶養枠から外れた主婦。厚生年金には入れず、国民年金への加入手続きについては詳しくなくて、滞納が続きました。1年後、20万円を超える請求が来て驚き、夫に相談できず、貸金業者から借りて、年金の滞納分はなんとか納めましたが、さらに借金がかさんで、相談に。このように滞納していることを家族に言えず一人で悩んでいる人や、離婚をして第3号被保険者を外れた後、国民年金への切替え手続きをしていなくて、知らぬ間に滞納している女性は多いのです」【子どもの滞納分約20万円を請求された50代男性】「『納付督励』の電話がかかってきたことで、30代の息子さんが約1年半、20万円超未納であることを知り、驚かれて相談がありました。『すぐに年金事務所で分納の相談をしてください』と助言しましたが、滞納をしている本人だけでなく、世帯主や配偶者にも支払い義務が生じるという例です」【5年滞納し、約120万円差し押さえられた自営業の50代男性】「商売がうまくいかず5年ほど滞納した男性。督促状もそのままにしていたところ、ある日、通帳記入をすると120万円が『差押』に。銀行口座の残高が急に少なくなり、驚いて通帳記入をしたところで差押さえに気づく人もいます」そこで、保険料を支払う余裕がなくなり、滞納を続けて、ついには差押さえ……などという事態に陥らないためには、どうすればよいのだろう?「失業などで収入が前年より減ってしまい、保険料の納付が困難になったら、まずは年金事務所に相談に行ってください」支払う意思があることと、現実的に困難な状況であることを、伝えることが大切だという。「相談をしたうえで、申請すれば、全額あるいは一部の支払いが免除されたり、猶予される制度があります。また、一括ではなく分納で支払うこともできます。何も手を打たずに放っておくと、支払う意思がないと捉えられ、差押さえの対象になりかねませんので注意してください」滞納による差押さえは、これからますます増えると谷崎さん。「現在の物価上昇で支出が増え、社会保険の負担も重くのしかかってくると思います。だからこそ、家計は家族全体の問題と捉え、お金のことだからと遠慮せず、話し合い、助け合うことが大切です」家計を、そして大切な家族を守るためにも、お金の悩みを一人で抱え込むのは絶対にやめよう。
2022年11月03日政府は今月18日、国民年金の保険料納付期間を、これまでの40年間から5年延長して45年間とする案を議論する方針を固めた。これが実現すれば、20歳から始まる納付の対象者は現行の「60歳になるまで」から「65歳になるまで」に広がることに。厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会は、今月中に議論に着手、’25年には国会での改正法案提出を目指す、としている。年金制度に詳しい社会保険労務士の井戸美枝さんが解説する。「国政選挙がしばらく行われないいまのうちに制度を変えてしまうのが目的という報道も出ていますが、昨年末に厚生労働省から納付期間を45年にしたケースでのシミュレーションが出ていますので、けっして降って湧いたような話ではありません。しかし、60歳以降に収入が少なくなる人は保険料が支払えず、免除申請をして40年間の納付で受け取るというケースも出てくるでしょう」現在は保険料が月額で1万6千590円なので、1年間で19万9千80円、5年では99万5千400円。負担増はトータルで約100万円にもなる。厚生年金加入の会社員であれば企業の雇用延長などで65歳、さらに70歳まで働く人が増えていて、負担は変わらない。一方、60歳で完全リタイアした人やその妻、自営業者は収入が限られているので、負担は小さくない。現行の国民年金の受給額(老齢基礎年金)は、40年間フルに納めたケースで月額6万4千816円(年77万7千800円)。65歳から受け取りを開始すると、累積受給額が納付した保険料を上回る「損益分岐点」は、10年と3カ月。75歳3カ月時点で元が取れる計算だ。今後、負担が増すことになれば、のちに得られるリターンは大きくなると考えてよいのだろうか。「とあるニュース番組で『受給額が増えることはない』とコメンテーターが発言していましたが、シミュレーションが出ている以上、支払額だけ増えて、受給額は現行のまま、ということは考えにくいです。支払った保険料はそのぶん現行の受給額に上乗せされて支払われる形になるでしょう。国民年金から老齢基礎年金が支給されますが、基礎年金には『国庫負担』という国の税金が2分の1含まれています。受給額はこの国庫負担分の有無によって異なってきます」(井戸さん・以下同)保険料を45年間納めると、納付総額は895万8千600円。それによって受け取ることができる年金の額は、井戸さんの試算によると次のとおり。「税金が投入されないケースでは、月額約4千50円増の6万8千866円になります。65歳から受給をスタートした場合、10年10カ月を超えたところで同じく元が取れる計算です」国庫負担分が現行どおり投入される場合は、受給額が月額約8千100円増。すると、損益分岐点は10年3カ月となる。「国庫負担分が入るか入らないかはこれからの議論次第ですが、入った場合を想定すると、長生きした場合における受給総額の差は歴然です。女性の平均寿命である87・57歳を前にした85歳の時点でみても、受給総額は現行制度で1千555万6千円。改正後は1千750万円になります」もちろん、前出の「損益分岐点」を前に亡くなってしまうと、トータルでは“損”することになってしまう。健康に留意することがより求められるようになるとも考えられるだろう。ここ数年で目まぐるしく変わる、60代以降で「払うお金」と「もらえるお金」。制度の変更がもたらす自分の老後資金への影響を、きちんと把握しておこう。
2022年10月27日「老後の生活を支える『年金』に関する手続きを怠ってしまったがためにライフプランが狂ってしまった、という人が続出しています」そう話すのは、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の井戸美枝さんだ。大切な老後資金に異変が起きている背景には、“働き方の多様化”があるという。「新卒で入社した会社で定年を迎えるのではなく、転職を繰り返す人や、定年を待たずに退職してフリーランスになる人も増えてきました。会社を辞めた後、忙しさにかまけて年金の手続きを後回しにしてしまい、ほったらかしにした結果、60歳になって受け取れるはずの年金がもらえなくなってしまった、という事態が起きているのです」(井戸さん・以下同)日本の年金制度は1階部分を「国民年金」、2階を「厚生年金」、3階を「私的年金」とする“3階建て”で構成されている。このうち3階部分の私的年金には、国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)があり、加入者自身が資産を運用する確定拠出年金には、企業型と、最近注目の個人型(iDeCo)がある。なかでも注意が必要なのが、「企業型の確定拠出年金」だ。「給与明細を詳しく見たことがない、毎月の給料から何が天引きされているか知らない、という人が意外と多いのです。退職した後には厚生年金から国民年金に切り替えるために年金事務所で手続きをしますが、それで手続きが完了したと勘違いしている人もいます。しかし、企業型の確定拠出年金に加入していた人は、退職してから6カ月以内に、それまで積み立てたお金をiDeCoもしくは転職先の確定拠出年金などに移す必要があります。iDeCoの手続きは自分で行わなければなりません。手続きをせず6カ月が経過すると、その資産は自動的に『国民年金基金連合会』が現金で預かることになります。これを『自動移換』といい、100万人以上の人が該当する深刻な問題になっています」■該当する人は111万人、総額2千600億円にも…国民年金基金連合会によると、この「自動移換」に該当する人は今年7月末で約111万人。同会が現金で預かっている、いわば“置き去り年金”の総額は今年3月末で2千587億5千200万円。200万円を超える資産が自動移換された人は2万3千200人もいる。いったん自動移換されると、現金の状態で国民年金基金連合会に置き去りにされた状態になるので、運用はいっさいできなくなる。しかも自動移換の際に4千348円の手数料が引かれて、それ以降も毎月52円の手数料が発生する。年間で624円と少額だが、長期間運用しないで手数料が引かれるとなると、資産は目減りする一方だ。「最大の問題は、確定拠出年金の場合、原則として加入期間が10年以上ないと、60歳から受け取ることができない点です。10年を満たしていれば60歳から受け取れますが、この間手数料が引かれるため、当初受け取れるはずだった年金よりも総額は少なくなります。また、加入期間が10年未満の人は、自動移換されている間は加入期間とはみなされません。たとえば入社してから7年勤めている間、企業型の確定拠出年金に加入した人が会社を辞めてそのまま年金資産を放置してしまうと、60歳から受け取ることはできなくなります」実質“喪失”となってしまうことにもなりかねないというのだ。「資産が少額などの条件を満たしていれば、脱退一時金として受け取ることができます。ただし、受け取るためにはiDeCoに加入して、加入期間を10年にするしか方法はありません。そうなると年金をもらい始めることができる時期が先延ばしされてしまいます」年金資産が自動移換になると国民年金基金連合会から「確定拠出年金に関する重要なお知らせ(自動移換通知)」という書類が送られてくる。それでも手続きをしなければ、年に一度お知らせが来るので、きちんと確認しよう。また、自分の年金記録は企業年金連合会のホームページで、年金手帳に記載されている基礎年金番号を入力すれば確認が可能だ。安心した老後を過ごすためにも、受け取れる年金をもらいそびれることのないよう気をつけたい。
2022年10月11日東京都社会保険労務士会(会長:寺田 晃)は、社会貢献事業の一環として、都内や近県にお住まいの小学生とその保護者の皆さまを対象に「夏休みこども年金教室」を令和4年8月18日(木)にオンラインで開催します。チラシ表面この年金教室では、年金に関する唯一の国家資格者である社会保険労務士が年金制度の仕組みをわかりやすく解説するとともに、将来の年金制度の担い手となるこどもたちに、年金クイズや夏休みの自由研究にもなる年金新聞の作成をとおし、年金の大切さを楽しみながら学んでもらう機会となるよう企画しました。この機会に是非ご参加ください。【夏休みこども年金教室】●対象者: 小学生とその保護者の方●日時 : 令和4年8月18日(木)14:00~16:00(受付開始13:30)●場所 : Zoomオンライン配信配信URL等についてはお申し込み後にお知らせします。●参加費: 無料●主催 : 東京都社会保険労務士会 社会貢献委員会●申込 : 右のQRコードまたは以下のURLよりお申し込みください。(申込期限は8月5日まで)但し、定員に達し次第、受付を終了する場合がございます。 ●定員 : 50組100名程度(保護者の方もご一緒にご参加ください。)※詳細は東京都社会保険労務士会ホームページ( )をご参照ください。【東京都社会保険労務士会 概要】社会保険労務士法に基づき東京都に設立された法定団体。社会保険労務士会は各都道府県に設置されている。都内で活動する会員社会保険労務士の資質の向上と業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的としている。所属会員は、開業、法人社員、勤務などの個人会員と社会保険労務士法人の法人会員で構成されており、2022年5月31日現在の会員数は、個人会員11,359名、法人会員759法人。HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月15日国民の健康増進を唾液ケアから考える特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会(理事長:槻木 恵一、以下 当会)は、この度、国民皆歯科健診についての意見の募集を開始しました。2022年6月1日に「国民皆歯科健診義務化へ?」という報道が突如として流れました。この報道に驚かれた方も多いのではないでしょうか。日本人の歯科とのかかわりは、痛くなってから歯科医院を訪れるというパターンが圧倒時であり、痛くなくても歯医者に行かなければならない事になりそうな「義務化?」という投げかけをどう受け止めたでしょうか。当会では、国民皆歯科健診の推進が国民の健康に寄与するという意見に賛意を示しており、今後是非とも進めていくべきであると考えています。しかし、この国民皆歯科健診を進めるためには、上から制度を一方的に押し付けるのではなく、意義の共有と疑問点の解消など丁寧な説明が必要であると考えました。特に、当会は、口腔の健康に必須な唾液の機能性向上からの健康長寿を目指す特定非営利活動法人であるので、その役割を果たすためにも、多くの皆さんからの意見を集約し、形としてまとめ発信をしていきたいと思います。そこで、当会ホームページに意見投稿フォームを設置しましたので是非とも、ご協力をお願いいたします。URL: 意見の募集は2022年7月1日より8月28日(締め切り)までにお願いいたします。※ 投稿されました内容は、個人情報を削除して、意見として公表していきますのでご了承ください。なお、その目的以外にいただいた意見を利用することはありません。また、投稿時に個人情報の登録は任意です。建設的なご意見をお待ちしております。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月05日「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■年金額は2割減に…生活の見直しが必須年金の減額はさらに続くと、前出の北村さんは分析する。「年金の条文の中でも、将来的に所得代替率が50%になることに触れられています。所得代替率とは、現役男子の手取りに対する年金受給額の割合のことです」現在、モデル世帯といわれる男子の平均給与は357000円で、所得代替率は61.7%になっている。「これが50%となれば、年金の受給額は178500円に。現行よりも約2割も減る計算です」つまり、物価が下落する見込みはなく、年金額は下がり続けていく。「主食を小麦製品から価格の上昇していない米に切り替えるなど、生活のあり方の根本的な見直しが必要です」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)厳しい老後が待っていそうだ。
2022年06月30日止まらない物価の上昇。さらに老後の頼みの綱である年金は6月の支給分から減額になった。このことによって、すでに年金をもらっている人も、これからもらう人も大きく老後資金が“減った”のだーー。「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■1万品目超の値上げ…政府の対策は期待できず年金減額だけではなく、急激な物価の上昇も家計に大きな影響を与えている。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは言う。「2019年10月に消費税の増税、2020年の新型コロナによる景気の低迷で、企業の業績が悪化しました。一時期、コロナ禍で世界的に物流が滞りましたが、2021年に入り欧米諸国で輸出入が急激に再開されたことで、原油の需要と供給のバランスが崩れるなどして原油価格が高騰。大豆や小麦などの穀物の価格にも反映されました。昨年末からは、ロシアとウクライナの緊張が高まり、原油と小麦価格がさらに値上がっています。そして、この数カ月の急激な円安も家計に影響を与えています。麺類やパンなどの小麦粉商品をはじめ、輸入される牛肉や魚介類、さらにスーパーの総菜、ペットボトル飲料、お菓子など、1万品目以上が値上がりするのです」6月24日に発表された最新の「消費者物価指数(全国2022年5月分)」によると、総合的な物価は昨年と比べて2.5%上昇している。生魚や生野菜などの生鮮食品は12.3%、水道光熱費に至ってはなんと14.4%もの上昇だった。これを昨年5月の「家計調査」にあてはめてみると、この1年で月の支出額は214961円から220335円と、5374円も増えたことになる。年間だと64488円の上昇だ。「年金も減額されているので、年金世帯がこれまでと同じ生活をするだけで、年間75324円も負担が増えることになります。平均寿命の延びも加味し、老後を30年として計算したら2,259,720円の負担増になります。老後の計画が狂ってしまう人も多いはずです」(柏木さん)つまり、現在の状況は本来使えるはずだった老後資金が226万円も減ったのに等しい。政府はこの物価上昇をある程度容認すると、柏木さんはみている。「政府や日銀は長く続くデフレを脱却することを目標にしてきました。日本銀行のが『国民が値上げを受け入れている』と口走ったのも、そんな本音の表れでしょう。そもそも企業が、値上げした商品の価格を再び下げるとは、考えにくい。ウクライナ情勢も長引けば、さらなる値上げもありえます」岸田政権下で急激に目減りしていく老後資金。政治がそれに歯止めをかけない以上、生活を貧しくしていくしかないのかも……。【図解】昨年と今年の月の消費支出比較と物価上昇率
2022年06月30日平均寿命が男性より長い女性にとって、老後の「年金」は大事な収入源。年金は、一度受給を開始したら、死ぬまで“減らない財布”です。だからこそ、少しでも受け取れる額を増やしたいもの。その増やし方、教えますーー。「PGF生命の調査では、60歳の25%が『貯蓄が100万円未満』。4人に1人は老後資金がほぼない状態なのです。とくに私が心配しているのは女性の老後です」こう話すのは、最新著『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』が話題の“年金のプロ”長尾義弘さん。「総務省の『家計調査(’19年版)』では、高齢の無職の夫婦世帯の平均支出は月額約27万円。シングルの場合は月額約15万円です」今回、長尾さんは独自の年金受給額シミュレーションを使い、夫が正社員の専業主婦、ともに正社員の共働き夫婦、ともに自営業の夫婦が、65歳から年金を受給した場合の月額受給額を試算。また、女性のさまざまなライフスタイルの変化により、起こりうる年金受給の変化についても試算(数字はすべて概算。以下、コメントはすべて長尾さん)。妻の立場別、老後のリスク別に、もっとも得な年金の受け取り方を長尾さんの試算をもとに徹底解説していこう。「妻が専業主婦の世帯では、前出支出平均と比べ月額2万円の赤字となり、けっこう生活は厳しい。そこで提案したいのは、夫にとにかく70歳まで働いてもらうこと」70歳まで夫の収入だけで生活し、夫婦とも年金受給を70歳からに遅らせることで、なんと年金受給額は36万円にアップする。「共働き夫婦も考え方は専業主婦と同じ。夫だけが70歳まで働くより、妻も働くことで、妻1人になったときの生活不安をより軽減できるのでがんばってください」国民年金しかない自営業の夫婦の場合は「国民年金基金」に加入して、老後の年金を増やす方法を長尾さんは勧める。そして、離婚や死別、親の介護やシングルのままなど、状況の変化の中でも、しっかり年金について考えておく必要がある。■妻が専業主婦の場合夫は60〜70歳まで厚生年金に入れる仕事に就き、夫婦の年金受給は70歳に繰り下げる。【現状】妻の平均賃金:月額20万円(妻は結婚のため30歳で退職)夫の平均賃金:月額50万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額30万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約7万円(年額約89万円)夫:月額約18万円(年額約213万円)夫婦の合計月額:約25万円【対策】・夫は70歳まで働く・夫婦共に年金の受給開始を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約10万円(年額約126万円)夫:月額約26万円(年額約312万円)夫婦の合計月額:約36万円※約11万円の得!!現在の企業は60歳退職、65歳まで再雇用のケースが多い。「そのまま65歳から年金受給すると、月額受給額は約25万円で、高齢夫婦世帯の平均支出額より月額2万円足りない計算。まだ夫の健康状態に問題がないようなら、あと5年間は働くように上手に舵取りしてください。もし65〜70歳の間の仕事が厚生年金に加入していない職場でも、収入によって繰下げ受給ができれば、月額約27万円よりは十分多い金額を受給できるので、働いてもらうことが大切です」さらに夫が先立つことも考え、今後、あなたも厚生年金に加入できるパートや派遣社員で社会復帰し、自分の受給額を増やすこともぜひ検討してほしい。■妻が共働きの場合夫婦共に70歳まで再雇用で働き、年金受給は70歳から。【現状】妻の平均賃金:月額26万円夫の平均賃金:月額39万円妻の60〜65歳の再雇用賃金:月額18万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額30万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約12.4万円(年額約149万円)夫:月額約15.4万円(年額約185万円)夫婦の合計月額:約28万円【対策】・夫婦共に70歳まで働く・夫婦共に年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約18万円(年額約217万円)夫:月額約23万円(年額約273万円)夫婦の合計月額:約41万円※約13万円の得!!「夫婦共に正社員で、2人とも65歳から年金受給すると、合わせて月額約28万円。現状でも高齢夫婦の平均支出額を上回っていますが、夫が先立った場合、妻だけでは月額約12万円で高齢単身者世帯の平均支出額の約15万円には足りません。そこで妻が1人残った場合の安心な老後のためにも、夫婦そろって70歳まで働き、年金受給も70歳からにすること」こうすることで、70歳以降の年金生活でも、趣味などにお金を回せ、潤いある生活を送ることができると同時に、妻だけになったときの年金受給額も月額17万円にアップ。これなら1人の老後もなんとか年金だけでやっていける金額だ。■妻が夫と自営業をしている場合国民年金基金に加入し、70歳まで働き、年金受給は70歳から。【現状】妻:国民年金のみ夫:国民年金のみ〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約5.7万円(年額約68万円)夫:月額約5.7万円(年額約68万円)夫婦の合計月額:約11万円【対策】・60歳以降も国民年金に任意加入して満額に・国民年金基金に加入・夫婦共に70歳まで働く・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額+国民年金基金(月額:妻約4万円、夫約5万円)〉妻:月額約13万円(年額約159万円)夫:月額約14万円(年額約174万円)夫婦の合計月額:約27万円※約16万円の得!!「自営業の夫婦が受け取る年金は国民年金(老齢基礎年金)だけなので、2人合わせて月額約11万円。平均支出と比べて16万円も足りません。できるだけ早いうちから国民年金基金に加入し、年金を“2階建て”にしましょう。無理はいけませんが、なるべく多い金額を掛けることが“安心老後”を迎えるコツ」夫婦が国民年金基金に月額3万5000円ずつ、約20年掛けた場合、65歳以降合わせて月額9万円が受け取れる。また国民年金も満額にするため任意加入して払い続けることで、70歳からの月の受給総額は夫婦で27万円に。「必ず夫だけでなく妻も国民年金基金に加入し、妻1人の老後にも備えることが肝心」■熟年離婚を考えているケース増え続ける熟年離婚。今後離婚を考えている場合、必ず「年金分割」を利用し、夫の厚生年金の半分を受け取る。【現状】妻の平均賃金:月額8.5万円(パート)夫の平均賃金:月額40万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額25万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約6.5万円(年額約78万円)夫:月額約15.5万円(年額約186万円)夫婦の合計月額:約22万円〈婚姻期間30年で按分割合50%の場合〉妻の厚生年金:約3万円夫の厚生年金:約3万円〈離婚後65歳の年金受給額〉年金分割:月額約3万円妻の基礎年金:月額約6.5万円月額:約10万円【対策】・離婚したら正社員の仕事に就き、70歳まで働く(月額13万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約15万円(年額約177万円)月額:約15万円※約5万円UP!!「『年金分割』は婚姻期間中の厚生年金は夫婦共同で支払っているとみなし、厚生年金の最大半分を妻が受け取るというものです」妻が60歳以降に離婚したケースで、年金分割の按分割合は50%。夫が認めた場合だが、それでも離婚後の妻の年金受給額は月額約10万円と厳しい。「そこで提案したいのが、たいへんですが70歳まで働き、自分の基礎年金分の受給を70歳まで遅らせること。こうすることで、受給額はぐんと増え約15万円になりますよ」■介護で離職するか悩んでいるケース離職は年金が激減するので極力避けて働き続ける。【現状】平均賃金:月額25万円〈65歳からの年金受給額〉月額:約11万円(年額約129万円)【対策】・介護離職をしないで70歳まで働く・介護保険、介護サービスを活用する・再雇用で70歳まで働く(月額20万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉月額:約18万円(年額約216万円)※約7万円UP!!「母親と二人暮らしの正社員のシングル女性(53歳)。最近母親に介護が必要になって、介護離職したいと相談を受けました。いまや介護は日本全体の問題。たしかに仕事と介護の両立はたいへんですが、1人で抱え込むと後で後悔することに。介護する人の老後を試算すると、仕事は無理をしてでも続けるべきです」長尾さんの試算では53歳で退職すると、厚生年金加入期間が短くなるため、65歳からの受給は月額約11万円と激減。「平均的な介護日数は約5.1年。介護離職ではなく、介護保険をうまく活用して介護サービスを使うことで、行政や専門スタッフの力を借りてなんとか乗り切ってほしいものです」■夫に先立たれたら……と不安なケース夫の遺族厚生年金と基礎年金は受給し、自分の年金受給だけ75歳から。【現状】妻:専業主婦夫の平均賃金:月額40万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額25万円企業年金あり(月額5万円)〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約6.5万円(年額約78万円)夫:月額約20.5万円(年額約246万円夫婦の合計月額:約27万円〈夫の死後の年金受給額〉遺族厚生年金:月額約7万円妻の基礎年金:月額約6.5万円月額:約13万円【対策】・75歳までは夫の遺族厚生年金月額約7万円と夫の保険金で生活・基礎年金部分だけ受給を75歳まで遅らせる〈夫の死後の年金受給額〉遺族厚生年金:月額約7万円妻の基礎年金:月額約12万円月額:約19万円※約6万円UP!!「5歳以上年上の夫がいる専業主婦の場合を想定して試算してみましょう。ただでさえ女性のほうが6年以上長生きというデータがあるので、妻が75歳を過ぎると夫が先立つ可能性が高い。妻の基礎年金だけを75歳から受給するようにして、それまでは夫分の年金でやりくりすることが理想といえます」遺族厚生年金は夫が生きていた場合の受給額の約半分。また企業年金は夫死亡と同時になくなってしまう。夫の死後の妻の年金は月額約13万円。それがこの方法で約19万円になるという。「もし妻が75歳になる前に夫が亡くなったら、そのときから自分の基礎年金を受け取る手続きも可能なのでご安心を」■このままシングルかも……と想像するケース正社員の立場を確保し、70歳まで働ける環境を築く。【現状】平均賃金:月額17万円〈65歳からの年金受給額〉月額:約11万円(年額約126万円)【対策】・転職し正社員の仕事に就く(月額30万円)・再雇用で70歳まで働く(月額15万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉月額:約18万円(年額約212万円)※約7万円UP!!「派遣社員として働き、現在親と同居中の女性(月収17万円)がこのままの生活を続けた場合、65歳からの年金受給は月額約11万円。高齢単身者世帯の月の平均支出額は約15万円なので、4万円足りない計算。むずかしいとは思いますが、受給額を増やすには、とにかく正社員になってベースとなる給料を上げる努力が必要です」もし35歳で月給30万円の正社員になり、そこからキャリアアップしながら60歳で定年。再雇用で70歳まで働き、年金受給を70歳まで遅らせれば、月額18万円受給可能に。「たいへん厳しい提案ですが“安心老後”のためには、とにかく正社員をめざすことです」人生100年時代、70歳までは働き盛りと考え、乗り切ることが必要とされているといえそうだ。【PROFILE】長尾義弘ファイナンシャル・プランナー。新聞・雑誌・WEBなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』(河出書房新社)など著書多数
2022年06月01日人気グルメの味をイメージしたお菓子などさまざまなコラボレーション商品を見かけることがあります。そんなコラボの中に人気のお菓子をイメージしたパンを見たことがある方もいるのでは!?今回発見したのはローソンの「カントリーマアムパン」。たくさんの方に親しまれていて、ファンの多いお菓子のひとつだと思います♡どのくらい再現されているのでしょうか…?要チェックです!カントリーマアムパンカントリーマアムパン価格は150円(税込)。4個入りです。ローソンが、あの国民的お菓子ともいえるカントリーマアムをイメージして作ったパンということです!比べてみたついついやってみたくなってしまう、元となる商品との比較…。例外なくやってみるとこんな感じ♡見ためはそっくり!!!パンでもそのまま表現できるんですね。大きさはざっくりふたまわりの違いでした。中身はチョコレート生地半分に切ってみると中身はこんな感じ!外側はお菓子のカントリーマアムと同じような生地ですね。違いは中身のチョコレート生地です。ゴロゴロのチャンクチョコは一緒ですね♪お味はどうなの?食べてみると、表面の生地はカントリーマアムのなんともいえないしっとりとしているけれどサクッとした食感のあの美味しいクッキーと同じ感じ!ふわっふわのチョコレート生地にかたまりのチョコのダブルチョコレートがたまらない!遊び心くすぐるパンローソンの「カントリーマアムパン」は、美味しくて遊び心がある商品でした♡!美味しいのはもちろん、子どもも大人も笑顔になれる話題性のある商品だと思いました。家族や友達と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか♪記事内の情報は執筆時のものになります。価格変更や、販売終了の可能性もございますので、ご了承くださいませ。また、店舗ごとに在庫が異なるため、お立ち寄りの店舗へお問い合わせください。"
2022年05月13日パートの厚生年金の加入要件が緩和される。そこで、加入した場合の手取り額と、どれくらい年金が増えるのかを徹底シミュレーション。すでに厚生年金に入っている人も、これから入るかもしれない人も、人生100年時代の指針に役立てて――!「今回の年金制度改正により、中小企業に勤務されているパートやアルバイトの人たちも、厚生年金に加入する機会が増えます。加入すれば、将来の年金受給額を増やせます。“人生100年時代”に備えた保障を厚くするチャンスだといえるでしょう」このように語るのは、年金制度に詳しい「よこはまライフプランニング」代表で、特定社会保険労務士の井内義典さんだ。パートやアルバイトなどの短時間労働者は、特定の要件を満たさなければ、厚生年金と健康保険に加入できない。しかし、その要件が次のように緩和されるのだ。■厚生年金の加入要件はどう変わる?【企業規模】現行:常時500人超改正点:常時100人超(’22年10月~)→常時50人超(’24年10月~)【労働時間】現行:週の所定労働時間20時間以上改正点:変更なし【賃金】現行:月8万8,000円以上改正点:変更なし【勤務期間】現行:継続して1年以上の見込み改正点:継続して2カ月超の見込み(’22年10月~)【適用除外】現行:学生でないこと改正点:変更なし現行は「従業員500人超」の企業で働いていることが要件のひとつだが、10月から「100人超」に変更。同時に、勤務期間も「継続して1年以上の見込み」から、「継続して2カ月超の見込み」になる。厚生労働省の推計によると、この緩和で、厚生年金の加入者は新たに約45万人増えるという。2年後の’24年10月には、企業規模の要件が「従業員数51人以上」まで緩和され、さらに約20万人加入者が増えると予測されている。■国民年金からの変更は二重にお得夫が会社員の場合、妻が年収130万円を超えると、夫の扶養から外れ、自ら社会保険に加入しなければならなくなる。年収130万円以上で現行の要件に該当せず、国民年金に加入している人(第1号被保険者)、また夫の扶養の範囲で働いている基礎年金の人(第3号被保険者)のなかには、10月の要件緩和で厚生年金に新たに加入するという人が増えるはずだ。さらに、年収130万円未満でも、独身や夫が自営業で国民年金に加入していて、新たに厚生年金に入るというケースもある。厚生年金の被保険者(第2号被保険者)は、将来、基礎年金に加え、加入した期間や当時の報酬額で決まる「比例報酬部分」を受給することができる。収入と加入期間(働いていた期間)で、どれだけ年金受給額が増えるかを、井内さんの協力のもと、本誌が試算したのが図の表だ(画像参照)。たとえば、パート収入が月に11万円の人が厚生年金に5年加入した場合、65歳から受け取る年金額は、基礎年金(国民年金)だけの人と比べると、月に2,854円、年間で3万4,248円も増額される。仮に90歳まで生きた場合には、85万6,200円も差が出る計算だ。メリットはこれだけではない。「たとえば障害年金。国民年金制度の障害基礎年金は、障害等級1級と2級の障害を対象としていますが、厚生年金に加入することで、それよりも軽い3級の障害でも障害厚生年金を受給できるようになります。また、1級や2級に該当した場合は、基礎年金と厚生年金の“2階建て”で障害年金が受けられます」(井内さん)厚生年金に加入すると、収入に応じた保険料を払うことに。ただし、会社が保険料の半分を負担してくれるので、年収220万円くらいまでは、国民年金の保険料(1万6,590円、’22年度)よりも自己負担額は少ない。国民年金から厚生年金に移る人は、手取り額が増え、将来の年金受給額も増えるという“両得”な場合が多いのだ。一方、夫の扶養内で働く第3号被保険者は、新たに保険料を払うことになるので、手取り額が減ってしまう(表参照)。それが嫌なら、働く時間や収入を減らしたり、勤務先を変えて、加入要件から外れるようにする必要があるが……。「逆に働く時間や収入を増やして、将来の年金も増やしたほうが、長い目で見た老後の安心を手に入れられると思います」(井内さん)10月の変更でも該当しないという人は、働き方を変えて、厚生年金の加入を検討してみて!※表は井内氏の協力のもと、本誌作成。金額は2022年度時点の概算。小数点以下は四捨五入。税・社会保険料については、健康保険は「協会けんぽ東京支部」の被保険者負担分の保険料率(4.905%)、雇用保険は令和4年4~9月までの保険料率(0.3%)で計算。介護保険料は0.82%、厚生年金保険料は9.15%の保険料率で計算。健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料は標準報酬月額×保険料率。税については社会保険料の控除も行われている。
2022年05月06日受給開始時期を遅らせることで、受け取る金額を増やせる年金の繰り下げ。しかし、年金の額が増えると、税や社会保険料の負担も増えるという。結局、どれくらい繰り下げるのがいちばんお得なのかーー?「年金の繰り下げの仕組みが大きく変わります。現在は70歳までの繰り下げ受給が、4月からは75歳まで可能になるんです」そう語るのは、ファイナンシャルプランナーで「生活設計塾クルー」取締役の深田晶恵さん。この4月から施行される年金制度改正法によって、今年の4月1日以降に70歳になる人は、75歳まで公的年金(以下年金)の受給開始を繰り下げできるようになる。「受給を1カ月遅らせると、額面の年金額は0.7%増えます。たとえば5年繰り下げて70歳から受け取ると65歳時点で受け取る金額の1.42倍が、10年繰り下げて75歳から受給した場合には、1.84倍が受け取れます。65歳時点の年金額が年200万円の人なら、5年繰り下げると年金額が284万円、10年繰り下げると368万円に。この金額を生涯にわたって受け取れるのが繰り下げ受給の魅力です」【年金の繰り下げ受給のポイント】・年金額が増える・公的年金は生きている限りずっともらえるので、長生きするとお得に!【年金の繰り下げ受給の注意点】・厚生年金の繰り下げ期間は、加給年金を受け取ることができない・夫の死亡後に妻が受け取る遺族厚生年金の額は65歳時点の金額。繰り下げで増えた分は反映されない・年金額が増えると、社会保険料や医療費の自己負担額などが増える場合がある老後の生活を支える虎の子は、額面ではなく実際に使える“手取り額”を把握しておくことが重要だ。じつは、年金の手取り額は繰り下げによる額面の増加と同じようには増えないという。「受け取る年金額によっては、収入が増えると同時に、社会保険料や税の負担が大きくなる場合があるのです。年金の手取りは、額面から所得税と住民税、国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料を引いた金額。所得税は全国共通ですが、それ以外は住んでいる自治体によって金額が異なります。けれど、どこに住んでいようと年金収入が増えれば、税金と社会保険料の比率が高くなって、手取り率が下がる仕組みは共通です」■年金が夫200万円、妻78万円の場合繰り下げるとどうなる?それでは、額面と手取りでは実際にどれくらいの差があるのだろうか?今回は東京都世田谷区に住む「夫200万円、妻78万円」と厚生労働省のモデル世帯に近い同年齢の夫婦を想定し、65歳から年金を受け取る場合と、5年、10年と繰り下げたケースでの手取り額を深田さんに試算してもらった。「65歳から年金を年200万円受け取る夫の場合、介護保険料は4万8,000円で、国民健康保険料は9万7,000円(ともに年間、端数切り捨て)に。5年繰り下げて、受給額が284万円に増えると、介護保険料は9万3,000円、国民健康保険料は22万9,000円に増えて、手取りの増額率は額面の増額率より大幅に低くなります。一方、基礎年金だけの妻の場合は、元の金額が少ないため、年金額が増えても社会保険料や税の負担はそれほど大きくなりません。手取りでも額面と同程度の増額効果を得ることができます」何歳まで受給すれば、65歳から受給した場合の年金の総額を超えるかという「損益分岐年齢」も額面と手取りでは違ってくる。額面ベースなら、70歳から受給すると81歳11カ月、75歳から受給すると86歳11カ月で、65歳から受給したときよりも受け取る年金総額が大きくなる。「年金200万円の夫の場合、手取りベースの損益分岐年齢は、70歳から受給した場合85歳6カ月、75歳からなら89歳8カ月に後ろ倒しとなります」一方、年金78万円の妻の場合、手取りベースの損益分岐年齢は5年繰り下げで82歳、10年でも87歳。額面と比べても差はわずかだ。厚生労働省の「令和2年度の簡易生命表」によると、60歳まで生きた男性の平均寿命は84.21歳、女性は89.46歳。年収200万円前後の男性の場合、年金の受給開始を70歳や75歳に繰り下げても、元が取れる可能性は女性ほど高くないことは頭に入れておいたほうがよさそうだ。■年金が増えると医療費負担も増えるさらに、年金収入が増えた場合、医療費の負担も増加する。「75歳以上の高齢者の医療費窓口負担は原則1割ですが、10月からの法改正で、一定の所得(単身世帯は年金含めて200万円以上など)がある人は2割に引き上げられます。後期高齢者になれば、定期的な通院が増え、夫婦で年間10万円程度の医療費がかかると思っていたほうがいいでしょう。これが2割負担になると20万円に。年金生活において、この10万円の負担増の影響は無視できません」深田さんの試算によると、年金200万円の夫が、65歳から年金を受給した場合は、75歳以上の医療費の窓口負担は1割にとどまるが、70歳、75歳までと年金を繰り下げた場合には、2割負担になる可能性が高いという。図のチャート(画像参照)を参考に、自分の負担割合が何割になりそうかを知っておくことも重要だ。では、どのような人が繰り下げに適しているのだろうか?「男性でも女性でも、予想される年金収入が少ないと、増額に伴う手取り率低下の影響を受けづらく繰り下げで得をしやすいです。自営業の人や専業主婦など年金を100万円前後かそれ以下しか受け取れない場合には、75歳まで繰り下げるのも選択肢です」都市圏の場合、夫婦なら夫の年金額が211万円未満で、扶養される妻の年金額が154万円未満であることが住民税の均等割が非課税になる基準。この金額を超えない範囲での繰り下げなら、社会保険料の負担の急増を避けて、年金を増やすことができそうだ。超える場合、もちろん手取りの金額自体は増えるがお得感は少なくなる。■貯金を崩してまで繰り下げしなくていい「そうはいっても、いちばん問題になるのは繰り下げ期間中の生活費をどう賄うのかです。年金を受け取るまでの期間、貯蓄を取り崩して生活するのは危険。年間の生活費に300万円かかる場合、老後資金が2,000万円あったとしても5年間で500万円にまで減ってしまいます。年金受給までの生活費を貯金で賄う人の場合、70歳時点で貯蓄が1,000万円を下回ってしまうなら、繰り下げず65歳から受給して。それでも年金を増やしたいなら、夫の年金は65歳からもらいながら、妻の年金をできる限り繰り下げるのがおすすめです。受給開始までの期間、妻の年金が受け取れない分は、夫婦で少し働いて補うのがベスト」一般的に妻は夫よりも長生きする確率が高いが、年金額は少ない。「夫の死亡後に妻が受け取る遺族厚生年金の額は、65歳時点の年金額を基に計算するため、夫の年金を繰り下げても、夫亡き後の妻の生活の支えにはなりません。妻の年金は元の金額が少ない分、繰り下げの恩恵も受けやすい。女性の長生き対策としても、妻の年金はできる限り繰り下げるのがおすすめです」年金の繰り下げ受給を、シニア時代を豊かに過ごすための大きな武器にするかどうか、しっかり見極めたいものだ。
2022年04月06日「年金の繰り下げの仕組みが大きく変わります。現在は70歳までの繰り下げ受給が、4月からは75歳まで可能になるんです」そう語るのは、ファイナンシャルプランナーで「生活設計塾クルー」取締役の深田晶恵さん。この4月から施行される年金制度改正法によって、今年の4月1日以降に70歳になる人は、75歳まで公的年金(以下年金)の受給開始を繰り下げできるようになる。「受給を1カ月遅らせると、額面の年金額は0.7%増えます。たとえば5年繰り下げて70歳から受け取ると65歳時点で受け取る金額の1.42倍が、10年繰り下げて75歳から受給した場合には、1.84倍が受け取れます。65歳時点の年金額が年200万円の人なら、5年繰り下げると年金額が284万円、10年繰り下げると368万円に。この金額を生涯にわたって受け取れるのが繰り下げ受給の魅力です」年金収入が多くなれば、老後の生活は安泰に。しかも年金は終身制度なので、長生きをするほど受給総額は増える。この超低金利の時代に、これほど増える金融商品はない。やっぱり繰り下げが“正解”なのだろうか……。「繰り下げにはメリットがありますが、注意しなければいけない点もあります。まずは自分が実際にもらえる年金収入を確認し、どのように繰り下げをするのがベストかを考えていきましょう」■年金繰り下げで手取りはいくら増える?老後の生活を支える虎の子は、額面ではなく実際に使える“手取り額”を把握しておくことが重要だ。じつは、年金の手取り額は繰り下げによる額面の増加と同じようには増えないという。「受け取る年金額によっては、収入が増えると同時に、社会保険料や税の負担が大きくなる場合があるのです。年金の手取りは、額面から所得税と住民税、国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料を引いた金額。所得税は全国共通ですが、それ以外は住んでいる自治体によって金額が異なります。けれど、どこに住んでいようと年金収入が増えれば、税金と社会保険料の比率が高くなって、手取り率が下がる仕組みは共通です」■年金金額の手取りはいくら?早見表つぎの「年金手取り額早見表」では、年金収入が上がるほど、手取り率が下がっていく。【年金手取り額早見表】額面収入:180万円→手取り額:163万円(手取り率:90.60%)額面収入:200万円→手取り額:181万円(手取り率:90.50%)額面収入:220万円→手取り額:194万円(手取り率:88.20%)額面収入:240万円→手取り額:208万円(手取り率:86.70%)額面収入:260万円→手取り額:224万円(手取り率:86.20%)額面収入:280万円→手取り額:239万円(手取り率:85.40%)額面収入:300万円→手取り額:254万円(手取り率:84.70%)額面収入:320万円→手取り額:268万円(手取り率:83.80%)額面収入:340万円→手取り額:284万円(手取り率:83.50%)額面収入:360万円→手取り額:301万円(手取り率:83.60%)額面収入:380万円→手取り額:317万円(手取り率:83.40%)額面収入:400万円→手取り額:334万円(手取り率:83.50%)額面収入:420万円→手取り額:350万円(手取り率:83.30%)額面収入:440万円→手取り額:366万円(手取り率:83.20%)額面収入:460万円→手取り額:381万円(手取り率:82.80%)額面収入:480万円→手取り額:397万円(手取り率:82.70%)※令和2年、江戸川区のモデルで試算。本人年齢は66歳・妻の年金は90万円特に、年金増額で社会保険料の負担が増えやすいのは、男性の厚生年金受給者の平均的な受給額である、年200万円前後の年金を受け取る人だという。「都市部などの大都市圏では、扶養する配偶者がいる場合は年金収入211万円まで、単身者は155万円までで住民税の均等割が非課税になります。これを超えると、社会保険料の減免措置が受けにくくなったりして一気に負担が増え、手取り率が減ってしまうのです。ただし、均等割の非課税基準は自治体ごとに異なるので自分の住んでいる地域の基準を確認するようにしましょう」
2022年04月06日2022年2月24日に、ロシアがウクライナ国内に侵攻したことを機に始まった戦争。同年3月18日現在も、停戦していません。世界中の人々が、1日でも早い停戦を祈り続けています。そんな中、映画『ターミネーター』シリーズの主演などで知られる、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんが、ロシアの人々への想いを語りました。子供の頃からあった、ロシアとの接点シュワルツェネッガーさんは、「私はロシアの人々が大好きだ。ぜひ動画を見て、多くの人に共有してほしい」とTwitterで呼びかけ、動画を投稿。I love the Russian people. That is why I have to tell you the truth. Please watch and share. pic.twitter.com/6gyVRhgpFV — Arnold (@Schwarzenegger) March 17, 2022 オーストリア系アメリカ人であるシュワルツェネッガーさんの、ロシアとの接点は子供の頃からありました。それは、「自分にとってヒーローとなる、ロシア人との出会いだった」といいます。14歳の時、ウィーンで開催されたウエイトリフティングの世界選手権を見に行ったシュワルツェネッガーさん。そこで優勝した、ソビエトとロシアの選手だったユーリ・ウラソフさんと握手した時、力強さに感銘を受けたといいます。以来、シュワルツェネッガーさんは自宅のベッドにウラソフさんの写真を飾っていました。ですが、シュワルツェネッガーさんの父親は、その写真を下すようにいったとのこと。父親は、第二次世界大戦中、ロシアで被害を受けた経験から、ロシア人が嫌いだったのです。それでも、「ウラソフさんがあげていた旗がどこの国であるかは、重要ではない」と思い、写真を下すことはなかったといいます。シュワルツェネッガーさんがウエイトリフティングを始めてから、その写真を見ては自分を鼓舞していたとも話しました。大人になってからも持ち続けていた接点シュワルツェネッガーさんとロシアとの接点は、これだけにとどまりません。ボディビルディングや映画の撮影のため、頻繁にロシアを訪れていたシュワルツェネッガーさん。撮影中、再びウラソフさんと会い、コーヒーカップをくれたり、1日を過ごしたりするなど、優しさに感銘を受けたといいます。シュワルツェネッガーさんは、子供の頃から俳優になった大人になるまで、ロシア人が持つ力強さと温かさに鼓舞されてきたそうです。シュワルツェネッガーさんがロシア国民に伝えたいこと2021年1月、アメリカ国内では、大統領の選挙結果をめぐり、抗議デモが行われました。デモに参加した人々は、「選挙結果に不正があった」として、意思を表明。シュワルツェネッガーさんは、この時のように、「おかしいと思うことは、声を上げてほしい」とロシア国民に訴えました。ですが、戦争に反対しているロシア国民が、拘束されるといった事態も起きているのです。拘束された人々に対し、シュワルツェネッガーさんは「私にとって、あなたがたは新たなヒーローだ。ウラソフさんと同じ強さを持っている」とたたえました。シュワルツェネッガーさんのメッセージに、多くの人から称賛の声が上がっています。・こんなにも知的で優しい人だったのか、と胸が熱くなった。・やはりシュワルツェネッガーさんは、本物のヒーローだ。ロシア国民だけでなく、多くの人に見てもらいたい。・心底、ロシアを愛しているからこそ、語らずにはいられなかったのだろう。残念なことに、SNSでロシア人への差別的表現や嫌悪する声が見られたり、ロシア料理を提供するお店を非難したりする動きが起きています。ですが、誰かを攻撃するのではなく、平和への声を上げていくことが必要です。シュワルツェネッガーさんは、ロシアを愛しているからこそ、国民をはじめ多くの人々にこのメッセージを知ってもらいたかったのでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年03月18日「年金暮らしの人でも、確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくる場合があります」そう語るのは、土屋会計事務所の税理士・土屋裕昭さんだ。「確定申告とは、1年間に得た所得を計算して税務署に申告することで、税金を納めたり、払いすぎた税金の払い戻しを受ける手続きのこと。年金生活者の場合は、年金等の収入が年間400万円を超えたり、公的年金以外の所得(パートやアルバイトも含む)が年20万円(給与収入だと75万円)を超えると確定申告が必須になります」確定申告の必要がある人の場合、期限に遅れると最大年14.6%程度の延滞税が、申告しないと無申告加算税(税額の最大20%)が課せられることがある。それ以外の年金受給者は確定申告の“必要”はないが、確定申告によって“払いすぎた税金が戻ってくる”ことはあるという。■所得税を払っていれば「確定申告」で還付を受けられる可能性が「年金のみが収入源となっている世帯でも、年金収入が一定額を超えれば所得税が発生します。たとえば、現役時代会社員だった夫と専業主婦の妻がともに65歳以上の場合、妻の年金収入は国民年金のみなので、満額(約78万円)もらっても所得税は発生しません。一方夫は、公的年金等控除と基礎控除相当(162万円)と配偶者控除(39万円)を足した201万円に社会保険料控除を加えた金額を超える収入があると、所得税が源泉徴収されます。この税額が“本当に払うべき”税額よりも多い場合、確定申告でその差額が戻ってくるんです」〈元々会社員の夫と専業主婦の世帯なら〉夫の年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+201万円より多い〈未婚女性の場合〉年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+162万円より多い。※公的年金等控除+基礎控除(相当額)+配偶者控除、未婚女性の場合は配偶者控除なし自分が源泉徴収でいくら払ったかは、毎年1月ごろに日本年金機構から送られてくる「公的年金等の源泉徴収票」で確認できる。「所得税は、収入から各種控除を引いた“課税所得”にかかります。この所得の金額を減らすことができるのが“所得控除”です」年金受給者に送付される“公的年金等の源泉徴収票”で行われる控除は、社会保険料控除や扶養控除など一部のもののみ。「サラリーマン時代にあった年末調整では、生命保険料、地震保険料などが所得から控除されていました。しかし、年金生活者がこれらの控除を受けるには、自分で確定申告をしなければいけません」還付は5年前の分まで可能。この機会に、支出を見直して取り戻せる税金は取り戻そう!
2022年02月14日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)年金は、今後もマクロ経済スライドなどにより徐々に減っていく見通しだ。今後は、日々の暮らしで支出を抑えていくことが必要になってくる。そこで今回、節約や制度に詳しい柏木さんに加え、節約アドバイザーの丸山晴美さん、同じく節約アドバイザーの和田由貴さんに、年金受給世代に向けた“年金大減額時代”の節約技を教わった。■年金暮らしをスリム化するための節約技※柏木さん、丸山さん、和田さんへの取材をもとに本誌作成【1】乗り換え&電気ガス一本化で光熱費をカットガスや電力を一社にまとめたり、電力会社を乗り換えることで、割引が得られるケースが多い。たとえば「HISでんき」を利用すると、大手電力会社に比べ最大5%安くなる。【2】格安スマホに乗り換えて通信費削減格安スマホや大手キャリアのサブブランドに乗り換えることで月額料金を安くできる。利用していない固定電話がある人は、詐欺電話のリスクもあるので解約を検討してみよう。【3】無駄な医療保険は解約する70歳以上の医療費負担は2割なうえに高額療養費制度も利用できるため、医療保険は解約を検討して。がん保険も、先進医療特約など、どこまで積極的な治療を望むのか考えて見直しを。【4】お中元・お歳暮から卒業するシニア世代の削りたい出費の上位に入る交際費。その大部分がお中元やお歳暮で、年間数万円もの費用がかかる。年賀状のように儀礼的に送り合う季節の贈答品もやめたい人が多いので、話し合いのうえ、卒業しよう。【5】スーパーの棚を回る順番を変えて無駄買いを減らす一人当たり年間2万2,000円という調査結果もある食品ロス。 スーパーの入口にある野菜や果物売場から買い物を始めると、安いが不必要なものもカゴに入れてしまいがち。メインの食材となるものの売場にまず行き、その後付け合わせになるものを買うようにすると無駄な買い物を防げる。【6】日用品はスーパーよりドラッグストアで購入するドラッグストアは薬の販売で利益があるので、そのほかの日用品がスーパーよりも安くなる傾向がある。また、平日の19時以降や土日祝などの時間外の処方薬の調剤には調剤加算料がかかるので、処方箋は時間内に受付して。【7】運転免許証返納特典を活用する東京都には、免許返納者に定期預金の金利を店頭金利から0.05%上乗せする信用金庫がある。またそのほかにも、帝国ホテルのレストランが10%オフになる、スーパーの丸正チェーン加盟店では500円分のクーポンが進呈されるなど、免許返納に伴い多くのサービスが実施されている。【8】シニア割を見逃さない「イオン」では毎月15日、55歳以上を対象に「G.G感謝デー」として、イオンクレジットカード利用の場合5%引きに。「ココカラファイン」や「スギ薬局」などドラッグストアも、60歳以上を対象に、5%引きになるシニア割の日がある。今年度は0.4%だった受給額の減額だが、来年度以降さらに大きく減る可能性もある。年金大減額時代への備えは、早く始めるに越したことはないのだ!
2022年02月03日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)政府が“100年安心”とアピールする年金だが、なぜ減額されるのか。経済評論家の平野和之さんは、こう解説する。「年金の受給額は物価や現役世代の賃金の動きに応じて毎年度変わっています。’21年度の物価は前年比0.2%減で、過去3年間平均の名目賃金変動率が0.4%減。今回は賃金の変動率が優先され、0.4%の減額となりました。コロナ禍によって旅行業界や飲食業界などサービス業を中心に業績が悪化した企業が増えたことが今回の減額の主要因でしょう」年金減額は、今後もさまざまな理由で行われるという。「もともとは、賃金や物価の上昇に伴い、年金の受給額も上がっていました。しかし、現在は少子高齢化のため、受給額を大きく上げると現役世代の負担がとても重くなってしまいます。それを防ぐために、’04年からマクロ経済スライドという仕組みが導入されているのです。スライド調整率というものを設定し、その分を年金の改定率から引くという仕組みです。そのため、年金の上昇分は、賃金や物価の上昇分に満たず、実質的に減額となります」(平野さん)ただし、マクロ経済スライドは、今年のように年金額が減少する際などには、発動されない。しかし、その分は、翌年度以降に繰り越されるので、今後仮に賃金(物価)が上がっても、繰り越されたマクロ経済スライド調整率が差し引かれるため、年金はほとんど上がらないのだ。■物価は上がるが年金は減っていく……こうした複雑な仕組みなどによって、年金減額が行き着く先はどこなのか。平野さんは、厚生労働省が年金の将来の見通しを予想した「財政検証」にヒントがあるという。「最新の財政検証(’19年)では、前述のようなモデル世帯の年金受給額は月22万円となっています。この金額が現役男子の平均月収に占める割合を表す所得代替率は、61.7%となっていました。しかし、財政検証ではこの所得代替率を維持することは困難で、将来的には約50%にまで落ち込むと想定しています」現在のモデル世帯の平均月収で換算すると、年金受給額は月17万8,500円。現状よりも月4万円以上減額することになるのだ。「さらに不安なのは物価が上昇していることです」こう指摘するのは、節約アドバイザーの丸山晴美さんだ。「昨今、原油、大豆や小麦などの穀物の高騰が続き、2月以降には、冷凍食品などの価格にも影響が出そうです」今後も続くとされる、物価の上昇。年金受給世帯にとっては、入ってくるお金が減り、出ていくお金が増える状況が続くことになる。
2022年02月03日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが「受給開始年齢を遅らせる」「なるべく長く働き続ける」「できるだけ収入を増やす」の3つ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)■65歳以降も“夫に働いてもらう”ことが欠かせない繰下げ受給を選択するにしても、その期間は年金以外の収入でまかなえる生活設計を立てる必要があることを考えれば、「なるべく長く働く」「できるだけ収入を増やす」の要素が大きいという。「現役生活に一区切りつけてしまうと、『なかなか働くスイッチが入らない』という声を聞きます。働きたくない夫に無理に働いてもらうようにすると、そこで夫婦ゲンカにもなってしまいます。ですから、単にお金のことだけではなく、会社を辞めた後の生活をどうするのか、といったことを含めて、65歳以降の生活を夫婦で考えてみることをおすすめします。特に、仕事をスッパリ辞めてしまった人は、将来への不安が尽きないうえ、『妻以外の人と話すことがない』『何もすることがない』という状態に陥りがち。それがストレスのもとになり、心身の不調を訴える人もいるくらいです」それでは定年以降、夫にはどんな働き方をしてもらうのがいいのだろう。「外に出ることは健康をキープすることにもつながりますので、趣味やサークル活動を楽しむ時間を持ちながら短い時間働く、といった選択肢もありですね」とはいえ、70歳まで年金を繰り下げる計画を立てるのであれば、年金以外の収入がないからといって貯蓄を取り崩すのはNG!将来、病気や介護が必要になったときに備えて手をつけないでとっておきたい。「繰り下げの待機中はマイペースに働くことが大事。夫がどうしても『フルタイムで働くのはもう嫌だ』ということもあるでしょう。その場合は、企業年金に加入していた人であれば、その受給分だけを生活費に回したうえで、そのほかに必要な分だけ働いてもらえば十分です。老齢厚生年金だけを65歳から受け取り、老齢基礎年金は繰り下げて、生活の不足分は働いて得る、という選択肢も出てきます。妻がフルタイムで働く代わりに、夫は家のことを手伝う、というように、夫婦で役割分担をすることも円満の秘訣です」■2つの改正ポイントで働くモチベーションアップさらに今回の改正では、老後も働き続けるモチベーションを維持するための制度変更もある。これまで、60〜65歳で年金を受け取りながら働くときは、年金収入と働いて得た収入の合算が月額28万円を超えてしまうと年金額が調整されていたが、’22年4月からはその基準額が47万円に引き上げられる。さらに、これまでは70歳にならないと、65歳以降に納めた厚生年金保険料は支給額に反映されなかったが、’22年4月からは、働いて納めた厚生年金保険料が、翌年の老齢厚生年金に反映されるようになる。つまり、もらえる年金が目に見えて増えるので働いた実感がわいてくるのだ。また、今回の大改正に合わせて、働き方の法整備も進み、65歳から70歳まで働く機会を確保することが企業側の努力義務となった。「改正高年齢者雇用安定法で、70歳まで働く時代が本格的にやってきました。企業は今後70歳まで定年を引き上げるだけでなく、定年制そのものを廃止し、起業する人やフリーランスになる人への業務委託などを進めることになっていきます」再雇用で同じ会社で働き続けるほかにも、転職や起業、フリーランスになるなど、老後の働き方が多様になるこれからの時代。夫はもちろん、妻だって元気なうちは働くに越したことはない。ペースを崩すことなく夫婦で働き、「老後の資金」と「健康」をゲットする。そんな一石二鳥を目指すべし!
2022年01月19日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正の目玉は、年金を75歳まで繰り下げると84%も増やせる「年金の繰り下げ」。「外に出ていつまでも健康で過ごすためにも、65歳まで働くのは当たり前、70歳や75歳まで働くことも視野に入ってきます。70歳まで働いて年金を増やしたいという人もいれば、65歳で受け取りたいという人もいますので、職業や資産、健康状態によって、自分に合った受け取り方は異なります。今回の改正では、働き方や年金の受け取り方の選択肢の幅が広がるので、安心できる老後を過ごすための制度設計がしやすくなりました」(井戸さん・以下同)ほかにも、短時間勤務での厚生年金加入が可能になったり、働きながら年金をもらう場合に年金がカットされるボーダーラインが47万円にアップされるなど、大きな改正点は5つ。■パートでも“厚生年金に加入”できる勤め先を見つけようこれまで、「ちゃんと働いているのに国民年金にしか加入できないので、老後の不安が尽きない」という人は意外と多かった。しかし、今回の大改正で、厚生年金加入のハードルが下がり、老齢基礎年金(1階部分)にプラスして老齢厚生年金(2階部分)がもらえるようになる人がグンと増えるのだ。「女性のほうが男性よりも長生きする人が多いことがわかっています。会社員だった夫が亡くなった後、遺族厚生年金があるとはいえ、夫婦2人で生活していたときに比べて収入がガクンと減るので、『おひとりさま』生活を見据えた資金計画はしっかり立てておきましょう。パートやアルバイトで働く主婦の方は多いと思いますが、これまでは労働時間などの条件を満たしていないため社会保険に加入できず、老後に不安を抱えているケースをよく見かけました」具体的にいうと、’22年10月からは、短時間労働者が社会保険に加入できる要件のハードルが以下のように下がる。(1)1週間で20時間以上同じ会社で働いている、(2)月額賃金が8万8,000円以上、(3)2カ月以上雇用の見込みがある、(4)学生ではない、(5)勤め先にフルタイム従業員が常時101人以上いる、の条件を満たしていれば、社会保険に加入できるようになるのだ。これまでは「フルタイム従業員が501人以上」だったのが、今回の大改正で、101人以上とハードルが下がり、さらに’24年10月以降は、フルタイム従業員が常時51人以上に下がる。「将来的にはフルタイム従業員の人数にかかわらず、週20時間以上働いた人は社会保険に加入できる方向で議論は進められています。ここでいう社会保険は厚生年金と健康保険。アルバイトの募集で『社会保険完備』と書いてある場合は、この2つが加入の条件なのかよくチェックしましょう」主婦の場合は、結婚してから60歳までの間、厚生年金または共済年金に加入している夫(第2号被保険者)の扶養の範囲に入り、第3号被保険者に該当しているケースが多い。パートやアルバイトで働いていたとしても夫の扶養から外れないよう、いわゆる“130万円の壁=年収130万円未満”の範囲で働いている。そんな主婦が、扶養から外れて社会保険に加入すると、目先の手取りは減るけれども、将来年金として受け取れる額が増えるのは大きいという。「たとえば年収106万円で厚生年金に加入して10年働いたとすると、納める厚生年金保険料は月8,052円で、受け取る老齢厚生年金は65歳から年額5万7,900円×終身という計算になります。老後のことを考えれば、今回の改正を機に、厚生年金に加入できる仕事を探してみてはいかがでしょう」井戸さんによれば、仕事を探すのであれば地元がベストとのこと。フルタイムの従業員が501人以上の会社はそうそうないかもしれないが、101人以上の会社なら、身近にも意外とあるもの。ご近所ネットワークも活用して、求人票には載っていない“口コミ”の仕事も探してみよう。
2022年01月19日老後の暮らしを支えてくれるものといえば「年金」だが、その年金の仕組みが’22年春から大きく変わる。少しでも多くもらい、取りこぼしを極力なくすためにも、今からキッチリ予習しておこうーー!’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正の目玉は、年金を75歳まで繰り下げると84%も増やせる「年金の繰り下げ」。本来の受給開始時期である65歳よりも前に年金を受け取り始めることを「繰上げ受給」、65歳より後にもらい始めることを「繰下げ受給」という。繰上げ受給を選択すると、年金が1カ月あたり0.5%(’22年4月からは0.4%)減額され、繰下げ受給にすると、受け取る期間を1カ月延ばすたびに、月0.7%増えるという仕組みだ。「改正前は繰り下げられる上限が70歳で、仮に65歳から上限いっぱいまで繰り下げると、65歳で年間約78万円の年金を受け取れる人は、42%増になるという計算でしたが、今回の大改正では、上限がさらに5年間延びて、受給開始時期を75歳まで引き上げられるようになりました。たとえば、受給開始時期を10年間遅らせて75歳から受給すると、受給額は84%増の約143万円にもなります」(井戸さん・以下同)受け取る時期を遅らせるだけで年金額が月0.7%も増えるのは、なんともありがたいことだ。受け取れる年金の額が少ない人や、住宅ローン、教育ローンなどの支払いが長引き老後資金を貯められなかった人は、65歳以降も働くことを視野に、年金の繰り下げをぜひ活用しよう。■繰下げ受給にともなう落とし穴に要注意!ただし、夫と妻の年金をすべて繰り下げてしまうと、損をする場合もあるという。「『加給年金』を受け取っている人は注意が必要。加給年金というのは、夫の厚生年金の加入期間が20年以上ある人が対象で、大まかにいうと、夫が65歳に達した時点で、扶養する65歳未満の妻や18歳までの子どもがいる場合、夫の老齢厚生年金に加算される年金のことです。金額は妻の場合で年額39万500円。65歳になるまでの間、毎年支給されるものですが、夫の老齢厚生年金の受給時期を繰り下げてしまうと、この加給年金がもらえなくなってしまいます」たとえば、妻のほうが5歳年下という場合、夫が老齢厚生年金の受給を70歳まで繰り下げてしまうと、加給年金を受け取ることができなくなってしまう。さらに加給年金の受け取りが終わっても、妻が1966年4月1日以前に生まれている場合、65歳になって加給年金の受け取りが終わっても、一定の基準を満たせば妻の老齢基礎年金に上乗せされる「振替加算」も用意されている。この振替加算は老齢基礎年金と同時に受給開始となるので、妻の老齢基礎年金を繰り下げてしまうともらえなくなるので注意したい。「振替加算の金額は年齢によって違いますので、実際にいくらもらえるのか確認しましょう。年齢によっては1年間でもらえる振替加算の額が少なく、老齢基礎年金を繰り下げしたほうが総受給額が増えることもあります。ちょっと複雑になりますが、年金の受給を繰り下げるのと、加給年金や振替加算を継続してもらうのと、どちらがお得になるのかを見極めることが大切です」夫は老齢厚生年金を65歳から受け取り、老齢基礎年金を繰り下げる、妻は老齢厚生年金を繰り下げて、老齢基礎年金を65歳から受け取る、などお得なパターンをシミュレーションしてみよう。また、月400円の付加保険料を支払っている場合、老齢基礎年金に付加年金(200円×付加保険料納付月額)がつく。老齢基礎年金を繰り下げる場合は付加年金も一緒に計算されるので覚えておこう。ここまでは、「会社員の夫と専業主婦の妻」のケースを見てきたが、自営業の夫婦や共働きの会社員夫婦、あるいはフリーランスで独身の場合など、働き方によって繰り下げ受給の正解は変わってくる。【自営業夫婦の場合】自営業者は年収にかかわらず、年金は老齢基礎年金のみ。20歳から60歳まで、40年間(480月)保険料を納めて満額もらえたとしても、65歳から受け取れる年金は年額78万900円(月額6万5,000円)。未納の期間があるともっと少ない金額になってしまうので、保険料未加入期間を65歳まで「任意加入」して、できるだけ満額で受け取れるようにしておこう。「夫の老齢基礎年金を70歳まで繰り下げると、42%アップの年額約110万円になります。妻は長生きリスクに備えて、もう少し先の75歳まで繰り下げましょう。すると、84%アップの年額約143万円に年金は増え、夫婦合わせると約255万円にもなります。1カ月の年金収入は21万2,000円になるので、安心できるでしょう。ただし、夫が亡くなった後、子どもがいない妻がもらえる遺族年金はありませんので、夫の死後、生活できるように貯蓄をしておくことが大事です」【共働きの会社員夫婦の場合】共働き夫婦の年金は、夫の年収が平均500万円だとすると、65歳から受け取れる年額は約189万円(月額15万7,500円)。妻の平均年収が300万円だとすると、年額で約144万円(月額12万円)もらえる計算になる。夫婦合計で年額約333万円(月額27万7,500円)もあるが、安心していると落とし穴があるという。「共働きの世帯は収入が多い分、支出も多く、デパ地下のお総菜を買ったり外食したりと、食費が多すぎるご家庭をよく見かけます。定年後は年金の範囲内で支出が収まるのかチェックしましょう。夫婦ともに勤め先の会社で再雇用や再就職ができるのであれば、70歳まで働き、その期間年金を繰り下げると、収入はもっと増えます」夫婦ともに70歳まで年金を繰り下げたとしたら夫は年額約268万円、妻は年額約204万円にもなり、65歳で受け取る金額と比較して、約139万円も増やすことができる。長年勤めてきたので「休みたい」と思う人もいると思うので、体調をみながら検討してみよう。【フリーランスで独身の場合】フリーランスで独身の場合、国民年金の保険料を満額納めていただけでは、65歳から受け取る年金は年額約78万円しかない。「体力的にも無理のないパート労働を60歳から始めて10年間勤めただけでも、将来受け取れる年金額は大きく違ってきます。たとえば、年収200万円で厚生年金に10年加入したとすると、年額約11万円にもなります。老齢基礎年金と老齢厚生年金を70歳まで繰り下げますと、老齢基礎年金は約111万円、老齢厚生年金は約16万円にまで増えます。合わせて年額約127万円(月額10万5,000円)なので、生活費が不足する分は働いて補う、またはその分貯蓄するといった選択肢が見えてきます」そしてもうひとつ、しっかり考えたいのが「いつまで繰り下げるのか」。75歳まで待つよりも、実は70歳までの繰下げ受給を選択するほうがお得だという。「厚生労働省の試算によりますと、65歳を迎える年代の男性の4割、女性の7割近くが90歳まで生きると見込まれています。ですから、『90歳まで生きる』ということを前提に、ライフプランを立てる必要があるでしょう。70歳と75歳まで繰り下げた場合を比べてみると、1年に受け取る年金額は、当然75歳のほうが多くなります。ですが、91歳以上まで生きるとすると、70歳から42%増しでもらったほうが一生涯で受け取る年金が多くなるのです。年金受給の損益分岐点は、もらい始めから11年10カ月前後が目安です。しかし、年金は保険です。高齢になってから年金を多く受け取りたい、医療費や介護費に備えたい場合は、要介護認定者が増える年齢である75歳から受け取るのもいいでしょう」なお、繰下げ受給を希望する人は、66歳の誕生日を過ぎてから、希望の繰り下げ時期にするよう、年金事務所で手続きをする必要がある。不測の事態を避けるためにも、飛び込みではなく、きちんと予約をして手続きをしよう。
2022年01月19日老後の暮らしを支えてくれるものといえば「年金」だが、その年金の仕組みが’22年春から大きく変わる。少しでも多くもらい、取りこぼしを極力なくすためにも、今からキッチリ予習しておこうーー!’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが次の3つ。【1】受給開始年齢を遅らせる受給開始を遅らせると最大84%もお得。【2】なるべく長く働き続ける健康なうちはリタイアなんかしない!【3】できるだけ収入を増やす納付金額が増えれば受給額もアップ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)「ねんきん定期便」は毎年、誕生日の月に届くが、夫と妻それぞれに届くので夫婦合わせていくらもらえるのか計算しよう。また、その際に覚えておきたいのが、加入実績に応じた年間額(年額)から、社会保険料、所得税、住民税などを支払わなくてはならないということ。実際には1割ぐらい差し引いた金額が手取りの額になるという。そこから、生活費を差し引いてみると、年金の範囲内で生活が成り立つかどうか判断できる。退職金や貯蓄を取り崩す生活を続けると、あっという間に資金が底をつく恐れがあるので、介護や医療費など“もしもの時”にも備えておきたい。「たとえば、夫の退職金が少なかった、住宅ローンの支払いが退職間際までかかってしまった、などの理由により、老後の貯蓄ができなかったという話もよく聞きます。老後の終身の収入は公的年金だけで、それだけでは生活費が足りない場合は『元気なうちはなるべく外に出て働く』という選択が現実的。その間、年金を繰り下げて受給額を増やすこともできます」年金の繰り下げは、今回の大改正で受給開始年齢が70歳から75歳まで広がる。受給額は最大で84%アップし、たとえば65歳で年間約78万円もらえる人は、70歳まで繰り下げると約110万円に増やすことができる。さらに75歳まで繰り下げれば約143万円にも!ただし、むやみに繰り下げると、受給額が目減りするケースもあるので注意しよう。■厚生年金に加入し、長く働けばメリットは大短時間のパートやアルバイトでも、厚生年金加入のチャンスが生まれたのも特筆すべき点だという。社会保険の加入要件のハードルが下がり、週20時間、月8.8万円の収入の人でも加入対象になったのだ。また、65歳以降も厚生年金に加入して働くと、毎年年金額が増える仕組みなのでやりがいもアップ。「改正前は、65歳以上で老齢厚生年金をもらいながら働いていた人の年金受給額は、退職してからか、70歳を迎えるまでは再計算されませんでした。それが、毎年再計算されることになり、厚生年金の保険料を納めた分、すぐに翌年から受給額がアップしていきますので、働く意欲につながるでしょう」いずれにしても「働き続ける」ことが大切なのだ。さらに、個人が任意加入する私的年金を使って年金を増やす、という方法にも変化がある。個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、これまで加入できる年齢が60歳未満だったのが、65歳未満に引き上げられるのだ。「老後資金が足りない」という人は、仕事を続けながら、厚生年金に加入して、かつiDeCoにも加入すれば、もらえる年金の倍増も夢ではない。
2022年01月19日「老後2,000万円不足問題」といわれて久しいのに、貯蓄ゼロ世帯は珍しくない!人生100年時代、長く働き、節約を心得、特に“減らない財布” =年金を上手に使おう。長生きリスクも怖くないーー!「晩婚化の影響で結婚・出産が30代だと、住宅購入は40代になるでしょう。50代は役職定年などで収入が減るのに、子どもは大学生で住宅ローンはまだ半分。そんな状態で、老後資金まで手が回らない人が増えています」そう話すのはファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんだ。60歳の人に今の貯蓄額を聞くと、3人に1人が300万円未満というデータも(PGF生命「2021年の還暦人に関する調査」)。「貯蓄ゼロというのも珍しい話ではありません。でも『もう手遅れだ』と悲観しなくても大丈夫。老後資金づくりは60歳からでも間に合います」(長尾さん・以下同)心強い言葉だが、もしや運用を勧めるのでは?「初心者が運用に手を出し、大切な老後資金を減らしては元も子もありません。運用はいっさいせずに、老後資金を増やしましょう」どんな方法だろう。「実はとてもシンプルで、〈1〉長く働く、〈2〉公的年金の活用、〈3〉節約の3つを組み合わせるものです。『なんだ、年金か』と思うかもしれませんが、年金制度は複雑でうまく使いこなせない人が大半です。公的年金制度をフル活用して、年金額を最大化させましょう」年金額が多少増えても、老後の厳しさに変わりないのでは?「たとえば夫婦2人分の公的年金が月20万円で、2人の生活費が月25万円なら、毎月赤字で貯蓄を食いつぶすことになります」年金生活が65〜95歳の30年間続くとすると、月5万円の赤字×12カ月×30年分=1,800万円が老後資金として必要になる。「ですが、公的年金を月25万円に増やせれば生活費月25万円とトントン。貯蓄ゼロでも生活できます。また、生活費を1万円節約できれば、貯金もできますよ」公的年金の受給は65歳からが原則だが、今は60〜70歳までもらい始める時期を選べる。ただ、65歳より早くもらい始める「繰上げ」は受給額が減らされるが、遅くする「繰下げ」を選べば受給額が最大42%増えるのだ。「公的年金の受給は一生涯です。しかも使っても使ってもまた振り込まれる“減らない財布”です。これを生活費がまかなえるくらい大きくできれば、お金の心配がないバラ色の老後になりますよ」■90歳での貯蓄残高は1,000万円以上。100歳まで安心自営業のBさん(60)を例に年金の活用法を見ていこう。Bさんは同い年夫婦で、日々の暮らしに追われ貯蓄はゼロ。会社員には厚生年金があるが、自営業だと国民年金しかない。「国民年金は40年間保険料をかけ続けた満額受給でも年約78万円。老後資金としてはかなり厳しいです。とはいえ、自営業には定年がありませんから、60歳以降もこれまでと同じように70歳まで働く計画を立てました」その結果がグラフ3(画像参照)だ。教育費も終わったので年支出を372万円に抑え、しっかり働き貯蓄を重ねる。65歳からは年金も入るので、貯蓄は一時3,000万円を超えるが、70歳で廃業するとみるみる減少して83歳でゼロに。「60歳以降の貯蓄だけでは難しいので、年金を活用しましょう。実は国民年金の人によくあることですが、Bさんも年金保険料を払っていない時期があり、このままだと満額受給ではありません。60歳以降も国民年金の任意加入をして、満額受給できるまで年金保険料を支払いましょう。あわせて国民年金基金にも加入します」国民年金基金は、老後にもらう年金を上乗せするために、自ら加入する年金制度だ。20〜65歳まで加入でき、保険料は所得控除されるので節税にもなる。長尾さんは、年金が一生受け取れる終身タイプを基本に考えるのがおすすめだという。さまざまな手を尽くした結果が、グラフ4(画像参照)になる。「65歳までは国民年金の任意加入や国民年金基金の保険料を払うため支出が増え、貯蓄がペースダウン。でも、65歳から国民年金基金が受け取れ、貯蓄が進みます。さらに国民年金は任意加入のおかげで満額受給を達成。そのうえ、最長5年間の繰下げで、夫婦とも74万円→111万円に増えました」65歳から夫21万円、妻18万円、国民年金基金の受給が始まる。国民年金は70歳から夫婦それぞれ111万円。70歳以降は月1万円の節約をし、73歳まで少しのんびりと働いて貯蓄を増やす。73歳で廃業後は貯蓄を取り崩す生活だが、年99万円の赤字に抑えると、90歳での貯蓄残高は1,000万円超。100歳まで安心だ。「自営業やフリーランスの人は国民年金だけでは無理があります。国民年金基金などの対策を早めに考えることと、長く働ける健康な体を維持してください」公的年金のフル活用で、バラ色の老後生活を実現しよう。
2022年01月11日「国民の関心事である年金問題は、自民党総裁選で大きな争点になりましたが、岸田新政権が誕生しても年金不信は解消されません。『最低保障は税金でやる』と主張した河野太郎氏に真っ向から反対したものの、現行制度を見直すだけでは“年金受給額の目減り”を食い止めることはできないのです」こう警鐘を鳴らすのは、経済評論家の平野和之さんだ。将来の生活を支える年金制度への不安が叫ばれるようになって久しいが、岸田文雄首相が主張するのはパートや短時間労働者への厚生年金適用拡大だ。社労士、ファイナンシャル・プランナーであり、「All About」マネーガイドを務める拝野洋子さんが解説する。「第3号被保険者といわれる、会社員の夫を持つパート主婦は、これまで実質0円で基礎年金や健康保険に加入できていました。こうした不公平感をなくすため、また新たな年金の財源とするために、パート主婦が厚生年金に加入する要件が緩和される見込みです」現在は、パート勤務で〈1〉1週間の勤務時間が20時間以上、〈2〉月収8万8,000円(年収106万円)以上、〈3〉勤務先従業員数が501人以上、などが厚生年金に加入する要件だ。「来年の10月には〈3〉の勤務先従業員数が101人以上に、’24年には51人以上と段階的に適用範囲が広げられていきます」厚生年金に加入すれば将来受給する年金額は上積みされるが、現在の生活への影響が大きくなる。「概算ですが、新たに厚生年金に加入するとなると、年収106万円の場合、厚生年金が月に約8,000円、健保が月に約5,000円かかります。同じ手取り水準を維持するためには、年収126万円にまで引き上げる必要がある計算です。時給が1,000円なら、1カ月の労働時間を17時間ほど増やす必要があります」もう一点、具体的に見えてきている制度の変更点は、余力のある厚生年金の財源を、国民年金に振り分けたり、統合する策だ。前出の平野さんが続ける。「厚生年金は平成27年10月に公務員共済年金と統合されましたが、実質的には厚生年金が共済年金を救済する形での統合でした。そして今度は国民年金の救済にまわるということです」国民年金の納付率は7割ほど。財政状況が厳しいのは明白だ。「とはいえ国民年金の受給額を大幅に減らせば、自営業者は老後、生活することができません。国としては、『とれるところからとって維持する』しかないといったところで、抜本的な解決にはなっておらず、単なる問題の先送りです」後手後手の対応で、将来の年金は守られるのか。5年に1度、厚労省が公表する財政検証に基づき、平野さんは次のように指摘する。「’19年の財政検証では、厚生年金に40年間加入した、平均月収35万7,000円の会社員夫と専業主婦の世帯がモデル世帯となっています。将来、モデル世帯の夫婦が平均月収に対し、いくら年金を受給できるのか、その割合が『所得代替率』です」現在のところ、所得代替率は61.7%。つまり月収35万7,000円×61.7%で、夫婦の年金受給額は月額約22万円となっている。「しかし、その高水準を維持するのが難しいことは国も承知していて、現在目標としているのは所得代替率50%です」その場合、現在のモデル世帯で計算すると、年金受給額は月17万8,500円。現状よりも4万円以上低い。「それもあくまで目標数値にすぎません。財政検証では経済状況に合わせて6つのシナリオを想定していますが、最悪のシナリオ6では、’52年度に国民年金の積立が枯渇、財源は保険料と国庫負担のみとなり、所得代替率が36~38%に激減すると予想されています。現在のモデル世帯で計算すると、年金受給額が月12万8,000円ほど。この時点で9万円以上も年金受給額が下がる計算となるのです」今から30年後の予想だからと安心してはいけない。「コロナ禍の現在、コロナ関連の融資総額は60兆円ほどありますが、おそらく半分の30兆円は返済が厳しく、焦げ付くと考えられます。店をたたまざるをえない人も多い。飲食店などを経営する個人事業主にとって、毎月の国民年金保険料の負担は大きいでしょう」■年金から天引きされる介護保険料の値上げもそして企業の業績が下がれば、給与も下がり、納められる年金保険料も減少する。「財政検証はコロナ以前に作られた試算。コロナのような感染症災害、台風や大雨などの自然災害などが想定されていません。本来ならもっと最悪のシナリオ7、シナリオ8まで想定すべきでしょう。財政検証の予想よりも早く、国民年金の財源が枯渇する可能性は否定できない。現在40代、50代の人も無関係ではありません」さらに、65歳以上の多くの人が年金から天引きされる「介護保険料」に注目するのは、前出の拝野さんだ。「年収や住んでいる自治体によって異なりますが、介護保険料は平均すると月6,000~7,000円ほどです」団塊の世代が75歳以上を迎える「2025年問題」は、もう目前まで迫っている。「すでに介護費の総額は10兆円を超える規模。介護保険制度が開始されて約20年で、保険料は倍増していることから、今後も介護保険料の値上げは避けられません」これらの意見を総合すると、年金の手取り額は今より月額10万円下がってもけっしておかしくない。1年間に換算すると、じつに120万円減。追い打ちをかけるように、年金受給開始年齢の引き上げも現実味を増している。「諸外国では、受給開始年齢は67~69歳です。日本の企業も70歳まで雇用するよう努力義務を課していることから、受給開始年齢を現在の65歳から段階的に引き上げるでしょう」(平野さん)受給額の減少、そして受給開始年齢の引き上げなどを前に、われわれの老後生活をどのように守っていくのか。新政権には、その具体策をぜひ提示してほしいものだーー。
2021年10月27日『明日は国民歌手』の日本放送が10月14日よりABEMAでスタートした。同番組は韓国のサバイバルオーディション業界に旋風を巻き起こしたオーディション名家のTV朝鮮オーディション制作チームが、世界中を熱狂させる次世代グローバルK-POPスターを育てあげる新たな超大型オーディションプロジェクト。韓国での初放送は最高視聴率18.0%を記録し、同時間帯の地上波-総編-ケーブルのチャンネルで放送された全プログラムの中で視聴率総合1位を記録するなど反響を呼んでいる。MCのキム・ソンジュの登場とともに、強烈なスポットライトに照らされたステージ上に全12部111チームの予選通過者が真っ赤なスーツを纏い整列し、圧倒的壮観で華麗なオープニングを飾った。グローバルK-POPスターになるための約3カ月間の大接戦を共にする参加者らは“国民歌手”という力強い掛け声と共に、燃え上がる情熱と意気込みを表す壮大なステージで、見る人の心を激しく揺らした。まず最初に競争の場に現れたのは『大学の部』の挑戦者たち。12人のうち5人がギターと共にステージに上がり、記念すべきトップバッターとして名前を呼ばれたのは、アイドルの雰囲気も備えるイケメン大学生ユ・ヨンミン。ハイレベルなギターの実力と多様な歌声で「テレパシー」を熱唱。続いてユーチューバー・チェ・ジンソルが「タバコ屋の娘」を自身特有のグルーブで再解釈し、オールハート(ハートの数で審査)をもらい本選進出を決めた。ユ・ヨンミンチェ・ジンソルアメリカで演技を専攻する俳優志望生のイ・ジュチョンは、柔らかなギターの音色に甘い歌声をのせた「Reality」を披露。群を抜く美貌で「天使のようだ」と感嘆させた参加者ヨム・スミンは、「紫色の香り」で清らかな歌声を披露したが、全5個のハート獲得にとどまり即時脱落。会場に切なさをもたらした。イ・ジュチョンヨム・スミン学校で歌う動画が話題となった“廊下ライブ”の主人公として知られる元祖“芸大 廊下男子”キム・ソンジュンは、「風の便りに聞きました」をアコースティック調に編曲したが、マスター(審査員)のパク・ソンジュから「ボーカルがギターに埋もれている」と評価を受け、合格候補予備軍になるという予想外の展開に。緊張感で震えるキム・ヒソクは、歌い出すと一転、魅力的な歌声と爆発的な歌唱力で13人のマスターを掌握、キム・ボムスは「私のコメントと審査で、このステージに傷をつけたくない。最高だった。」と絶賛し、韓国のK-ソウル時代を開く実力者であることを予感させた。キム・ソンジュンキム・ヒソク『大学の部』が歴代級の実力者が溢れていることで他部署にプレッシャーを与えた中、可愛らしい『小学生の部』が登場。最年少7歳の参加者キム・ユハは「Old Days」を爆発的な声量と発声で歌いこなし、「すばらしい」との評価と共にオールハートを手にした。続いて、ソ・ジユは9歳とは思えない成熟したハスキーボイスで「Forbidden Love」を熱唱したが、手にしたハートは11個となった。キム・ユハソ・ジユ“中浪区のダンシングクイーン”クォン・アリンは、ペク・ジヨンの「Sad Salsa」で可愛らしいダンスを披露したが、惜しくも合格者予備軍に。イ・チャンウォンが認めた“トロットの神童”アン・ユルは、「ある日ふと」で卓越した実力を披露したが、ペク・ジヨンから「感情を抑える練習をした方がいい」というアドバイスと共に、合格者予備軍となり、オールハートの敷居の高さを実感させた。クォン・アリンアン・ユル日本のK-POPファンも唸る挑戦者が続々登場次に『国民歌手』を通じ、新設された部署『上京者の部』の参加者らが登場。大邱から上京した詩人イ・ソロモンは、「ジプシーの女」で女心を揺さぶり、オールハートを受け、喜びを満喫。炭火タッカルビ店のアルバイト・キム・ドンヒョンは、「秘密」で見事な高音を披露し、韓国のサム・スミスだと絶賛された。イ・ソロモンキム・ドンヒョン19年間韓国各地のナイトクラブで歌い、今は自動車ディーラーをしているキム・ヒョヌは、ロックバージョンの「I Always Miss You」でハート9個を、歌手ユン・ジョンシンの所属事務所の歌手として期待を高めていたチョ・ヨノは、「Never Ending Story」で11個のハートをもらったが悔しさを露わにした。キム・ヒョヌチョ・ヨノ在野の実力者らで構成された『無名の部』のトップバッターは、有名広告のCMソングを歌う無名歌手キム・ドハだった。キム・ドハの「Always Remember Us This Way」を聴いたキム・ボムスは「感情が少し演技のように感じた」と惜しんだが、パク・ソンジュは「歌詞を伝える力が本当に良かった」と正反対の審査で雰囲気を盛り上げた。キム・ドハまたデビュー11年目のボーカルグループ・ブロマンスのメンバー・パク・ジャンヒョンは、舞台恐怖症により長時間ステージに立つことのできないトラウマがあることを明かした後、淡々と「Growing」を熱唱、全10個のハートを手にした。パク・ジャンヒョンは同じ辛さを経験したことのあるマスター・シンジから「これからはもう十分ステージに立ってもよさそうだ」という率直な激励を受け、涙をこぼし、じんとした余韻を残した。パク・ジャンヒョンさらに50歳のフォークソング歌手パク・チャングンは、スッと通る美声で歌う「あの日々」で最短でオールハートを手にしたと同時に、マスターらのスタンディングオベーションまで引き出した。パク・ソンジュは、原曲者のキム・グァンソクとの思い出を思い出し、歌を聴きながら涙を流し、「説明できないほど、感動的だった」と感激を露わにした。パク・チャングン最後に錚々たるオーディションでずば抜けた成果を出した“本物のプロ”の集まり『別番組出身の部』がステージ上に上がり、マスターらが“オーディションアベンジャーズ”のリストに目を通しながら信じられないというような混乱の様子を映したエンディングで2話への期待感を倍増させた。「明日は国民歌手」の日本初放送を見た視聴者からは「うわ!マジか!」「これは天性の声質」「す、凄い方が出てきた。 自然と涙出たわ... なんか1曲に人生ドラマが。」「「明日は国民歌手」ってオーディション番組すごい 歌上手すぎてレベチな人出てきたじゃん」「年齢も性別もジャンルもばらばらだけど、みんな歌上手くて聞きごたえあったー!!」「このレベルがまだ何組もあるのやばくない?」など、多様な歌声に出会える『明日は国民歌手』に日本のK-POPファンも続々と反応している。また『明日は国民歌手』が、10月16日21時よりABEMA K WORLDチャンネルでも放送されることが決定した。<番組情報>『明日は国民歌手』『明日は国民歌手』ポスター放送チャンネル:ABEMA SPECIAL2放送日時:毎週木曜20時~(初回放送10月14日)放送URL:放送チャンネル:K WORLDチャンネル放送日時:毎週土曜21時~(初回放送10月16日)放送URL:※放送回によって放送開始時間やチャンネルが変更となる可能性があります。『明日は国民歌手』ティザー映像『明日は国民歌手』詳細はこちら:
2021年10月15日韓国オーディション番組『明日は国民歌手』の参加者の詳細が発表された。『明日は国民歌手』は韓国のサバイバルオーディション業界に旋風を巻き起こしたオーディション名家のTV朝鮮オーディション制作チームが、世界中を熱狂させる次世代グローバルK-POPスターを育てあげる新たな超大型オーディションプロジェクトで、応募総数12,000名の中から勝ち抜いた最精鋭の111チームが参加する。中でも、日本でも人気を集めたオーディション番組『PRODUCE X 101』で、常に高い評価を得るもアイドルオーディション脱落の悔しさを踏み台に勇気を出し、再び挑戦するキム・グクホン、『スーパースターK 3』優勝チーム ウララセッション出身のパク・グァンソンを始め、同シリーズプログラム準優勝パク・シファン、優勝者キム・ヨングン、『偉大な誕生』TOP5出身のデビット・オ、『ミストロット2』出身のイ・ソウォン等、過去のK-POPオーディションプログラムを牛耳った参加者たちが特に注目されている。さらに、ミュージカル『HEDWIG』主役の俳優コ・ウンソン、韓国を代表する感性バラード歌手として認められ、現在ガールズグループサバイバルプログラムの審査委員として出演中のイム・ハンビョル、突き抜ける高音が印象的なNORAZO出身のイ・ヒョク、15年間SMに所属 TraxX出身のジョンモ、元T-ARAメンバーのハン・アルム、元Brave Girlsメンバーのパク・ウニョンなどに加え、最年少7歳の参加者や生業に従事しながらも一生涯歌手という夢を諦めずオーディションに参加した晩学の徒らが出演する。『明日は国民歌手』のラインナップにネットでは「この方たちが何でここに出るの?」「競演参加者でなく、マスターなのでは?」「ラインナップが本当にすごい」などの反応で溢れており、制作陣は「すでに自身のジャンルで“キャリアのトップ”となった歌手らが多いため、制作陣とマスターらはより一層精密に慎重に舞台を審査している」とし、「全ての人気と名誉を下ろして、初心に戻り、真心と情熱を注いだ彼らの夢の舞台を共に見守ってほしい。」と伝えている。『明日は国民歌手』は10月14日20時よりABEMAにて日本語字幕付きで放送される。<番組情報>『明日は国民歌手』10月14日(木) 20時~放送スタート(全12回)『明日は国民歌手』ポスター放送チャンネル:ABEMA SPECIAL2放送日時:毎週木曜20時~ ※日本語字幕付放送URL:※放送回によって放送開始時間やチャンネルが変更となる可能性があります。『明日は国民歌手』ティザー映像『明日は国民歌手』詳細はこちら:
2021年10月08日韓国オーディション番組『明日は国民歌手』の審査員が発表された。『明日は国民歌手』は韓国のサバイバルオーディション業界に旋風を巻き起こしたオーディション名家のTV朝鮮オーディション制作チームが、世界中を熱狂させる次世代グローバルK-POPスターを育てあげる新たな超大型オーディションプロジェクトで、応募総数12,000名の中から勝ち抜いた最精鋭の111チームが参加する。そんな次世代のグローバルK-POPスター発掘のために集結した審査員を務めるゴールデンマスター軍団は、「国民ボーカル5大将」と称される“ボーカルの教科書”キム・ボムス、“感性バラードの女王”ペク・チヨン、“万能ボーカル”K.will、PRODUCE101でトレーナーを務めたSG WANNABEのイ・ソクフン、アイドルグループのメインボーカルからミュージカル皇太子に生まれ変わったJYJのキム・ジュンスらをはじめとした13名で、彼らは寄り添ったアドバイスや斬新な視点を通じて参加者の隠れた魅力を引き出している。「国民ボーカル5大将」『明日は国民歌手』は10月14日20時よりABEMAにて日本語字幕付きで放送される。<番組情報>『明日は国民歌手』10月14日(木) 20時~放送スタート(全12回)『明日は国民歌手』参加者一覧放送チャンネル:ABEMA SPECIAL2放送日時:毎週木曜20時~ ※日本語字幕付放送URL:※放送回によって放送開始時間やチャンネルが変更となる可能性があります。『明日は国民歌手』ティザー映像『明日は国民歌手』詳細はこちら:
2021年10月06日「遺族年金は被保険者が亡くなったとき、残された家族に支給される公的年金です。国民年金や厚生年間に加入していても、本人が亡くなった時点での家族構成、年齢などによって受け取れるかどうか、また、年金額も変わってきますので、制度そのものがわかりにくいのです。そこにきて近年、家族の関係が複雑になったこともあり、トラブルにつながるケースもあります。もらい損ねることにならないためにも、しっかりと制度を理解しておくことが大切です」そうアドバイスするのはこれまで約3万人の年金相談を受けている社会保険労務士の笹沼和子さん。遺族年金には2つあり、自営業者やフリーランスが加入する国民年金から支給される遺族基礎年金と、会社員や公務員などが加入する厚生年金から支給される遺族厚生年金がある。遺族基礎年金を受け取れるのは、子どもがいる配偶者と子ども。ただし、受け取るには「子どもの年齢が18歳になった年度末(3月31日)、子どもが障害等級1、2級のときは20歳まで」といった要件がある。「亡くなった人が会社員や公務員で厚生年金に加入していた場合や、すでに老齢厚生年金を受け取っていた場合は、遺族厚生年金がもらえます。年金額は老齢厚生年金の4分の3。配偶者がいない場合は、ほかの家族が受け取る順位が決まっています」【遺族厚生年金が支給される順位と要件】〈1位〉配偶者・子配偶者:妻の場合、年齢は問われないが、夫の場合、55歳以上。(注)妻が夫の死亡当時30歳未満で、18歳未満の子がいない場合は、5年間の有期給付となる子:18歳に到達した年度の末日までの子(または障害等級1級、2級で20歳未満の子)で、婚姻していない子〈2位〉父母:55歳以上〈3位〉孫:要件は子と同じ〈4位〉祖父母:55歳以上※遺族厚生年金は遺族の中で最も順位の高い人にだけ支給される「トラブルが多いのは遺族厚生年金のほうで、事実婚や離婚した夫婦など、さまざまな家族の形があるので、『受け取れると思っていたのに受け取れなかった』『受け取れるとは知らなかった』といったトラブルに発展しやすいのです」そこで、笹沼さんに主な「注意すべきケース」を教えてもらった。トラブルを回避するためにもしっかりと備えておこう!【ケース1】“離婚した元夫”の遺族年金を受け取れることを知らなかったB子さん(40)は夫(享年45)と2年前に離婚した。原因は夫のモラハラ。中学生の娘(14)がいたので、大学を卒業するまで毎月、養育費を受け取ることになった。「ある日、養育費の振り込みが途絶えたので元夫に連絡をすると、元夫の父が電話に出て、元夫ががんで亡くなったことを聞かされたそうです。B子さんは『自分は元夫の遺族年金は一切もらえない』と思い込んでいましたが、18歳の年度末までのお子さんがいれば、お子さんのほうに遺族厚生年金を受け取る権利があります」(笹沼さん・以下同)年金制度では、両親の離婚後も親子関係はなくならないのだが、その際、ポイントとなるのは、「生計が同一」という記録があることだという。「『生計が同一』という関係を証明するために、生活費や養育費は銀行口座に振り込んでもらうと、通帳が記録となるので安心できます。『死後の手続き』をする元夫の両親とよく相談することをお勧めします」【ケース2】“事実婚の夫”の遺族年金を受け取れることを知らなかったC子さん(60)は長年一緒に住んでいた夫(享年65)が死んだとき、葬式で親戚から「遺族年金をもらえる権利がある」と言われた。「夫には別居中の妻(64)がいて、離婚の協議が一向に進まなかったのですが、ようやく離婚。すぐに入籍しないでそのままにしていたら、夫が急死してしまったのです。年金の夫婦関係は内縁関係でも認められます。ポイントとなるのは、住民票が一緒であること。C子さんの場合、住民票が一緒で、夫のお葬式の喪主も務めました。また、年賀状も連名で出していた、といったことから事実上夫婦と認められ、C子さんに遺族厚生年金が支給されました」妻との離婚が成立していなくても、戸籍上の配偶者に数十年も生活費を渡していないなど、「生計維持関係がない」と認められると、内縁関係の妻に遺族年金が支給されることがあるという。ケースバイケースなので「もらえない」とあきらめる前に専門家に相談してみよう。
2021年08月16日遺族年金は、夫が亡くなったときに妻と子どもが受け取ることができる年金。しかし、条件によっては支給されないこともあるため、遺族の間でトラブルを生むこともあるというーー。「遺族年金は被保険者が亡くなったとき、残された家族に支給される公的年金です。国民年金や厚生年間に加入していても、本人が亡くなった時点での家族構成、年齢などによって受け取れるかどうか、また、年金額も変わってきますので、制度そのものがわかりにくいのです。そこにきて近年、家族の関係が複雑になったこともあり、トラブルにつながるケースもあります。もらい損ねることにならないためにも、しっかりと制度を理解しておくことが大切です」そうアドバイスするのはこれまで約3万人の年金相談を受けている社会保険労務士の笹沼和子さん。遺族年金には2つあり、自営業者やフリーランスが加入する国民年金から支給される遺族基礎年金と、会社員や公務員などが加入する厚生年金から支給される遺族厚生年金がある。遺族基礎年金を受け取れるのは、子どもがいる配偶者と子ども。ただし、受け取るには「子どもの年齢が18歳になった年度末(3月31日)、子どもが障害等級1、2級のときは20歳まで」といった要件がある。「亡くなった人が会社員や公務員で厚生年金に加入していた場合や、すでに老齢厚生年金を受け取っていた場合は、遺族厚生年金がもらえます。年金額は老齢厚生年金の4分の3。配偶者がいない場合は、ほかの家族が受け取る順位が決まっています」【遺族厚生年金が支給される順位と要件】〈1位〉配偶者・子配偶者:妻の場合、年齢は問われないが、夫の場合、55歳以上。(注)妻が夫の死亡当時30歳未満で、18歳未満の子がいない場合は、5年間の有期給付となる子:18歳に到達した年度の末日までの子(または障害等級1級、2級で20歳未満の子)で、婚姻していない子〈2位〉父母:55歳以上〈3位〉孫:要件は子と同じ〈4位〉祖父母:55歳以上※遺族厚生年金は遺族の中で最も順位の高い人にだけ支給される「トラブルが多いのは遺族厚生年金のほうで、事実婚や離婚した夫婦など、さまざまな家族の形があるので、『受け取れると思っていたのに受け取れなかった』『受け取れるとは知らなかった』といったトラブルに発展しやすいのです」そこで、笹沼さんに主な「注意すべきケース」を教えてもらった。トラブルを回避するためにもしっかりと備えておこう!【ケース】“知らない間に父親が再婚”していて、後妻が遺族年金を受け取ったA男さん(45)は他界した父親(享年74)の遺族厚生年金のことで頭を抱えていた。「母は病死して父は長いこと一人暮らしのはずが、同居している女性がいたのです。身の回りの世話をしてくれる女友達だと思っていたのが、後妻だと知ったのは葬儀のとき。近くに住んでいても、行き来はしていなかったので気がつかなかったそうです」(笹沼さん、以下同)A男さんが父の「死後の手続き」を役所で行っていたら、本当に女性と入籍していた。「遺族厚生年金が支給される順位と要件」にもあるように、1位の配偶者が出てきたので親族中で大騒ぎになった。「A男さんは血相を変えて私のところに相談に来ましたが、入籍していた後妻さんには受け取る権利があります。その後、話し合いで後妻さんが遺族厚生年金を受け取る代わりに相続放棄をすることで決着がついたのですが、コミュニケーション不足が招いた結果です」一人で暮らす親のことを、もっと気にかけるようにしよう。
2021年08月16日「国民の皆さんにおいても、テレビの観戦などを通じて様々な応援をしっかりとお願いしたい」7月8日午前の記者会見でこう述べたのは、加藤勝信官房長官(65)。同日夕、東京都に4度目の緊急事態宣言が出されることが正式に発表された。期間は7月12日~8月22日までの6週間となり、東京五輪・パラリンピックは宣言下での開幕となる。五輪が宣言下で開催されることについて、記者から「国民や選手、特に来日する海外の選手などは『今、日本はどのような状況なのか』と不安を感じると思う。安全・安心な大会であることを改めてどのように説明するのか」と問われた加藤官房長官。すると冒頭の発言に続けて、「大会の成功を果たしていくためには選手関係者だけでできるものではなく、国民の皆様のご協力も必要であります」とコメントしたのだ。■飲食店は制限がさらに強化され……“宣言下での五輪開催は国民の協力が必要”と呼びかけた加藤官房長官だが、果たしてその言葉に多くの国民は納得するだろうか。加藤官房長官が会見をした同日、西村康稔経済再生担当相(58)が酒類提供を続ける飲食店とは取引しないよう、酒類販売事業者に要請する意向を明らかにした。各紙によると飲食店の融資元となっている金融機関とも情報共有し、要請に応じるよう間接的に働きかけるというのだ。「酒類提供停止を徹底するため」と説明したという西村大臣だが、ネット上では《このままでは…飲食店も酒類販売業者も絶滅してしまう!》《生計を立てるために働いている人々への支援対策が不十分だからこの様な事態になっているのでは?》など危機感を訴える声が続出している。「1年以上続くコロナ禍では、国民は政府の様々な自粛要請に従ってきました。飲食店も時短営業や休業要請、酒類提供の制限に応じてきました。しかし協力金の支払いが遅延している店もある一方、五輪の選手村では酒類持ち込みが許可されることに。また多くのイベントも中止や延期、無観客が要請されるたびに、対応に追われました。それにもかかわらず、五輪は6月の段階で有観客が検討されたのです。結局、都内会場は全て無観客となりましたが、これまでのやり方に『国民は犠牲になっている』と感じている人も多いようです。本来なら五輪を応援したくても、できないのではないでしょうか」(全国紙記者)五輪開幕まで残すところ2週間と迫ってきたが、大会の成功にさらなる“国民の協力”を求める政府にネット上では不満の声が広がっている。《国民の協力て…既に飲みにも行かず人とも極力会わず、旅行等も我慢して今日まで協力してきたのにまだ足りない、まだ協力をしろと仰る?決まった時はあんなに楽しみだった東京五輪がこんなことになって残念でならない》《国民の協力?いままで協力してきてこれ以上協力求めるんなら、相当な見返り必要だよ。そんなことないくせに。いい加減にして。ふざけんな》《「国民の犠牲」の間違いでしょう。協力はきれいすぎる言葉です》《国民の協力が必要?じゃあ給付金ください…》
2021年07月09日「老後の生活不安を解消するためにも、実際に使えるお金である年金の手取り額を把握しておくことがとても重要です。ところが、自分が受け取るはずの手取り額を知っている人は思いのほか少ないのです」そう話すのは、社会保険労務士で年金制度に詳しい「年金博士」こと北村庄吾さんだ。50歳以上の人に届く「ねんきん定期便」の「見込み額」を見て、自分の年金額をわかったと思い込んでいる人は要注意だという。「60歳まで同額の保険料を払うことを前提にした『見込み額』は、給与明細でいうところの額面です。実際の手取り額は、そこから税金(所得税と住民税)と社会保険料(国民健康保険料と介護保険料)を引いた額になります」実は“額面”に対する手取り額の割合が、この22年間で大きく減っている。ファイナンシャル・プランナーの深田晶恵さんが語る。「年金300万円の額面のケースで、介護保険が導入される前の’99年と’21年を比較したところ、手取り額に37万円の差がありました。’00年から介護保険料がかかるようになり、さらにその後65歳以上の人や税金も増えたため、手取り額が目減りしてしまったのです」そんな社会保険料は、地域ごとに差がある。北村さんが解説する。「年金収入だけの生活に入ると、厚生年金保険料はかからず、国民健康保険料と介護保険料の2つが引かれます。これら社会保険料は、その地域の財政状況や高齢化率などによって大きく異なってきます。住んでいる場所によって年金の手取り額がかなり変わってくるのです」今年4月に介護保険料の新しい基準額が発表。全国平均は月6,000円を初めて超え、過去最高額を更新した。基準額が9,800円と日本一高かったのは東京都青ヶ島村。年金260万円の夫婦の手取り額を試算すると232万1,780円となる。対して、基準額が3,300円と全国でもっとも安い北海道音威子府村は248万6,840円。なんと1年間で16万5,060円の差だ。北村さんはこう解説する。「ますます高齢化が進むことで、今後も社会保険料は上がっていきます。財政状況がよい自治体と悪い自治体の差も広がるでしょう。実際の手取りを知ることで、年金の仕組みもわかれば、老後資金を守る大きな一歩になるはずです」おおよその手取り額を知るためには、年金の“額面”に0.9をかけるといい。だが、正確に知りたい人は、複雑な計算が必要となるが、自分で計算することもできるのだ。北村さんが代表を務めるブレイン社会保険労務士法人の山岡正和さんは次のように語る。「国民健康保険料と介護保険料の計算式や額は、自治体ごとに異なりますが、各自治体がホームページなどで公表していますし、役所の担当部署に問い合わせれば教えてくれます」年金のみで生活している65歳以上夫婦の場合、東京23区や横浜市、大阪市などの大都市圏であれば、妻を扶養している夫の年金が211万円を超えない限り、住民税がかからない。これは、自治体の規模などによって違い、大都市圏以外の県庁所在地などなら201万9,000円、それ以外の市町村なら192万8,000円が境界線となる。やはり税率も自治体によって違うので、正確な税額を知るためには、自分で確認するか、問い合わせる必要がある。同じく、ブレイン社会保険労務士法人の伊藤紀代美さんはこう話す。「本当の手取り額を知らず、ねんきん定期便の見込み額だけで人生設計をしていると、将来的に想定外の事態になってしまうことも。手取り額を知ることで、資産運用を検討したり、退職金の受け取り方を考慮したりするきっかけにもなるのです」いざ年金を受け取ったときに戸惑わないためにも,実際に使えるお金を知っておこう!
2021年06月24日